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立替経費・立替金とインボイスの関係|誰の...

2026/9/12

立替経費・立替金とインボイスの関係|誰の名義で保存するかを解説

  • 税務

立替経費・立替金は、費用を実際に負担する人と領収書の名義がずれやすく、インボイス制度では立替金精算書でその橋渡しをするのが基本です。誰の名義で何を保存すればよいのか、パターン別に実務目線で整理します。

個人事業主やフリーランスとして仕事をしていると、「いったん自分が立て替えて、あとで取引先に請求する」「逆に取引先が立て替えてくれたものを精算する」という場面が必ず出てきます。インボイス制度が始まってからは、こうした立替払いのときに「領収書が誰の名義になっているか」が、仕入税額控除を受けられるかどうかを左右するようになりました。

☑ 取引先の名前で立替払いした請求書を、自分の経費にできるのか不安だ

☑ 立替金の領収書が相手の名義で、インボイスとして使えるのか分からない

☑ 交通費や宿泊費を相手に請求するとき、インボイスをどう扱えばよいか整理できていない

立替金精算書とは何か、誰の名義で保存すればよいのか、そして帳簿での「立替金」の扱いまで、立替払いの場面で慌てないための実務ポイントを順に確認していきます。

立替払いとインボイス制度の基本的な関係

「立替払い」とはどんな取引か

立替払いとは、本来は別の人が負担すべき費用を、いったん自分が代わりに支払い、あとから精算してもらう取引のことです。たとえば、取引先の依頼で資材を自分のカードで買っておき、後日その代金を請求するケースが典型です。会計上の表記は「立替金」です。立替払いそのものは「お金を一時的に肩代わりしているだけ」で、立て替えた本人の売上にも経費にもなりません。実際に費用を負担するのは精算先(依頼した取引先)です。

なぜインボイスで「名義」が問題になるのか

インボイス制度では、消費税の仕入税額控除を受けるために、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。仕入税額控除の前提となる消費税のしくみは、国税庁タックスアンサーNo.6101「消費税の基本的なしくみ」で確認できます。インボイスには、書類を受け取る側=課税仕入れを行った事業者の名称が記載されているのが基本です。ところが立替払いでは、お店が発行する領収書の宛名が「立て替えた人」になっていることがよくあります。本当に費用を負担して控除を受けたいのは精算先なのに、書類は別人の名義──このズレをどう埋めるかが、立替払いとインボイスの一番のポイントになります。制度の全体像は国税庁のインボイス制度の特集ページでも公開されています(2026年7月時点)。

立替金精算書が果たす役割

名義のズレを埋める「立替金精算書」

このズレを解消するために使われるのが立替金精算書です。「この支払いは○○さんのために立て替えたものです」と立て替えた本人が証明する書類で、もとのインボイス(お店の領収書など)とセットで保存することで、精算先が仕入税額控除を受けられるようにする役割を持ちます。立て替えた人がお店から受け取ったインボイスのコピーに立替金精算書を添えて精算先に渡し、精算先がその両方を保存すれば、自分宛てのインボイスがなくても控除を受けられます。立替金と支援金・補助金が混ざりやすい場面の判断は、立替金・支援金のインボイス判断でも整理しています。

立替金精算書に書いておきたい内容

決まった様式はありませんが、後から見て誰が誰のために何を立て替えたのかが分かるよう、次の内容を記載しておくと安心です。

  • 立て替えた人(請求する側)の氏名・屋号

  • 精算先(費用を負担する側)の氏名・屋号

  • 立て替えた日付と内容、金額(税率ごとの区分が分かるとより丁寧)

  • もとのインボイスを添付している旨

特に軽減税率(8%)と標準税率(10%)が混在する場合は、税率ごとに金額を分けて書いておくと、精算先が控除の計算をしやすくなります。税率をまたぐときの分け方に迷うなら、軽減税率の区分経理の実務が手がかりになります。なお、一定金額未満の少額な取引は、帳簿の記載だけで控除が認められる特例の対象になることもあり、詳しい要件は少額特例(1万円未満)の実務で確認できます。

パターン別に見る名義と保存方法

自分が立て替えて取引先に請求する場合

お店から受け取ったインボイスはあなた宛て(またはあて名なし)になっていることが多いでしょう。あなた自身はその費用を最終的に負担しないので、原則として自分の経費にはしません。取引先がその費用について控除を受けたい場合は、あなたが「もとのインボイスのコピー+立替金精算書」を渡し、取引先が保存します。あなたの手元には、精算したことが分かる記録(請求書の控えなど)を残しましょう。

取引先が立て替えてくれたものを精算する場合

逆に、取引先があなたのために立て替えてくれた費用を支払うパターンです。この場合はあなたがその費用を経費に計上し、控除を受けたいことになるため、取引先からもとのインボイスのコピーと立替金精算書を受け取って保存する必要があります。「相手が払ってくれたから」と精算額だけで処理すると根拠書類が不足し、控除の要件を満たせないおそれがあります。精算の際は、必ず元の領収書の写しまで合わせて受け取りましょう。

交通費・宿泊費を立て替えるケース

実務で特に多いのが、出張に伴う交通費や宿泊費の立替えです。ホテルの領収書は宿泊した本人の名前で発行されることが多く、これを取引先に請求する場合も基本は同じで、もとのインボイスと立替金精算書をセットにします。なお、公共交通機関の運賃のうち一定額以下のものなど、そもそもインボイスの保存が不要とされる取引もあり、立替えの中身ごとに扱いが変わる点を覚えておきましょう。出張が多い方は、立替えの記録をその都度メモしておくと、月末や精算時にまとめて書類を整える手間を減らせます。領収書を受け取った時点で「誰のための立替えか」を裏面やデータにひとこと残しておくだけでも、後の処理がぐっと楽になります。立替えの領収書をためこまない工夫は、領収書の整理術もヒントになります。

立替金の会計処理と記帳の注意点

「経費」ではなく「立替金」で処理する

立替払いをしたときは、いったん「立替金」という勘定科目で処理するのが基本です。立替金は「あとで返してもらえるお金」を表す資産の科目です。誤って消耗品費や旅費交通費などの経費科目で計上すると、本来は自分の経費でないものを経費にしてしまい、所得や消費税の計算が狂います。精算してもらったときに立替金を取り崩せば、帳簿上もお金の動きが正しく追えます。案件ごとの立替金の仕分けや書類のひもづけをまるごと任せたい方は、記帳代行というやり方もあります。

消費税の扱いと書類の保存

立替払いは、立て替えた本人にとっては課税仕入れにも課税売上にもならないのが原則で、立て替えた額をそのまま精算してもらうだけなら消費税が二重に発生することはありません。一方、立替えに手数料を上乗せする場合は、その手数料部分が売上(課税対象)になることがあります。「実費の立替え」か「サービスの対価」かを区別して処理しましょう。また、もとのインボイス・立替金精算書・精算の記録は複数にまたがるため、案件ごと・取引先ごとにまとめて保存し、帳簿の記載とひもづけておくことが大切です。

よくある質問

Q. 立替金精算書がなくても、もとの領収書だけで取引先は控除を受けられますか?

原則として、宛名が立て替えた人になっているインボイスだけでは、精算先が自分の課税仕入れであることを示しきれません。もとのインボイスのコピーに加えて、誰のための立替えかを明らかにする立替金精算書をセットで保存するのが安全です。少額取引の特例などに当てはまる場合は省略できることもありますが、迷うときは精算書を用意しておくと安心です。

Q. 立て替えた費用を、つい自分の経費に入れてしまいました。どうすればよいですか?

立替金は本来「立替金」という資産科目で処理すべきものです。誤って旅費交通費などの経費に入れていた場合は、その分を経費から外し、立替金へ振り替える修正が必要です。確定申告後に気づいたときは申告内容の訂正が必要になることもあるため、早めに帳簿を見直し、心配な場合は専門家に相談しましょう。

Q. 立替えに手数料を上乗せして請求しても問題ありませんか?

手数料を上乗せすること自体は可能ですが、その手数料部分はサービスの対価=売上として扱われ、消費税の課税対象になるのが一般的です。実費の立替分と手数料分を区別して請求書に記載し、それぞれ正しく記帳しましょう。実費のみをそのまま精算する場合と扱いが変わる点に注意してください。

立替えで迷ったときの結論——「名義」と「精算書」をセットで考える

立替経費・立替金とインボイスの関係は、「実際に費用を負担するのは誰か」と「書類の名義が誰か」のズレをどう埋めるか、という一点に集約されます。そのズレを橋渡しするのが立替金精算書であり、もとのインボイスとセットで保存することで、精算先が仕入税額控除を受けられます。立替金は経費ではなく「立替金」の科目で処理し、書類をひもづけて残すことが、後々のトラブルを防ぐ近道です。

とはいえ、立替えのたびに精算書を作り、もとの領収書とひもづけて保存し、消費税の扱いまで判断するのは、本業の合間には骨の折れる作業です。領収書丸投げドットコムなら、領収書や請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行します。立替書類の山を丸ごと任せられるか相談する(無料)。相談は無料で、いきなり契約する必要はありません。料金の目安を先に知りたい方は何枚でも定額の料金プランもご覧ください。

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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