青色事業専従者給与の金額の決め方|いくらが節税に最適かを世帯で試算
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税金

青色事業専従者給与は、家族への給料を経費にできる制度ですが、金額の決め方で世帯全体の手取りが変わります。専従者本人の税・社会保険とのバランスを踏まえ、いくらが節税に最適かを世帯単位でシミュレーションして確認します。高いほど得とは限らない点がポイントです。
「家族に給料を払えば経費が増えて節税になる」——これは正しいのですが、金額を高くしすぎると専従者本人に所得税・住民税・社会保険料がかかり、配偶者控除も使えなくなります。世帯全体で見ると、必ずしも高いほど得とは限りません。事業主と専従者を合わせた「世帯の手取り」で最適額を考えましょう。
☑ 家族に払う給料をいくらにすれば一番得なのか知りたい
☑ 専従者給与と配偶者控除のどちらが有利か整理したい
☑ 給料を上げすぎて損しないための目安を知りたい
この記事を読むと、専従者給与の金額の決め方と、世帯で損しないための考え方がわかります。
青色事業専従者給与とは?金額を決める前の基本
青色事業専従者給与とは、青色申告の個人事業主が、生計を一にする家族に支払う給与を必要経費にできる制度です。事業主の所得を家族に分散することで、世帯全体の税率を下げる効果があります。制度の基本は青色事業専従者給与とは?家族への給料を経費にする方法と届出で詳しく解説しています。
使うには届出と要件がある
「青色事業専従者給与に関する届出書」を、原則その年の3月15日まで(新規開業や新たに専従者を持つ場合はその日から2か月以内)に提出しておく必要があります。専従者は、その年12月31日で15歳以上、かつ年の半分を超えて事業に専ら従事していることなどが条件です。制度の詳細は国税庁タックスアンサーNo.2075で確認できます。
給与額は「労務の対価として相当な額」
専従者給与は、仕事の内容や従事の程度に見合った金額でなければなりません。実態のない高額な給与は税務調査で否認されるおそれがあります。届出書に記載した金額の範囲内で、実際の労働に見合う額を支払うのが原則です。否認されないためのポイントは節税策の費用対効果を見極める考え方もあわせてご覧ください。
専従者給与にすると配偶者控除は使えない
金額を考えるうえで最も重要なのが、この点です。専従者給与を支払うと、その家族は配偶者控除・扶養控除の対象から外れます。
控除を捨てる分を給与の経費効果で上回る必要がある
配偶者控除は最大38万円の所得控除です。専従者給与を選ぶと、この控除を失う代わりに給与全額を経費にできます。給与を経費にする節税効果が、失う配偶者控除を上回って初めて有利になるわけです。少額の給与しか払わないなら、配偶者控除を使った方が得なこともあります。
専従者本人にも税と社会保険がかかる
給与が一定額を超えると、専従者本人に所得税・住民税がかかり、さらに国民健康保険料の世帯負担も増えます。事業主の節税額だけでなく、専従者側の負担増も合わせた世帯トータルで判断することが欠かせません。家族を雇う際の使い分けは夫婦で事業と給与がある世帯の手取り最適化で整理しています。
世帯での最適額シミュレーション
ここでは、専従者に給与を払わない場合(配偶者控除を使用)と、給与を払う場合を、世帯の手取りで比べてみます。
試算の前提
事業主の所得税率が20%(課税所得330万〜695万円帯)+住民税10%のケースで、専従者給与を年96万円(月8万円)・年150万円(月12.5万円)払った場合の、経費による事業主側の節税効果と、専従者本人の税負担をざっくり比較します。
ケース | 事業主側の効果 | 専従者側の負担 |
|---|---|---|
給与なし(配偶者控除38万円) | 約11.4万円の節税 | 負担なし |
給与96万円 | 約28.8万円の節税 | 所得税ほぼゼロ・住民税わずか |
給与150万円 | 約45万円の節税 | 所得税・住民税が発生 |
読み取れるポイント
給与を96万円程度に抑えると、専従者本人の所得税はほぼかからず、事業主側で大きな経費効果が得られます。給与を150万円まで上げると事業主の節税額は増えますが、専従者本人の税・社会保険負担も増えるため、世帯での増分は逓減します。専従者本人に税負担が生じ始める手前を一つの目安にすると、バランスが取りやすくなります。実際の最適額は世帯の所得構成で変わるため、両方を試算して比べましょう。
専従者給与を始めると、毎月の給与計算・源泉徴収・年末調整の事務が発生します。この一連の作業をまとめて任せたい方は、給与計算を含む記帳を任せる記帳代行という選択肢もあります。
よくある質問
Q. 専従者給与はいくらまで払えますか?
上限額は法律で決まっていませんが、届出書に記載した金額の範囲内で、労務の対価として相当な額である必要があります。同じ仕事を他人に頼んだ場合の給与水準を目安に、実態に合った金額にしましょう。
Q. 給与を払えば専従者は扶養から外れますか?
専従者給与を支払うと、税法上は配偶者控除・扶養控除の対象外になります。社会保険の扶養についても給与額によって外れることがあるため、給与額を決める際は両面から確認しましょう。
Q. パートで外に働くのと専従者、どちらが得ですか?
家族が外でパート収入を得つつ配偶者控除の範囲に収める方法と、専従者給与を受ける方法は併用できません。事業への従事度合いや世帯の所得構成によって有利さが変わるため、両方を試算して選びましょう。
Q. 専従者給与から源泉徴収は必要ですか?
給与額によっては源泉徴収と年末調整が必要です。専従者一人でも、給与を払う以上は給与計算と源泉の手続きが発生する点を見込んでおきましょう。
結論:世帯の手取りで最適額を見極める
青色事業専従者給与は家族への給料を経費にできますが、金額を高くすれば専従者本人に税・社会保険がかかり、配偶者控除も失います。事業主の節税効果と専従者側の負担を合わせた世帯の手取りで判断し、専従者本人に税負担が生じ始める手前を一つの目安にするとバランスが取りやすくなります。給与額は実際の労働に見合う相当な額にすることも忘れないでください。
専従者給与を導入すると、給与計算・源泉徴収・年末調整といった事務が増えます。本業に集中しながらこれらをすべて自分で回すのは、想像以上に手間がかかります。
家族への給与まわりの事務を整えて、本業に時間を使いたい。そんなときは記帳ごと外注するのが近道です。領収書丸投げドットコムは、領収書や請求書を送るだけで記帳から確定申告書類の作成までサポートし、契約縛りもありません。まずは家族への給与と記帳をまとめて任せられるか相談する(無料)のがおすすめです。依頼から開始までの段取りは依頼から開始までの流れを見ると確認できます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








