国民年金基金の節税と受取を試算|iDeCo・付加年金との掛金枠の使い分け
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税金

国民年金基金は掛金の全額が社会保険料控除になり、終身年金で老後に備えられる個人事業主向けの制度です。課税所得別の節税額の試算と、iDeCo・付加年金との掛金枠の使い分けを、それぞれの制度の違いとあわせて整理します。
個人事業主(国民年金の第1号被保険者)は、会社員の厚生年金にあたる「2階部分」がありません。その上乗せを作る選択肢が国民年金基金です。掛金は全額が社会保険料控除になり節税にもなりますが、iDeCoや付加年金とは掛金枠を分け合う関係にあり、併用できない組み合わせもあります。制度の違いと使い分けを整理しましょう。
☑ 国民年金基金でどれくらい節税になるのか知りたい
☑ iDeCoや付加年金とどう違うのか整理したい
☑ 限られた掛金枠をどう配分すればよいか知りたい
この記事を読むと、国民年金基金の節税効果と、iDeCo・付加年金との使い分けの考え方がわかります。
国民年金基金とは?掛金が全額社会保険料控除
国民年金基金とは、自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者が、公的年金に上乗せして老後の年金を準備できる制度です。掛金の全額が社会保険料控除の対象となり(社会保険料控除の扱いは国税庁タックスアンサーNo.1130「社会保険料控除」で確認できます)、その年の所得税・住民税が軽くなります。
終身年金が基本で老後の安心につながる
国民年金基金の給付は終身年金が基本で、生涯にわたって年金を受け取れる型を選べます(一部に確定年金もあります)。長生きへの備えになる点が、iDeCoにはない特徴です。制度の詳細は全国国民年金基金の公式サイトで確認できます。
掛金の上限は月6.8万円(iDeCoと合算)
掛金の上限は月額6.8万円(年額81.6万円)ですが、これはiDeCoと合算した枠です。両方に加入する場合は、合計で月6.8万円を超えられません。掛金は加入時の年齢・性別や選ぶ給付の型で決まり、途中で口数を増減できます。老後資金づくり全体の考え方は資産形成と節税を両立する制度の組み合わせ方もあわせてご覧ください。
節税額のシミュレーション
掛金は全額が社会保険料控除になるため、節税額は「掛金の年額 ×(所得税率+住民税率10%)」でおおよそ求められます。
試算の前提
課税所得別に、掛金を年24万円(月2万円)・年40.8万円(月3.4万円)・年81.6万円(月6.8万円)納めた場合の年間節税額を試算しました(復興特別所得税は除く概算)。
課税所得(合計税率) | 月2万円 | 月3.4万円 | 月6.8万円 |
|---|---|---|---|
200万円(税率15%) | 約3.6万円 | 約6.1万円 | 約12.2万円 |
400万円(税率30%) | 約7.2万円 | 約12.2万円 | 約24.5万円 |
読み取れるポイント
節税効果はiDeCoと同水準です。違いは、iDeCoが自分で運用して受取額が変動するのに対し、国民年金基金は加入時に将来の受取額が決まる(確定給付に近い)点です。運用の手間をかけず、受取額を確定させたい方に向いています。手取りを最大化する控除の順番は効く順番と組み合わせで整理しています。
こうした掛金枠を活かす前提として、まず所得を正しく出しておきたい方は、記帳代行というやり方で足元の帳簿を整えておくと、控除額の見積もりもぶれずに済みます。
iDeCo・付加年金との使い分け
上乗せ年金の選択肢は複数あり、それぞれ枠や性質が異なります。組み合わせのルールを押さえましょう。
国民年金基金とiDeCoは枠を分け合う
両方に加入できますが、掛金は合算で月6.8万円が上限です。受取額を確定させたい部分を国民年金基金に、自分で運用して増やしたい部分をiDeCoに、と配分する考え方が基本です。iDeCoの節税や特徴は個人年金保険料控除を使った節税と比べても控除の優遇が大きい制度です。
付加年金とは併用できない
国民年金基金に加入すると、付加年金(月400円の上乗せ)には同時に加入できません。どちらか一方の選択になります。付加年金は少額ながら受取の割がよい制度なので、まず付加年金を検討し、さらに上乗せしたい場合に国民年金基金やiDeCoを考える順序も一案です。国民年金の前納による節税は国民年金保険料の2年前納で節税する方法もご覧ください。
比較表
3つの制度を、控除の種類・受取額・掛金枠で並べると、性格の違いがはっきり見えてきます。
制度 | 控除の種類 | 受取額 | 掛金枠 |
|---|---|---|---|
国民年金基金 | 社会保険料控除 | 加入時に確定(終身型あり) | iDeCoと合算で月6.8万円 |
iDeCo | 小規模企業共済等掛金控除 | 運用成績で変動 | 国民年金基金と合算で月6.8万円 |
付加年金 | 社会保険料控除 | 月400円で少額上乗せ | 国民年金基金と併用不可 |
よくある質問
Q. 国民年金基金の掛金は途中でやめられますか?
いったん加入すると自己都合での任意脱退は原則できません。ただし口数を減らして掛金を下げることは可能です。無理のない口数から始め、余裕が出たら増やすのが安全です。
Q. iDeCoと国民年金基金はどちらが得ですか?
節税効果はほぼ同じで、違いは受取の仕組みです。受取額を確定させ運用の手間を避けたいなら国民年金基金、自分で運用して増やす可能性に賭けたいならiDeCo、という選び方になります。両方を組み合わせることもできます。
Q. 会社員になったら続けられますか?
厚生年金に加入する会社員(第2号被保険者)になると、国民年金基金の加入資格を失います。ただしそれまで積み立てた分は、将来年金として受け取れます。
Q. 掛金の証明書はどう扱いますか?
年末に送られる控除証明書をもとに、確定申告書の社会保険料控除の欄に掛金額を記入します。国民年金保険料や国民健康保険料と同じ社会保険料控除の枠で合算します。
受取を確定させたいなら国民年金基金という選択
国民年金基金は掛金が全額社会保険料控除になり、終身年金で老後に備えられる制度です。節税効果はiDeCoと同水準ですが、受取額が加入時に決まる点が特徴です。iDeCoとは掛金枠(月6.8万円)を分け合い、付加年金とは併用できないため、受取を確定させたい部分と運用で増やしたい部分を意識して配分しましょう。
こうした制度を最大限に活かすには、所得を正しく把握し、控除を漏れなく申告できる帳簿づけが土台になります。本業に集中しながら記帳や確定申告まで自分で回すのは、思った以上に手間のかかる作業です。記帳代行の現場でも、上乗せ年金を検討する前に「まず数字を整えたい」というご相談は多く寄せられます。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








