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個人事業主の節税カレンダー|月別にやるこ...

2026/7/19

個人事業主の節税カレンダー|月別にやることをまとめて解説

  • 税金

個人事業主の節税は、確定申告の直前ではなく1年を通して計画的に仕込むことで効果が大きく変わります。1月から12月まで、月別にやるべきことを節税カレンダーとして整理し、控除や経費の締め切りの取りこぼしを防ぎます。

個人事業主やフリーランスの節税というと、多くの方が確定申告の直前、2月から3月にかけて慌てて対策を考えがちです。けれども、節税の効果が大きい施策ほど、実は「その年が終わる前」に手を打っておく必要があります。年が明けてからでは間に合わないものが少なくないのです。

☑ 節税は確定申告の時期にまとめてやるものだと思っていて、毎年バタバタしている

☑ 月によって何をすればいいのか分からず、気づいたら締め切り間際になっている

☑ 「年内にやっておけば節税できた」という話を後から聞いて、いつも悔しい思いをする

節税は「計算する」ものというより、1年を通して「仕込んでおく」もの——このカレンダーの発想を軸に、1月から12月まで、月ごとにやることを具体的に見ていきます。手元のスケジュール帳と照らし合わせながら読み進めてみてください。

毎月の記帳や納税スケジュールの管理まで手が回らないときは、記帳代行という選択肢もあります。まずは1年の段取り全体をつかんでおきましょう。

節税カレンダーを意識すると何が変わるのか

節税には「締め切り」があるという考え方

節税対策の多くには、実は見えにくい締め切りがあります。たとえば、その年の経費として計上できるのは原則としてその年の12月31日までに発生した支出です。年が明けてから「去年の分として経費にしたい」と思っても、原則としてさかのぼることはできません。小規模企業共済やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった所得控除も、年内に掛金を払い込んでいることが前提になります。

つまり、節税は確定申告の時期に「計算する」ものというより、1年を通じて「仕込んでおく」ものだと考えると、取りこぼしが減ります。カレンダーで管理する最大のメリットは、この締め切りを逃さないことにあります。

1年の税金スケジュールをざっくりつかむ

個人事業主が向き合う税金関係の主なイベントを、おおまかに並べると次のようになります。あくまで一般的な流れですので、ご自身の状況に合わせて確認してください。

  • 2月16日〜3月15日ごろ:確定申告と所得税の納付

  • 3月末ごろ:消費税の申告・納付(課税事業者の場合)

  • 春〜初夏:住民税・国民健康保険料の通知が届き始める

  • 夏ごろ:所得税の予定納税(対象者のみ)、住民税の納付開始

  • 秋〜年末:翌年に向けた節税対策の最終調整

  • 12月31日:その年の経費・控除の締め切り

こうして並べると、税金は確定申告の時期だけでなく1年を通して動いていることが分かります。それぞれの月にやることを、ここから具体的に見ていきましょう。

1月〜3月:確定申告シーズンの動き方

1月:前年分の集計をスタートする

年が明けたら、まず前年1年分の帳簿づけと書類の整理に取りかかります。領収書やレシート、請求書、通帳の入出金記録などを月ごとに分けておくと、後の作業が一気に楽になります。1月は申告期限まで少し余裕があるので、この時期に集計を終わらせておくと心にゆとりが生まれます。

あわせて、生命保険料控除証明書や国民年金保険料の控除証明書、小規模企業共済やiDeCoの払込証明書など、控除に使う書類が手元にそろっているかを確認しておきましょう。証明書が見当たらない場合は、早めに再発行を依頼しておくと安心です。

2月:確定申告書を作成・提出する

所得税の確定申告期間は原則として2月16日から3月15日までです。集計が済んでいれば、この期間に申告書を作成して提出します。e-Taxを使えば自宅から電子申告ができ、青色申告特別控除を最大限に活用するうえでも有利になります。

青色申告で65万円の特別控除を受けるには、複式簿記での記帳と、e-Taxによる電子申告(または電子帳簿保存)などの要件を満たす必要があります。締め切り間際に慌てて紙で提出すると控除額が下がってしまうこともあるため、余裕を持った準備が節税につながります。

3月:納付と消費税の申告

所得税は申告期限と同じ3月15日ごろが納付期限です。口座振替を利用すると、実際の引き落としは4月以降になり、納税資金の準備に少し余裕が持てます。一括での納付が難しい場合に備えて、振替納税の手続きを検討しておくのも一つの方法です。

消費税の課税事業者である場合は、3月末ごろが申告・納付の期限になります。所得税とは別のスケジュールなので、混同しないよう注意しましょう。納税額がまとまりやすいので、消費税の納税資金を計画的に積み立てる方法で早めに備えておくと安心です。

4月〜6月:納税と来年の土台づくり

4月〜5月:振替納税と新年度の帳簿づけ

振替納税を選んでいる場合、所得税は4月、消費税は4月下旬ごろに口座から引き落とされます。残高不足にならないよう、引き落とし日までに資金を用意しておきましょう。

同時に、新しい年度の帳簿づけをこの時期からこまめに始めることが、翌年の節税の第一歩です。「確定申告のときにまとめてやる」習慣をやめて、毎月少しずつ記帳しておくと、年末に経費の取りこぼしを防げます。

6月:住民税の通知をチェックする

6月ごろになると、前年の所得をもとに計算された住民税の通知書が届きます(個人住民税のしくみは総務省の個人住民税の解説で確認できます)。個人事業主は普通徴収として、自分で年4回程度に分けて納付するのが一般的です。第1期の納付期限は6月末ごろになることが多いので、金額を確認して納税資金を準備しておきましょう。

国民健康保険料の通知もこの時期に届き始めます。これらは前年の所得が高いほど負担が増えるため、所得をコントロールする節税対策が、税金だけでなく社会保険料の軽減にもつながることを意識しておくとよいでしょう。

7月〜9月:年の折り返しで見直しをかける

7月〜8月:予定納税と上半期の振り返り

前年の所得税が一定額以上だった方には、予定納税という制度があります。これは翌年の所得税の一部を前払いする仕組みで、第1期分の納付期限は7月から9月ごろに設定されることが一般的です。対象になる場合は税務署から通知が届くので、見落とさないようにしましょう。

また、この時期は1年のちょうど折り返し地点です。上半期の売上と経費をざっと振り返り、今年はどのくらいの所得になりそうかを概算してみましょう。早い段階で見通しを立てておくと、年末までにどの程度の節税対策が必要かを判断しやすくなります。

9月:所得の見込みに応じて対策を検討

上半期の数字をもとに、今年の所得が大きくなりそうだと分かったら、年末に向けた節税策をこの時期から考え始めます。たとえば小規模企業共済の掛金を増やす、iDeCoの拠出を見直す、必要な設備投資の時期を年内に調整する、利益が出た年なら経営セーフティ共済への加入を検討する、といった選択肢があります。

こうした対策は、12月になってから動くと手続きが間に合わないことがあります。9月ごろから準備を始めると、無理のない範囲で計画的に進められます。

10月〜12月:年内に締め切る節税対策

10月〜11月:控除制度の活用を固める

所得控除をしっかり使うことは、個人事業主にとって基本かつ効果の大きい節税です。年内に払い込んでおくことで控除の対象になる主な制度を整理しておきましょう。

  • 小規模企業共済:掛金の全額が所得控除の対象になり、退職金代わりの積み立てにもなります

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除の対象で、老後資金づくりと両立できます

  • 国民年金基金や付加年金:将来の年金を増やしつつ控除も受けられます

  • ふるさと納税:寄附金控除の対象で、実質的な負担を抑えながら返礼品を受け取れます

これらはいずれも、その年の所得に対して効く対策です(各年金制度の詳細は日本年金機構で確認できます)。掛金の増額や新規加入は手続きに日数がかかることもあるため、12月ぎりぎりではなく、11月までに動いておくと確実です。

12月:年内に経費を締め、来年への準備をする

12月は1年の経費を締める最後の月です。事業に必要な備品や消耗品で、近いうちに使う予定があるものは年内に購入しておくと、その年の経費に計上できます。ただし、節税のためだけに不要なものを買うのは本末転倒です。あくまで事業に必要なものに限るのが大原則です。

あわせて、未回収の売掛金や未払いの経費がないかを確認し、帳簿を整えておきましょう。10万円以上の備品など、減価償却の対象になるものは購入時期によって翌年以降の経費配分も変わってきます。判断に迷う支出は、年が明ける前に整理しておくと、確定申告の作業がスムーズになります。

よくある質問

Q. 節税対策は確定申告の時期だけでは間に合わないのですか?

はい、効果の大きい対策ほど年内に手を打つ必要があります。経費の計上はその年の12月31日まで、小規模企業共済やiDeCoなどの所得控除も年内の払い込みが前提です。年が明けてから「去年の分を増やしたい」と思っても、原則としてさかのぼれません。確定申告はあくまで結果を集計して申告する作業であり、節税の仕込みはそれより前に終わっている必要があると考えるとよいでしょう。

Q. 予定納税の通知が来たら必ず払わなければいけませんか?

予定納税は、前年の所得税額が一定の基準を超えた方が対象になる制度で、通知が届いた場合は原則として納付が必要です。ただし、今年の所得が前年より大きく減る見込みの場合は、所定の手続きによって予定納税額の減額を申請できる仕組みもあります。状況に応じて検討するとよいでしょう。具体的な要件は変わることがあるため、税務署や専門家に確認することをおすすめします。

Q. 月別にやることを管理するコツはありますか?

一番のコツは、記帳を毎月の習慣にすることです。月末ごとに領収書を整理し、帳簿に入力しておけば、年末に経費を取りこぼすことがほぼなくなります。さらに上半期が終わる7月ごろに一度所得の見込みを立てておくと、秋からの節税対策を計画的に進められます。確定申告の直前にすべてを背負い込まないことが、結果として一番の節税につながります。

まとめ|節税は1年を通して計画的に仕込む

個人事業主の節税は、確定申告の時期だけのものではありません。1月〜3月は申告と納付、4月〜6月は納税と新年度の帳簿づけ、7月〜9月は中間の見直し、10月〜12月は年内に締め切る控除や経費の対策、というように、月別にやることを意識すると取りこぼしが大きく減ります。とくに所得控除や経費の計上は年内が締め切りなので、秋までに方針を固めておくことが大切です。

とはいえ、本業をこなしながら毎月の記帳を続け、納税スケジュールを管理し、年末の節税対策まで自分一人で行うのは、決して軽い負担ではありません。気づいたら申告期限が迫っていて、結局慌ててしまうという方も多いのではないでしょうか。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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