ネットショップ・ECの記帳|決済手数料と入金消込の帳簿づけを解説
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税務

ネットショップ・ECの記帳は、売上を注文総額で計上し、プラットフォームの手数料を差し引かれた入金と正しく消し込むのが要です。売上・手数料・入金のズレの処理から在庫管理、月次の締めまでを、勘定科目の実例と数値例で整理します。
楽天・Amazon・BASE・Shopifyなどで販売するネットショップは、注文と入金のタイミングがずれ、販売手数料・決済手数料・送料などが差し引かれた金額がまとめて入金されるのが特徴です。入金額だけを売上にしてしまうと、手数料の分だけ売上が過小になり、経費も正しく把握できません。「総額で売上を立て、手数料を経費にし、入金と消し込む」という流れが、EC記帳の中心になります。
☑ プラットフォームから手数料を引かれた金額が入金されるが、売上をどう計上するか分からない
☑ 注文日と入金日がずれるので、売上と入金の合わせ方に迷う
☑ 送料や決済代行の手数料をどの科目で付けるか知りたい
ネットショップ・ECを営む個人事業主の日々の記帳と月次の締めを、勘定科目の具体例と数値例に沿って順に確認していきます。手数料相殺と入金消込に迷わなくなることを目指します。
売上は「注文総額」で計上する
ネットショップの売上は、お客様が支払った注文総額(商品代金+受け取った送料)で計上するのが基本です。プラットフォームや決済代行が差し引く手数料は、売上から直接引くのではなく、別に「支払手数料」「販売手数料」として経費に計上します。入金額=売上ではない、という点が最大のポイントです。
手数料を差し引かれた入金の考え方
たとえば1万円の注文で、販売手数料1,000円が引かれて9,000円が入金される場合、売上は1万円、販売手数料1,000円(経費)、入金9,000円、と分けて記帳します。差し引き後の入金だけを見て9,000円を売上にすると、1,000円の手数料が帳簿から抜けてしまいます。差引入金の記帳は振込手数料・差引入金の記帳|売上から引かれた手数料の処理で詳しく解説しています。
複数モールを使うときの管理
複数のモールや決済サービスを使っている場合は、入金経路ごとに売上と入金を突き合わせる必要があります。売上データ(管理画面の売上レポート)と入金明細を照合し、どのモールからいくら入金されたかを消し込みます。複数の入金経路の突合は複数の入金経路がある事業の突合|売上と入金を合わせる実務を参考にしてください。
注文日と入金日のズレを消し込む
ECでは注文(売上)が立った日と、プラットフォームからまとめて入金される日がずれます。売上は注文が確定した月に計上し、入金までの間は「売掛金」で管理して、入金時に消し込むのが正しい流れです。
売掛金での管理フロー
①注文が確定した月 … 注文総額を「売上高」に計上し、同額を「売掛金」に計上
②プラットフォームからの入金月 … 手数料を「支払手数料」等で計上し、残りを預金の増加として「売掛金」を消し込む
③返品・キャンセルがあった分 … 売上と売掛金を取り消す
入金サイクルが月2回や翌月末など、モールごとに異なる場合もあります。管理画面の売上レポートを月末で締め、未入金分を売掛金として把握しておくと、月次の利益が実態に合います。
送料・在庫などECの経費と科目
発送にかかる送料や梱包材、決済代行の手数料など、ECならではの経費を正しい科目で記帳します。商品を仕入れて売るタイプのショップでは、年末の在庫(棚卸資産)の管理も欠かせません。
ネットショップ・ECの勘定科目の例
取引の内容 | 勘定科目 |
|---|---|
販売用商品の仕入 | 仕入高 |
発送にかかる送料 | 荷造運賃 |
段ボール・緩衝材・梱包資材 | 荷造運賃(または消耗品費) |
モールの月額出店料・システム利用料 | 支払手数料(または通信費) |
販売手数料・決済代行手数料 | 販売手数料・支払手数料 |
ネット広告(リスティング・SNS) | 広告宣伝費 |
年末に売れ残った在庫 | 商品(棚卸資産) |
科目の整理に迷ったら勘定科目を整理する実務、キャッシュレス決済の手数料処理はキャッシュレス売上・決済手数料の記帳と科目の選び方を参考にしてください。記帳・帳簿の保存ルールは国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」で確認できます。
在庫の棚卸を忘れずに
商品を仕入れて売るショップは、年末に売れ残った在庫を数えて棚卸資産として繰り越します。仕入額をそのまま全額経費にするのではなく、売れた分だけが売上原価になる点は実店舗と同じです。棚卸の進め方は実地棚卸の進め方と帳簿棚卸との差異処理で解説しています。
月次の締めと数値例
月次では、管理画面の売上レポートで注文総額を締め、手数料や送料などの経費を差し引いて利益を確認します。未入金分を売掛金として把握し、入金明細と照合して消し込むことで、帳簿と実際の入金が一致します。
数値例で見る1か月の記帳
たとえば、月の注文総額(売上)が100万円で、そのうち販売手数料が10万円、決済手数料が2万円引かれて、88万円が入金されたとします。売上は100万円で計上し、手数料12万円は経費に、入金88万円で売掛金を消し込みます。さらに仕入35万円、送料・梱包で8万円、広告費5万円を差し引くと、その月の利益はおよそ40万円と見えてきます(在庫の増減は年末の棚卸で調整)。入金88万円だけを売上にしていたら、手数料12万円が帳簿から抜けてしまう点を実感できるはずです。
出品・発送・顧客対応に追われて、手数料相殺や入金消込まで手が回らないときは、記帳を外に任せる選択肢もあります。実際にお預かりするEC事業者の帳簿でも、入金額をそのまま売上にしていて手数料が経費から抜けている、というケースは珍しくありません。
よくある質問
Q. 手数料を引かれた後の入金額を売上にしてはいけないのですか?
はい、入金額を売上にするのは避けましょう。売上は注文総額で計上し、差し引かれた手数料は「支払手数料」「販売手数料」として別に経費にします。こうしないと売上も経費も過小になり、正しい利益が出せません。
Q. 注文日と入金日がずれる場合、いつの売上にしますか?
原則として注文(販売)が確定した日の属する月の売上にします。入金までの間は「売掛金」で管理し、実際に入金された月に消し込みます。入金日で売上にすると、月ごとの利益がずれてしまいます。
Q. お客様から受け取った送料は売上ですか、経費ですか?
お客様から受け取る送料は売上の一部として計上し、実際に配送業者へ支払う送料は「荷造運賃」で経費にします。受け取り分と支払い分を相殺せず、それぞれ記帳するのが基本です。
Q. 複数のモールを使っていて入金の管理が大変です。
モールごとに売上レポートと入金明細を突き合わせ、入金経路別に消し込むのが基本です。件数が多くて追いつかない場合は、記帳代行に任せて出品や発送の時間を確保する選択肢もあります。
結論:総額計上と入金消込がEC記帳の要
ネットショップ・ECの記帳は、売上を注文総額で計上し、差し引かれた手数料を経費にして、入金と売掛金を消し込むのが要です。注文日と入金日のズレを売掛金で管理し、年末に在庫を棚卸すれば、帳簿は実態と一致します。
そうはいっても、出品・発送・顧客対応に追われる中で、手数料相殺や入金消込まで一人で正確にこなすのは大きな負担です。数字が合わないまま確定申告を迎える前に、記帳を任せて販売に集中する手もあります。
領収書丸投げドットコムなら、仕入の請求書や売上・入金の明細を送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成まで対応します。何枚送っても定額で、枚数を気にせず丸ごと預けられます。手数料の処理を任せて販売に集中できるか相談するところから始めてみてください。依頼できる範囲と費用は料金プラン(何枚でも定額)で確認できます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








