障害年金を受けながら開業した個人事業主の確定申告|非課税年金と事業所得を解説
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確定申告

障害年金は所得税法上、原則として非課税です。確定申告の所得金額には含めず、事業所得だけを通常どおり計算して申告します。あわせて障害者控除など使える控除を漏らさなければ、税負担を抑えられます。「年金と事業は別」で整理できます。
障害年金を受けながら開業すると、「事業の収入は申告するとして、年金はどう扱う」と迷いがちです。老後の年金は課税されるイメージがあるぶん、障害年金も申告が必要では、と不安になるのは自然なこと。何を申告し何を申告しなくてよいのかを、順に整理していきましょう。
☑ 障害年金をもらいながら開業したけれど、年金も確定申告に含めるのか不安だ
☑ 障害年金が非課税と聞いたが、事業所得とどう扱いを分ければよいかわからない
☑ 事業の収入と年金が両方あると、申告や控除でどこに注意すべきか知りたい
障害年金は確定申告でどう扱われる?
障害年金は原則として非課税
まず押さえておきたいのは、障害年金は所得税法上、原則として非課税として扱われるという点です。障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金のいずれも、税金がかからない収入として位置づけられています。これは、生活を支えるための給付という性格があるためです。障害年金の種類や受給の仕組みは、日本年金機構の案内で確認できます。
同じ年金でも、老齢年金(老後に受け取る年金)は「公的年金等の雑所得」として課税対象になります。ここを混同してしまうと、本来申告しなくてよい障害年金まで所得に含めてしまうことがあるので、自分が受け取っているのがどの年金なのかをまず確認しましょう。
非課税だから「所得」には含めない
障害年金は非課税のため、確定申告書の所得金額の欄には記入しません。事業所得や給与所得のように税額計算の対象にはならず、申告書上では基本的に登場しない収入だとイメージするとわかりやすいでしょう。
そのため、「障害年金を受け取っていること」自体を理由に確定申告が必要になるわけではありません。確定申告が必要かどうかは、あくまで事業所得など課税対象となる所得がいくらあるかで判断します。
申告が必要になるのは事業所得などがある場合
個人事業主として開業して事業収入がある場合は、その事業所得について確定申告が必要です。障害年金とは切り離して、事業の売上から必要経費を差し引いた所得を計算し、通常どおり申告する流れになります。事業所得が一定額を超える場合や、所得税が発生する場合には、申告を忘れないようにしましょう。
事業所得の計算と申告の基本
事業所得は「売上−必要経費」で計算する
事業所得は、1年間(1月1日〜12月31日)の売上から、その売上を得るためにかかった必要経費を差し引いて計算します。障害年金を受け取っているかどうかにかかわらず、この計算方法は変わりません。仕入れ、材料費、通信費、消耗品費、交通費など、事業に関連する支出は経費として計上できます。
注意したいのは、障害年金は経費とも収入とも関係がないという点です。年金は事業の売上に含めませんし、年金の受け取りに伴って何かを経費にするということもありません。あくまで「事業は事業」「年金は年金」と分けて考えるのが基本です。開業初年度に赤字となったときの国保・年金や申告の考え方は開業初年度に赤字でも損しない確定申告で整理しています。
青色申告か白色申告かを選ぶ
個人事業主の申告には、青色申告と白色申告があります。青色申告は事前の届け出と帳簿づけが必要ですが、その分メリットも大きい制度です。
最大65万円の青色申告特別控除が受けられる(要件を満たした場合)
赤字を翌年以降に繰り越せる
家族へ支払う給与を経費にできる場合がある
開業して間もない時期は売上が安定しないこともありますが、青色申告なら赤字を繰り越して翌年以降の黒字と相殺できるため、長い目で見ると有利になりやすい制度です。開業時に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出しておくと、青色申告の準備が整います。青色申告の制度とメリットは、国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」で確認できます。
提出期間と提出方法
確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。提出方法には、e-Taxによる電子申告、税務署への持参、郵送の3つがあります。e-Taxは自宅から提出でき、青色申告特別控除の面でも有利になる場合があるため、体調や移動の負担を考えると、自宅で完結できる方法を選ぶのもよいでしょう。
障害年金受給者が使える所得控除のポイント
障害者控除を受けられる場合がある
障害年金を受け取っている方は、要件を満たせば障害者控除を受けられる場合があります。障害者控除は、本人や同一生計の配偶者・扶養親族が一定の障害の状態にあるときに、所得から一定額を差し引ける所得控除です。事業所得がある個人事業主であれば、この控除によって課税対象の所得が小さくなり、税負担を軽くできる可能性があります。
ただし、障害年金を受給していることと、税法上の障害者控除の対象であることは、判定の基準が完全に同じとは限りません。障害者手帳の有無や等級などによって扱いが変わることがあるため、自分が控除の対象になるかは、税務署や専門家に確認すると確実です。
社会保険料控除や基礎控除も忘れずに
障害者控除以外にも、個人事業主が使える所得控除はいくつもあります。代表的なものを挙げてみましょう。
国民年金・国民健康保険などの社会保険料控除
生命保険料控除・地震保険料控除
医療費控除(一定額を超える医療費がある場合)
すべての納税者に適用される基礎控除
これらの控除は、証明書類をそろえて正しく申告することで税額を抑えられます。控除証明書は秋以降に郵送されてくることが多いので、なくさないように保管しておきましょう。国民健康保険料の負担を抑える国保組合の選び方は国保組合の選び方と節税で確認できます。
控除証明書類を早めにそろえておく
所得控除を受けるには、それぞれの証明書類が必要です。生命保険料控除証明書、国民年金保険料の控除証明書、医療費の明細などを、申告前にまとめて確認しておくと記入がスムーズです。障害者控除については、障害者手帳など状態を確認できる書類を手元に置いておくと安心です。
年金と事業所得が両方あるときの注意点
非課税の年金は所得に含めない、を徹底する
もっとも間違えやすいのが、障害年金を所得として申告書に書き込んでしまうケースです。前述のとおり障害年金は非課税ですので、事業所得とは別物として扱い、所得金額には含めません。日本年金機構から届く源泉徴収票や通知に「障害」と記載があるものは、課税される老齢年金とは別物だと考えて差し支えありません。
もし老齢年金と障害年金の両方を受け取っている方がいれば、課税対象になるのは老齢年金の部分のみです。書類を取り違えないよう、どの年金の通知なのかを必ず確認しましょう。年金を受け取りながらの扶養や申告の考え方は年金受給と扶養・確定申告が参考になります。
収入の区分を帳簿でも分けて管理する
事業の売上と年金の入金が同じ口座に入っていると、帳簿づけのときに混ざってしまいがちです。年金の入金は事業の売上ではないため、事業の帳簿には計上しません。可能であれば、事業用の口座とプライベートの口座を分けておくと、売上と年金が混ざらず、記帳のミスを防ぎやすくなります。
口座を完全に分けられない場合でも、入金があったときに「これは年金、これは売上」と区別する習慣をつけておくと、申告期の集計がぐっと楽になります。
判断に迷ったら早めに確認する
障害年金と事業所得が重なると、控除の対象になるか、何を申告に含めるかなど、判断に迷う場面が出てきます。年金の種類や障害の状態、家族構成によって扱いが変わることもあるため、思い込みで処理せず、税務署や専門家に早めに相談することが、結果的にいちばん安心で確実です。年金と事業の切り分けから申告まで任せたいときは、確定申告の代行という選択肢もあります。
よくある質問
Q. 障害年金は確定申告書のどこに書けばいいですか?
障害年金は非課税のため、確定申告書の所得金額の欄には書きません。記入が必要なのは、事業所得など課税対象となる所得や、適用を受ける所得控除の部分です。年金そのものを所得として書き込まないように注意しましょう。なお、課税対象となる老齢年金を受け取っている場合は、そちらは「公的年金等の雑所得」として申告が必要です。
Q. 障害年金だけで事業の所得がない場合も確定申告は必要ですか?
障害年金は非課税で、課税される所得がほかになければ、所得税の確定申告は基本的に必要ありません。ただし、開業して事業所得が発生した年は、その事業所得について申告が必要になります。また、申告をすることで還付を受けられたり、住民税や各種手続きの面で申告した方がよいケースもあるため、迷ったときは確認するとよいでしょう。
Q. 障害者控除は事業所得があっても受けられますか?
要件を満たせば、事業所得がある個人事業主でも障害者控除を受けられます。障害者控除は所得控除のひとつで、課税対象の所得を減らす効果があります。ただし、対象となるかどうかは障害の状態や手帳の有無などで判定されるため、自分が該当するかは税務署や専門家に確認するのが確実です。
結論:年金と事業所得を分けて考えれば申告は整理できる
障害年金を受けながら開業した個人事業主の確定申告は、「障害年金は非課税なので所得に含めない」「事業所得は通常どおり計算して申告する」という2つのポイントを押さえれば、考え方はシンプルに整理できます。あわせて、障害者控除をはじめとする所得控除を漏れなく使うことで、税負担を抑えられる可能性があります。年金と事業の収入は帳簿でもしっかり分けて管理しておくと安心です。
体調と向き合いながら事業を続ける中で、記帳から申告書の作成まで自分でこなすのは、負担が重くなりがちです。無理をして期限間際に慌てるより、早めに手を借りるのも安心につながる選択です。
記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。年金と事業の収入の分け方を相談してみる。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








