個人事業主が車をお得に買うタイミングと減価償却の関係
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税金

個人事業主が車をお得に買うタイミングは、減価償却と月割り計算の仕組みを押さえると見えてきます。年の初めに近いほどその年に経費にできる金額が増えやすく、利益と資金繰りの状況を見て買うのが基本です。経費化の流れと、買う時期で何が変わるのかを整理します。
営業や配送、現場への移動などで車を使う個人事業主にとって、車は欠かせない仕事道具です。けれども、いざ買うとなると「決算前に買えば節税になる」「年末に買うと損」など、いろいろな情報が飛び交っていて、結局いつ買うのが正解なのか迷ってしまいますよね。その判断のカギを握るのが「減価償却」という会計のルールです。本記事では、車の購入費用が経費になる流れと、買う時期によって何が変わるのかを、専門用語を噛み砕きながら解説します。
☑ 仕事用の車を買いたいが、いつ買うのが税金的に有利か知りたい
☑ 「減価償却」という言葉がよく出てくるが、意味があいまいだ
☑ 車の購入費用を経費にできるのか、できるならどう計算するのか不安
車の購入費は一度に経費にならない
高額な資産は分割して経費にする
パソコンや文房具のような少額のものは、買った年にまとめて経費にできます。しかし車のように高額で、長く使う資産は、買った年に全額を経費にすることができません。何年かに分けて、少しずつ経費にしていきます。この「少しずつ経費にしていく」手続きが減価償却です。減価償却の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm)で確認できます。
なぜ分割するのか
車は買ってすぐ価値がゼロになるわけではなく、何年も使い続けられます。その使用できる期間に合わせて、費用も少しずつ計上していくほうが実態に合う、という考え方です。価値が年々目減りしていく分を、毎年の経費として反映していくイメージです。
少額のもの → 買った年に全額経費
車などの高額な資産 → 数年に分けて経費(減価償却)
分割する年数は資産の種類ごとに決まっている
減価償却の基本的な仕組み
耐用年数というものさし
減価償却では、資産ごとに「何年かけて経費にするか」という年数があらかじめ決められています。これを耐用年数といいます。新車の普通自動車であれば一般的に6年とされています。この年数に沿って、購入費用を割り振っていくわけです。
定額法と定率法
経費にしていく方法には、毎年同じ金額ずつ計上する「定額法」と、初めの年ほど多く計上する「定率法」があります。個人事業主は原則として定額法が使われますが、届け出によって定率法を選べる場合もあります。どちらを使うかで、毎年計上できる金額の出方が変わります。
定額法 … 毎年ほぼ同じ金額を経費にする
定率法 … 最初の年ほど多く経費にできる
個人事業主は原則として定額法
買うタイミングが税金に与える影響
月割り計算がポイント
減価償却は、購入して事業に使い始めた月から、その年の分を月割りで計算します。つまり、年の初めに買えばその年に多くの月数分を経費にでき、年末に買うと、その年に経費にできるのはわずか数か月分だけになります。「決算前に駆け込みで買えば大きく節税できる」とは限らないのは、この月割りの仕組みがあるためです。
その年の利益との兼ね合い
経費が増えれば課税対象の所得が減るので、利益が大きく出ている年に車を買うと、その年の税負担を抑える効果が期待できます。逆に利益が少ない年に大きな買い物をしても、節税のメリットは小さくなります。利益が出た年の備え方は赤字の年こそ使いたい節税の備えとあわせて考えると、年ごとの波に合わせた買い方が見えてきます。買うタイミングは、資金繰りと利益の状況を見ながら考えるのが現実的です。
節税より資金繰りを優先する場面も
注意したいのは、節税のために車を買うと、当然ながらその分の現金が出ていくということです。経費が増えて税金が軽くなったとしても、支払った金額がまるごと戻ってくるわけではありません。手元の資金に余裕がない時期に無理をして購入すると、かえって事業の資金繰りを圧迫してしまいます。本当に必要なタイミングで買うことが、結局は健全な経営につながります。設備投資では中小企業投資促進税制を個人事業主が使う方法のように、特別償却や税額控除で後押しされる制度もあるため、対象になる車両かどうかも含めて検討すると選択の幅が広がります。
事業とプライベートで兼用する場合
家事按分という考え方
1台の車を仕事にもプライベートにも使う個人事業主は多いものです。その場合、購入費用や維持費の全額を経費にできるわけではなく、仕事に使っている割合だけを経費にします。これを家事按分といいます。たとえば走行距離や使用日数などをもとに、合理的な割合を決めます。減価償却で計算した1年あたりの金額に、この仕事の割合をかけた分が、実際に経費にできる金額になります。
按分の根拠を残しておく
按分の割合は、後から説明を求められたときに根拠を示せるようにしておくことが大切です。使用状況の記録をつけておくと安心です。あいまいなまま高い割合で経費にすると、後で指摘を受ける可能性があります。
仕事に使った割合だけを経費にする
走行距離や使用日数を記録しておく
ガソリン代や車検費用も同じ割合で按分する
減価償却費や家事按分の計算は、慣れないと手が止まりやすい部分です。面倒な計算をまとめて預けたい場合は、面倒な減価償却の記帳をまるごと預ける方法もあります。本業に時間を使いながら、車まわりの経費処理だけを専門家に任せるという選び方です。
車にかかるその他の費用
維持費は経費にできる
車そのものの購入費用は減価償却で扱いますが、ガソリン代、駐車場代、車検費用、自動車保険料といった維持費は、その年の経費として計上できます。どこまでが必要経費になるかの考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm)が参考になります。これらも兼用車の場合は家事按分が必要です。日々の支払いをこまめに記録しておくと、申告時に慌てずに済みます。
ローンで買った場合の利息
ローンを組んで車を買った場合、車の本体価格は減価償却で扱い、ローンの利息部分は別途その年の経費にできる場合があります。事業の借入にかかる利息の考え方は事業性ローン・借入金利息を経費化して節税する考え方で整理しています。元本と利息で扱いが分かれる点を押さえておくと、記帳の際に迷いにくくなります。
売却したときの扱いも知っておく
車をいずれ手放すときには、売却した金額と、その時点で残っている帳簿上の価値との差をもとに、利益や損失を計算することになります。長く乗って減価償却が進んだ車を売ると、思わぬ扱いが生じることもあります。減価償却の特例をどう組み合わせるかは減価償却の特例を組み合わせて節税効果を最大化する方法も参考になります。買うときだけでなく、手放すときにも税の計算が関わると知っておくと、後で慌てずに済みます。
よくある質問
Q. 年末ぎりぎりに車を買えば節税になりますか?
減価償却は使い始めた月からの月割りで計算するため、年末に買うとその年に経費にできるのは数か月分だけです。「年末の駆け込み購入で大きく節税」とは限らないのが実際のところです。利益の出方や資金繰りも踏まえて、無理のないタイミングを選ぶのがおすすめです。
Q. 新車と中古車で減価償却の年数は変わりますか?
はい、変わります。中古車は新車より使える残り期間が短いとみなされるため、減価償却する年数が新車より短く設定されます。年数が短いと1年あたりに計上できる経費が大きくなる傾向があり、これが「中古車は節税になりやすい」と言われる理由の一つです。
Q. ローンで買った場合も減価償却できますか?
はい、できます。減価償却は車の取得価額をもとに計算するため、現金で買ってもローンで買っても、車の本体価格部分の扱いは基本的に同じです。なお、ローンの利息部分は別途その年の経費にできる場合があります。詳しい区分は専門家に確認すると安心です。
結論:仕組みを知って計画的に買う
車の購入費用は、買った年に一度に経費にするのではなく、減価償却によって数年に分けて経費にしていきます。さらに、使い始めた月からの月割りで計算されるため、買う時期によってその年に計上できる金額が変わります。「決算前なら必ず得」というわけではない点をおさえておきましょう。
利益が出ている年に計画的に購入する、兼用車は家事按分を忘れない、維持費もこまめに記録するなど、基本をおさえれば車の購入も落ち着いて判断できます。耐用年数や特例の条件は変わることもあるため、最新情報は国税庁の公式サイトでご確認ください。
減価償却や家事按分の計算に自信が持てないまま、確定申告の時期に慌ててしまう個人事業主は少なくありません。記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。車の経費処理を任せて本業に集中できるか相談する(無料)。
あわせて読みたい:個人事業主の車の経費完全ガイド|このテーマの全体像を1本にまとめて解説しています。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








