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給付金・協力金・支援金の課税と非課税|個...

2026/7/16

給付金・協力金・支援金の課税と非課税|個人事業主の扱いを解説

  • 税金

☑ 受け取った給付金や協力金が、確定申告で課税されるのかどうかわからない

☑ 入金された支援金をどの勘定科目で帳簿につければよいか迷っている

☑ 給付金を申告に含め忘れて、あとから税務署に指摘されないか不安だ

事業の資金繰りを助けてくれる給付金・協力金・支援金。いざ受け取ってみると、「これは税金がかかるの?」「売上として申告するの?」と、扱いに戸惑う個人事業主の方は少なくありません。課税されるものと非課税のものが混在しているため、ひとくくりに考えると申告ミスにつながってしまいます。

本記事では、個人事業主が受け取る給付金・協力金・支援金の課税・非課税の考え方と、確定申告での実務的な扱いをやさしく解説します。読み終えるころには、自分が受け取ったお金がどの区分にあたり、帳簿にどう記載すればよいかの判断軸が身につきます。

給付金は原則「課税」が基本と考えましょう

事業に関わる給付金は事業所得になる

まず押さえておきたいのは、事業のために受け取った給付金や協力金、支援金は、原則として課税の対象になるという考え方です。「給付金だから税金はかからない」というイメージを持っている方もいますが、それは誤解であることが多いといえます。

給付金が課税されるのは、それが事業を補填するために支払われたお金、つまり事業の収入と同じ性質を持つからです。売上が落ち込んだ分を埋めるために受け取ったお金であれば、その分は事業の収益として扱われ、所得税の計算に含める必要があります。逆に、もし非課税扱いのお金であれば、所得には含めません。この「課税か非課税か」の見極めが、申告で迷わないための第一歩になります。

なぜ課税されるのか、しくみで理解する

所得税は、1年間の所得(もうけ)に対してかかる税金です。所得は「収入-必要経費」で計算します。給付金で受け取ったお金は収入側に加わる一方、そのお金を使って支払った経費はきちんと経費として差し引けます。

「課税される」と聞くと損をするように感じますが、実際には所得全体で計算した結果に応じて税額が決まるため、給付金を受け取ったこと自体がそのまま大きな負担になるとは限りません。まずは正しく収入として計上することが大切です。

個人として受け取るお金との違い

同じ「給付金」という名前でも、事業者として受け取るものと、生活者・個人として受け取るものでは扱いが分かれます。事業の補填として支払われたものは事業所得に含めますが、個人や家庭の生活を支える目的で支給されたお金は、非課税とされているものもあります。名称だけで判断せず、「何を目的に、誰に対して支払われたお金か」という性質で考えるのがポイントです。

課税される給付金・非課税の給付金の見分け方

課税対象になりやすいもの

事業に関係して支払われ、課税対象になりやすいものには次のようなお金があります。

  • 売上の減少を補うために支給された事業者向けの給付金・支援金

  • 営業時間の短縮や休業に応じて支払われた協力金

  • 家賃や固定費の負担を軽減するための支援金

  • 雇用を維持するために事業主へ支払われた助成金

これらは、いずれも事業を継続するための補填という性質を持つため、原則として事業所得の収入に計上します。「経費の補填」として受け取ったお金も、いったん収入に計上したうえで対応する経費を差し引く、という形が基本です。

非課税とされるもの

一方で、法令などにより非課税と定められているお金もあります。性質としては、事業の補填ではなく、生活や特定の支出を支えるために個人へ支給されるものが中心です。

  • 生活を支える目的で、個人・世帯に対して支給される給付金

  • 子育てや教育などを目的とした個人向けの給付

  • お見舞金など、特定の事情に配慮して支給される非課税扱いのもの

非課税のお金は、そもそも所得に含めないため、確定申告書に収入として書く必要はありません。ただし、「非課税だと思っていたら事業者向けで課税対象だった」というケースもあるため、自己判断で省くのは禁物です。

判断に迷ったときの確認方法

課税か非課税かは、給付金ごとに国や自治体の案内(要綱・FAQなど)で示されていることが多くあります。申請したときの募集要項や、支給決定の通知書に「課税対象です」と明記されている場合も少なくありません。手元の書類を確認し、わからなければ支給元の窓口や税務署、専門家に問い合わせるのが確実です。受け取って終わりにせず、関係書類は必ず保管しておきましょう。

帳簿への記載と勘定科目の選び方

課税される給付金の仕訳

事業所得に含める給付金は、収入として帳簿に記載します。売上そのものではないため、通常の「売上高」とは分けて、「雑収入」という勘定科目で処理するのが一般的です。本業の売上とは別に受け取った収入であることが、帳簿上もひと目でわかるようになります。

仕訳のイメージとしては、給付金が口座に入金された日に、借方を「普通預金」、貸方を「雑収入」として記録します。現金で受け取った場合は「現金」で処理します。金額が大きい場合でも、考え方は同じです。

いつの収入として計上するか

給付金をいつの年分の収入にするかも、迷いやすいポイントです。基本となるのは、支給を受けることが決まった日(支給決定の通知を受けた日)を基準に計上するという考え方です。申請しただけ、入金されただけ、という単純な区切りではない点に注意しましょう。

たとえば年末に支給が決まり、入金が翌年になった場合、どちらの年分の収入になるかで申告内容が変わります。判断に迷う場合は、通知書の日付を手がかりにしつつ、専門家に確認すると安心です。年をまたぐ給付金は特に間違えやすいため、書類の日付を必ず控えておきましょう。

非課税の給付金は帳簿に載せない

個人として受け取った非課税の給付金は、事業の帳簿には載せません。事業用の口座に振り込まれた場合は、事業のお金と区別するために「事業主借」などの科目で処理し、収入には含めないようにします。事業と関係のないお金を売上や雑収入に混ぜてしまうと、所得が実際より大きく計算され、払わなくてよい税金まで負担することになりかねません。

消費税やインボイスとの関係も押さえる

給付金は消費税の課税対象になるのか

消費税は、商品やサービスの「対価」として受け取るお金にかかる税金です。給付金や協力金、支援金は、何かの商品やサービスを提供した見返りとして受け取るものではないため、原則として消費税の課税対象にはなりません(不課税)

つまり、給付金は所得税では課税されることが多い一方、消費税では課税されないという、少しややこしい関係になります。消費税の申告をしている課税事業者の方は、給付金を消費税の売上(課税売上)に含めないよう注意しましょう。

課税事業者かどうかの判定への影響

消費税を納める義務があるかどうかは、課税売上高をもとに判定します。給付金は不課税の収入なので、この課税売上高には基本的に含めません。そのため、給付金を受け取ったことで急に消費税の課税事業者になる、ということは通常ありません。

会計ソフトでの入力に注意

会計ソフトで給付金を入力するときは、税区分の設定に気をつけましょう。雑収入として入力する際に、自動で「課税売上」が選ばれてしまうと、消費税の計算がずれてしまうことがあります。給付金は「対象外」「不課税」といった税区分で入力するのが基本です。入力後に税区分が正しいか、ひと手間かけて確認しておくと安心です。

受け取ったあとにやっておきたい実務

関係書類を一式そろえて保管する

給付金を受け取ったら、申請時の控え、支給決定の通知書、入金がわかる通帳の記録などを一式そろえて保管しておきましょう。これらは、課税・非課税の判断根拠になるだけでなく、申告内容を後から確認するときにも役立ちます。給付金の種類が複数ある年は、種類ごとにまとめておくと整理がしやすくなります。

申告漏れを防ぐチェック習慣

課税対象の給付金を申告に含め忘れると、あとで修正申告が必要になったり、加算税や延滞税の対象になったりすることがあります。確定申告の前に、その年に受け取った事業関連の入金をひととおり見直し、売上以外の入金がないかを通帳ベースで確認する習慣をつけておくと、申告漏れを防ぎやすくなります。

専門家への相談を検討するタイミング

給付金は制度ごとに条件や扱いが細かく異なり、課税・非課税の線引きや計上時期の判断に迷う場面が出てきます。金額が大きいとき、複数の給付金が重なったとき、年をまたいで支給されたときなどは、自己判断で進めず、早めに専門家へ相談するのがおすすめです。少しの確認で、後々のトラブルを大きく減らせます。

よくある質問

Q. 給付金を売上として申告しないと、どうなりますか?

課税対象の給付金を申告に含めていなかった場合、本来納めるべき税金を少なく申告したことになり、後日、修正申告や追加の納税が必要になることがあります。状況によっては加算税や延滞税といったペナルティの対象になることもあるため、課税・非課税の判断に迷うものは、最初の段階できちんと確認しておくことが大切です。

Q. 経費の補填として受け取った支援金も、収入に入れるのですか?

家賃や固定費の補填として支払われた事業者向けの支援金は、原則として収入(雑収入)に計上します。そのうえで、補填の対象となった家賃などの支出は、これまでどおり経費として計上できます。「収入に入れたら損」ではなく、収入と経費の両方を正しく計上することで、最終的な所得が適正に計算されると理解しておきましょう。

Q. 個人としてもらった生活支援の給付金も帳簿につけるべきですか?

個人・世帯に対する生活支援を目的とした非課税の給付金は、事業の収入には含めないため、原則として帳簿に売上や雑収入として記載する必要はありません。ただし、事業用の口座に振り込まれた場合は「事業主借」などで処理しておくと整理しやすくなります。

まとめ:給付金は「課税かどうか」を必ず確認しましょう

給付金・協力金・支援金は、事業のために受け取ったものは原則として課税対象になり、雑収入として計上するのが基本です。一方で、個人・世帯への生活支援などは非課税とされるものもあります。名称だけで判断せず、募集要項や支給決定通知書で課税・非課税を確認すること、そして計上時期や消費税の扱いにも気を配ることが、申告ミスを防ぐ鍵になります。

とはいえ、複数の給付金が重なったり、年をまたいで支給されたりすると、課税の判断や帳簿づけは一気に複雑になります。本業をこなしながら、一つひとつの給付金を正しく仕分けるのは、思いのほか大きな負担です。

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