とび職・鳶の確定申告|常用と手間請けの区分・安全装備の経費を解説
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確定申告

とび職・鳶の確定申告は、常用(日給)と手間請けの区分、安全装備や足場材の経費計上がカギです。独立したとび職人が押さえるべき収入の判定フローと経費一覧、消費税・青色申告のポイントを、独立後の申告に沿って順にまとめました。
とび職として独立すると、複数の元請から常用や手間請けで仕事を受けることが増えます。日給で働く常用が中心だと「これは給与なのか事業所得なのか」で悩みがちですし、安全帯やヘルメットなど命を守る装備の費用をどう扱うかも気になるところです。ここを整理しておけば、毎年の申告がぐっと楽になります。
☑ 複数の元請から常用で入っているが、事業所得と給与のどちらで申告するのか迷う
☑ フルハーネスや安全帯、足場材などの装備費用を経費にできるか知りたい
☑ 現場が遠く車移動が多いため、交通費や車両費の扱いを整理したい
この記事を読むと、とび職の収入区分を判断するフロー、経費にできる装備・費用の一覧、消費税の簡易課税での扱い、そして青色申告で使える節税策まで、独立後の申告に必要な知識がまとめてわかります。
とび職の収入は「常用」か「手間請け」かで考える
とび職の収入は、日給で働く「常用」と、工事を請け負う「手間請け」に大別されます。独立して自分の判断で仕事を請けているなら事業所得ですが、特定の親方の指揮命令下で常用のみ働く場合は、税務上は給与とされることもあります。まずは自分の働き方がどちらに近いかを見極めましょう。
事業所得か給与か・判断フロー
次の順番で考えると整理しやすくなります。
①複数の元請から自分で仕事を受けているか → はい:事業所得の可能性が高い/いいえ:②へ
②道具・装備を自分で用意し、自分の判断で作業を進めているか → はい:事業所得寄り/いいえ:③へ
③特定の親方の指揮命令に従い、時間拘束され日給で働いているか → はい:給与と判断される可能性が高い
実態が雇用に近ければ給与、独立した請負なら事業所得です。源泉徴収されている場合は支払明細で「給与」か「報酬」かを確認しましょう。この区分は支払う側にも関わる論点で、業務委託報酬と経費の考え方も参考になります。
複数の元請から入っているとき
複数の元請から常用・手間請けで収入を得ている場合、事業所得として合算して申告します。元請ごとに入金日や差引額が異なるため、請求額の総額を売上に、差し引かれた振込手数料や立替分を経費・立替として区分するのが正しい記帳です。入金額だけを売上にしないよう注意しましょう。
とび職が経費にできる装備・費用の一覧
とび職の経費は、安全装備・工具消耗品・車両費・現場経費が中心です。高所作業に欠かせないフルハーネスや安全帯、ヘルメットなどは、仕事のための支出として経費になります。金額の大きい装備は資産計上が必要な場合もあるため、区分を押さえましょう。
とび職でよく使う経費
消耗品費・作業用品費:フルハーネス、安全帯、ヘルメット、手袋、地下足袋、腰道具
材料費・外注費:足場材・単管・クランプ、応援に払った手間賃
車両費・旅費交通費:ガソリン代、高速代、駐車場代、車検・整備費
工具器具・減価償却費:10万円以上のウインチ・電動工具など
研修費・図書費:足場の組立て等特別教育、玉掛け・とび技能講習の受講料
通信費:現場連絡に使うスマホ代(事業割合を按分)
フルハーネスは労働安全衛生法で着用が義務づけられており、業務に必須の装備として経費計上できます。技能講習や特別教育の受講料も、仕事に必要な資格取得費として経費になります。経費として認められる範囲の基本は、国税庁No.2210 必要経費の知識で確認できます。同じ建設系の塗装・防水工事業の経費の考え方も、材料や足場の扱いで参考になります。
足場材・単管を自分で持つ場合
足場材や単管、クランプなどを自分で購入して現場に持ち込む場合、1点あたりの金額は少額でも、まとまった数量を買うと合計が高額になります。消耗品として使い切る前提なら消耗品費、繰り返し使う資材として管理するなら工具器具備品として資産計上し償却する考え方もあります。使い方に応じて処理を選びましょう。装備や材料の領収書がたまって記帳が追いつかない方は、とび職・建設業向けの記帳申告サポートにまとめて任せる手もあります。
高額な装備・機械は減価償却で処理する
10万円以上のウインチや電動工具、運搬用の車両などは、原則として資産に計上し耐用年数にわたって減価償却します。青色申告なら30万円未満の資産を一括で経費にできる特例も使えるため、購入のタイミングとあわせて検討しましょう。
金額別の処理の目安
1点あたりの金額 | 処理方法 |
|---|---|
10万円未満 | 消耗品費として全額その年の経費 |
10万円以上20万円未満 | 一括償却資産(3年均等償却)も選べる |
30万円未満(青色申告) | 少額減価償却資産の特例で全額経費 |
30万円以上 | 減価償却資産として耐用年数で償却 |
減価償却の仕組みは国税庁No.2100 減価償却のあらましで確認できます。運搬車を短期でリース利用する場合の経理は、少額・短期リース取引の経理処理もあわせて押さえておくとよいでしょう。
消費税・インボイスととび職
とび職を含む建設業は、消費税の簡易課税では第3種事業(みなし仕入率70%)に区分されます。売上が1,000万円を超えると課税事業者になり、インボイス登録の有無も元請との取引に影響します。自分の売上規模と取引先を踏まえて判断しましょう。
簡易課税での区分
課税事業者になった場合、簡易課税を選ぶと売上に対するみなし仕入率で納税額を計算でき、経理が簡単になります。とび職・足場工事は第3種で70%です。事業区分は国税庁No.6509 簡易課税制度の事業区分で確認できます。手間請け中心で経費が少ない場合は、簡易課税が有利になることもあります。
インボイス登録は取引先次第
元請が課税事業者の場合、インボイスがないと元請が仕入税額控除を受けられず、単価や取引継続に影響することがあります。制度の詳細は国税庁のインボイス制度特設サイトで確認し、登録の要否は取引先の求めを聞いてから判断しましょう。
よくある質問
Q. 常用で複数の親方の下に入っています。事業所得ですか給与ですか?
複数の元請・親方から自分の判断で仕事を受け、道具も自分で用意しているなら事業所得の可能性が高いです。一方、特定の親方の指揮命令に従い時間拘束されて日給で働く形なら、税務上は給与とされることもあります。支払明細が「給与」か「外注(報酬)」かを確認し、実態で判断しましょう。
Q. フルハーネスや安全帯は経費にできますか?
はい、高所作業の安全装備は業務に必須のものとして経費になります。1点10万円未満なら消耗品費として全額その年の経費です。買い替えや予備の購入も、仕事で使うものであれば同様に経費計上できます。領収書は必ず保管しておきましょう。
Q. とび技能講習や足場の特別教育の費用は経費になりますか?
仕事に必要な技能講習・特別教育の受講料は、資格取得や技能維持のための費用として経費にできます。玉掛けや足場の組立て等特別教育など、現場で求められる講習の費用が該当します。受講の案内や領収書を証拠として残しておきましょう。
Q. 遠方の現場が多く車移動が中心です。交通費はどう処理しますか?
仕事のための車移動にかかるガソリン代・高速代・駐車場代は経費になります。仕事専用の車両なら車検・整備費・保険料・自動車税も含めて全額経費、プライベート兼用なら走行距離などで按分します。公共交通機関で移動した分の運賃も旅費交通費として計上できます。
とび職の申告で押さえる結論|収入区分と装備費
とび職・鳶の確定申告は、常用と手間請けの収入区分をはっきりさせ、安全装備や足場材、車両費を正しく経費計上することが基本です。消費税や青色申告の選択で節税の幅も変わるため、独立初年度から帳簿を整えておくと安心です。
とはいえ、危険の伴う高所作業を終えた後に、日々の領収書を整理して記帳まで行うのは、体力的にもきつい作業です。複数の元請から入金があると、売上や差引額の管理も煩雑になりがちです。
領収書丸投げドットコムは、とび職人の領収書や請求書を郵送またはスマホ撮影で送るだけで、記帳から確定申告書類の作成まで代行します。契約の縛りはなく、税理士監修のもと確定申告まで対応します。高所作業に専念して事務は任せる方法を無料で相談することができます。相談は無料です。対応範囲は確定申告サポートの内容を見ると具体的に確認できます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








