趣味・旅行を経費にできる?線引きと節税の注意点を解説
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税金

趣味や旅行の費用を経費にできるかは、その支出が事業の売上にどうつながるかを説明できるかで決まります。趣味と仕事が重なる支出の線引きと家事按分の考え方、認められやすくする工夫まで、確定申告に向けてやさしく整理します。
「好きなことを仕事にしている」人ほど、趣味と仕事の境目はあいまいになりがちです。カメラ、ゲーム、旅行——楽しみがそのまま仕事の道具や題材になるからこそ、「これは経費?」と迷う場面が増えます。だからこそ、自分なりの判断の物差しを持っておくことが大切です。
☑ 趣味で買ったカメラやゲーム機を経費にできるのか知りたい
☑ 旅行に行ったついでに仕事もしたから、旅費を落としたい
☑ 趣味と仕事の境目があいまいで、どこまで経費にしていいか不安
「好きなことを仕事にしている」フリーランスや個人事業主の方にとって、趣味と仕事の境目はとてもあいまいです。カメラが趣味のカメラマン、ゲームが好きなゲーム実況者、旅行好きの旅行系ブロガーなど、プライベートの楽しみがそのまま仕事の道具や題材になるケースは少なくありません。だからこそ「これって経費にできるの?」と迷う場面が多いのではないでしょうか。
趣味や旅行にかかった費用を経費にできるかどうかの基本的な考え方と、その線引きの判断基準を確認していきます。「これは経費にできるのかな」と悩むレシートが溜まってしまう方は、判断ごと記帳代行に任せるやり方もあります。
そもそも経費にできるかどうかの判断基準
「事業に必要な支出かどうか」がすべての出発点
経費とは、簡単にいえば「その事業で売上を得るために必要だった支出」のことです(必要経費の基本的な考え方は国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」で確認できます)。趣味だから経費にできない、仕事だから経費にできる、と単純に分かれるわけではありません。大切なのは、その支出が自分の事業の売上にどうつながっているかを説明できるかどうかです。
たとえば同じカメラの購入でも、撮影を仕事にしている人にとっては事業に直結する道具ですが、まったく別の業種の人が「趣味で欲しかった」だけなら、それは経費とは言いにくくなります。同じ品物でも、誰が何のために買ったかによって経費になるかどうかが変わるのです。
趣味と事業の「重なり」をどう考えるか
趣味がそのまま仕事になっている場合、支出には「事業のための部分」と「個人的に楽しんでいる部分」が混ざっていることがほとんどです。この重なりをどう扱うかが、趣味の経費の最大のポイントになります。
判断のヒントになるのは、次のような視点です。
その支出がなければ、売上に直接的な支障が出るか
仕事として継続的・反復的に使っているか、それとも一時的な楽しみか
第三者(税務署など)に聞かれたとき、事業との関係を具体的に説明できるか
「なんとなく仕事にも使うから」では弱く、「この用途でこう使っている」と具体的に語れることが重要です。
家事按分という考え方を理解する
プライベートと共用するものは割合で分ける
趣味と仕事の両方で使うものは、全額を経費にするのではなく、事業で使っている割合だけを経費にするのが基本です。これを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。たとえば撮影機材を仕事7割・趣味3割で使っているなら、購入費用の7割を経費として計上する、という考え方です。
按分の割合は、思いつきで決めてよいものではありません。使用時間、使用日数、業務での使用頻度など、合理的な根拠に基づいて算出することが求められます。「だいたいこのくらい」ではなく、自分なりに筋の通った計算方法を持っておくことが大切です。
按分が必要になりやすい身近な例
趣味と仕事が重なる人にとって、家事按分が登場する場面は意外と多くあります。
動画編集にも趣味のゲームにも使うパソコン
取材にもプライベートのドライブにも使う自家用車のガソリン代
仕事の調べ物にも私的な利用にも使うスマートフォンの通信費
趣味の延長で開設したブログやSNSの運用にかかる費用
こうしたものは「全部経費」「全部プライベート」のどちらかに振り分けようとすると無理が出ます。実態に合わせて割合で分けるという発想を持っておくと、確定申告のときに慌てずに済みます。健康維持のジム代など趣味と見られやすい支出の考え方は、ジム代・スポーツ関連費を経費にできるかが参考になります。
旅行費用を経費にできるかの線引き
「仕事のための移動」なら旅費として認められる
旅行費用については、特に判断が難しいテーマです。基本の考え方はシンプルで、その移動が事業のために必要だったかどうかがポイントになります。取材、撮影、打ち合わせ、商談、視察、セミナー参加など、明確な事業目的があって出かけた移動であれば、交通費や宿泊費は旅費交通費として経費にできる可能性があります。
一方で、「リフレッシュのために旅行に行った」「観光がメインだった」という場合は、たとえ少し仕事をしたとしても、旅行全体を経費にするのは難しくなります。あくまで主たる目的が事業であることが前提です。
「ついで仕事」と「主目的が仕事」の違い
もっとも注意したいのが、観光旅行のついでに少しだけ仕事をしたケースです。たとえば家族旅行の合間にブログ用の写真を数枚撮った、という程度では、旅行費用全体を経費にするのは現実的ではありません。
判断の目安としては、次のような点を考えてみてください。
その場所に行った主な理由は仕事か、それとも観光か
仕事のためのスケジュールが日程の中心を占めているか
同行した家族の分の費用まで含めていないか
仕事が主目的の出張であっても、家族の旅費や観光だけの日の費用は経費にならないのが原則です。仕事部分とプライベート部分が混ざっている場合は、合理的に区分して仕事の分だけを計上する姿勢が求められます。
経費として認められやすくするための工夫
「事業との関係」を記録として残す
趣味や旅行に関わる支出は、後から「これは本当に仕事のため?」と疑問を持たれやすいものです。だからこそ、支出と事業のつながりを自分で説明できる記録を残しておくことが、何よりの備えになります。
領収書やレシートは必ず保管する
「何のために」「どの仕事で使ったか」をメモやメールで残す
取材や撮影なら、その成果物(記事・写真・動画など)と紐づけておく
移動を伴う場合は、訪問先・目的・日程がわかるものを残す
領収書があるだけでは「買った事実」しか証明できません。その支出が事業に必要だったという背景まで残しておくことで、説明力がぐっと高まります。日々の支出を事業用と生活用に分けて記録するコツは、生活費と事業費を分けて記録する方法にまとめています。
按分割合の根拠をメモしておく
家事按分をする場合は、「なぜその割合にしたのか」を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。たとえば「週のうち5日は仕事で使い、2日は私用なので事業使用は約7割」といった具体的な根拠です。割合の数字そのものよりも、合理的に考えて決めたプロセスが大切です。後から見返したときに自分でも理由がわかるよう、メモを残しておくと安心です。
やってしまいがちな注意点
プライベートな支出を無理に経費にしない
節税を意識するあまり、明らかに私的な支出まで経費に入れてしまうのは避けたいところです。仕事とまったく関係のない趣味の道具、家族のための支出、純粋な観光旅行などを経費にすると、後の税務調査で問題になる可能性があります。
経費を増やせば税負担は軽くなりますが、それは「事業に必要な支出だった」という前提があってのことです。無理に経費を膨らませることは、結果的に自分のリスクを高めてしまいます。胸を張って説明できる範囲にとどめるのが、安心して事業を続けるコツです。経費にできる支出とできない支出の線引きは、経費にならない支出の見分け方もあわせて確認しておくと迷いが減ります。
高額なものは特に丁寧に扱う
高額なカメラやパソコン、車などは金額が大きい分、事業との関係を問われやすくなります。また、一定額以上のものは購入した年に全額を経費にするのではなく、複数年に分けて計上する「減価償却」の対象になることもあります。高額な趣味性の高い買い物をしたときは、扱い方が通常と異なる場合があるため、判断に迷ったら専門家に確認すると安心です。
よくある質問
Q. 趣味で始めたことが、まだ売上ゼロでも経費にできますか?
事業として継続的に取り組み、収益を得る意思や見込みがあるかどうかがポイントになります。準備段階で売上がまだない時期の支出でも、事業に向けた支出として扱える場合があります。ただし、まったく収益化の見込みがない純粋な趣味の場合は、事業の経費とは認められにくくなります。判断に迷う段階では、活動の実態を記録に残しておくことが大切です。
Q. 旅行に行ってブログを書けば、旅費は経費になりますか?
「ブログを書いたから」という理由だけで旅行費用全体が経費になるわけではありません。その旅行の主な目的が事業(取材・撮影など)であったかどうかが問われます。観光が主目的で、結果的に記事も書いた、という程度では旅行全体を経費にするのは難しいと考えておきましょう。
Q. 経費にできるか自分で判断できないものはどうすれば?
趣味と仕事が重なる支出は、判断が難しいものが多くあります。無理に自己判断で全額を経費にしたり、逆に不安で何も計上しなかったりするより、記帳のプロや税理士に相談するのが確実です。状況を伝えれば、按分の考え方や記録の残し方までアドバイスをもらえます。
趣味や旅行の経費で迷ったときの結論|「事業との関係」を説明できるか
趣味や旅行にかかった費用を経費にできるかどうかは、その支出が事業の売上にどうつながっているかを説明できるかにかかっています。趣味と仕事が重なるものは家事按分で事業使用分だけを計上し、旅行は主目的が仕事かどうかで判断するのが基本です。そして、領収書だけでなく「何のために使ったか」という記録を残しておくことが、いざというときの大きな備えになります。
趣味と仕事が重なる支出の線引きや按分の判断は、本業の合間にひとりで抱えると迷いが尽きません。レシートを溜め込んで申告直前に慌てる前に、記帳ごと任せる選択肢もあります。
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あわせて読みたい:個人事業主の経費完全ガイド|このテーマの全体像を1本にまとめて解説しています。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








