ホーム

/

コラム一覧

/

年の途中で開業した人の青色申告の期限|2...

2026/9/8

年の途中で開業した人の青色申告の期限|2か月ルールを解説

  • 確定申告

年の途中で開業した人が青色申告を始める期限は、原則として開業日から2か月以内です。起算日は開業日で、1月15日以前の開業だけは3月15日が期限になります。初年度から最大65万円の特別控除を受けるための条件まで、順に整理します。

会社員を辞めて独立したり、副業から事業を本格化させたりと、年の途中で開業する方は増えています。ところが青色申告の届出期限は人によって日付が変わるため、気づいたら過ぎていた、という取りこぼしが起きやすい手続きでもあります。まずは自分の期限がいつなのかを、落ち着いて確認していきましょう。

☑ 年の途中で開業したけれど、青色申告の届出をいつまでに出せばいいのかわからない

☑ 「2か月以内」という話を聞いたが、起算日がどこなのか自信がない

☑ 開業した最初の年から65万円控除を受けられるのか知りたい

青色申告を始めるには何を、いつまでに出せばよいのか。起算日の数え方、提出すべき書類、初年度から特別控除を受ける条件までを、具体例を交えて確認していきます。

青色申告を始めるには「届出」が必要です

開業届とセットで考える

個人事業を始めたら、まず税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を提出します。これは事業を始めたことを知らせる書類で、青色申告そのものの申請とは別物です。青色申告を行うには、これとは別に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。青色申告の全体像は、国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」でも確認できます。

実務では、開業届と青色申告承認申請書を同じタイミングで一緒に提出する方が多く、手続きの手間も少なく済みます。開業届だけを出して青色申告承認申請書を出し忘れると、その年は自動的に白色申告になってしまうため、2枚セットで考えておくと安心です。

白色申告と青色申告の違い

白色申告は事前の届出が不要で記帳も比較的簡単ですが、青色申告のような特別控除はありません。一方、青色申告は事前の申請と複式簿記などの帳簿づけが求められる代わりに、次のような特典があります。

  • 最大65万円の青色申告特別控除(要件を満たした場合)

  • 赤字を翌年以降3年間繰り越せる「純損失の繰越控除」

  • 家族へ支払う給与を経費にできる「青色事業専従者給与」

開業初年度は何かと出費がかさみ、赤字になることもあります。赤字を翌年以降に繰り越せる仕組みは、開業して間もない時期ほど効いてくる特典です。売上の波が大きい事業なら、売上が落ちた年に備えを崩さず節税する考え方もあわせて知っておくと、初年度から先の見通しが立てやすくなります。だからこそ、最初の年から青色申告を選べるよう、期限内に申請しておく価値は大きいといえます。

承認は「申請」して受けるもの

青色申告承認申請書は、提出すれば原則として承認される手続きです。ただし、期限を過ぎてしまうと、その年分の青色申告は認められません。「出せば通る」ものだからこそ、肝心なのは中身よりも期限内に出すことだと覚えておきましょう。

年の途中で開業した人の「2か月ルール」

原則の期限と特例の期限

青色申告承認申請書の提出期限には、大きく2つのパターンがあります。すでに事業を行っている人が翌年から青色申告に切り替える場合は、その年の3月15日までが原則です。これに対して、年の途中で新しく開業した人には特例があり、開業した日から2か月以内が期限になります。これがいわゆる「2か月ルール」です。

つまり、すでに事業をしている人と新規開業の人とでは、適用される期限のルールが違います。年の途中で初めて開業した方は、3月15日ではなく「開業から2か月以内」という日付を意識する必要があります。

起算日は「開業した日」

2か月のカウントは、開業届に記載する「開業日」を基準に数えます。たとえば6月1日に開業したなら、その2か月後にあたる8月1日が一つの目安です。具体的な日付の数え方には細かなルールがあるため、ぎりぎりを狙わず、開業届と一緒に早めに提出してしまうのが確実です。

開業日は自分で決めて記載する欄ですが、実態とかけ離れた日付にするのは望ましくありません。事業の準備が整い、実際に活動を始めた日を基準に考えるとよいでしょう。開業日をいつにするかで2か月ルールの期限も動くため、開業日と申請期限はセットで把握しておくことをおすすめします。

具体的なスケジュール例

イメージしやすいよう、開業時期ごとの期限の考え方を整理します。

  • 春〜秋に開業:開業日から2か月以内が期限。たとえば4月開業なら6月ごろ、9月開業なら11月ごろが目安です。

  • 年末近くに開業:11月や12月に開業した場合も、考え方は同じく開業日から2か月以内です。期限が翌年にまたがることもあるため、年をまたぐ手続きとして忘れないよう注意します。

  • 1月15日以前に開業:その年の1月1日から1月15日までに開業した場合は、2か月ルールではなく原則どおり「その年の3月15日まで」が期限になります。

このように、開業のタイミングによって期限の考え方が変わります。迷ったら「開業から2か月以内、ただし年明けすぐの開業は3月15日まで」と覚えておくと整理しやすくなります。

開業初年度から青色申告特別控除を受けるには

期限内の申請が大前提

開業した最初の年から青色申告特別控除を受けるには、ここまで説明した2か月ルールの期限内に青色申告承認申請書を提出していることが大前提です。期限を過ぎてから申請した場合、その申請は翌年分から有効となり、開業初年度は白色申告での申告になります。最初の年の特別控除を逃さないためにも、申請のタイミングが何より重要です。

65万円控除には帳簿と申告方法の条件がある

申請を期限内に出したうえで、青色申告特別控除の最大額である65万円を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。代表的なものは次のとおりです。

  • 複式簿記で日々の取引を記帳していること

  • その記帳にもとづいて貸借対照表と損益計算書を作成し、確定申告書に添付すること

  • e-Taxによる電子申告、または電子帳簿保存を行っていること

これらの条件のうち、電子申告などの要件を満たさず複式簿記だけの場合は、控除額が55万円にとどまります。さらに、簡易な記帳(単式簿記)の場合は10万円の控除となります。控除額と要件は国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認でき、令和8年分(2026年分)も同じ枠組みです。開業初年度は売上の規模が小さくても、きちんと複式簿記で帳簿をつけておけば、その後も継続して特別控除を受けやすくなります。控除を含めて手取りをどう増やすかは、控除の効く順番と組み合わせの考え方が参考になります。

期限内に申告することも忘れずに

見落としがちなのが、確定申告そのものの期限です。最大65万円や55万円の特別控除は、確定申告の期限(原則2月16日〜3月15日)内に申告した場合に適用されます。期限を過ぎて申告すると、たとえ複式簿記で帳簿をつけていても特別控除が10万円に減ってしまうことがあります。申請の期限と申告の期限は別物なので、両方をカレンダーに書き込んでおきましょう。

提出方法と提出後にやるべきこと

申請書の提出方法

青色申告承認申請書は、納税地を所轄する税務署に提出します。提出方法は、税務署の窓口への持参、郵送、e-Taxによる電子申請の3つから選べます。控えを手元に残しておくと、後から「いつ提出したか」を確認できて安心です。窓口や郵送の場合は、控えにも収受の記録が残るように準備しておくとよいでしょう。

開業したら帳簿づけをすぐ始める

青色申告を選ぶと決めたら、開業した時点から帳簿づけを始めることが大切です。年明けにまとめてやろうとすると、領収書の山を前に何の支出だったか思い出せず、結局正確な記帳ができなくなりがちです。日々の売上や経費を、こまめに記録しておく習慣をつけましょう。開業直後で記帳まで手が回らないなら、確定申告をまるごと任せる方法を早めに検討しておくと、初年度から慌てずに済みます。

領収書・請求書の保存も忘れずに

青色申告では、帳簿だけでなく、その根拠となる領収書や請求書などの書類も一定期間保存する必要があります。紙で受け取ったものは月ごとに分けて保管し、電子データで受け取ったものは電子帳簿保存法のルールに沿って保存します。取引先とやり取りする書類の電子保存は、請求書の電子化とPDF送付・保存のルールを確認しておくと迷いません。開業当初から保存の仕組みを整えておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。

よくある質問

Q. 開業届だけ出して、青色申告承認申請書を出し忘れました。今年は青色申告できますか?

残念ながら、開業から2か月以内の期限を過ぎている場合、その年分は青色申告ができず、白色申告での申告になります。ただし、期限後に提出した青色申告承認申請書は翌年分から有効になりますので、翌年からは青色申告に切り替えられます。出し忘れに気づいたら、来年のためにできるだけ早く提出しておきましょう。

Q. 開業日はいつにすればよいですか?2か月ルールの期限に影響しますか?

開業日は、実際に事業の活動を始めた日を基準に決めるのが基本です。この開業日から2か月以内が青色申告承認申請書の期限になるため、開業日を遅らせれば期限も後ろにずれます。とはいえ、実態と大きく異なる開業日を記載するのは望ましくありません。準備が整い事業を始めた日を素直に記載し、開業届と申請書を一緒に出してしまうのが確実です。

Q. 開業初年度が赤字でも青色申告をする意味はありますか?

大いにあります。青色申告なら、その年の赤字(純損失)を翌年以降3年間にわたって繰り越し、黒字が出た年の所得と相殺できます。開業初年度は設備投資などで赤字になりやすいため、この繰越控除はとても心強い仕組みです。赤字だからと申告を省略せず、青色申告できちんと申告しておくことをおすすめします。

結論:開業したら「開業から2か月」を最優先で

年の途中で開業した方が青色申告を始めるには、開業日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出することが鍵になります。期限を過ぎると最初の年は白色申告になってしまい、特別控除や赤字の繰越といった特典を初年度から受けられません。開業届と青色申告承認申請書はセットで、できるだけ早めに提出してしまうのが安心です。そのうえで、開業した時点から複式簿記での帳簿づけと書類の保存を始めておけば、最初の確定申告もスムーズに進みます。

とはいえ、開業したばかりの時期は、事業を軌道に乗せることに精一杯で、帳簿づけまで手が回らないのが正直なところかもしれません。複式簿記や貸借対照表と聞くだけで、身構えてしまう方も多いはずです。

記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する開業初年度から青色申告のメリットを受ける方法を無料で相談する

あわせて読みたい:青色申告完全ガイド|このテーマの全体像を1本にまとめて解説しています。

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

これらの悩み・経理の課題

領収書丸投げドットコムが解決します!

個人事業主の記帳代行は月額6,600円(税込)から

領収書丸投げドットコムは
事業者様の代わりに仕分け・記帳業務を丸っと代行します

個人事業主の基本プランは月額6,600円(税込)、領収書枚数による追加料金・初期費用は0円です。過去分は開始月から申込月まで初回一括請求。4月申込み・1月開始なら4か月分26,400円(税込)です。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別見積もり。確定申告書の作成・提出は月額に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。

詳しく見る

このような方におすすめ!

領収書が山積みで
時間不足

会計ソフトの操作が
複雑でイライラ

確定申告
期限ぎりぎりでパニック

会計ソフトの操作が
複雑でイライラ

領収書丸投げドットコムに
記帳代行を任せるメリット

税理士監修で
経理の不安から解放

税理士監修の体制により、勘定科目の妥当性や青色申告要件を確認しながら記帳を行います。申告や税務調査を見据えた帳簿を整えることで、経理に対する不安や将来的なリスクを大きく軽減します。

仕訳・記帳の
悩みとストレスから解放

領収書の整理や勘定科目の判断に毎回迷う必要がなくなります。専門スタッフが仕訳・記帳を代行するため、入力ミスや科目選択のストレスから解放され、経理作業を後回しにする不安もなくなります。

記帳の
時間と労力を大幅に節約

これまで記帳に費やしていた時間と労力を大幅に削減できます。領収書を送るだけで帳簿が整うため、本業や営業活動、売上づくりに集中できる環境をつくることが可能です。