ストックオプションを行使・売却した年の確定申告|税制適格と非適格の違いを解説
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確定申告

ストックオプションは、税制適格か非適格か、そして権利行使と株式売却のどの時点で課税されるかによって確定申告の扱いが変わります。ここでは2つのタイプの違い、課税のタイミング、給与課税と譲渡課税の考え方をやさしく整理します。
スタートアップや上場企業から付与されるストックオプションは、うまく使えば大きな利益になる一方、税金の仕組みが複雑で「いつ・何に対して課税されるのか」が分かりにくい制度です。副業や独立の準備として個人で株式を保有する方も増えており、行使や売却をした年の確定申告でつまずかないよう、基本を押さえておきましょう。
☑ ストックオプションを行使したが、確定申告が必要かわからない
☑ 「税制適格」と「非適格」で税金が違うと聞いたが理解できていない
☑ 給与として課税されるのか、株の売却益として課税されるのか知りたい
この記事では、ストックオプションの2つのタイプ、権利行使時と株式売却時の課税の考え方、そして確定申告での申告方法を整理します。読み終えるころには、自分のケースでどの時点に何を申告すべきかの見当がつくようになります。
ストックオプションの課税はいつ発生する?
ストックオプションの課税は、大きく「権利行使したとき」と「取得した株式を売却したとき」の2つのタイミングで考えます。どちらの時点でどんな所得になるかは、税制適格か非適格かによって変わります。まずこの分岐を押さえることが理解の近道です。
2つのタイプがある
ストックオプションには、一定の要件を満たす「税制適格ストックオプション」と、それ以外の「税制非適格ストックオプション」があります。適格の場合は権利行使時には課税されず、株式を売却したときにまとめて課税されます。非適格の場合は権利行使時にも課税が生じます。
会社員でも確定申告が必要な場合がある
非適格ストックオプションの権利行使益は給与所得などとして扱われますが、給与とは別に自分で申告が必要になるケースがあります。また株式を売却した年には譲渡所得の申告が必要です。国税庁の「No.1540 ストックオプション税制の適用を受けて取得した株式を譲渡した場合」で適格の場合の取り扱いを確認できます。
税制適格ストックオプションの申告
税制適格ストックオプションは、権利を行使して株式を取得した時点では課税されません。課税されるのはその株式を売却したときで、売却価額と権利行使価額との差額が「株式等の譲渡所得」として申告分離課税で計算されます。
売却時にまとめて課税される
適格の場合、行使価額で取得した株式を売り、その売却益に対して申告分離課税の税率で課税されます。権利行使時に課税されないため、行使から売却までの値上がり益もまとめて譲渡所得として扱われるのが特徴です。
売却益の計算例
行使価額1株500円で1000株を取得し、1株1200円で売却したケースです。
項目 | 金額 |
|---|---|
売却価額(1200円×1000株) | 120万円 |
取得費(行使価額500円×1000株) | 50万円 |
譲渡所得 | 70万円 |
この70万円が申告分離課税の譲渡所得として課税されます。売却した年に確定申告が必要です。
税制非適格ストックオプションの申告
税制非適格ストックオプションは、権利を行使した時点で「行使時の株価と行使価額の差額」が課税対象になります。この行使益は、勤務先から付与されたものであれば給与所得として、退職後などは雑所得として扱われるのが一般的です。
権利行使時と売却時の2段階
非適格では、まず権利行使時に行使益(時価と行使価額の差額)が課税され、その後株式を売却したときに、行使時の時価から売却価額までの値上がり益が譲渡所得として課税されます。課税が2段階に分かれる点が適格との大きな違いです。
源泉徴収されないことがある
権利行使益が給与として扱われても、勤務先で源泉徴収されないケースがあります。その場合は自分で確定申告をして納税する必要があります。申告に不安がある場合は、スマホでの確定申告の手順や申告書の控えの保管方法もあわせて確認しておきましょう。
適格と非適格の違いを比較
2つのタイプは、課税のタイミングと所得の種類が大きく異なります。自分のストックオプションがどちらに該当するかは、付与時の契約内容で決まります。
項目 | 税制適格 | 税制非適格 |
|---|---|---|
権利行使時の課税 | なし | あり(給与・雑所得) |
売却時の課税 | 譲渡所得(分離) | 譲渡所得(分離) |
課税の段階 | 1段階 | 2段階 |
自分がどちらに該当するか分からない、行使益や譲渡益の計算が複雑で不安、という場合は、給与・譲渡の申告をまとめて確定申告の代行サポートに任せる方法もあります。
よくある質問
Q. 自分のストックオプションが適格か非適格かはどこで確認できますか?
付与時に交付される契約書や付与契約の内容で確認できます。税制適格には権利行使価額や行使期間などの細かい要件があり、これを満たすものだけが適格になります。判断が難しい場合は勤務先の担当部署や専門家に確認しましょう。
Q. 権利を行使しただけで、まだ株を売っていません。申告は必要ですか?
税制適格なら権利行使だけでは課税されないため、その年の申告は不要です。一方、非適格の場合は行使した時点で課税が生じるため、その年に確定申告が必要になることがあります。
Q. 上場前のスタートアップの株を行使した場合はどうなりますか?
未上場株式の売却は上場株式とは異なる区分になることがあり、計算が複雑になりやすい分野です。行使や売却の金額が大きくなりがちなので、税理士への依頼費用も比較しながら、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
Q. 会社員ですが年末調整だけで済みますか?
ストックオプションの権利行使益や売却益は年末調整では処理されないため、これらの所得がある年は別途確定申告が必要です。給与所得者の申告義務についてはマイナポータル連携で控除証明などをそろえつつ、忘れずに手続きしましょう。
適格・非適格で迷ったときの結論
ストックオプションの確定申告は、税制適格か非適格かで課税のタイミングと所得の種類が変わります。適格なら売却時に譲渡所得としてまとめて課税され、非適格なら権利行使時と売却時の2段階で課税されます。自分のタイプを契約内容で確認し、行使・売却した年に必要な申告を漏らさないことが大切です。
とはいえ、給与課税と譲渡課税をまたぐストックオプションの申告は、制度の理解と正確な計算が求められ、本業と並行して進めるには負担の大きい手続きです。金額が大きくなるほどミスの影響も大きくなります。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








