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個人事業主の社会保険完全ガイド|国保・年...

2026/8/5

個人事業主の社会保険完全ガイド|国保・年金から老後準備まで

  • 税金

個人事業主が入る社会保険は、国民健康保険・国民年金・介護保険(40歳以上)の3つが基本です。会社を辞めたら何にどう加入するのか、保険料は年間いくらになるのかと悩む個人事業主の方は少なくありません。加入手続きから年額の試算、扶養の落とし穴、老後の備えまで通しで整理しました。

社会保険は、会社員時代なら会社が保険料を半分負担し、手続きも給与天引きも任せきりにできた分野です。独立して初めて全体像と向き合う人がほとんどで、しかも国民健康保険料は所得税より高くなることも珍しくありません。仕組みを知っているかどうかで、手取りにも老後にも大きな差がつきます。

☑ 開業したら社会保険は何にどう入ればいいのか分からない

☑ 国民健康保険と国民年金で年間いくら払うのか目安を知りたい

☑ 会社員より保障が薄いと聞いて、病気や老後が不安

ひとつでも心当たりがあれば、必要な見出しから拾い読みしてください。細かい制度ごとの深掘りは、それぞれの解説記事へリンクでつないでいます。

個人事業主は社会保険で何に入る?会社員との違いを整理

個人事業主本人が加入するのは、市区町村の国民健康保険(または業種ごとの国保組合)と国民年金の2つです。40〜64歳の間はこれに介護保険料が上乗せされます。会社員が入っている厚生年金・労災保険・雇用保険は、原則として個人事業主本人は対象外です。

加入するのは「国保・国民年金・介護保険」の3つ

社会保険とは、病気・老齢・介護・失業・労働災害といった生活上のリスクに公的に備える保険制度の総称です。このうち個人事業主が自分で加入手続きをするのは、医療を支える国民健康保険と、老後を支える国民年金(第1号被保険者)の2つです。

介護保険は、40歳になると自動的に第2号被保険者となり、保険料が国民健康保険料に上乗せして徴収されます。65歳以降は第1号被保険者に切り替わり、原則として年金からの天引きに変わります。独立した手続きは不要ですが、40歳を境に保険料の総額が一段上がる点は資金計画に入れておきたいところです。

会社を退職して開業した場合は、退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村役場で国民健康保険と国民年金の切り替え手続きを行います。厚生年金から国民年金への種別変更の詳細な手続きや必要書類は、日本年金機構のサイト(日本年金機構)で確認できます。年金手帳や基礎年金番号通知書、退職日が分かる書類(離職票や健康保険資格喪失証明書)を持参するとスムーズです。

会社員と個人事業主で社会保険はどう違う?

最大の違いは「会社が半分払ってくれる仕組みがなくなること」と「もらえる給付が薄くなること」の2点です。両者の違いを制度ごとに並べると次のようになります。

項目

会社員

個人事業主

医療保険

健康保険(協会けんぽ・健保組合)

国民健康保険(または国保組合)

年金

国民年金+厚生年金の2階建て

国民年金のみ(1階部分だけ)

保険料の負担

会社と折半

全額自己負担

家族の扱い

被扶養者は保険料の追加負担なし

扶養の仕組みがなく人数分の保険料が発生

病気で長期間休んだとき

傷病手当金あり

原則なし

失業・廃業したとき

雇用保険の基本手当(失業手当)

対象外

仕事中のケガ

労災保険で補償

原則対象外(特別加入制度あり)

特に見落とされがちなのが年金の階数です。会社員は国民年金(基礎年金)の上に厚生年金が乗る2階建てですが、個人事業主は1階部分だけになります。老齢基礎年金は40年納めた満額でも月7万円ほどで、厚生年金がある会社員との受給額の差は現役期間が長いほど開きます。「保険料が安く見えて、実は将来の受取りも少ない」構造だと理解しておくことが、後述する上乗せ制度を考える出発点になります。

労災保険・雇用保険に入れないのは本当?

本当です。労災保険と雇用保険は「雇われて働く人」を守る制度のため、事業主本人は原則として加入できません。仕事中にケガをしても労災の補償はなく、廃業しても失業手当に相当する給付はありません。

ただし労災保険には例外として特別加入制度があり、建設業の一人親方などに加え、近年は対象が広がって、フリーランスとして業務委託を受けて働く人も一定の要件のもとで加入できるようになっています。現場仕事や配達など、ケガのリスクが高い業種の方は加入を検討する価値があります。

一方、雇用保険に代わるセーフティネットは公的には存在しません。廃業への備えは、小規模企業共済のような「自分で積み立てる退職金」で用意するのが現実的な選択肢になります。この点は後半の老後準備の章で具体的に取り上げます。

国民健康保険の仕組み|保険料はどう決まる?

国民健康保険料は「前年の所得に応じた所得割」と「加入者の人数に応じた均等割」の合計で決まります。内訳は医療分・後期高齢者支援金分の2つで、40〜64歳の加入者にはさらに介護分が加わります。料率と金額は市区町村ごとに異なり、同じ所得でも住む場所で年数万円の差が出ることがあります。

保険料は「前年の所得」で決まる——開業直後に注意

国民健康保険料の計算基礎は、前年1月〜12月の所得です。確定申告の内容が市区町村に共有され、それをもとに毎年6月ごろに保険料が決定・通知されます。つまり開業1年目は「会社員時代の給与所得」を基準に保険料が計算されるため、独立直後で収入が不安定な時期に高い保険料の納付書が届く、という時間差が起こりがちです。

もうひとつ知っておきたいのは、算定に使う所得は青色申告特別控除を差し引いた後の金額だという点です。最大65万円の控除を受ければ、所得税・住民税だけでなく国民健康保険料まで下がります。確定申告の数字がどのように保険料へ反映されるのかは、確定申告と国民健康保険料の関係で仕組みから整理しています。

記帳代行の現場でも、6月に届いた納付書を見て「所得税より国保のほうが高いのはなぜか」というご相談が毎年寄せられます。所得税には累進税率と各種控除がある一方、国民健康保険料は所得割が一律にかかるうえ人数分の均等割も加わるため、中所得帯では逆転が普通に起こります。驚かないためには、後述の試算のように「所得の1〜2割弱が国保」と先に見積もっておくことが有効です。

保険料を抑える方法はある?国保組合と軽減制度

合法的に国民健康保険料を抑える道は主に2つあります。1つ目は法定軽減で、世帯の所得が一定基準を下回ると均等割が7割・5割・2割軽減されます。申請ではなく申告に基づいて自動適用されるため、所得が少ない年ほど「確定申告(または住民税の申告)をきちんと出すこと」自体が保険料対策になります。

2つ目は国民健康保険組合(国保組合)への加入です。建設業・美容業・文筆業・デザイン業など業種ごとの組合があり、保険料が所得にかかわらず定額のところも多いため、所得が一定水準を超えると市区町村の国保より安くなるケースがあります。加入には業種要件や地域要件、組合ごとの審査があります。軽減の所得基準や国保組合の選び方など具体策は、国民健康保険料を抑える方法にまとめました。

退職直後は任意継続と国保のどちらが安い?

会社を辞めた直後に限っては、会社の健康保険に最長2年間そのまま入り続ける「任意継続」という第3の選択肢があります。退職日の翌日から20日以内の申請が必要で、保険料は会社負担分がなくなり全額自己負担になりますが、保険料には上限が設けられています。協会けんぽの場合の手続きや保険料水準は、全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内で確認できます。

どちらが安いかは人によって逆転します。目安として、退職前の給与が高かった人は国保の所得割が重くなるため任意継続が有利になりやすく、扶養家族が多い人も「被扶養者の保険料がかからない」任意継続に軍配が上がりがちです。逆に退職前の給与が低め・単身なら国保のほうが安いことも多く、判断には両方の見積もりを取るのが確実です。市区町村の国保窓口と健康保険の保険者に電話すれば、それぞれ概算を教えてもらえます。

国民年金の基本|保険料・付加年金・払えないときの免除

国民年金の保険料は定額で、令和8年度(2026年度)は月額17,920円、年額にして約21万5,000円です。所得に関係なく一律にかかる代わりに、月400円で将来の受取りを増やせる付加年金や、納付が難しいときの免除・納付猶予制度が用意されています。

令和8年度の国民年金保険料はいくら?

令和8年度(2026年度)の保険料は月額17,920円です。保険料は毎年度改定されるため、最新額は日本年金機構の公表で確認してください。納付方法は納付書・口座振替・クレジットカード・スマホ決済から選べ、口座振替の早割やまとめて前払いする前納には割引もあります。

納め方で意外と差がつくのが納付期限の管理です。国民年金保険料の納付期限は翌月末で、未納のまま2年の時効を過ぎると後から納められなくなります。会社員時代は天引きだったため、独立1年目に納付書を放置してしまう例が目立ちます。口座振替にしておけば、払い忘れの防止と割引の両方が手に入ります。

月400円の付加年金は入るべき?

掛けられるなら入る価値が高い制度です。付加年金は国民年金保険料に月400円を上乗せして納めると、老齢基礎年金に「200円×納付月数」の年金額が毎年加算される仕組みです。例えば10年(120か月)納めると掛金総額は48,000円、加算される年金は年24,000円なので、受給開始から2年で元が取れ、以後は長生きするほど得になります。

注意点は、後述する国民年金基金と同時には使えないことです。国民年金基金は付加年金を含んだ設計になっているため、どちらか一方を選ぶことになります。掛金を大きく積んで所得控除も狙うなら基金、まず小さく始めるなら付加年金、という整理が実務的です。基金の給付タイプや掛金の仕組みは国民年金基金の仕組みと節税効果で詳しく解説しています。

保険料が払えないときは免除・納付猶予を申請する

収入が落ちて納付が難しいときは、未納のまま放置せず免除申請をしてください。所得に応じて全額・4分の3・半額・4分の1の免除、50歳未満なら納付猶予が受けられます。免除が承認された期間は受給資格期間に算入され、全額免除でも将来の基礎年金に2分の1(国庫負担分)が反映されます。

未納と免除は天と地ほど違います。未納期間は受給資格期間に入らず、万一の障害年金・遺族年金の受給要件でも不利に働きます。免除を受けた分は10年以内なら追納して満額に近づけることも可能です。開業初期で所得が少ない年は、審査も前年所得ベースなので通りやすく、「申請して免除、余裕ができたら追納」が定石になります。

個人事業主の社会保険料は年間いくら?モデルケースで試算

所得400万円・40歳未満・単身のモデルケースでは、国民健康保険と国民年金を合わせて年間およそ64万円、所得の約16%が目安になります。会社員の感覚より重く感じる金額ですが、支払った保険料は全額が所得控除になるため、実質負担はここから2割前後軽くなります。

モデルケース:所得400万円と600万円で計算してみる

国民健康保険料の料率は自治体ごとに違うため、ここでは「所得割10%・均等割年7万円(医療分+支援金分の合計、40歳未満)」という大都市圏で標準的な水準を仮定して計算します。国保の所得割は、前年所得から基礎控除43万円を引いた金額に料率を掛けて求めます。

所得400万円(青色申告特別控除後)・40歳未満・単身の場合の計算過程は次のとおりです。

  • 国民健康保険料:(400万円−43万円)×10%=35万7,000円 + 均等割7万円 = 約42万7,000円

  • 国民年金保険料:月17,920円×12か月=約21万5,000円

  • 合計:年間約64万2,000円(所得の約16%)

所得600万円なら、国保は(600万円−43万円)×10%+7万円=約62万7,000円、国民年金と合わせて年間約84万2,000円(所得の約14%)です。なお国民健康保険料には年間の上限(賦課限度額)があるため、所得が増え続けても保険料は無限には増えません。また40〜64歳の方は、これらに介護分としておおむね数万円〜十数万円が上乗せされます。自分の自治体の料率に置き換えても、「所得の15%前後を国保と年金に取り分けておく」という資金繰りの目安はそのまま使えます。

支払った保険料は全額が所得控除になる

国民健康保険料・国民年金保険料・介護保険料は、支払った全額を所得から差し引けます。根拠は国税庁タックスアンサーNo.1130「社会保険料控除」で、自分の分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の分を支払った場合も、支払った本人の控除にできます。

先ほどのモデルケース(年64万円)で所得税率10%・住民税率10%とすると、控除による税負担の減少は約12万8,000円。実質的な保険料負担は51万円台まで下がる計算です。国民年金保険料は控除証明書が秋ごろに郵送され、国民健康保険料は証明書が送られない自治体も多いため納付額を自分で集計して申告します。対象になる保険料の範囲や書き方の詳細は個人事業主の社会保険料控除で確認できます。

この控除を漏れなく受ける前提になるのが、日々の帳簿と納付記録の整理です。売上と経費の記帳から手放して、控除の集計や確定申告に備えたい場合は記帳代行というやり方を検討する余地があります。保険料の通知も控除証明も、結局は「正しい所得の申告」から始まるからです。

「扶養」の落とし穴|社会保険で個人事業主が誤解しやすい3つの盲点

社会保険の扶養は、税金の扶養(配偶者控除・扶養控除)とは別の制度です。そして国民健康保険には、そもそも扶養という仕組みがありません。この2点を混同すると、「扶養の範囲で働いているつもりが保険料の請求が来た」という行き違いが起こります。

個人事業主でも配偶者の扶養に入れる?

入れる可能性はあります。配偶者が会社員で健康保険に加入していれば、個人事業主であっても年間収入の見込みが130万円未満(60歳以上などは180万円未満)で、配偶者の収入の2分の1未満といった基準を満たせば、被扶養者に認定され得ます。認定されれば自分の健康保険料はかからず、国民年金も第3号被保険者として保険料負担がなくなります。

ここに大きな落とし穴があります。判定に使う「収入」の計算方法が健康保険の保険者ごとに違うのです。多くの場合、売上から引けるのは仕入や材料費などの直接的必要経費に限られ、青色申告特別控除や減価償却費、家事按分した家賃などは引けない扱いが一般的です。税金の計算では所得100万円でも、扶養判定では収入200万円と見なされて認定を外れる、ということが実際に起こります。保険者によっては「個人事業主は原則不可」の運用もあるため、必ず配偶者の勤務先経由で基準を確認してください。

もうひとつ、あえて逆の視点も添えます。扶養の範囲に収まるよう売上をセーブし続けると、保険料は浮いても、事業の成長と厚みのある所得控除(小規模企業共済等)の活用機会を手放すことになります。130万円の壁は「守るもの」ではなく「超えるタイミングを設計するもの」と捉え、超える年は保険料込みの手取りで損益分岐を試算するのが健全です。

国民健康保険に「扶養」はない——家族の人数分かかる

会社員の健康保険では、被扶養者が何人いても保険料は変わりません。一方、国民健康保険は世帯の加入者1人ひとりに均等割がかかります。配偶者と子ども2人を自分の国保に入れれば、所得がゼロの家族の分も含めて4人分の均等割を負担する構造です。

このため家族構成によっては、「配偶者はパート先の社会保険に加入する」「子どもを含めた保険料まで見込んで料金設定・売上目標を立てる」といった設計が必要になります。なお未就学児の均等割には全国一律の軽減措置があり、産前産後期間の国民健康保険料・国民年金保険料の免除や減額の制度も整ってきています(2026年8月時点)。家族が増えるタイミングは、市区町村の窓口で使える軽減をまとめて確認する好機です。

従業員を雇ったら社会保険はどうなる?

従業員を1人でも雇えば労災保険への加入は必須で、週20時間以上働く人を雇えば雇用保険の手続きも必要になります。さらに、飲食業などを除く多くの業種(適用業種)で常時5人以上を雇うと、健康保険・厚生年金の適用事業所となり、従業員を社会保険に加入させる義務が生じます。保険料は従業員と事業主の折半負担です。

紛らわしいのは、適用事業所になっても事業主本人は健康保険・厚生年金に入れないことです。従業員は協会けんぽ+厚生年金、自分だけ国保+国民年金という組み合わせになります。人を雇う計画があるなら、社会保険料の事業主負担(給与の15%前後が目安)を人件費に織り込んで採用計画を立てることが欠かせません。

会社員より薄い保障をどう補う?老後資金と上乗せ制度

個人事業主の保障不足は、「掛金が全額所得控除になる公的・準公的制度」で補うのが定石です。厚生年金がない分を国民年金基金やiDeCoで、退職金と失業手当がない分を小規模企業共済で積み立てれば、保障を厚くしながら毎年の税金も減らせます。

老後の上乗せは「所得控除つき」の制度から選ぶ

個人事業主が使える上乗せ制度の代表は、国民年金基金・iDeCo(個人型確定拠出年金)・小規模企業共済の3つです。いずれも掛金が全額所得控除(社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除)になるため、同じ積立でも銀行預金や一般の民間保険より税負担の面で有利です。iDeCoと国民年金基金は合算で月68,000円まで(2026年8月時点)、小規模企業共済は別枠で月70,000円まで掛けられます。

3つは性格が異なります。国民年金基金は終身年金で「長生きリスク」に強く、iDeCoは運用次第で増やせる一方60歳まで引き出せず、小規模企業共済は廃業時にまとまった共済金を受け取れる「退職金型」です。どれをどの順番で使うかは所得水準と資金の固定化への耐性で変わるため、掛金・受取り方・中途解約の条件を並べた個人事業主の老後資金の選び方(3制度比較)を判断材料にしてください。

iDeCoと小規模企業共済はどちらを先に始める?

迷ったら小規模企業共済を先に、という考え方が実務では多数派です。理由は資金の柔軟性で、小規模企業共済には掛金の範囲内で低利の貸付制度があり、経営が苦しい時期に積立を担保に資金を借りられます。iDeCoは原則60歳まで引き出しも借入れもできないため、事業資金が細い時期に無理に満額を掛けると資金繰りを圧迫しかねません。

一方、運用益非課税で長期の複利を狙えるのはiDeCoの強みです。「共済で守りを固めてからiDeCoで増やす」「少額ずつ並行する」など、優先順位の付け方と併用パターンはiDeCoと小規模企業共済の優先順位で具体的に比較しています。

病気・取引先の倒産——「働けないリスク」への備え

傷病手当金がない個人事業主にとって、長期の病気やケガは収入の即時停止を意味します。医療費そのものは高額療養費制度で上限が抑えられるため、本当に備えるべきは「治療費」より「休んでいる間の生活費」です。民間の就業不能保険や所得補償保険を、月々の固定費と相談しながら最低限の金額で検討するのが現実的です。

事業上のリスクには経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)という選択肢もあります。取引先の倒産時に掛金の10倍まで無利子で借りられる制度で、掛金は全額を必要経費にできます。ただし解約のタイミングを誤ると税負担が跳ね返る制度でもあるため、経営セーフティ共済の節税効果と注意点で入口と出口をセットで確認してから使うことをおすすめします。

よくある質問

Q. 国民年金保険料は前納すると安くなりますか?

安くなります。6か月・1年・2年分をまとめて前払いする前納制度があり、期間が長いほど割引率が上がります。2年前納なら割引額は1万円を超え、口座振替を選ぶと割引はさらに大きくなります。割引額は年度ごとに変わるため、最新の金額は日本年金機構の案内で確認してください。

Q. 国民健康保険料を滞納するとどうなりますか?

督促状が届き、放置すると延滞金が加算されます。滞納が続くと有効期間の短い保険証への切り替えや給付の一時差し止め、最終的には預金や売掛金の差押えに進むこともあります。一括で払えないときは、早めに市区町村の窓口で分割納付を相談すれば柔軟に対応してもらえるのが通常です。

Q. 開業した年の切り替え手続きはいつまでですか?

退職日の翌日から14日以内に、市区町村役場で国民健康保険と国民年金の手続きを行うのが原則です。会社の健康保険を任意継続する場合は、退職日の翌日から20日以内に保険者へ申請します。14日を過ぎても加入自体はできますが、保険料は資格発生日までさかのぼって発生します。

Q. 大学生の子どもの国民年金保険料を親が払ったら控除できますか?

できます。生計を一にする配偶者や親族の社会保険料を支払った場合、支払った本人の社会保険料控除の対象になります。20歳以上の学生の子の保険料を親が負担するケースは典型例で、親の所得のほうが高ければ節税効果も大きくなります。学生本人には在学中の納付を猶予する学生納付特例もあります。

Q. 出産のとき、個人事業主がもらえるお金はありますか?

出産育児一時金(原則50万円)は国民健康保険からも支給されます。一方、会社員の出産手当金にあたる休業中の所得補償はありません。保険料の面では、国民年金に産前産後期間の免除制度があり、国民健康保険にも産前産後期間の保険料を減額する仕組みが導入されています。出産予定が分かったら市区町村へ早めに相談してください。

社会保険で損しないための要点整理

個人事業主の社会保険は、「国保・国民年金・介護保険に入る」「保険料は所得の15%前後を先取りで見積もる」「支払った全額を社会保険料控除で取り返す」「厚生年金・退職金・傷病手当金がない分は、所得控除つきの上乗せ制度で自衛する」の4点に集約されます。制度は毎年少しずつ変わりますが、この骨格を押さえておけば、通知が届くたびに慌てることはなくなります。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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