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施設警備・交通誘導の警備員の確定申告|業...

2026/7/18

施設警備・交通誘導の警備員の確定申告|業務委託報酬と装備品・移動費を解説

  • 確定申告

施設警備や交通誘導の警備員が業務委託で報酬を受け取る場合、年末調整がないため自分で確定申告が必要です。制服・安全靴・誘導灯などの装備品や現場までの移動費は経費にでき、源泉徴収分は申告で精算します。報酬の考え方から経費・申告手順まで整理します。

施設警備や交通誘導の現場で働く警備員の方の中には、警備会社の社員ではなく、業務委託(請負)として個人で報酬を受け取っている方が増えています。会社員のように年末調整で済むわけではなく、自分で確定申告をしなければならないと聞いて、何から手をつければよいのか戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

☑ 警備会社と業務委託契約で働いているが、確定申告が必要なのかわからない

☑ 制服や安全靴、誘導灯などの装備品を経費にできるのか知りたい

☑ 現場が毎回変わるので、移動費や駐車場代の扱いに迷っている

報酬の考え方から装備品・移動費などの経費の扱い、青色申告と白色申告の選び方まで、自分が何を申告し、どこまで経費にできるのかを順に確認していきましょう。

業務委託の警備員に確定申告が必要な理由

雇用と業務委託では税金の手続きが違う

同じ警備の仕事でも、警備会社に雇われている「従業員」と、会社と業務委託契約を結んで働く「個人事業主」では、税金の手続きが大きく異なります。従業員であれば給与から所得税が天引きされ、年末調整で精算されるため、原則として自分で確定申告をする必要はありません。

一方、業務委託で報酬を受け取る場合は、年末調整の対象になりません。そのため、1年間(1月1日〜12月31日)の収入と経費を自分で集計し、確定申告で所得税を計算して納める必要があります。自分がどちらの立場で働いているのかは、契約書や報酬明細の名称で確認できます。給与明細であれば雇用、支払明細や請求書ベースであれば業務委託である可能性が高いと考えられます。

申告が必要になる所得の目安

業務委託で得た事業所得から経費を差し引いた金額が一定額を超えると、確定申告が必要になります。専業で警備の仕事をしている方は、ほとんどのケースで申告が必要だと考えておくのが安全です。

  • 専業で業務委託の警備報酬を得ている方

  • 会社員をしながら、休日に交通誘導などの副業をしている方

  • 複数の警備会社から報酬を受け取っている方

会社員が副業として警備の仕事をしている場合でも、副業の所得が一定額を超えると申告が必要です。本業の年末調整とは別に、副業分は自分で申告する必要がある点に注意しましょう。

報酬から源泉徴収されているケース

業務委託の警備報酬は、内容によっては支払時に所得税が源泉徴収されていることがあります。報酬明細に「源泉徴収税額」が記載されている場合、その金額はすでに前払いした税金です。確定申告では、最終的に計算した税額からこの源泉徴収分を差し引くため、納めすぎていれば還付されることもあります。納めすぎた税金を取り戻す還付申告のしくみは、国税庁タックスアンサーNo.2030「還付申告」で確認できます(参考:国税庁タックスアンサー No.2030 還付申告)。源泉徴収されているかどうかは、支払明細や支払調書で確認しておきましょう。

報酬の集計と「収入」「所得」の考え方

1年分の報酬をすべて合算する

確定申告では、複数の警備会社から受け取った報酬をすべて合算します。1社だけと取引していると思っていても、スポットで別の現場に入った分なども漏れなく集計することが大切です。報酬の支払明細や、自分で発行した請求書、通帳の入金記録などをもとに、1年分の収入金額を確定させましょう。

振込時に源泉徴収税額や振込手数料が差し引かれている場合でも、収入金額は差し引かれる前の総額(税込の報酬総額)で計上するのが基本です。手取り額だけを収入として記録してしまうと、金額がずれてしまうので注意が必要です。

「収入」から経費を引いたものが「所得」

確定申告では「収入」と「所得」を区別して考えます。収入は受け取った報酬の総額、所得はそこから必要経費を差し引いた金額です。税金は所得に対してかかるため、正しく経費を計上することが、適正な納税につながります。

たとえば年間の警備報酬が300万円で、装備品や移動費などの経費が40万円だった場合、収入金額は300万円、所得金額は260万円となります。収入がそのまま課税対象になるわけではない点を、まず押さえておきましょう。

事業所得か雑所得か

業務委託の警備報酬は、継続的・反復的に行っている場合は「事業所得」として申告するのが一般的です。一方、会社員が単発で数回手伝った程度であれば「雑所得」となることもあります。事業所得として青色申告を選べば、後述する青色申告特別控除などのメリットを受けられます。自分の働き方がどちらに当たるか迷う場合は、専門家に相談すると安心です。

警備員ならではの経費の考え方

装備品・身につけるもの

警備の仕事に必要な装備品は、業務のために購入したものであれば経費に計上できます。プライベートでは使わない専用の道具ほど、経費として認められやすいと考えられます。

  • 制服・作業着、反射ベスト、ヘルメット、安全靴

  • 誘導灯(指示棒)、警笛、手袋、雨具やレインコート

  • 防寒具や保冷グッズなど、屋外での業務に必要な装備

これらは「消耗品費」や「工具器具備品」などの科目で計上します。制服や作業着など身につけるものを経費にする考え方は、作業着や制服を経費にする考え方が参考になります。一つあたりの金額が高額になるもの(例えば一定額以上の機材)は、購入した年に全額を経費にするのではなく、数年に分けて費用化する(減価償却)場合がある点も覚えておきましょう。判断に迷うものは、購入時のレシートを保管しておくことが第一歩です。

移動費・現場までの交通費

警備員の仕事は現場が毎回変わることが多く、移動費は重要な経費です。自宅から現場へ向かう交通費のうち、業務のための移動分は経費に計上できます。

  • 電車・バスなどの公共交通機関の運賃

  • 自家用車で移動する場合のガソリン代、高速道路料金、現場周辺の駐車場代

  • 遠方の現場に泊まり込む場合の宿泊費

自家用車をプライベートと兼用している場合は、業務で使った分とそれ以外を合理的な基準で按分(あんぶん)して計上します。たとえば走行距離や使用日数の割合で分けるといった方法が考えられます。走行距離をもとに按分する具体的なやり方は、自家用車の走行距離記録と按分で確認できます。ICカードの利用履歴や、給油時のレシートを残しておくと、集計がぐっと楽になります。

資格・研修・その他の経費

警備業務に必要な資格の取得費用や、法律で定められた研修にかかる費用も、業務に直接関係するものは経費になり得ます。

  • 警備業務に関する検定や資格の受験料・講習費

  • 業務連絡に使うスマートフォンの通信費(業務利用分)

  • 取引先との打ち合わせや、待機中に立ち寄る飲食のうち業務に関わる分

検定や資格の取得費用をどこまで経費にできるかは、警備の資格取得費用を経費にする考え方が参考になります。通信費のように家庭用と兼用しているものは、業務で使った割合で按分するのが基本です。プライベートの支出まで経費に含めてしまうと、後から指摘を受ける原因になるため、線引きを意識して記録しましょう。

青色申告と白色申告のどちらを選ぶか

青色申告のメリット

事業所得として申告する場合、青色申告を選ぶと税制上のメリットがあります。代表的なのが青色申告特別控除で、要件を満たせば所得から65万円(または条件により55万円・10万円)を差し引くことができます。これは、同じ報酬・同じ経費でも、課税される所得を減らせる仕組みです。控除の要件は国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認できます(参考:国税庁タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除)。

そのほか、赤字が出た年の損失を一定期間繰り越せる、家族へ支払う給与を経費にできるなどの利点もあります。赤字の繰越を活用する仕組みは、赤字を繰り越して節税する仕組みで確認できます。青色申告を始めるには、原則として事前に「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しておく必要があります。

白色申告との違い

白色申告は事前の申請が不要で、帳簿づけも比較的シンプルです。ただし青色申告特別控除のような大きな控除はありません。記帳の手間と受けられる控除のバランスを見て選ぶことになりますが、報酬が安定して発生している専業の警備員の方であれば、青色申告のメリットを受けやすいと言えます。

日々の記帳が申告のカギ

青色・白色いずれの場合も、収入と経費を帳簿に記録しておくことが申告の土台になります。現場が多く、レシートが財布や車内にたまりがちな警備員の方こそ、こまめに記録する習慣が大切です。月ごとにレシートを封筒や袋に分けておくだけでも、年明けの集計が格段に楽になります。

申告の準備と提出までの流れ

必要な書類をそろえる

申告の前に、収入と経費がわかる書類を整理します。報酬の支払明細や支払調書、自分で発行した請求書、装備品や交通費のレシート、通帳の入金記録などをまとめておきましょう。源泉徴収されている場合は、その金額がわかる書類も忘れずに用意します。集めた報酬と経費の集計から申告書の作成までまとめて任せたい方は、確定申告の作成まで任せる代行サービスもあります。

決算書類と申告書を作成する

集計した収入と経費をもとに、青色申告の方は青色申告決算書、白色申告の方は収支内訳書を作成します。そのうえで、確定申告書に所得や控除、税額を記入していきます。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと、画面の案内に沿って入力するだけで税額が自動計算され、計算ミスを減らせます。

提出期間と提出方法

確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。提出方法は、e-Taxによる電子申告、税務署への持参、郵送の3つがあります。e-Taxは自宅から提出でき、青色申告特別控除の面でも有利になる場合があります。納付や還付の手続きも忘れずに行いましょう。期限を過ぎると加算税や延滞税がかかることがあるため、早めの準備を心がけてください。

よくある質問

Q. 警備会社の社員と業務委託をかけ持ちしている場合はどうなりますか?

警備会社から給与をもらいつつ、別の会社や現場から業務委託で報酬も受け取っている場合は、両方を合わせて申告するのが基本です。給与は給与所得、業務委託分は事業所得(または雑所得)として区分し、確定申告で合算します。給与で源泉徴収された分や、業務委託分の源泉徴収税額もあわせて精算する形になります。

Q. 制服や安全靴を自費で買いました。何年も前のものでも経費になりますか?

経費にできるのは、その年の業務のために支出したものが基本です。今年購入し業務で使っている装備品であれば、その年の経費に計上できます。過去に購入したものについては、原則としてその購入した年の経費となるため、申告年の経費にするのは難しいと考えられます。購入したら、その都度レシートを残し、その年のうちに計上することが大切です。

Q. 現金で受け取った警備報酬も申告しなければいけませんか?

はい、振込・現金を問わず、受け取った報酬はすべて収入として申告する必要があります。現金払いだから記録に残らないと考えるのは禁物です。受け取った日付・相手・金額をメモやノートに残し、漏れなく集計しましょう。正確な申告は、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。

今日からできる警備員の申告準備

業務委託で働く警備員の方の確定申告は、複数の現場から受け取った報酬をすべて合算し、装備品や移動費などの経費を正しく差し引いて所得を計算することが基本です。制服や安全靴、誘導灯といった仕事専用の装備、現場までの交通費や駐車場代など、警備の仕事ならではの経費は意外と多くあります。日々こまめに記帳し、レシートを残しておくことが、適正な申告と納税への一番の近道です。

とはいえ、シフトが不規則で体力も使う警備の仕事をこなしながら、たまったレシートの集計や帳簿づけ、申告書の作成までを自分一人で行うのは、大きな負担になりがちです。現場が忙しいほど書類は後回しになり、気づけば申告期限が迫っていた、ということも少なくありません。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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