経費にならない支出の見分け方|罰金・税金・家事費を個人事業主向けに解説
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税務

経費にならない支出には、罰金・所得税や住民税・生計を一にする家族への対価・生活費(家事費)などがあります。個人事業主が経費と間違えやすい支出を、○×早見表つきで整理し、見分け方をわかりやすくまとめました。
「事業のために払ったのだから経費になるはず」と思っても、税務上は経費にできない支出があります。これらを誤って経費に入れてしまうと、税務調査で否認され、追加の税金がかかることもあります。まずは経費にならない支出の代表例を押さえておきましょう。
☑ どんな支出が経費にならないのか一覧で確認したい
☑ 罰金や税金が経費になるかならないか整理したい
☑ 家族への支払いや生活費の扱いを知りたい
この記事を読むと、経費にならない支出の代表例と見分け方が、○×早見表でわかります。
経費にならない支出には共通の理由がある
結論として、経費にならない支出には「事業の遂行に直接必要とは言えない」または「法律で経費にできないと決められている」という共通点があります。必要経費になるのは事業のために直接かかった費用に限られ、私生活のための支出やペナルティ的な支出は対象外です。
大きく3つのタイプに分かれる
経費にならない支出は、大きく①私生活のための支出(家事費)、②法律で経費にできないと定められた支出(罰金・一定の税金など)、③家族への支払いなど特別なルールがあるものの3つに整理できます。それぞれ理由が異なるため、順に見ていきましょう。
「事業に役立つ」だけでは経費にならない
大切なのは、事業に役立つことと、経費にできることは別だという点です。健康や身だしなみ、勉強など事業に役立つ支出でも、私生活のための性質が強いものは経費になりません。判断は客観的な必要性で行います。経費になるか迷う支出が多く、記帳が滞りがちな方は、経費判断を含む記帳代行の詳細もご覧ください。
①私生活のための支出(家事費)
家事費とは、食費・住居費・被服費など、私生活を送るための支出です。これらは事業をしていなくても発生するため、原則として経費になりません。事業と私生活で兼用するもの(家事関連費)は、事業で使った部分を明確に区分できる場合だけ、その分を経費にできます。
家事費の代表例
自分一人の食費、私服・スーツ代、散髪・化粧品代
自宅の家賃・光熱費のうち私生活で使う部分
健康維持のためのジム代、事業主本人の健康診断費
自宅兼事務所の家賃や光熱費のように事業と私生活が混ざるものは、合理的な割合で按分して事業分だけを経費にします。混ざりやすいお金の管理は事業と家計のお金が混ざるときの記帳整理術や生活費と事業費が混ざるときの記録の残し方が参考になります。
②法律で経費にできない支出
罰金や一定の税金など、政策的な理由から経費にできないと決められている支出があります。これらは事業に関連していても経費になりません。国税庁も、罰金・過料や賄賂などは必要経費にならないと明示しています。
経費にならない税金・ペナルティ
所得税・住民税(事業の利益に対して個人にかかる税金)
交通違反の反則金・罰金・科料
加算税・延滞税・延滞金など納税の遅れに対するペナルティ
一方で、事業にかかる個人事業税・固定資産税(事業用)・自動車税(事業用)・印紙税などは、租税公課として経費にできます。同じ「税金」でも経費になるものとならないものがある点に注意しましょう。科目の考え方は勘定科目の見直しで節税につなげる方法も参考になります。
経費になる・ならない○×早見表
間違えやすい支出を○×で整理しました。あくまで一般的な目安です。
支出の例 | 経費 | 理由・科目 |
|---|---|---|
個人事業税・事業用固定資産税 | ○ | 租税公課 |
所得税・住民税 | × | 個人にかかる税金 |
交通違反の反則金・罰金 | × | ペナルティは対象外 |
加算税・延滞税・延滞金 | × | 納税の遅れへの制裁 |
自分一人の食費・私服代 | × | 家事費 |
自宅兼事務所の家賃(事業分) | ○ | 按分して地代家賃 |
生計を一にする家族への給料 | × | 原則対象外(下記参照) |
雑費に紛れて経費にならない支出を計上してしまうこともあるため、内容が不明確な支出は見直しておきましょう。雑費の扱いは雑費が多いとなぜダメかを解説した記事が参考になります。
③家族への支払いなど特別なルールがあるもの
生計を一にする配偶者や親族へ支払う給料・家賃などは、原則として経費になりません。家族内でお金を動かすだけで所得を分散できてしまうのを防ぐためのルールです。ただし、青色申告をして届出を出した場合の青色事業専従者給与など、一定の要件を満たせば例外的に経費にできる制度もあります。
税務調査で指摘されやすい支出
経費にならない支出を計上していると、税務調査で否認され、追加の税金や加算税が生じることがあります。特に家事費との線引きや家族への支払いは確認されやすい項目です。備え方は個人事業主の税務調査ガイドで確認できます。
よくある質問
Q. 所得税や住民税は経費になりませんか?
所得税・住民税は、事業の利益に対して個人にかかる税金のため、経費になりません。一方、個人事業税や事業用資産の固定資産税は租税公課として経費にできます。税金の種類によって扱いが異なる点に注意しましょう。
Q. 仕事中の駐車違反の反則金は経費になりますか?
業務中に生じた反則金・罰金であっても、経費になりません。罰金や過料は法令違反へのペナルティであり、必要経費として認められないためです。ただし、レッカー移動の実費など罰則ではない部分は扱いが異なる場合があります。
Q. 家族に手伝ってもらった分の給料は経費にできますか?
生計を一にする家族への給料は、原則として経費になりません。ただし、青色申告で青色事業専従者給与の届出を行うなど、一定の要件を満たせば経費にできる制度があります。要件を確認したうえで手続きを行いましょう。
Q. 延滞税や加算税を払いました。経費になりますか?
延滞税・加算税・延滞金は、納税の遅れや誤りに対する制裁的な性質のため、経費になりません。同様に、税金の延滞に対する利息的な支出も対象外です。期限内の納税を心がけましょう。
まとめ:経費にならない支出は「私生活」「制裁」「家族」で見分ける
経費にならない支出は、私生活のための家事費、罰金や所得税・住民税など法律で対象外とされたもの、生計を一にする家族への支払い、の3つに整理できます。同じ税金でも個人事業税は経費になり所得税はならないなど、細かな違いがあります。迷ったら「事業に直接必要か」「法律で除外されていないか」を確認しましょう。
経費になる支出とならない支出を一つひとつ見分けながら記帳するのは、本業を持つ個人事業主にとって負担の大きい作業です。判断を誤ると、あとで税金の負担が増えることにもなりかねません。
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参考:国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費の知識
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








