畳・左官など伝統職人の確定申告|材料仕入と手間賃の処理を解説
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確定申告

畳・左官など伝統職人の確定申告は、材料は仕入(在庫を意識)、道具や移動は経費、手間賃も売上に含めて源泉徴収を精算する、と分けて整理すれば難しくありません。材料仕入と手間賃の処理を解説します。
畳職人や左官職人をはじめとする伝統的な技能職の方は、現場の仕事に追われ、帳簿づけや確定申告の準備まで手が回りにくいものです。材料を仕入れて加工する仕事と技術を提供する手間仕事が混ざるため、「どこまでが仕入でどこからが経費なのか」と戸惑う方は少なくありません。
☑ 畳表やセメント・砂などの材料費を、仕入と経費のどちらで計上すべきか迷っている
☑ 工務店から受け取る手間賃と、材料込みの請負代金で帳簿のつけ方が違うのか知りたい
☑ 元請けから源泉徴収されている分が、確定申告でどう扱われるのか不安だ
畳・左官などの伝統職人が確定申告を行う際の、材料仕入と手間賃の処理を中心に整理します。自分の働き方に合った帳簿のつけ方がつかめるように進めます。
畳・左官職人の所得は「事業所得」が基本
請負で働く職人は個人事業主
工務店や元請けと雇用契約を結ばず、現場ごとに仕事を請け負って報酬を受け取っている場合、その収入は給与ではなく事業所得になります。畳店から独立した職人や一人親方の左官職人が典型例で、事業所得がある方は原則として確定申告が必要です。会社に雇われ給与を受け取っている場合は給与所得者となり、年末調整で完結することもあります。同じ手仕事の職人として、内装・クロス職人の確定申告や陶磁器・窯業職人の確定申告も考え方の参考になります。
請負・常用・材工一式の違いを意識する
帳簿のつけ方を考えるうえで、自分の働き方を整理しておくことが大切です。畳の表替えや壁の塗り替えのように材料も自分で用意する材工一式と、材料は元請けが用意し技術と手間だけを提供する手間請け(常用)では、材料の仕入が発生するかどうかが変わります。申告の準備では、まず収入をこの区分で分けて見通しを立てましょう。
材料仕入と経費の処理を分けて考える
畳表・セメントなどは「仕入」として計上する
畳表・畳床・縁などの畳材料、セメント・砂・漆喰・珪藻土といった左官材料は、工事のために仕入れるものなので、原則として仕入(売上原価)として処理します。ポイントは、年末に残った在庫は売上原価から差し引いて翌年へ繰り越すことです。まとめ買いで在庫が残ることもあるため、年末時点の材料を棚卸しして記録しておきましょう。棚卸しの具体的な進め方は年末の棚卸しの実務にまとめています。
道具・消耗品・車両は経費に計上する
仕事に使う道具類は、お客様に引き渡す材料とは違い、仕入とは別に経費として計上します。経費になる支出の範囲は国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」で確認できます。
コテ・畳包丁などの工具類(少額のもの)、軍手・養生シート・刷毛などの消耗品費
軽トラックやバンの燃料代・車検費用・自動車保険料などの車両費
作業着・安全靴・ヘルメットなどの作業用品
金額が高い機械や設備は減価償却の対象になることもあります。なお、他の職人さんに応援を頼んで報酬を支払った場合は外注費として経費になるので、相手の領収書や請求書を保管しておきましょう。
手間賃(売上)の記帳と源泉徴収の扱い
手間請けの報酬も売上として記帳する
材料を使わず技術だけを提供する手間請けの報酬も、事業の売上として記帳します。材料費がかからない分、工具や移動にかかる経費を漏れなく計上することが利益を正しく出すポイントです。「材料がないから経費は少ない」と思い込んで見落とさないよう注意しましょう。
元請けから源泉徴収されているケースに注意
元請けが報酬から所得税を差し引いて(源泉徴収して)支払うケースでは、振り込まれた金額は税引き後の手取り額です。確定申告では源泉徴収される前の金額を売上として計上し、差し引かれた税額は「前払いした税金」として申告書で精算します。誰の名義で源泉徴収されるかなど実務の注意点は源泉徴収と支払名義の実務で解説しています。この税額は本来の税額から差し引かれるため、所得が低い年や経費が多い年には納めすぎた分が還付されることもあります。源泉徴収額は支払調書や通帳の入金記録で確認しておきましょう。手間賃の集計から申告まで手が回らない方は、確定申告の丸投げ代行という選択肢もあります。
青色申告と日々の帳簿づけで申告を有利にする
青色申告特別控除を活用する
事業所得がある職人さんは、青色申告を選ぶことで節税につながります。複式簿記で帳簿をつけ、貸借対照表と損益計算書を添付してe-Taxまたは電子帳簿保存などの要件を満たすと、最大で65万円の青色申告特別控除を受けられます(簡易な帳簿でも10万円)。控除の要件は国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認できます。控除額の分だけ課税所得が減り、同じ売上でも税金を抑えられます。なお青色申告には事前の承認申請が必要で、提出期限があるので早めに準備しておきましょう。
現金管理と家事按分のコツ
職人の仕事は材料の現金仕入れや立替えが多く、お金のやり取りが煩雑になりがちです。事業用の財布・口座を家計と分けるだけでも記帳がぐっと整理しやすくなります。また、自宅の一部を作業場や材料置き場として使っている場合は、家賃や電気代の一部を家事按分で経費にできます。床面積などの合理的な基準で割合を求め、その根拠をメモで残しておきましょう。
よくある質問
Q. 材料を立て替えて買い、後から元請けに請求しました。これは売上に含めますか?
材料代を含めて元請けに請求している場合は、その材料代も売上に含めるのが基本です。そのうえで、自分が支払った材料代を仕入や経費として計上します。同じ金額が売上にも経費にも計上されるため利益には影響しませんが、一方だけを記帳すると所得がずれてしまいます。
Q. 一人親方で、ほとんどが手間請けです。経費が少なくても申告は必要ですか?
事業所得がある以上、原則として確定申告は必要です。経費が少なく見える場合でも、工具・作業着・車両費・通信費など計上できる経費は意外とあります。さらに源泉徴収されていれば申告で税金が還付されることもあるため、「経費が少ないから申告は不要」とは限らない点に注意しましょう。
Q. 自宅の一部を作業場や材料置き場に使っています。家賃を経費にできますか?
自宅の一部を作業場や材料置き場として使っている場合は、家賃や電気代のうち事業で使っている割合分を、家事按分で経費にできます。床面積などの合理的な基準で割合を求め、なぜその割合にしたのかを説明できるようにメモを残しておきましょう。生活で使う分と混ざる支出は、事業に使った部分だけを計上するのが原則です。
仕入と手間賃を分けて整理すれば申告は怖くない|まとめ
畳・左官などの伝統職人の確定申告は、「材料は仕入(在庫を意識する)」「道具や移動は経費」「手間賃も売上に含め、源泉徴収は申告で精算する」という3つの軸で整理すれば、決して難しいものではありません。日頃から記録を残しておくことが、正しい所得計算の第一歩です。
とはいえ、日中は現場で体を動かし、夜や休みに帳簿づけや申告書の作成まで行うのは大きな負担です。領収書丸投げドットコムでは、材料の領収書や元請けへの請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行しています。現場に集中できるよう記帳を任せられるか無料で相談する。相談は無料です。実際に依頼した方の声は導入事例でご覧いただけます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








