青色事業専従者給与とは?家族への給料を経費にする方法と届出を解説
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税金

青色事業専従者給与は、生計を一にする家族へ払う給料を経費にできる青色申告の制度です。使うには事前の届出と、労働の実態に見合う金額であることが条件になります。制度の中身、必要な届出、金額を決めるときの注意点、配偶者控除との関係まで、はじめての方向けに順に整理します。
本来、生計を一にする配偶者や親族へ払う給料は経費にできません。ところが青色申告には、届出をすれば家族への給料を経費にできる例外の制度があります。家族で事業を営む方にとって、働きを正しく評価しながら税負担を整えられる心強い仕組みです。まずは制度の全体像から押さえましょう。
☑ 手伝ってくれている家族に支払うお金を経費にできるのか知りたい
☑ 「専従者給与」という言葉は聞いたことがあるが、中身がわからない
☑ どんな届出や手続きが必要なのか不安だ
それが「青色事業専従者給与」です。一定の要件を満たして手続きをすれば、家族に支払う給料を経費にできる仕組みです。制度の意味、経費にする方法と必要な届出を、はじめての方にもわかるように順を追って確認していきます。
青色事業専従者給与とは
まずは、この制度がどのようなものかを押さえましょう。
家族への給料を経費にできる制度
青色事業専従者給与とは、青色申告をしている個人事業主が、事業を手伝う家族(青色事業専従者)に支払う給料を、必要経費として計上できる制度です。本来、生計を一にする配偶者や親族への給料は経費にできないのが原則ですが、青色申告のこの制度を使うことで、その給料を経費として認めてもらえるようになります。青色申告制度の全体像は国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」で確認できます。
白色申告の専従者控除との違い
白色申告にも「事業専従者控除」という似た制度がありますが、こちらは控除できる金額に上限が定められています。一方、青色事業専従者給与は、後述する要件を満たせば、支払った給与の額を経費にできる点が大きな違いです。家族にしっかり働いてもらっている場合、青色のほうが柔軟に対応しやすい仕組みといえます。
専従者と認められるための要件
誰でも専従者になれるわけではありません。いくつかの条件があります。
生計を一にする親族であること
青色事業専従者となれるのは、青色申告をしている事業主と生計を一にする配偶者やその他の親族です。日常的に同じ家計で暮らしている家族が対象だとイメージするとよいでしょう。あわせて、その年の12月31日時点で一定の年齢以上であることも条件とされています。
その事業に専ら従事していること
「専従者」という名前のとおり、その年を通じて、原則として一定期間以上、その事業にもっぱら従事していることが必要です。たとえば、他の会社にフルタイムで勤めながら、片手間に少しだけ事業を手伝うような場合は、専従しているとは認められにくくなります。
原則として、その年のうち一定期間を超えて事業に従事していること
学業や他の仕事が中心で、事業への従事が片手間でないこと
給与を経費にするための届出
制度を使うには、事前の届出が欠かせません。ここがとても重要なポイントです。
青色事業専従者給与に関する届出書
青色事業専従者給与を経費にするには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。この届出書には、専従者の氏名や仕事の内容、支払う予定の給与の金額などを記載します。届け出た範囲内で支払った給与が、経費として認められる仕組みです。
提出には期限がある
この届出書には提出期限があります。原則として、その年から専従者給与を経費にしたい場合は、所定の期日までに提出しておく必要があります。届出を忘れたり期限に遅れたりすると、その年は家族への給料を経費にできなくなってしまうため、早めの準備が肝心です。制度の要件や届出の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」で確認できます。
給与の金額を決めるときの注意点
金額の決め方にもルールがあります。常識的な範囲で設定することが大切です。
労働の対価として相当な金額にする
専従者給与は、いくらでも自由に設定してよいわけではありません。実際の仕事の内容や働いた時間、世間一般の同じような仕事の給与水準などに照らして、相当と認められる金額であることが求められます。働きの実態とかけ離れた高額な給与は、経費として認められない可能性があります。世帯全体の手取りで見た最適額の考え方は、青色事業専従者給与の金額の決め方(世帯での試算)で具体的に整理しています。
届け出た金額の範囲内で支払う
支払う給与は、届出書に記載した金額の範囲内であることが基本です。実態に合った適正な金額を、あらかじめ届け出ておくことが大切です。仕事の内容が増えるなどして給与を見直す場合には、変更の届出が必要になることもあります。
専従者給与を活用するメリット
要件を整えて専従者給与を使うと、どのような利点があるのかも知っておきましょう。
事業の所得を圧縮できる
家族に支払った給与を経費にできるため、その分だけ事業の所得が小さくなります。所得が小さくなれば、課税のもとになる金額も抑えられ、結果として税負担の軽減につながることがあります。家族の働きを正しく評価しつつ、事業の実態に沿った経理ができる点が大きな利点です。
世帯全体でバランスがとれる場合がある
専従者給与を支払うと、事業主の所得の一部が家族の所得に移る形になります。所得税は所得が大きいほど税率が高くなる仕組みのため、世帯全体で見たときに負担のバランスがとれ、有利に働くことがあります。ただし、家族側にも収入が生じるため、その分の税や社会保険の負担も考えに入れておく必要があります。事業と給与が混在する世帯の手取りは、夫婦で事業と給与がある世帯の手取り最適化で整理しています。
専従者給与を使うときのポイント
制度を活用する際に、あわせて知っておきたいことを整理します。
専従者は配偶者控除などの対象外になる
青色事業専従者として給与を受け取る家族は、その事業主の配偶者控除や扶養控除の対象から外れます。専従者給与を経費にする一方で、これらの控除は使えなくなるため、どちらが有利かを考えて判断する必要があります。家族構成や所得の状況によって結論は変わります。親と同居する世帯など、扶養と家事按分をあわせて考えたい場合は、親と同居・二世帯で暮らす個人事業主の節税も参考になります。
源泉徴収や記帳もきちんと行う
専従者であっても給与を支払う以上、金額によっては源泉徴収などの手続きが必要になります。また、支払った給与は帳簿に正しく記録しておかなければなりません。経費として認めてもらうためにも、給与の支払いと記帳を適切に行うことが欠かせません。源泉徴収した所得税の納付を年2回にまとめられる制度は、納期の特例で資金繰りと節税を両立する方法で解説しています。給与計算や源泉、日々の記帳まで手が回らないときは、家族の給与も含めた記帳の代行に任せる方法もあります。
よくある質問
Q. パートで他の会社にも勤めている妻を専従者にできますか?
他の仕事が中心で、事業への従事が片手間になっている場合は、専従者と認められにくくなります。専従者は、その事業にもっぱら従事していることが前提です。働き方の実態が条件に合うかどうかを確認することが大切です。
Q. 届出をすれば必ず全額が経費になりますか?
届出は必要条件ですが、それだけで全額が認められるわけではありません。給与の金額が、仕事の内容や時間に照らして相当と認められることも必要です。働きの実態に見合った金額であることが、経費として認められるための前提になります。
Q. 専従者給与と配偶者控除は両方使えますか?
同じ家族について、専従者給与と配偶者控除などを重ねて使うことはできません。専従者給与を経費にした場合、その家族は控除の対象外となります。どちらを選ぶかは、それぞれの効果を比べて判断することになります。
まとめ|届出と実態を整えて家族の働きを経費に
青色事業専従者給与は、青色申告をしている個人事業主が、事業を手伝う家族への給料を経費にできる制度です。生計を一にする親族であること、その事業にもっぱら従事していること、そして事前に届出書を提出していることが、おもな要件となります。給与の金額は、仕事の実態に見合った相当な額にすることが求められます。
家族で支え合って事業を営んでいる方にとって、この制度はその働きを正しく評価し、事業の実態に合わせた経理を行うための仕組みです。一方で、配偶者控除などとの兼ね合いもあるため、自分の状況に合わせて判断することが大切です。届出の期限や記帳など、押さえるべき点を一つずつ整えていきましょう。
専従者給与の記帳や経費の整理は、続けるほど煩雑になりがちです。「家族への給料の処理が合っているか不安」「記帳まで手が回らない」と感じたら、記帳ごと外注してしまうのも一つの手です。領収書丸投げドットコムは、いただいた領収書や請求書をもとに、日々の記帳から確定申告書類の作成までを何枚でも定額 月額6,600円(税込)でお引き受けします。まずは専従者給与の処理ごと記帳を任せられるか無料で相談するところから。料金プランと対応範囲を確認することもできます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








