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開業から3年で実践したい節税ロードマップ...

2026/8/11

開業から3年で実践したい節税ロードマップ|年ごとの優先順位を解説

  • 税金

開業から3年の節税は、1年目に申告の土台、2年目に控除と経費の精度、3年目に共済・iDeCoなど将来向けの制度、という順番で優先順位をつけるのが効果的です。年ごとにやるべきことを整理します。

独立して事業を始めると、「節税対策をした方がいい」という話はあちこちで耳にします。けれども、開業したばかりの時期と、売上が安定してきた時期とでは、取るべき対策はまったく違います。あれもこれもと手を広げて、結局どれも中途半端になってしまう方も少なくありません。

☑ 開業したばかりで、節税といっても何から手をつければいいのかわからない

☑ 「あれもやった方がいい」と言われるが、優先順位がつけられない

☑ 売上が伸びてきた今、もっと早く対策しておけばよかったと感じている

開業から3年というスパンで、年ごとにどの節税対策を優先すべきかをロードマップ形式で整理します。「今の自分が真っ先にやるべきこと」と「もう少し売上が育ってから検討すること」の区別がつくように進めていきます。

なぜ節税には「順番」が大切なのか

すべてを同時に始める必要はない

節税対策には数多くの選択肢がありますが、効果が出るタイミングや手間のかかり方はそれぞれ異なります。利益がほとんど出ていない時期に高額な保険へ加入しても効果は限定的で、かえって資金繰りを圧迫しかねません。だからこそ、所得の規模と事業の成長段階に合わせて優先順位をつけて取り組むことが大切です。

「土台づくり」が先、「上乗せ」は後

節税は家づくりに似ています。まず帳簿づけや申告という土台を固め、その上に控除や制度活用という上乗せを積んでいくイメージです。次の3段階で考えていきます。

  • 1年目:申告の土台を整える(届出・帳簿・青色申告)

  • 2年目:所得控除と経費の精度を高める

  • 3年目:将来に向けた制度を本格活用する

【1年目】まずは申告の土台を固める

開業届と青色申告承認申請はセットで提出

開業したら税務署へ開業届を提出します。そして節税の観点で何より重要なのが青色申告承認申請書です。青色申告を選ぶと、最大65万円の青色申告特別控除や、赤字を翌年以降に繰り越せる制度など、白色申告にはないメリットを受けられます。青色申告の全体像は国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」で確認できます。

注意したいのは提出期限です。青色申告承認申請書は、原則として申告したい年の3月15日まで、または開業から2か月以内に提出する必要があります。この期限を過ぎるとその年は青色申告ができません。年の途中で開業した場合の期限の考え方は年の途中で開業したときの青色申告の期限にまとめています。「とりあえず開業届だけ」で済ませず、両方を同時に出しておきましょう。

記帳の習慣を最初の月からつくる

65万円控除を受けるには、複式簿記による記帳と、e-Taxでの申告または電子帳簿保存といった要件を満たす必要があります。控除額が65万・55万・10万でどう変わるかは青色申告特別控除の65万・55万・10万の違いで確認できます(国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」)。これらを年末にまとめてやろうとすると、領収書の山に埋もれて大変な作業になります。開業した最初の月から記帳と書類整理の習慣をつくることで、確定申告期(原則2月16日〜3月15日)に慌てずに済みます。最初から記帳を仕組み化したい方は、記帳代行というやり方を早い段階で検討しておくと、土台づくりがぐっと楽になります。

事業用の口座とカードを分ける

プライベートと事業のお金が混ざっていると、経費の判断に時間がかかり、計上漏れも起きやすくなります。1年目のうちに事業専用の口座とクレジットカードを用意し、事業の入出金をそこに集約しましょう。お金の流れが明確になることで、経費を正しく漏れなく計上でき、結果的に節税につながります。

【2年目】所得控除と経費の精度を高める

使える所得控除を一通り見直す

2年目は、1年分の申告を経験して全体像が見えてくるタイミングです。会社員時代は年末調整で自動処理されていた控除も、個人事業主になると自分で申告する必要があります。次のような所得控除に取りこぼしがないか棚卸ししてみましょう。

  • 社会保険料控除(国民年金・国民健康保険など)

  • 生命保険料控除・地震保険料控除

  • 医療費控除・ふるさと納税による寄附金控除

経費の判断基準を自分なりに固める

経費は、事業を行ううえで必要な支出であれば計上できます。2年目は、家事按分(自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費などを事業分とプライベート分に分けること)の割合や、どこまでを経費とするかの基準を、自分の事業実態に合わせて整理したい時期です。大切なのは、「なぜこれが事業に必要なのか」を説明できる根拠を残しておくことです。無理に経費を増やすのではなく、正当な経費を漏れなく計上する姿勢が、長く続けられる節税の基本です。

少額減価償却資産の特例を意識する

青色申告者には、30万円未満の備品などを購入した年に全額を経費にできる「少額減価償却資産の特例」があります(年間合計の上限などの条件あり)。パソコンや機材といった設備投資を検討しているなら、この特例を意識して購入のタイミングを考えると、その年の所得を抑えやすくなります。細かい上限や適用条件は変わることがあるため、購入前に最新の内容を確認しておきましょう。

【3年目】将来に向けた制度を本格活用する

小規模企業共済で「退職金」を準備する

事業が軌道に乗り所得がしっかり出てきた3年目あたりからは、将来を見据えた制度が効いてきます。代表格が小規模企業共済です。これは個人事業主のための退職金制度のようなもので、支払った掛金の全額が所得控除の対象になります。節税しながら引退に備えた資金を積み立てられ、掛金を資金繰りに合わせて調整できる点も使いやすいポイントです。どのくらい節税になるかは小規模企業共済の節税シミュレーションで確認できます。

iDeCoで老後資金と節税を両立

老後資金の準備と節税を同時に進めたいなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)も検討に値します。掛金は全額が所得控除の対象となり、運用益が非課税になるメリットもあります。厚生年金がない個人事業主にとって、自分年金づくりは大きなテーマです。所得が安定してきた時期に始めれば、控除メリットを長く享受できます。掛金と控除の関係はiDeCoの所得控除と節税効果で整理しています。

法人化を検討すべきか見極める

所得がさらに大きくなってくると、法人化(法人成り)が選択肢に入ってきます。一般に所得が一定水準を超えると法人の方が有利になり、役員報酬による所得分散や経費計上の幅の広がりといったメリットが生まれます。ただし設立費用や社会保険の加入義務、事務負担の増加といったデメリットもあります。「売上が増えたから即法人化」ではなく、自分の所得水準で本当に有利になるのかを一度シミュレーションしてみるのが賢明です。

3年を通じて続けたい「正しい記帳」という土台

どんな節税策も帳簿が支えている

ここまで年ごとの優先順位を見てきましたが、すべての節税対策に共通する土台が「正しい記帳」です。青色申告特別控除も、経費の計上も、各種控除の証明も、日々の帳簿と書類が整っていて初めて成り立ちます。帳簿が曖昧なままでは、せっかくの制度も十分に活かせません。

記帳を続けられる仕組みづくりがカギ

とはいえ、本業をこなしながら毎月の記帳を3年間続けるのは、想像以上に負担の大きい作業です。記帳が後回しになり、年明けに1年分をまとめてやろうとして申告期に疲弊する方は少なくありません。だからこそ、自分で抱え込まず、会計ソフトの自動化機能や記帳代行サービスを上手に取り入れて、無理なく続けられる仕組みを早い段階でつくっておくことが、長期的に見て最も効果的な節税につながります。

よくある質問

Q. 開業1年目で赤字なら、確定申告はしなくてもよいですか?

赤字であっても、青色申告で確定申告をしておくことを強くおすすめします。青色申告なら、その年の赤字を翌年以降に繰り越し、黒字が出た年の所得と相殺できる「純損失の繰越控除」が使えます。1年目に申告しておくことで、2年目以降の税負担を軽くできる可能性があります。

Q. 節税のために、とにかく経費を増やせばよいのでしょうか?

必要のない支出を増やしてまで経費を計上するのは本末転倒です。経費を1万円増やしても、手元から出ていくお金の方が大きく、トータルでは損になります。あくまで事業に必要な支出を漏れなく計上することと、控除や制度を正しく活用することが、健全な節税の基本です。

Q. 3年目より前に法人化を考えても問題ありませんか?

問題ありません。3年というのはあくまで目安です。1年目から所得が大きく伸びている場合は、早めに法人化を検討する価値があります。逆に所得がまだ小さいうちは個人事業のメリットも大きいため、自分の数字をもとに判断することが大切です。

節税は「今の段階でやるべきこと」から着実に|まとめ

開業からの3年は、申告の土台づくり(1年目)、所得控除と経費の精度向上(2年目)、将来に向けた制度活用(3年目)という流れで、優先順位をつけて取り組むのが効果的です。あれもこれもと焦らず、今の所得規模と事業の成長段階に合った対策から着実に積み上げていくことが、無理のない節税への近道です。

そして、どの段階でも変わらず大切なのが、日々の正しい記帳という土台です。これがしっかりしていれば、各年の節税策はその力を最大限に発揮します。逆に記帳が滞ってしまうと、せっかくのロードマップも絵に描いた餅になりかねません。領収書丸投げドットコムでは、領収書や請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行しています。記帳の土台づくりから任せられるか無料で相談する。相談は無料です。実際に依頼した方の声は導入事例でご覧いただけます。

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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