個人事業主の所得税はいくら?税率と計算方法をやさしく解説
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確定申告

個人事業主の所得税は、売上ではなく「収入−経費−所得控除」で求めた課税所得に税率をかけて決まります。税率のしくみと計算の流れを3ステップで整理し、自分のおおよその納税額をイメージできるようにします。
個人事業主として働いていると、「今年の所得税はいくらになるんだろう」と気になる場面が必ず訪れます。会社員のように給与から自動で天引きされるわけではないので、自分で仕組みを理解しておかないと、納税の時期になって金額の大きさに驚いてしまうこともあります。とはいえ、税金の話は専門用語が多く、とっつきにくいと感じる方がほとんどでしょう。所得税がどのように決まるのかの全体像は、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」でも確認できます。
☑ 自分の所得税が結局いくらになるのか、よく分かっていない
☑ 「税率」という言葉は聞くけれど、仕組みが頭に入ってこない
所得税は「売上そのもの」にはかからない
まず大切な前提として、所得税は売上の金額に直接かかるわけではありません。ここを誤解していると、税額を実際よりずっと大きく見積もってしまいます。記帳代行の現場でも、「売上は分かるが所得税がいくらになるか見当がつかない」という不安の声は少なくありません。
「収入」と「所得」は違う
収入とは、事業で得た売上の総額のこと。一方の所得は、その収入から必要経費を差し引いた、いわば「もうけ」の部分です。所得税は、この所得をもとに計算されます。
さらに控除を引いた金額が基準になる
所得が出たら、そこから各種の所得控除を引きます。この控除後の金額(課税される所得金額)に対して、税率がかけられる仕組みです。
収入(売上) − 経費 = 所得
所得 − 所得控除 = 課税される所得金額
課税される所得金額 × 税率 − 調整額 = 所得税
ステップ1:経費を引いて「所得」を出す
計算の出発点は、収入から経費を引いて所得を求めることです。
経費とは何か
経費とは、事業を行うために使ったお金のことです。仕入れ、交通費、通信費、事務用品、仕事で使う家賃の一部などが当てはまります。経費をきちんと計上するほど所得は小さくなり、結果として税額も抑えられます。複数の事業や収入源がある方は、複数事業を営む個人事業主の確定申告で、事業ごとの収支をどうまとめるかを確認しておくと集計がスムーズです。
記帳をしておくと所得がすぐ分かる
日々の収入と経費を帳簿につけておけば、1年分を合計するだけで所得が見えてきます。逆に記帳を後回しにすると、申告時期にまとめて集計することになり、大きな負担になります。日ごろから数字を整理しておけば、自分のもうけの状況がいつでも把握でき、事業の判断にも役立ちます。経費の集計や記帳まで自分でやるのが不安なら、記帳代行にまとめて任せる方法もあります。所得が早めに見えていれば、納税資金の準備にも余裕を持って取りかかれます。
ステップ2:所得控除を引く
所得が出たら、次は所得控除を差し引きます。控除は「税負担を軽くするための引き算」と考えると分かりやすいです。
多くの人が使える控除
すべての納税者が対象になる基礎控除のほか、支払った社会保険料に応じた社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除など、さまざまな種類があります。自分が支払ったものの中に、控除の対象がないか確認しましょう。
家族や働き方に関する控除
扶養している家族がいる場合の扶養控除や配偶者控除など、状況に応じた控除もあります。夫婦それぞれに事業収入がある場合の経費や控除の配分は、夫婦ともに個人事業主の確定申告が参考になります。一定の要件を満たして青色申告を行うと、所得から差し引ける控除が受けられる制度もあります。要件は変わることがあるため、最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。
ステップ3:税率をかけて税額を求める
控除を引いて課税される所得金額が決まったら、いよいよ税率をかけます。ここで日本の所得税の特徴を知っておきましょう。
所得が多いほど税率が上がる「超過累進」
日本の所得税は、所得が多くなるほど段階的に高い税率が適用される仕組みです。これを超過累進課税といいます。ただし、所得全体に高い税率がまるごとかかるわけではなく、一定の区分ごとに段階的に計算される点がポイントです。
「高い税率=全部その税率」ではない
たとえば所得が増えて上の区分に入っても、増えた部分にだけ高い税率がかかるイメージです。そのため「区分が変わった途端に手取りが激減する」ということは起こりません。具体的な税率の区分は改正されることがあるので、詳細は国税庁タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」でご確認ください。
住民税や他の負担も意識しておく
所得税だけで終わりではない点にも、軽く触れておきます。納税の全体像を知っておくと、資金の準備がしやすくなります。
所得税のあとに住民税が来る
所得をもとに計算される税金には、所得税のほかに住民税もあります。住民税は申告の内容にもとづいて後から通知されるため、所得税を納めたあとも一定の負担が続くことを覚えておきましょう。
納税資金を準備しておく
個人事業主は税金が自動で天引きされないぶん、自分で納税資金を確保しておく必要があります。もし年の途中で病気などにより休業して所得が変わった場合の考え方は、病気・療養で年の途中に休業した個人事業主の確定申告で確認できます。おおよその所得が見えた段階で、納税分を別に取り分けておくと安心です。事業の口座とは別に、税金用の置き場所を作っておくと、いざ納める時期に困らずに済みます。
税負担とうまく付き合うための考え方
所得税の仕組みが分かると、「では、どう向き合えばよいのか」が次の関心事になります。無理のない範囲でできることを知っておきましょう。
経費の計上を正しく行う
事業に使ったお金をきちんと経費として記録することは、節税の小細工ではなく、正しい所得を出すための当たり前の作業です。本来引けるはずの経費を見落とすと、必要以上に税金を納めることになりかねません。日ごろから漏れなく記録しておくことが大切です。
使える控除を取りこぼさない
支払った保険料や医療費など、控除の対象になるものは意外と多くあります。証明書類を一年を通して保管しておけば、申告のときに慌てず反映できます。控除を正しく使うことも、払いすぎを防ぐ大切なポイントです。
無理な節税より正確さを優先する
税金を減らしたい気持ちは自然なものですが、根拠のない経費計上や不正確な申告は、かえってあとで負担を招きます。正確に申告することが、結果的にいちばん安心できる方法です。
よくある質問
Q. 売上が同じでも、人によって所得税が違うのはなぜですか?
所得税は売上ではなく、経費や控除を引いたあとの金額をもとに決まるからです。経費の多さや、使える控除の内容は人によって異なります。同じ売上でも、経費や控除が多い人ほど課税される所得金額は小さくなり、税額も変わってきます。
Q. 自分のおおよその税額を知る方法はありますか?
本記事で紹介した「収入 − 経費 − 控除」の流れで課税される所得金額を出せば、おおよそのイメージはつかめます。正確な金額や最新の税率区分については、国税庁の確定申告コーナーなどで確認するのが確実です。あくまで目安として、早めに把握しておくと納税準備に役立ちます。
Q. 経費や控除の判断が難しくて、計算に自信が持てません。
経費にできるかどうかや、どの控除が使えるかは、判断に迷う場面が多いものです。無理にひとりで抱え込まず、帳簿づくりや申告を専門家に任せる方法もあります。正しく経費や控除を反映できれば、払いすぎを防ぐことにもつながります。
まとめ|流れが分かれば所得税は怖くない
個人事業主の所得税は、「収入から経費を引いて所得を出し、そこから控除を引き、残った金額に税率をかける」という流れで決まります。売上そのものに税金がかかるわけではない、という点さえ押さえれば、必要以上に身構える必要はありません。
大切なのは、日ごろから収入と経費を記録し、自分のおおよその所得を把握しておくことです。そうすれば納税資金の準備もしやすく、申告時期に慌てることもなくなります。まずは仕組みを知ることから始めてみましょう。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








