一人親方・建設業の確定申告|外注費・材料費・インボイスのポイントを解説
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確定申告

一人親方・建設業の確定申告では、外注費と給与の区別、材料費や車両費の計上、そしてインボイス制度への対応が大きな要点になります。判断に迷いやすい建設業ならではの経費とインボイスの考え方を、専門用語をかみ砕いて整理しました。
朝早くから現場に入り、夜は道具の手入れや見積もり。一人親方として独立すると、仕事そのものは充実していても、確定申告のことを考えると気が重くなる、という方は少なくありません。日々の領収書はダッシュボードや工具箱の奥にたまる一方で、いざ申告の時期になると「これは経費になるのか」「材料費はどう書くのか」と手が止まってしまいます。ひとつずつ解きほぐしていきましょう。
☑ 現場仕事で忙しく、帳簿づけに手が回らない
☑ 応援への支払いが外注費か給与か分からず、インボイス登録も求められて戸惑う
一人親方の確定申告の基本
まずは、確定申告がどういう仕組みなのかを整理しておきましょう。難しく考えず、「1年間の儲けを計算して、税金を申告する手続き」とイメージしてください。現場のかたわら申告まで手が回らない場合は、外注費・材料費の整理から申告まで任せる確定申告サポートもあります。
確定申告が必要になる人
会社に雇われず、事業として収入を得ている一人親方は、原則として確定申告が必要です。1年間(1月1日から12月31日まで)の売上から経費を差し引いた「所得」が一定額を超える場合、翌年に申告と納税を行います。元請けから報酬を受け取る立場であれば、給与ではなく事業所得として扱うのが一般的です。鳶職として働く場合の申告の注意点は、鳶職の確定申告のポイントも参考になります。
白色申告と青色申告の違い
申告には大きく分けて2つの方法があります。
白色申告:手続きが簡単ですが、特別な控除はありません
青色申告:事前の届け出と帳簿づけが必要ですが、最大65万円の青色申告特別控除など税制上の優遇が受けられます
青色申告の65万円控除を受けるには、複式簿記による記帳と、e-Taxによる申告または電子帳簿保存などの要件があります。手間はかかりますが、節税効果が大きいため、継続して事業を行う一人親方には青色申告がおすすめされることが多いです。
外注費と給与の違いに注意
建設業の確定申告で特につまずきやすいのが、人に手伝ってもらったときの支払いの扱いです。同じ「人件費」のように見えても、外注費か給与かで税金の計算が大きく変わります。
外注費として扱える場合
外注費とは、独立した事業者である他の職人や業者に仕事を発注し、その対価として支払うものです。たとえば、別の一人親方に応援を頼み、その人が自分の道具や責任で作業を完結させているような場合は、外注費として処理するのが自然です。判断のポイントとして、次のような点が挙げられます。
相手が自分の判断で作業の進め方を決めている
使う道具や材料を相手が用意している
請求書をもらって支払っている
給与として扱うべき場合
一方、あなたの指揮命令のもとで、決められた時間に働いてもらい、時給や日給で支払っているような場合は、実態として「雇用」に近く、給与として扱うべきケースがあります。給与の場合は源泉徴収や年末調整などの義務が生じるため、外注費との区別は税務上とても重要です。形式だけで判断せず、実際の働き方の実態で判断される点に注意しましょう。記帳代行の現場でも、応援先への支払いが外注費か給与かの判断は、建設業でいちばん相談の多いポイントです。
材料費・経費の計上ポイント
建設業では、現場ごとにさまざまな費用が発生します。経費を正しく計上することは、納める税金を適正にするうえで欠かせません。
材料費・消耗品費の扱い
セメント、木材、金具、塗料といった工事に直接使う材料は「材料費」、軍手や刃物、細かな消耗品は「消耗品費」として計上します。仕入れた材料は、原則としてその年に使った分が経費になります。年末に大量に仕入れて翌年に持ち越す在庫がある場合は、棚卸しとして調整が必要になることもあります。木造建築で材料費や手間請けが多い方は、大工・木造建築業の確定申告もあわせて確認できます。
車両費・工具・その他の経費
現場への移動に使う車のガソリン代、車検代、駐車場代、高速代などは事業で使った割合に応じて経費にできます。プライベートと兼用している場合は、使用割合で按分(あんぶん)して計上します。車の維持費をどの勘定科目で処理するかは、車両維持費の勘定科目の考え方で確認できます。そのほか、建設業でよく出てくる経費には次のようなものがあります。
作業着・安全靴・ヘルメットなどの装備品
10万円未満の工具や電動機器の購入費
現場での飲み物・休憩時の費用(打ち合わせなど事業性があるもの)
事業のための通信費・損害保険料
なお、10万円以上の工具や機械を購入した場合は、一度に経費にできず「減価償却」として数年に分けて計上するのが原則です。
インボイス制度と一人親方
近年、一人親方の間で話題になっているのがインボイス制度(適格請求書等保存方式)です。取引先から「登録番号を教えてほしい」と言われて戸惑った方もいるでしょう。制度の全体像は、国税庁の特集 インボイス制度で確認できます。
インボイス制度の基本的な仕組み
インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるために、一定の要件を満たした請求書(適格請求書)が必要になる仕組みです。適格請求書を発行できるのは、税務署に登録した「適格請求書発行事業者」だけです。元請けが消費税の計算をする際に、登録していない事業者への支払い分は、控除の扱いが変わる場合があります。
登録するかどうかの考え方
登録すると、これまで消費税の納税が免除されていた免税事業者であっても、消費税を申告・納税する義務が生じます。消費税の納税義務が免除される条件は、国税庁タックスアンサーNo.6501「納税義務の免除」で確認できます。登録するかどうかは、取引先との関係や自身の売上規模によって判断が分かれるところです。
主な取引先が消費税の控除を重視する事業者かどうか
登録による納税負担と、取引継続のメリットのバランス
制度には経過措置や負担を軽減する仕組みも設けられています。登録していない相手との取引に一定期間使える8割・5割の経過措置は、インボイスの経過措置(8割・5割控除)にまとめています。判断に迷う場合は、最新情報を国税庁サイト等で確認しつつ、専門家に相談すると安心です。
よくある質問
Q. 領収書をなくしてしまった経費は計上できませんか?
領収書が理想ですが、なくしてしまった場合でも、出金伝票やクレジットカードの明細、銀行の振込記録などで支払いの事実を説明できれば経費として認められることがあります。日付・金額・相手先・内容をメモしておくとよいでしょう。ただし、証拠が何もない状態では認められないため、日頃から記録を残す習慣が大切です。
Q. 一人親方でも青色申告はできますか?
はい、できます。事前に「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しておけば、一人親方でも青色申告が可能です。複式簿記による帳簿づけが必要になりますが、最大65万円の特別控除など大きなメリットがあります。記帳に不安がある場合は、会計ソフトや代行サービスを活用する方法もあります。
Q. 元請けからの報酬から源泉徴収されている場合はどうなりますか?
報酬から源泉徴収(あらかじめ税金が差し引かれること)されている場合でも、確定申告は必要です。すでに納めた税額は申告時に精算され、納めすぎていた分は還付されることもあります。源泉徴収された金額が記載された支払調書などがあれば、申告書の作成に役立ちます。
まとめ|一人親方の申告は早めの準備で安心に
建設業・一人親方の確定申告では、外注費と給与の区別、材料費や車両費などの経費計上、そしてインボイス制度への対応が大きなポイントになります。どれも一度仕組みを理解してしまえば難しいものではありませんが、日々の現場仕事と並行して帳簿を整えるのは、想像以上に大変な作業です。
大切なのは、領収書や請求書を後回しにせず、こまめに記録を残しておくことです。準備を早めに進めておけば、申告の時期に慌てることもなく、本来集中したい現場の仕事に専念できます。一人で抱え込まず、必要に応じて外部の力を借りることも、安心して事業を続けるための賢い選択です。
領収書丸投げドットコムは、現場で受け取った領収書や元請けからの請求書を送っていただくだけで、日々の記帳から外注費・材料費の整理、確定申告書類の作成までをまとめてサポートします。郵送でもスマホ撮影でも受け付け、何枚でも定額なので、領収書の枚数が多い建設業でも安心です。現場に専念できる記帳体制を無料で相談してみるところから始めてみませんか。料金の目安は料金プランのページで確認いただけます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








