青色申告特別控除が75万円に!2026年度税制改正の変更点と個人事業主が今すぐ始めるべき準備
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確定申告

青色申告特別控除は、2026年度税制改正で最大75万円に引き上げられます。ただし優良な電子帳簿保存とe-Taxが条件で、書面申告は55万円から10万円へ大幅減です。適用は2027年分から。今から始めておきたい準備を整理します。
2025年12月に閣議決定された改正で、控除の仕組みはデジタル対応が事実上必須になりました。e-Taxを使う人は控除額が維持または増える一方、紙で申告を続ける人には大きな負担増となります。影響を受ける人と、いま取るべき対策を順に見ていきましょう。
☑ 青色申告特別控除の最大額が65万円から75万円に引き上げ(優良電子帳簿保存が条件)
☑ 書面申告の控除額が55万円から10万円に大幅減 ― e-Tax対応が必須に
☑ 適用は2027年分の所得税から ― 今から準備を始めれば十分間に合う
2025年12月に閣議決定された2026年度税制改正により、青色申告特別控除の仕組みが大きく変わります。最大控除額が75万円に引き上げられる一方で、書面申告の控除額は55万円から10万円に激減するなど、デジタル化への対応が事実上必須となりました。
2026年度税制改正で青色申告特別控除はどう変わる?
電子帳簿保存で最大75万円へ引き上げ
今回の改正の目玉は、青色申告特別控除の最大額が65万円から75万円に引き上げられることです。ただし、75万円の控除を受けるためには、従来の要件に加えて「優良な電子帳簿保存」が必要になります。青色申告特別控除の基本的な要件(65万円・55万円・10万円の区分)は、国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認できます(2026年7月時点)。
75万円控除を受けるための要件は以下の通りです。
・複式簿記による記帳
・貸借対照表・損益計算書の提出
・期限内申告
・e-Taxによる電子申告
・優良な電子帳簿保存の実施
優良な電子帳簿保存とは、訂正・削除の履歴が確認できる機能や、取引年月日・勘定科目・取引金額での検索機能などを備えた会計ソフトで帳簿を保存することを指します。控除額ごとの手取りの違いを試算したい場合は、青色申告特別控除65万円・55万円・10万円の手取り試算が参考になります。
e-Tax必須で65万円、書面申告は10万円に大幅減
75万円の要件を満たさない場合でも、e-Taxで電子申告を行えば65万円の控除を受けられます。これは現行制度と同じ金額です。e-Taxの始め方や利用の流れは、国税庁のe-Tax(国税電子申告・納税システム)で確認できます。
しかし、大きな変更点は書面申告の場合です。現行制度では書面申告でも55万円の控除が受けられますが、改正後は10万円に大幅に引き下げられます。
つまり、e-Taxに対応しないと、控除額が55万円から10万円へと45万円も減ってしまうのです。所得税率20%の方であれば、年間約9万円の増税に相当します。スマホとマイナンバーカードで申告する具体的な手順は、確定申告のスマホ申告(マイナンバーカード方式)の手順にまとめています。
売上1,000万円超の簡易簿記は控除対象外に
もう一つ注意すべき変更点があります。簡易簿記(単式簿記)で10万円の控除を受けていた方のうち、売上が1,000万円を超える場合は控除が受けられなくなります。
売上1,000万円以下の場合は従来通り10万円の控除が受けられますが、1,000万円を超える場合は控除額がゼロになるため、複式簿記への移行を検討する必要があります。
変更前後の控除額を比較
今回の改正による控除額の変化を整理すると、以下のようになります。
【複式簿記+e-Tax+優良電子帳簿保存】
変更前:65万円 → 変更後:75万円(10万円アップ)
【複式簿記+e-Tax(電子帳簿保存なし)】
変更前:65万円 → 変更後:65万円(変更なし)
【複式簿記+書面申告】
変更前:55万円 → 変更後:10万円(45万円ダウン)
【簡易簿記(売上1,000万円以下)】
変更前:10万円 → 変更後:10万円(変更なし)
【簡易簿記(売上1,000万円超)】
変更前:10万円 → 変更後:0円(控除対象外)
e-Taxを利用している方にとっては控除額が維持または増加しますが、書面申告を続けている方にとっては大きな打撃となります。
影響を受ける人・受けない人
特に注意が必要な人
今回の改正で大きな影響を受けるのは、以下に該当する個人事業主です。
・現在、書面で確定申告を行っている人(55万円→10万円に激減)
・電子帳簿保存に未対応の人(75万円の恩恵を受けられない)
・売上1,000万円超で簡易簿記を利用している人(控除がゼロに)
・紙の領収書や請求書で経理を行っている人
特に書面申告の方は、45万円もの控除額減少により、所得税・住民税・国民健康保険料のすべてに影響が出る可能性があります。
大きな影響を受けない人
一方、以下に該当する方は現時点で慌てる必要はありません。
・すでにe-Taxで確定申告を行っている人(65万円の控除は維持)
・売上1,000万円以下で10万円控除を利用している人(変更なし)
・クラウド会計ソフトを利用し、電子帳簿保存に対応済みの人
ただし、75万円の控除を目指すなら、優良な電子帳簿保存への対応が新たに必要になります。
今から準備すべき3つのポイント
ポイント1:電子申告(e-Tax)への切り替え
まだ書面で確定申告をしている方は、e-Taxへの切り替えが最優先です。改正後は書面申告の控除額が10万円に激減するため、e-Tax対応は事実上の必須条件となります。
e-Taxを始めるために必要なものは以下の通りです。
・マイナンバーカード(取得には3〜4週間かかるため早めに申請)
・ICカードリーダライタまたはNFC対応スマートフォン
・利用者識別番号の取得(e-Taxホームページまたは税務署窓口で取得可能)
適用は2027年分の所得税(2028年2〜3月の確定申告)からなので、今から準備を始めれば十分間に合います。
ポイント2:会計ソフトの見直し
75万円の控除を受けるためには、「優良な電子帳簿保存」に対応した会計ソフトが必要です。現在お使いの会計ソフトが以下の要件を満たしているか確認しましょう。
・訂正・削除の履歴が確認できる機能
・通常の業務処理期間を経過した後の入力を検知できる機能
・帳簿間の相互関連性を確認できる機能
・取引年月日・勘定科目・取引金額での検索機能
クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生オンラインなど)の多くは、これらの要件に対応済みまたは対応予定です。まだ手書きやExcelで記帳している方は、クラウド会計ソフトへの移行を検討しましょう。
ポイント3:経理業務のデジタル化
電子帳簿保存法への対応も含め、経理業務全体のデジタル化を進めることが重要です。具体的には以下の対応を検討しましょう。
・紙の領収書・請求書のスキャナ保存の導入
・電子取引データの適切な保存体制の構築
・請求書・領収書の電子データでの受け取り
電子取引データの保存ルールは電子取引データの保存方法に、スマホ撮影を使った日々の運用は電子帳簿保存のスマホ撮影による運用にまとめています。デジタル化は一見手間に感じるかもしれませんが、一度仕組みを整えれば、日々の経理作業の効率化にもつながります。
とはいえ、本業のかたわらで会計ソフトの設定や電子帳簿保存の要件対応まで進めるのは負担が重いものです。設定や日々の入力ごと任せたい方は、電子帳簿保存に対応した記帳を代わりに行う記帳代行という選択肢もあります。
Q&A:青色申告特別控除の改正に関するよくある質問
Q1. 改正はいつから適用されますか?
A. 所得税は2027年分から、個人住民税は2028年分から適用されます。つまり、2028年2〜3月に行う確定申告(2027年分)から新しい控除額が適用されます。
Q2. 書面申告を続けるとどうなりますか?
A. 控除額が現在の55万円から10万円に大幅に減少します。所得税率20%の方の場合、年間約9万円の増税に相当し、住民税や国民健康保険料への影響も含めるとさらに大きな負担増となります。
Q3. 優良な電子帳簿保存とは具体的に何ですか?
A. 訂正・削除の履歴が残る、検索機能がある、帳簿間の関連性が確認できるなどの要件を満たした会計ソフトで帳簿を電子的に保存することです。主要なクラウド会計ソフトの多くが対応しています。
Q4. e-Taxを始めるのに費用はかかりますか?
A. e-Tax自体の利用は無料です。マイナンバーカードの取得も無料で、NFC対応のスマートフォンがあればICカードリーダライタも不要です。クラウド会計ソフトは月額1,000〜3,000円程度のプランが一般的ですが、控除額の増加を考えれば十分に元が取れます。
今日からできる青色控除75万円への備え
2026年度税制改正による青色申告特別控除の変更点を整理します。
・最大控除額が65万円から75万円に引き上げ(優良電子帳簿保存+e-Taxが条件)
・e-Tax利用で65万円の控除は維持(現行制度と同額)
・書面申告の控除額は55万円から10万円に激減
・売上1,000万円超の簡易簿記は控除対象外に
・適用は2027年分の所得税から
今回の改正は、デジタル化に対応する事業主には恩恵がある一方、書面申告を続ける方には大きな負担増となる内容です。適用までまだ時間がありますので、今のうちにe-Taxの準備と会計ソフトの見直しを進めましょう。
e-Taxや電子帳簿保存への切り替えは、日々の記帳が整っていてこそスムーズに進みます。記帳代行の現場でも、控除の条件は分かっていても、日々の入力が追いつかず改正の恩恵を受けきれないというご相談が増えています。
記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。記帳代行を無料で相談する。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








