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建設業・一人親方の確定申告完全ガイド|経...

2026/8/5

建設業・一人親方の確定申告完全ガイド|経費と外注の実務対応

  • 確定申告

一人親方の確定申告は、どこまで経費にできるのか、外注費の処理はこれで合っているのかと悩む個人事業主の方は少なくありません。材料費・車両費・道具代の経費判断から外注と給与の区別、インボイス対応、青色申告の節税額まで、建設業の申告実務をひとつずつ順に確認していきます。

建設業の確定申告には、材料の棚卸、応援職人への手間請け、元請からの支給材、現金でやり取りされる代金など、ほかの業種にはあまり登場しない論点が集中しています。一般向けの解説を読んでも「自分の現場のあの支払いはどう処理するのか」までは分からず、手が止まりがちです。

実際、記帳を後回しにした結果、申告期の直前に段ボール一箱分の領収書と向き合うことになった、外注費の処理を税務調査で指摘されて追徴を受けた、という話は建設業では珍しくありません。そこで、一人親方が1年の商売を数字にまとめて申告を終えるまでに必要な知識を、迷いやすい順に並べました。詳しい手順が必要な論点は、個別の解説記事へのリンクでたどれる構成にしています。

一人親方の確定申告はなぜ必要?申告の流れと青色・白色の選び方

一人親方は取引先から源泉徴収されないのが原則のため、1年分の売上と経費を自分で集計し、所得税を計算して申告・納税する必要があります。申告のやり方は青色申告と白色申告の2種類で、帳簿の手間を受け入れられるなら控除の大きい青色申告が有利です。

会社員と何が違う?源泉徴収されない働き方の意味

会社員の給料は毎月の源泉徴収と年末調整で税金の精算が完結しますが、一人親方が受け取る手間請けの代金は、原則として税金が引かれないまま振り込まれます。つまり口座に入った金額の中に、翌年に納める所得税・住民税・国民健康保険料の原資が含まれている状態です。売上をそのまま生活費に回してしまうと、納付の時期に資金が足りなくなります。

申告が必要なのに放置すると、無申告加算税や延滞税が上乗せされるだけでは済みません。所得の証明が出せないため、車や住宅のローン審査、建設業許可の申請、現場入場に関わる書類手続きなど、仕事と生活の両面で支障が出ます。確定申告書の控えは、一人親方にとって「商売の成績証明書」の役割を持つ書類です。

確定申告までの1年間のスケジュール

所得税の確定申告期間は、原則として毎年2月16日から3月15日です。ただし作業の実態は「1年分の記帳をいつ進めるか」で決まります。月末ごとに請求書・領収書を整理して帳簿づけまで済ませておけば、申告期にやることは年間集計の確認と申告書の作成だけになります。

建設業で忘れやすいのが年末の棚卸です。12月31日時点で使い残している塗料・木材・電線・砂利などの材料は、その年の経費から除外し、在庫(棚卸資産)として翌年に繰り越します。「買った年に全額経費」にできるわけではない点が、建設業の記帳で最初につまずくポイントです。

青色申告と白色申告はどちらが得?

節税で選ぶなら青色申告です。複式簿記で記帳して貸借対照表を添付し、期限内に申告したうえでe-Taxによる申告(または優良な電子帳簿保存)を行うと、国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」のとおり最大65万円の控除が受けられます。e-Taxを使わない場合は55万円、簡易な記帳にとどまる場合は10万円と、要件に応じて控除額が変わります。

青色申告には、赤字を翌年以降3年間繰り越せる制度、30万円未満の工具・備品をその年の経費にできる少額減価償却資産の特例、家族へ払う給与を経費にできる専従者給与など、建設業と相性のよい特典がそろっています。事前に開業届と青色申告承認申請書の提出が必要なので、まだの場合は先に手続きを済ませておきましょう。申告手順の全体像と必要書類は一人親方・建設業の確定申告の基本ポイントで先につかんでおくと、この後の各論が読みやすくなります。

一人親方の経費はどこまで認められる?現場仕事ならではの判断基準

経費にできるかどうかは「その支出が売上を得るために直接必要か」で判断します。材料費・外注工賃・車両関係費・道具代・資材置き場の賃料などが建設業の代表的な経費で、仕事と私生活の両方に関わる支出は、使用割合に応じて按分した金額だけを計上します。

建設業でよく出る経費と勘定科目の一覧

まず、建設業の一人親方の帳簿によく登場する経費を、勘定科目・具体例・注意点の3つの視点で一覧にまとめました。

勘定科目

建設業での具体例

注意点

材料費(仕入)

木材・塗料・電線・砂利・セメントなどの材料代

年末に使い残した分は棚卸で在庫に計上する

外注工賃

応援職人・手間請けへの支払い

給与との区別が最重要。請求書を必ず受け取る

車両費・旅費交通費

ガソリン代・高速代・駐車場代・車検費用

私生活と兼用の車は走行実態で按分する

消耗品費

電動工具・作業着・ヘルメット・安全帯・軍手

1点10万円以上の工具は減価償却を検討する

地代家賃

資材置き場・駐車場・倉庫の賃料

自宅の一部を事務所にする場合は面積などで按分

接待交際費

元請や職人仲間との飲食代・祝儀・中元歳暮

相手と目的をレシートにメモして事業関連性を残す

損害保険料

工事保険・賠償責任保険・車両保険

一人親方労災の保険料は経費でなく社会保険料控除

諸会費

労災加入団体の組合費・建設業団体の会費

保険料部分と組合費部分を領収書で区分する

勘定科目の選び方に唯一の正解があるわけではなく、同じ性質の支出を毎年同じ科目で処理し続ける「継続性」のほうが大切です。科目に迷って記帳の手が止まるくらいなら、消耗品費など無難な科目で計上し、翌年も同じルールを守るほうが実務的といえます。

一人親方労災の保険料は経費にできる?

特別加入している一人親方労災の保険料は、経費ではなく社会保険料控除として確定申告書の所得控除欄に記入します。国民健康保険(建設国保を含む)や国民年金の保険料も同じ扱いです。一方、労災の加入窓口となる団体へ支払う組合費や入会金の部分は事業の経費にできるため、団体からの領収書や案内で保険料と組合費の内訳を分けて確認しておきましょう。

誤って保険料を経費に入れると事業所得の金額がゆがみ、国民健康保険料の算定や融資審査で使う数字にも影響します。所得控除でも税金の軽減効果はきちんと得られるので、区分どおりに処理することが結局いちばん得です。

経費になるか迷ったときの判断フロー

個別の支出で迷ったときは、次の順番で考えると判断が安定します。

  • ① その支出は現場・受注・事業運営に直接つながっているか → つながりを説明できないなら経費にしない

  • ② 事業と私生活の両方で使うものか → 兼用なら走行距離や使用日数などの根拠で按分する

  • ③ 工具・機械などで1点10万円以上か → 原則は減価償却。青色申告なら30万円未満を一括経費にできる特例を検討する

  • ④ 領収書・レシートは残っているか → 無い場合は出金伝票に日付・相手先・金額・内容を記録し、振込記録などで補強する

記帳代行の現場で建設業の方からお預かりする領収書は、ホームセンター・金物店・ガソリンスタンドのレシートが目立ちます。経験上、処理に時間がかかるのは金額の大きい領収書ではなく、現場用と自宅用の買い物が1枚に混ざったレシートです。レジを離れる前に余白へ「◯◯現場用」と書き添えるひと手間だけで、経費の説明力は大きく変わります。

日中は現場、夜は見積書づくりで、レシートの整理まで手が回らない場合は、建設業に特化した記帳代行の内容を一度見てみると、自分で抱える作業と任せられる作業の切り分けがイメージしやすくなります。

外注費と給与の違いはどう判断される?税務調査で最も狙われる論点

応援職人への支払いが外注費と認められるかどうかは、契約書の呼び名ではなく働き方の実態で判断されます。指揮命令の有無、代わりの人が作業できるか、道具や材料をどちらが負担しているかなどが判断材料になり、給与と認定されると源泉所得税と消費税の両面で追徴が発生します。

外注費が「給与」と認定されると何が起こる?

給与と認定されると、まず支払時に源泉徴収をしていなかった所得税の納付を求められ、不納付加算税や延滞税が上乗せされます。さらに消費税では、給与は仕入税額控除の対象外のため、外注費として控除していた消費税がさかのぼって否認されます。数年分まとめて指摘されると追徴額が数十万円から数百万円規模に膨らむこともあり、建設業の税務調査では定番の論点です。

認定後に外注先の職人から源泉所得税分を回収するのは現実には難しく、支払った側がそのまま負担するケースが少なくありません。指摘を受けてから取れる対抗策は限られるため、日頃の契約と書類の整え方が唯一の防御策になります。

実態で見られる4つのチェックポイント

外注費か給与かは、おおむね次の4点の実態で総合判断されます。

  • 代替性:本人が行けないとき、別の職人を代わりに向かわせることが認められているか

  • 指揮監督:作業の進め方や段取りを本人の裁量で決めているか、発注側の指示に従って動いているか

  • 報酬の決まり方:工事の完成・出来高に対して支払われるか、時間単位や日給月給で計算されるか

  • 材料・道具の負担:主要な道具や材料を本人が用意しているか、発注側が支給しているか

時間給で報酬を払い、道具も材料も親方側で用意し、毎日の作業指示にも従ってもらう形は、名目が請負でも給与に近づきます。外注として扱うなら、注文書や請求書を毎回やり取りする、報酬は工事単位の出来高で決める、道具は本人持ちを原則にする、といった形を整えておくことが大切です。判定基準の詳細と調査で否認されないための備えは外注費と給与の違いの判定ポイントにまとめています。

手間請け代金に源泉徴収は必要?支払調書はどうする?

個人に支払う報酬のうち源泉徴収が必要なものは、国税庁タックスアンサーNo.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等」に限定列挙されており、大工・左官・とび職などへの手間請け代金は、原則としてこの対象に含まれません。したがって実態が外注費である限り、支払時に所得税を差し引く必要はありません。設計料など列挙された報酬に当たる支払いが混ざるときだけ、個別の確認が必要です。

支払調書も、提出義務の中心は源泉徴収の対象となる報酬・料金のため、手間請けの外注費だけなら提出不要となるケースが大半です。提出が必要になる場面と様式の書き方は外注先への支払調書の要否と作り方で確認できます。

数値例で確認:売上700万円の一人親方は青色申告でいくら変わる?

売上700万円・経費250万円の一人親方なら、事業所得は450万円です。青色申告特別控除65万円を使うと課税の対象が385万円まで圧縮され、所得税と住民税を合わせて年およそ13万〜20万円の節税につながります。計算の流れを3つのステップで追ってみましょう。

ステップ1:売上から経費を引いて事業所得を出す

経費の内訳例はこうです。材料費120万円、応援職人への外注工賃60万円、ガソリン代・高速代などの車両関係費30万円、工具・作業着などの消耗品費20万円、組合費・工事保険料・通信費ほか20万円で、合計250万円。売上700万円から差し引いた450万円が事業所得になります。

ここで効いてくるのが前述の棚卸です。仮に塗料や材木が12月末に30万円分残っていれば、その分は当年の経費から除かれ、事業所得は480万円に増えます。棚卸を落とすと経費の過大計上となり、税務調査でも真っ先に確認される項目です。正しく在庫を数えることが、この試算全体の土台になります。

ステップ2:青色申告特別控除65万円で所得を圧縮する

要件を満たした青色申告なら、事業所得450万円から65万円を差し引いた385万円が、次の計算に進む所得金額になります。ここからさらに、基礎控除、国民年金・国保・一人親方労災の保険料による社会保険料控除、小規模企業共済の掛金による控除などの所得控除を引いた残りが、税率を掛ける課税所得です。控除を積み上げるほど課税所得は下がるため、青色申告特別控除は節税の起点といえます。

ステップ3:節税額はいくら?税率別の目安

所得税の税率は課税所得に応じて5〜45%の累進構造で(一覧は国税庁タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」で確認できます)、住民税はおおむね10%です。所得税と住民税を合わせた適用税率が20%の水準なら、65万円の控除で約13万円、30%の水準なら約19.5万円、税金が軽くなる計算になります。

さらに国民健康保険料の算定でも青色申告特別控除を差し引いた後の所得が使われるため、実際の手残りの差はこの試算より広がるのが通常です。材料仕入や外注のある建設業は取引の種類が多く、複式簿記の記帳は決して簡単ではありませんが、この控除を毎年受け続けられると考えれば挑戦する価値は十分にあります。

インボイスと消費税はどう対応する?免税と課税の分かれ道

2年前の課税売上高が1,000万円以下なら消費税は原則免税ですが、建設業では元請からインボイス(適格請求書)の登録を求められる場面が多く、登録すると売上の規模に関係なく消費税の申告が必要になります。登録の判断は、取引先との関係と手取りへの影響を並べて考えるのが現実的です。

登録するかどうかは何で決める?

判断の軸は、主な取引先が事業者か一般消費者かです。元請や工務店から仕事を受けるBtoB中心の一人親方は、取引先が仕入税額控除のためにインボイスを必要とするので、登録を求められやすい立場にあります。未登録のままだと取引先側の税負担が増える分、単価の交渉や発注の優先順位に影響が出ることがあります。

一方、個人宅のリフォームや修繕を施主から直接請ける仕事が中心なら、相手はインボイスを必要としないため、急いで登録する理由は乏しくなります。取引先ごとの売上構成を書き出し、登録した場合の納税額と、登録しない場合の取引への影響を見比べてから決めましょう。

登録した場合の納税額を軽くする2つの制度

免税事業者からインボイス登録して課税事業者になった場合、納める消費税を「売上で預かった消費税の2割」にできる2割特例があります。事前の届出は不要で、申告のときに有利なら選べばよい仕組みです。個人事業者がこの特例を使えるのは令和8年分(2026年分)の申告までとされています(2026年8月時点)。

もう一つが、業種ごとのみなし仕入率で納税額を計算する簡易課税制度です。建設業は原則第三種事業(みなし仕入率70%)ですが、元請から材料の支給を受けて手間賃だけを請求する仕事は第四種事業(同60%)に区分されます。材料を自分で仕入れるかどうかで納税額の計算が変わる、建設業ならではの注意点です。制度の詳細や届出の様式は、国税庁のインボイス制度特設サイトで確認できます。

2割特例が終わったあとはどう備える?

2割特例の対象期間が終わった後は、簡易課税か原則的な計算(本則課税)かを選ぶことになります。簡易課税は、適用を受けたい年が始まる前までの届出が原則必要で、期限を過ぎてから気づいても間に合いません。経費のうち消費税がかかる支出の割合が小さい手間請け中心の働き方なら簡易課税が有利になりやすいなど、仕事の形からおおよその見当をつけて早めに準備しておきましょう。

また、個人事業主の消費税の申告期限は所得税と違い、原則として翌年3月31日です。所得税の申告を終えた後にもう一つ締切が来る形になるうえ、納税は数十万円単位になることもあります。売上の入金があるたびに消費税分を別口座へよけておくなど、納税資金の積み立てを仕組みにしておくと慌てずに済みます。

塗装・造園・電気工事…職種別で変わる経費と記帳の注意点

同じ建設業でも、職種によって経費の中身と帳簿のつまずきどころは大きく違います。材料をどこまで自分で仕入れるか、処分費がかかるか、在庫部品を持つかで記帳の型が変わるため、自分の仕事に近い職種の実務を知っておくと迷いが減ります。

塗装・防水工事:材料費・足場代・外注費が三本柱

塗料・シーリング材などの材料費、足場の設置費用、応援職人への外注費が経費の中心です。足場は専門業者へ頼めば外注費、機材を借りて自分で組めば賃借料と、同じ「足場代」でも中身によって科目が分かれます。使い残した塗料の棚卸も忘れやすいポイントです。職種特有の処理の詳細は塗装・防水工事業の材料費・足場代・外注費の経費処理で解説しています。

造園・植木職人:処分費と現金収入の管理がカギ

剪定枝・伐採木の処分費用、軽トラックの車両費、チェーンソーなどの道具代が特徴的な経費です。個人宅の施主から現金で代金を受け取る機会が多く、現金売上の記録漏れを防ぐ仕組みが欠かせません。作業日報や請求書の控えと入金メモをセットで残す習慣が申告の正確さに直結します。実務の詳細は造園業・植木職人の確定申告と経費の付け方が参考になります。

電気工事・修理業:在庫部品と小口経費の積み重ね

電線・ブレーカー・スイッチ類など細かい部品を常に抱える職種で、年末の在庫計上が帳簿の精度を左右します。出張修理の駐車場代や高速代のような小口の支出も、1年分を集めると無視できない金額になります。部品在庫と出張経費の整理の仕方は電気工事・家電修理業の経費と在庫部品の扱いで詳しく取り上げています。

畳・左官など伝統職人:材料持ちか手間請けかで変わる処理

畳表や砂・セメントといった材料を自分で仕入れるのか、施主や元請の支給材で手間賃だけを請求するのかで、帳簿の形も、前の章で触れた簡易課税の事業区分(第三種・第四種)も変わります。自分の請け方がどちらの型に当たるかを最初に整理しておくと、記帳と消費税の両方で迷いません。仕入と手間賃の区分の実務は畳・左官など伝統職人の材料仕入と手間賃の処理にまとめました。

よくある質問

Q. 現金で受け取った手間賃も申告しないとダメ?

必要です。銀行口座を通らない現金収入も、すべて売上に含めて申告する義務があります。支払った側の帳簿や資料から入金の事実が把握されることは珍しくなく、申告漏れが見つかると本来の税金に加算税が上乗せされます。作業日と金額のメモ、請求書や領収書の控えを残し、受け取ったその週のうちに帳簿へ記録する習慣にしましょう。

Q. 元請から材料を無償支給された場合はどう処理する?

無償支給された材料は、自分の売上にも仕入にも計上しません。請求するのは手間賃部分だけなので、帳簿には手間賃の売上だけが載る形になります。注意したいのは有償支給のケースで、支給材の代金が請求額から相殺されているときは、相殺前の請求金額と材料代の両方を帳簿に載せる必要があります。支払明細書で相殺の内訳を必ず確認してください。

Q. ユニック車や高額な機械を買ったら、その年に全額経費にできる?

原則できません。取得価額10万円以上の車両や機械は、減価償却として耐用年数に応じ分割して経費化します。青色申告者なら30万円未満のものを一括経費にできる特例(年間合計300万円まで)がありますが、車両や大型機械はこの枠を超えることがほとんどです。中古で取得すると耐用年数が短くなり、早く経費化できる点は覚えておく価値があります。

Q. 妻に請求書づくりや電話番を頼んでいる場合、給料を経費にできる?

生計を同じくする家族への給与は原則経費になりませんが、青色申告なら事前の届出を条件に、仕事の内容に見合う金額を青色事業専従者給与として経費にできます。白色申告の場合は経費ではなく、事業専従者控除(配偶者86万円・その他の親族50万円が上限)という控除の形になります。もっぱら事業に従事していることが条件のため、パート勤めとの掛け持ちには注意が必要です。

Q. 引退に備えたい。一人親方の退職金代わりになる制度はある?

代表的なのは小規模企業共済です。毎月の掛金(1,000円〜70,000円)が全額所得控除になり、廃業時には共済金を退職金のような形で受け取れます。掛金は途中で増減できるため、仕事量の波に合わせた調整も可能です。節税しながら将来の資金を積み立てられる個人事業主向けの制度なので、所得が安定してきた段階で検討する価値があります。

一人親方の確定申告は「経費の線引き」と「外注の整理」で決まる

一人親方の確定申告は、支出と事業のつながりを説明できる形で経費を集計すること、応援職人への支払いを実態と書類の両面で外注費として整えること、青色申告特別控除65万円で所得を圧縮すること、インボイスは取引先の構成で判断すること、の4点を押さえれば大きくは崩れません。年末の棚卸と納税資金の確保まで毎月の習慣に落とし込めば、申告期に現場を止めて書類と格闘する必要はなくなります。

とはいえ、日中は現場に出て、夜は見積書と請求書をつくり、さらに帳簿まで自分でつけるとなると、体がいくつあっても足りないのが実情です。記帳の部分だけでも手放せれば、その時間をそのまま現場と営業に回せます。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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