複数の収入源がある人の確定申告|給与・事業・副業の合算方法
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確定申告

給与・事業・副業など複数の収入がある人の確定申告は、所得の種類ごとに計算してから合算するのが基本です。順番さえ押さえれば難しくありません。種類分けの考え方から、合算・源泉徴収の精算までの流れを具体的に整理します。
会社の給与に加えてフリーランスの仕事や副業で収入を得る。そんな働き方が珍しくなくなった一方で、いざ確定申告となると「複数の収入はどうまとめればいいの?」と戸惑う方が増えています。収入源が一つなら考えなくてよかったことも、複数になると一気に複雑に感じられます。それでも、それぞれの収入が「どの所得にあたるか」を分けて考えれば、落ち着いて対応できます。
☑ 給与のほかに事業や副業の収入があり、申告のしかたがわからない
☑ 複数の収入をどうやってまとめて申告するのか不安
☑ 副業の収入は申告が必要なのか、判断がつかない
まず「所得の種類」を理解する
複数の収入を扱う第一歩は、それぞれの収入が「どの種類の所得にあたるか」を知ることです。
所得には種類がある
確定申告では、収入の性質によって所得をいくつかの種類に分けて考えます。同じ「お金が入ってくる」でも、給与でもらうのか、自分の事業で稼ぐのかによって、計算のしかたが変わるためです。代表的なものに次のような種類があります。
給与所得:勤務先からもらう給与
事業所得:継続的に行う事業から得る収入
雑所得:上記に当てはまらない副業的な収入など
種類ごとに計算してから合算する
複数の収入があるときは、まず種類ごとに所得を計算し、その後でまとめて合算するのが基本の流れです。いきなり全部を足すのではなく、種類別に整理してから一つにする、という順番を覚えておきましょう。なぜこの順番が必要かというと、所得の種類ごとに「経費の引き方」や「計算のルール」が異なるからです。給与と事業収入をいきなり合計してしまうと、給与所得控除や経費の扱いがあいまいになり、正しい金額が出せません。まずは種類ごとにきれいに整理する、と意識しておくだけで、申告作業はぐっとスムーズになります。複数の事業をあわせて営む場合は、事業ごとの収支内訳と按分の考え方や、複数の屋号・店舗の帳簿の分け方も参考になります。
給与収入の扱い方
会社員として給与を受け取っている場合の扱いを確認します。
源泉徴収票が出発点
給与については、勤務先から受け取る源泉徴収票が出発点になります。そこには給与の金額や、すでに天引きされた税額、引かれた社会保険料などが記載されています。確定申告では、この源泉徴収票の内容をもとに給与所得を把握します。給与の場合、経費にあたる「給与所得控除」が金額に応じて自動的に差し引かれるため、自分で経費を集計する必要はありません。源泉徴収票は確定申告に欠かせない書類なので、年末から年明けにかけて受け取ったら、なくさないよう保管しておきましょう。給与を受け取る人で確定申告が必要になる範囲は、国税庁タックスアンサーNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」で確認できます。
給与が複数ある場合
勤務先が二つ以上ある場合は、それぞれの源泉徴収票が必要です。複数の給与をまとめて申告することで、納めすぎた税金が戻ってきたり、逆に不足分を納めたりすることになります。すべての源泉徴収票を手元にそろえてから進めましょう。
事業・副業収入の扱い方
次に、事業や副業で得た収入の扱いを見ていきます。
事業所得と雑所得の違い
自分で行う仕事の収入は、その規模や継続性によって「事業所得」か「雑所得」かに分かれます。継続的・本格的に行っているものは事業所得、片手間で得ている小さな収入は雑所得として扱われるのが一般的です。どちらに当たるか迷う場合は、専門家に相談すると安心です。
収入から経費を引く
事業所得でも雑所得でも、収入から、それを得るためにかかった経費を差し引いて所得を計算します。仕事に使った通信費や交通費、消耗品などが経費にあたります。給与と違って自分で経費を集計する必要があるため、領収書の保管が欠かせません。副業の場合、本業の合間に作業することが多く、経費の記録がおろそかになりがちです。けれども、経費をきちんと計上できれば副業の所得が小さくなり、その分だけ全体の税負担も抑えられます。少額でも、仕事に関係する支出の記録は残しておくようにしましょう。
収入金額 - 必要経費 = 所得(事業所得または雑所得)
経費の計上もれは税負担の増加につながります
すべての所得を合算する
種類ごとの所得が出そろったら、いよいよ合算です。
合算して課税所得を求める
給与所得・事業所得・雑所得などを合計し、そこから所得控除を差し引いて課税所得を求めます。複数の収入があっても、最終的には一つの課税所得にまとめて税金を計算する、という点は収入が一つのときと同じです。日本の所得税は、原則としてすべての所得を合算して計算する「総合課税」という考え方が基本になっています。収入源が複数あるからといって、それぞれ別々に税金がかかるわけではなく、全部を足したうえで一つの税額を出す、とイメージしてください。総合課税をはじめとする所得税の全体像は、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」で確認できます。
すでに納めた税金を差し引く
給与から天引きされた税金や、報酬から源泉徴収された税金がある場合は、最終的な税額からそれらを差し引いて精算します。その結果、納めすぎていれば還付され、不足していれば追加で納めることになります。
申告で気をつけたいポイント
複数の収入を申告する際に、特に注意したい点をまとめます。
副業の申告もれに注意
「副業は少額だから申告しなくていい」と自己判断してしまうのは禁物です。申告が必要かどうかには一定の基準があり、思い込みで省略すると、後から指摘を受けることもあります。判断に迷う場合は、基準を確認するか専門家に相談しましょう。具体的な基準は国税庁サイト等でご確認ください。
書類と記録を早めにそろえる
収入源が複数あると、必要な書類もその分増えます。源泉徴収票、報酬の支払調書、経費の領収書などを、申告の時期になって慌てて探すことのないよう、日頃から整理しておくことが大切です。収入ごとにフォルダを分けておく、入金や支出をその都度メモしておくといった小さな習慣が、申告時期の負担を大きく減らしてくれます。書類が一か所にそろっていないと、それだけで申告のハードルは一気に上がってしまいます。収入源が増えるほど申告も煩雑になります。まとめて任せたい方は、複数の収入をまとめる確定申告代行という選択もあります。記帳代行の現場でも、給与に副業や事業が加わって申告の全体像が見えない、というご相談は増えています。
各収入の金額がわかる書類
経費を証明する領収書やレシート
すでに天引き・源泉徴収された税額がわかる資料
なお、夫婦それぞれに収入がある世帯では、世帯で損しない申告と経費配分や、家族で一つの事業を営むときに誰が申告するかもあわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 会社に副業のことを知られたくないのですが大丈夫ですか?
申告のしかたによって、住民税の通知などから副業が把握されるかどうかが変わる場合があります。申告書には住民税に関する選択欄があるため、気になる方は記入方法を事前に確認しておくとよいでしょう。詳しい取り扱いは、お住まいの自治体や専門家に相談すると確実です。
Q. 副業が赤字のときも申告したほうがいいですか?
副業が事業所得にあたる場合は、赤字を他の所得と相殺できることがあり、申告することで税負担が軽くなる可能性があります。一方、雑所得では扱いが異なります。所得の種類によって結果が変わるため、自分のケースに当てはめて確認することをおすすめします。
Q. 給与が一か所だけでも副業があれば申告が必要ですか?
給与以外の所得が一定額を超える場合などは、確定申告が必要になります。金額の基準があるため、副業の所得がそれを上回るかどうかが判断の目安です。基準は変わることもあるため、最新の情報を確認したうえで判断してください。
まとめ:種類ごとに整理してから合算する
複数の収入源がある場合の確定申告は、一見すると複雑に思えますが、考え方はシンプルです。まず収入を所得の種類ごとに分けて計算し、そのうえで合算して一つの課税所得にまとめる。この順番さえ押さえれば、給与・事業・副業が混在していても落ち着いて対応できます。
大切なのは、それぞれの収入に必要な書類をそろえ、経費や源泉徴収の精算をもれなく行うことです。申告もれは思わぬ負担につながるため、早めに準備を進め、判断に迷う点は確認しながら進めていきましょう。
収入が増えても申告の手間は増やしたくない——そんな方は、書類ごと任せてしまうのが近道です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








