個人事業主の領収書の保存期間と捨ててよい時期をやさしく解説
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税務

個人事業主の領収書などの帳簿書類は、申告方式や書類の種類に応じて数年単位の保存が法律で義務づけられています。なぜ保存が必要かという理由から、保存期間を数える起点、捨ててよい時期の判断、かさばる書類との付き合い方までを順に整理します。
個人事業主として活動していると、領収書や請求書が年々たまっていきます。「念のため取っておこう」と保管を続けた結果、引き出しや段ボールが書類でいっぱい、という方も少なくないでしょう。一方で、うっかり必要な書類を捨ててしまったらと思うと、なかなか処分にも踏み切れません。細かな年数を完璧に覚えるのではなく、判断の軸になる基本の考え方を身につけることを目標にしましょう。
☑ 領収書はいつまで取っておけばいいのか、明確に答えられない
☑ 捨ててはいけない書類を間違えて処分しないか不安で、書類が積み上がっている
なぜ領収書を保存しなければならないのか
領収書は経費を裏づける証拠であり、その保存は法律で定められた義務です。まずはこの2つの理由を押さえておきましょう。
経費を証明する大切な根拠
領収書は、その支出が確かにあったことを示す証拠です。確定申告で経費として計上した内容について、後から内容を確認される場面があった際、領収書がなければ支出を裏づけられません。きちんと保存しておくことは、申告内容を守ることにもつながります。
保存は法律で定められた義務
帳簿や領収書などの書類は、一定期間の保存が法律で義務づけられています。「もう使わないから」と早々に処分してよいわけではありません。保存義務を知らずに捨ててしまうと、いざというときに困ることになります。帳簿や書類の保存が義務づけられている点は、国税庁タックスアンサーNo.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」で確認できます。
領収書は支出を裏づける証拠になる
一定期間の保存は義務であり、任意ではない
領収書の保存期間の基本
保存期間は申告方式や書類の種類によって整理の仕方が変わり、数える起点にも注意が必要です。順に確認しましょう。
青色申告と白色申告で考え方を整理する
保存期間は、申告の方式によって整理の仕方が変わります。青色申告の場合、帳簿や決算関係の書類、領収書などの証ひょう類について保存期間が定められています。白色申告の場合も、帳簿や書類の保存が求められます。いずれの方式でも、領収書を含む書類を数年単位で保存する必要があると考えておきましょう。青色申告の帳簿・書類の保存については、国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」で確認できます。
書類の種類で期間が変わることがある
保存すべき期間は、書類の種類によって異なる場合があります。帳簿、決算に関する書類、現金の出し入れに関わる書類など、区分ごとに年数が定められています。細かな年数は改正されることもあるため、具体的な保存期間は最新情報を国税庁サイト等でご確認ください。
帳簿類と書類類で扱いが分かれることがある
年数は申告方式や書類区分によって異なる
「いつから数えるか」に注意
保存期間を数えるとき、領収書を受け取った日からではなく、その年の確定申告期限の翌日などを起点として数えるのが一般的な考え方です。受け取った日から単純に数えると、思ったより早く処分してしまうおそれがあるため注意しましょう。
「捨ててよい時期」の考え方
保存期間を過ぎた書類は原則として処分できますが、消費税の観点も意識し、迷うものは急いで捨てないのが安全です。
保存期間を過ぎた書類は処分できる
定められた保存期間を過ぎた書類は、原則として処分して構いません。書類を年度ごとにまとめておけば、「今年処分してよいのはどの年度分か」が判断しやすくなります。期間が過ぎたものから順に整理していくと、無理なく書類を減らせます。
消費税や他の制度も意識する
消費税の申告をしている場合など、所得税とは別の観点からも書類の保存が求められることがあります。複数の制度が関わると、保存すべき期間が変わる可能性があります。判断に迷うときは、長めに保存しておくほうが安心です。所得税の保存期間が過ぎても、消費税の観点ではまだ保存が必要、というケースも起こり得ます。
迷ったら処分を急がない
「もう捨ててよいか」と少しでも迷う書類は、急いで処分しないことをおすすめします。保管にかかる手間より、必要な書類を失うリスクのほうが大きいからです。確実に期間が過ぎたと判断できるものから片づけていきましょう。そもそも領収書の整理や記帳に手が回らないなら、記帳代行という選択肢で、保存も含めた書類管理をまとめて任せる方法もあります。
かさばる書類とうまく付き合うコツ
年度ごとにまとめる、電子保存を活用する、こまめに整理する、処分時は情報に配慮する——この4つが、書類の山と付き合うコツです。
年度ごとにまとめて保管する
書類は年度ごとに封筒や箱を分けて保管すると、後から探しやすく、処分の判断もしやすくなります。表に年度を書いておくだけでも、管理がぐっと楽になります。月ごとにクリアファイルで分けるのも有効です。年度の区切りで一つの箱が完結していれば、「保存期間が過ぎた箱ごと処分する」といった判断もしやすくなり、整理の手間が大きく減ります。
電子で保存する方法もある
近年は、領収書などをデータで保存する方法も広がっています。一定のルールを満たせば、紙の代わりに電子データで保存することが認められています。メール添付やネット注文の領収書など電子取引のデータは、電子取引データの保存要件に沿った保存が必要です。紙の領収書をデータに切り替える場合は、紙の領収書をスキャナ保存に切り替える手順と要件を確認しておきましょう。
年度・月ごとに分けると探しやすく処分もしやすい
電子保存を活用すれば紙の保管負担を減らせる
スマホで撮影して保存する運用はスマホ撮影した領収書の電子帳簿保存法対応の運用ルールにまとめられており、電子データは後から探せることが求められるため、検索要件を満たすファイル名・保存ルールもあわせて押さえておくと安心です。
「ためてから整理」より「こまめに整理」
領収書は受け取った段階で整理しておくのが理想です。後でまとめて片づけようとすると、量が膨大になって手がつけられなくなりがちです。月に一度でも整理する習慣をつけると、確定申告の時期も慌てずに済みます。財布にたまったレシートを定位置に移すだけでも、紛失や劣化を防げます。
処分するときの注意点
保存期間を過ぎた書類を処分する際にも、いくつか気をつけたい点があります。領収書には取引先の名称や金額など、外部に知られたくない情報が含まれていることがあります。処分するときは、シュレッダーにかけるなど、内容が読み取れない状態にしてから捨てると安心です。
処分前に「本当に保存期間が過ぎているか」を再確認する
取引情報が読み取れないようにして処分する
よくある質問
Q. 感熱紙の領収書は文字が消えてしまいます。どうすればいいですか?
レシートなどの感熱紙は、時間が経つと文字が薄くなり読めなくなることがあります。早めにコピーを取るか、スマホで撮影してデータとして残しておくと安心です。保存期間中に内容が判読できなくなると、証拠としての役割を果たせなくなります。
Q. 領収書をなくしてしまった支出は経費にできませんか?
領収書がなくても、出金の記録や利用明細など、支出を確認できる別の資料が残っていれば対応できる場合があります。日付・金額・内容・支払先がわかるよう、メモや記録を残しておくことが大切です。まずは支出を裏づけられる材料を探してみましょう。
Q. 保存期間が書類ごとに違って覚えきれません。
細かな年数を完璧に暗記する必要はありません。「数年単位で保存し、年度ごとに分けておく」という基本を押さえれば十分です。具体的な年数を確認したいときは国税庁サイト等を参照するか、記帳代行サービスなどに相談すると整理しやすくなります。
まとめ:ルールを知れば安心して書類を整理できる
領収書をはじめとする帳簿書類には、法律で定められた保存期間があります。期間は申告方式や書類の種類によって異なりますが、「数年単位で保存し、期間を過ぎたものから処分する」という基本の考え方を押さえておけば、必要以上に書類をため込まずに済みます。数える起点や消費税の取り扱いには注意しましょう。保管のコツは、年度ごとにまとめること、そして電子保存も活用することです。少しでも迷う書類は、急いで処分しないのが安全です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








