所得控除15種類を一覧でやさしく解説|使い忘れを防ぐ
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税金

所得控除は、課税所得を減らして税負担を軽くする15種類の仕組みです。基礎控除や社会保険料控除など基本の控除から、家族の状況で使う控除、支出があったときの控除まで一覧で整理し、使い忘れを防ぐチェックポイントとして役立ててください。
確定申告の書類を前にして、「所得控除の欄、空白だらけだけど本当にこれでいいのかな」と不安になったことはありませんか。所得控除は、納める税金を計算するうえで所得から差し引ける項目のことです。使える控除を見落とすと、本来より多く税金を払ってしまうこともあります。とはいえ種類が多く、ひとつひとつ調べるのは大変ですよね。
☑ 確定申告のとき「使える控除」を取りこぼしている気がする
☑ 医療費控除や寄附金控除など、名前は聞くけれど中身がよくわからない
☑ 控除の種類が多すぎて、自分にどれが当てはまるのか整理できていない
以下では、所得控除の代表的な15種類を「基本の控除」「家族の状況で使う控除」「支出があったときに使う控除」の3グループに分けて整理します。自分に当てはまりそうな項目に当たりをつけるチェックポイントとして役立ててください。
控除の整理も含めて申告書づくりをまるごと任せたいなら、確定申告の代行サービスという選択肢もあります。まずは自分に関係する控除を押さえていきましょう。
そもそも「所得控除」とは何か
税金は「所得まるごと」にはかからない
所得税は、1年間の収入そのものではなく、収入から必要経費や各種の控除を差し引いた「課税所得」に対して計算されます。所得控除は、この課税所得を小さくする役割を持っています。課税所得が小さくなれば、その分だけ税負担も軽くなる仕組みです。
控除は「自己申告」が基本
所得控除の多くは、自分で申告しなければ反映されません。会社員のように年末調整で自動的に処理される人もいますが、個人事業主やフリーランスは確定申告の際に自分で記載する必要があります。だからこそ、どんな控除があるかを知っておくことが大切です。
知らなければ、使えるはずの控除も使われないままになる
該当する控除は、証明書類などをそろえて自分で申告する
「だれにでも関係しやすい」基本の控除
基礎控除
一定の所得以下であれば、原則としてすべての納税者が受けられる控除です。申告書のなかでも基本となる項目で、特別な手続きは要りません。所得が一定額を超えると段階的に縮小される仕組みになっているため、ご自身の所得水準で適用されるかは最新情報を国税庁サイト等でご確認ください。
社会保険料控除
国民年金や国民健康保険など、1年間に支払った社会保険料は全額が控除の対象になります(国税庁タックスアンサーNo.1130「社会保険料控除」で確認できます)。個人事業主は保険料を自分で納めるため、金額が大きくなりやすく、忘れずに申告したい代表的な控除です。家族の分を負担した場合も含められることがあります。
生命保険料控除・地震保険料控除
生命保険や介護医療保険、個人年金保険の保険料(個人年金保険の保険料控除を参照)、また地震保険の保険料を支払っている場合に受けられる控除です。地震保険料控除の具体的な計算は地震保険料控除の計算で確認できます。保険会社から送られてくる控除証明書をもとに金額を記入します。証明書は秋ごろに届くことが多いので、確定申告まで保管しておきましょう。
「家族の状況」で使える控除
配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者の所得が一定以下の場合に受けられる控除です。配偶者の所得状況によって、配偶者控除になるか配偶者特別控除になるかが変わります。どちらも納税者本人の所得にも条件があるため、夫婦それぞれの状況を確認することが大切です。
扶養控除
子どもや親など、生計を同じくする一定の親族を扶養している場合に受けられる控除です。対象となる親族の年齢や所得によって控除額が変わります。離れて暮らす親に仕送りをしている場合も、条件を満たせば対象になることがあります。
障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除
本人や家族の状況に応じて使える控除もあります。
障害者控除:本人や扶養親族が障害者に該当する場合
寡婦控除・ひとり親控除:配偶者と離別・死別した場合などの一定の条件に該当する場合
勤労学生控除:働きながら学んでいる学生で、一定の条件を満たす場合
これらは見落とされやすい控除なので、当てはまりそうな方は要件を確認してみましょう。離婚・死別後の寡婦控除・ひとり親控除については離婚・死別と寡婦・ひとり親控除で詳しく整理しています。
「支出があったとき」に使える控除
医療費控除
1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除です(国税庁タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」や医療費控除の対象と計算で確認できます)。本人だけでなく、生計を同じくする家族の医療費も合算できます。通院のための交通費なども対象になることがあるため、領収書や記録を残しておくことが大切です。なお、医療費控除には特例として、市販薬の購入額に着目した制度もあります。
寄附金控除
国や地方公共団体、認定NPO法人などへの寄附をした場合に受けられる控除です。ふるさと納税もこの寄附金控除の仕組みを使った制度です。寄附をした際の受領証明書などをもとに申告します。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの掛金は、支払った全額が控除の対象になります。個人事業主の将来の備えと税負担の軽減を両立できる仕組みとして知られています。ただし、加入や掛金額の判断はご自身の資金状況に合わせて慎重に行ってください。
雑損控除
災害や盗難、横領などによって資産に損害を受けた場合に受けられる控除です。台風や地震などの自然災害による被害も対象になることがあります。被害を証明する書類を残しておくことが申告の前提となります。
15種類をまとめて確認しよう
一覧で全体像をつかむ
ここまで紹介してきた所得控除を、改めて一覧で整理します。名前を眺めるだけでも、自分に当てはまりそうな項目が見つかるはずです。
基礎控除:一定所得以下なら原則すべての人が対象
社会保険料控除:年金・健康保険などの支払い分
生命保険料控除:生命・介護医療・個人年金の保険料
地震保険料控除:地震保険の保険料
小規模企業共済等掛金控除:共済やiDeCoの掛金
配偶者控除:配偶者の所得が一定以下の場合
配偶者特別控除:配偶者の所得に応じて段階的に
扶養控除:子や親など一定の親族を扶養する場合
障害者控除:本人や家族が障害者に該当する場合
寡婦控除:一定の条件に該当する場合
ひとり親控除:一定の条件に該当する場合
勤労学生控除:働きながら学ぶ学生の一定の場合
医療費控除:医療費が一定額を超えた場合
寄附金控除:国や自治体などへの寄附
雑損控除:災害や盗難による損害
「自分に関係するもの」に印をつける
この一覧を見ながら、当てはまりそうな項目に印をつけてみてください。印がついた控除こそ、あなたが確認すべきものです。すべてを完璧に覚える必要はなく、自分に関係する数項目を押さえるだけで、取りこぼしはぐっと減ります。
控除の使い忘れを防ぐコツ
証明書類は1か所にまとめる
控除の多くは、証明書や領収書が必要です。保険料控除証明書、寄附金の受領証、医療費の領収書などは、届いたらすぐに専用の封筒やファイルにまとめておくと、申告のときに慌てずに済みます。家族の分をまとめて管理する場合は、誰の分かをメモしておくとさらに整理しやすくなります。
「去年使った控除」を起点に見直す
前年の確定申告書を見返すと、自分がどの控除を使ったかが一目でわかります。それを起点に「今年も同じ控除が使えるか」「新たに当てはまる控除はないか」と確認すると、抜け漏れを減らせます。結婚・出産・親との同居など、暮らしに変化があった年は、新しく使える控除が増えていないか特に丁寧に見直しましょう。
年の途中から準備を始める
控除の準備は、確定申告の直前にまとめて行うと負担が大きくなります。医療費の記録や寄附の証明書などは、その都度ファイルに入れておくだけで、申告期の作業がずいぶん軽くなります。一年を通じて少しずつ備えておく意識が、結果的に使い忘れを防ぎます。
よくある質問
Q. 所得控除と税額控除は何が違うのですか?
所得控除は、税金を計算する前の「所得」から差し引くものです。一方、税額控除は計算した「税金そのもの」から直接差し引くものです。差し引く場所が異なるため、効果の出方も変わります。住宅ローン控除などは税額控除に分類されます。
Q. 控除の申告を忘れて確定申告してしまいました。やり直せますか?
申告期限の後でも、控除の付け忘れなどで税金を払いすぎていた場合は、「更正の請求」という手続きで還付を求められる場合があります。一定の期間内であれば対応できることが多いので、気づいた時点で早めに確認しましょう。詳しい手続きは国税庁サイト等でご確認ください。
Q. どの控除が使えるか、自分で判断する自信がありません。
控除は要件が細かく、自分だけで判断するのが難しい場面もあります。少しでも迷ったら、税務署の相談窓口や記帳代行サービスなどに状況を伝えて確認すると安心です。証明書類をそろえておけば、相談もスムーズに進みます。
要点整理|控除を知ることが、払いすぎを防ぐ第一歩
所得控除は種類が多く、一見すると複雑に感じられます。しかし「基本の控除」「家族の状況で使う控除」「支出があったときに使う控除」という3つの視点で整理すると、自分に関係しそうな項目が見えてきます。まずは当てはまりそうな控除に当たりをつけることが、使い忘れを防ぐ第一歩です。
控除を正しく使えば、本来より多く税金を払ってしまう事態を避けられます。とはいえ要件の確認や書類の準備は手間がかかるものです。無理にすべてを一人で抱え込まず、必要に応じて専門家の力を借りることも検討してみてください。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








