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人材育成・教育訓練に使える助成金を個人事...

2026/7/18

人材育成・教育訓練に使える助成金を個人事業主が活用する方法を解説

  • 税金

人材育成・教育訓練に使える助成金は、雇用保険に加入した従業員がいる個人事業主なら活用を検討できます。代表格である人材開発支援助成金の仕組みと、補助金との違い、申請でつまずかないための計画と記録のポイントを整理します。

従業員を雇っている個人事業主にとって、人を育てることは事業の成長に直結する一方で、研修や教育にかかる費用は決して小さくありません。「お金をかけてでもスキルを伸ばしてほしいが、その余裕がない」と悩む方は少なくないのではないでしょうか。使える支援を知っておくと、育成の選択肢はぐっと広がります。

☑ 従業員のスキルアップに研修費を出したいが、費用が重くてためらってしまう

☑ 人材育成に使える助成金があると聞いたが、個人事業主でも対象になるのかわからない

☑ 申請手続きが難しそうで、何から準備すればよいのか見当がつかない

助成金は制度を知らなければ活用しようがなく、知っていても準備の順序を間違えると受けられないことがあります。だからこそ、どんな制度があり、どう動けばよいのかを最初につかんでおくことが大切です。

人材育成や教育訓練に使える助成金の代表例と、個人事業主が活用するための基本的な流れ、申請でつまずきやすいポイントを整理しました。自分の事業で助成金を検討する際の全体像がつかめるようになります。

そもそも人材育成の助成金とは?補助金との違い

助成金は要件を満たせば受けられる支援

人材育成に使える助成金の多くは、厚生労働省が雇用保険を財源として実施している制度です。代表的なものが「人材開発支援助成金」で、従業員に職業訓練を受けさせた事業主に対して、訓練経費や訓練中の賃金の一部が支給される仕組みになっています。制度の全体像は人材開発支援助成金の活用方法で詳しく整理しています。

助成金は、あらかじめ定められた要件を満たして正しく申請すれば、原則として受け取れるのが大きな特徴です。後述する補助金のように採択件数が限られているわけではないため、計画的に取り組めば活用しやすい支援といえます。研修費をきちんと経費として残す準備として、研修費の記帳を任せられる記帳代行という選択もあわせて検討しておくと安心です。

補助金との違いを押さえておく

同じ「もらえるお金」でも、補助金は助成金とは性質が異なります。補助金は予算や採択件数に上限があり、申請しても審査によって不採択になることがあります。一方、助成金は要件さえ満たせば支給対象になりやすい点が違いです。

  • 助成金:主に厚生労働省。雇用や人材育成が目的。要件を満たせば受給しやすい

  • 補助金:主に経済産業省や自治体。事業投資が目的。審査・採択がある

人材育成のために従業員を研修に通わせるようなケースでは、まず厚生労働省系の助成金を検討するのが基本的な流れになります。

個人事業主でも対象になる

「助成金は法人だけのもの」と思われがちですが、雇用保険の適用事業所であれば、個人事業主でも対象になる制度が多くあります。従業員を雇い、雇用保険に加入させている事業主であれば、まずは検討する価値があります。逆に、従業員がおらず自分一人だけで事業を行っている場合は、人材育成系の助成金の多くは対象外になる点に注意しましょう。

人材育成に使える主な助成金の種類

人材開発支援助成金

従業員の職業能力を高めるための訓練を行ったときに活用できる、人材育成の中心的な助成金です。専門知識や技能を習得させる研修、若手向けの訓練、デジタル分野のスキルアップなど、目的に応じて複数のコースが用意されています。訓練にかかった経費の一部と、訓練を受けている間に支払った賃金の一部が助成の対象になるのが基本的な考え方です。

外部の研修機関に通わせる場合も、社内で講師を招いて行う研修の場合も、要件を満たせば対象になり得ます。自社の人材育成の方針に合わせてコースを選ぶことが大切です。

キャリアアップ助成金

こちらは「育成」というより「処遇改善」に近い助成金ですが、人材定着とあわせて検討されることが多い制度です。パートやアルバイトといった非正規の従業員を正社員に転換したり、賃金体系を改善したりした事業主を支援します。非正規の賃上げで使う場合の要件はキャリアアップ助成金の賃金規定等改定コースで確認できます。せっかく育てた人材に長く働いてもらうための取り組みとして、人材開発支援助成金とあわせて検討するとよいでしょう。事業場内の最低賃金を引き上げる設備投資などには、業務改善助成金が使える場合もあります。

そのほかの支援制度

国の助成金以外にも、都道府県や市区町村が独自に実施している人材育成向けの支援制度があります。地域の産業振興や中小企業支援の一環として、研修費の補助やセミナーの開催などを行っているケースです。人材の採用・定着を後押しする人材確保等支援助成金のような制度もあります。お住まいの自治体や商工会議所のほか、中小企業ビジネス支援サイト「J-Net21」(J-Net21)を確認すると、思わぬ支援が見つかることもあります。

個人事業主が助成金を活用する流れ

まずは計画づくりから始める

人材育成の助成金は、多くの場合「先に計画を立てて届け出てから、訓練を実施する」という順序になっています。訓練を始めてしまった後で申請しても対象にならないことがあるため、ここは特に注意が必要です。どの従業員に、どんな訓練を、いつ受けさせるのかを整理し、計画書としてまとめる作業が出発点になります。

訓練の実施と記録の保管

計画に沿って訓練を実施したら、その内容を正確に記録します。訓練の日時や時間数、受講した従業員、講師、かかった費用などがわかる資料が必要です。具体的には次のような書類が役立ちます。

  • 訓練のカリキュラムや受講案内

  • 出席状況がわかる記録(受講者ごとの出欠表など)

  • 受講料や教材費の請求書・領収書

  • 訓練を受けている間の賃金台帳・出勤簿

これらは申請時の証拠書類になるだけでなく、受給後の確認に備えて一定期間の保管が求められます。日ごろから整理しておくと、申請の負担が大きく軽くなります。

支給申請と受給

訓練が終わったら、所定の期間内に支給申請を行います。計画どおりに訓練を実施したことや、要件を満たしていることを書類で示すことが必要です。審査を経て要件を満たしていると認められれば、助成金が支給されます。申請から実際の入金までには一定の時間がかかるため、資金繰りの面では「あとから戻ってくるお金」として考えておくと安心です。

申請でつまずかないための注意点

最新の要件を必ず確認する

助成金の制度は、年度ごとに要件や支給額、コースの内容が見直されることがあります。「去年はこうだった」という情報のまま進めると、思わぬところで対象外になってしまうこともあります。申請を検討するときは、厚生労働省や都道府県労働局の最新の案内を必ず確認し、不明な点は事前に相談しておきましょう。

就業規則や労働環境の整備も前提になる

人材育成の助成金は、雇用保険への適切な加入や、賃金台帳・出勤簿といった労務管理の書類がきちんと整っていることが前提になります。従業員を雇い始めたばかりで労務関係の書類が十分でない場合は、まずその整備から取り組む必要があります。助成金は「労務管理が適切に行われている事業主」を支援する制度だと考えるとわかりやすいでしょう。

費用は一度立て替えるのが基本

助成金は、訓練を実施して費用を支払った後に申請して受け取る「後払い」が基本です。研修費や賃金はいったん事業主が負担し、後から助成金で一部が戻ってくる流れになります。そのため、申請の予定があるからといって資金に余裕がない状態で大きな研修を組むのは避け、手元資金とのバランスを見ながら計画することが大切です。

助成金とお金まわりの管理を結びつけて考える

経費の記帳が申請のカギになる

助成金の申請では、研修費や教材費などの支出を証拠書類とともに正確に示すことが求められます。普段から経費を区分して記帳し、領収書や請求書を整理しておけば、申請のときに必要な資料をスムーズに取り出せます。逆に、日々の記帳があいまいだと、いざ申請しようとしたときに費用の裏づけが取れず、苦労することになりがちです。

助成金を受け取ったときの扱い

受け取った助成金は、事業の収入として扱われ、原則として確定申告で計上する必要があります(確定申告の対象については国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」を参照)。「もらったお金だから申告しなくてよい」というわけではない点に注意しましょう。一方で、その助成金の対象となった研修費などの支出は経費になります。収入と経費の両方を正しく記帳しておくことが、適切な確定申告につながります。

よくある質問

Q. 従業員が一人もいない個人事業主でも、人材育成の助成金は使えますか?

人材開発支援助成金のような制度は、従業員に訓練を受けさせる事業主を支援するものなので、従業員を雇っていない場合は対象外になるのが一般的です。一人で事業を行っている方が自身のスキルアップを目指す場合は、別の支援制度や、教育訓練給付のように個人を対象とした仕組みを調べてみるとよいでしょう。

Q. 助成金の申請は自分でもできますか?

制度の案内を読み込み、計画書や証拠書類をそろえれば、ご自身で申請することも可能です。ただし、要件の確認や書類の準備には手間がかかり、不備があると受給できないこともあります。手続きに不安がある場合は、社会保険労務士などの専門家に相談する方法もあります。まずは労働局や自治体の窓口で概要を確認するところから始めるとよいでしょう。

Q. 助成金を受け取ると税金は増えますか?

受け取った助成金は事業の収入として扱われるため、その分だけ所得が増え、税額に影響することがあります。ただし、対象となった研修費などの支出は経費として差し引けます。収入と経費を正しく記帳していれば、実態に合った形で税額が計算されますので、漏れなく帳簿に反映させることが大切です。

今日からできる人材育成助成金の準備

人材育成や教育訓練に使える助成金は、雇用保険に加入している従業員を持つ個人事業主であれば、十分に活用を検討できる支援です。ポイントは、訓練を始める前に計画を立てて届け出ること、訓練の内容や費用を正確に記録すること、そして最新の要件を確認することの三つです。費用はいったん立て替える後払いが基本である点も、資金計画の中で意識しておきましょう。

助成金の申請に欠かせない経費の記帳や書類の整理を、本業をこなしながら正確に続けるのは大きな負担です。日々の記帳が追いつかず、確定申告の時期になって慌てて領収書を探す、という状況になりがちな方も多いのではないでしょうか。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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