専従者給与と配偶者控除はどちらが得?判断ポイントをやさしく解説
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税金

専従者給与と配偶者控除は同じ配偶者に同時に使えないため、どちらが得かを並べて比べるのが正解です。それぞれが有利になるケースと、見落としやすい配偶者側の税・社会保険の負担まで判断ポイントを整理します。
配偶者と一緒に事業を営んでいる個人事業主の方が、確定申告の場面で悩みやすいのが「専従者給与」と「配偶者控除」のどちらを選ぶか、という問題です。どちらも家族に関わる税金の制度ですが、同じ配偶者について両方を同時に使うことはできません。だからこそ、自分の場合はどちらが有利なのか、しっかり見極めたいと考える方が多いのです。記帳代行の現場でも、配偶者と一緒に事業をされている方から「専従者にすべきか」というご相談をよくいただきます。
☑ 妻や夫を専従者にするか、配偶者控除を使うかで迷っている
☑ どちらを選べば税金の面で有利になるのか知りたい
☑ 両方を一緒に使えないと聞いて、判断に困っている
☑ 配偶者に給与を払うと、配偶者側の税や社会保険がどうなるのか気になる
2つの制度の基本をおさらい
判断の前に、まず2つの制度がどういうものかを確認しておきましょう。
配偶者控除とは
配偶者控除は、一定の要件を満たす配偶者がいる場合に、所得から一定額を差し引ける所得控除です。配偶者の所得が少ないことなどが条件となり、事業主本人の所得が高すぎないことも関係します。要件の詳細は国税庁タックスアンサーNo.1191「配偶者控除」で確認できます。特別な届出をしなくても、確定申告のなかで条件に当てはまれば使える、比較的手軽な制度です。
青色事業専従者給与とは
青色事業専従者給与は、青色申告をしている事業主が、事業を手伝う配偶者に支払う給料を経費にできる制度です。事前に税務署へ届出書を提出し、配偶者がその事業にもっぱら従事していることなどが要件となります。制度の詳細は国税庁タックスアンサーNo.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」で確認できます。支払った給与を経費にできるため、事業の所得そのものを小さくできる点が特徴です。専従者給与は青色申告の特典の一つで、同じ青色申告なら青色申告特別控除65万・55万・10万の違いもあわせて活用できます。
同時には使えないという大前提
選択を考えるうえで、まず外せないルールがあります。
専従者給与を選ぶと配偶者控除は使えない
同じ配偶者について、専従者給与と配偶者控除を重ねて使うことはできません。専従者給与を経費にした場合、その配偶者は配偶者控除の対象から外れます。つまり、どちらか一方を選ばなければならない、という関係にあります。ここを誤解していると、有利な選択を見誤ってしまいます。
「どちらが有利か」を比べる発想が大切
両方使えない以上、大切なのは「それぞれを選んだ場合に、どれだけ所得を圧縮できるか」を比べる発想です。一方だけを見て決めるのではなく、両方の効果を並べて検討することが、納得のいく判断につながります。どちらを選ぶにせよ申告までまとめて任せたい方には、確定申告代行に任せる方法もあります。
専従者給与が有利になりやすいケース
では、どんなときに専従者給与のほうが向いているのでしょうか。
配偶者が事業をしっかり手伝っている
配偶者が事業に深く関わり、相当な時間や役割を担っている場合は、専従者給与が有利になりやすい傾向があります。働きの実態に見合った給与を支払えば、その金額を経費にできるため、配偶者控除の額を上回る効果が見込めることがあります。実態のある働きがあることが前提です。
所得を分散できる可能性がある
専従者給与を支払うと、事業主の所得の一部が配偶者の所得に移る形になります。所得税は所得が大きいほど税率が高くなる仕組みのため、世帯全体で見たときにバランスがとれ、有利に働く場合があります。世帯全体で見たときのバランスの考え方は、夫婦で事業と給与がある世帯の手取り最適化で詳しく整理しています。ただし配偶者側にも税や社会保険の負担が生じることがあるため、その点も含めて考える必要があります。
配偶者控除が向いているケース
一方で、配偶者控除のほうが適している場合もあります。
配偶者の事業への関与が少ない
配偶者が家事や育児が中心で、事業の手伝いはわずかという場合は、専従者としての要件を満たしにくく、配偶者控除を選ぶほうが現実的です。専従者給与は「もっぱら従事している」ことが前提のため、関与が少ない場合は無理に専従者給与を選ぶ必要はありません。
手続きの手間を抑えたい
専従者給与には、事前の届出や給与の支払い、記帳、場合によっては源泉徴収などの手続きが伴います。これらの手間を抑えたい、まずはシンプルに申告したいという方にとっては、特別な届出が不要な配偶者控除のほうが扱いやすいといえます。
見落としがちな配偶者側の負担
専従者給与を選ぶときに忘れやすいのが、給与を受け取る配偶者側に生じる負担です。ここを見落とすと判断を誤りかねません。
配偶者にも税負担が生じることがある
専従者として給与を受け取ると、配偶者にもその収入に応じた税負担が生じる場合があります。事業主側で経費にできて所得が減っても、配偶者側で税金が増えれば、世帯全体で見たときの効果は思ったほど大きくならないこともあります。片側だけでなく、両方の所得への影響をあわせて見ることが大切です。家族へのお金の渡し方という点では、事業資金を家族から贈与で受けるときの贈与税の注意点も知っておくと判断の幅が広がります。
社会保険の扱いにも目を向ける
給与の金額によっては、配偶者が扶養の範囲から外れ、社会保険の負担が変わることもあります。税金だけを見て決めると、思わぬところで負担が増えることがあるため注意が必要です。判断にあたっては、次のような点も確認しておくと安心です。
配偶者の収入が増えることで生じる税の負担
社会保険の扶養から外れる可能性があるか
世帯全体で見たときの手取りの変化
制度の細かな取り扱いは年度によって変わることもあるため、最新情報は国税庁のサイトなどで確認しましょう。
判断するときのチェックポイント
最後に、選択を考える際に確認したいポイントを整理します。
配偶者の働きの実態を見る
まず確認したいのは、配偶者が実際にどれだけ事業に関わっているかです。判断の出発点になります。
どのくらいの時間、事業に従事しているか
どのような役割や仕事を担っているか
他に仕事を持っていないか
働きの実態がしっかりあるほど、専従者給与を検討する余地が大きくなります。
世帯全体で考える
どちらが得かは、事業主本人だけでなく、配偶者側の税負担や社会保険の影響も含めて、世帯全体で考えることが大切です。一方の税金が減っても、もう一方で負担が増えれば、世帯としての効果は変わってきます。年度によって制度の細かな内容が変わることもあるため、最新情報は国税庁のサイトなどで確認しながら判断しましょう。
よくある質問
Q. 途中から専従者給与に切り替えることはできますか?
専従者給与を経費にするには、原則として事前に届出書を提出しておく必要があります。そのため、思い立ってすぐにその年から切り替えられるとは限りません。届出の期限を確認したうえで、計画的に準備することが大切です。
Q. 専従者給与にすると配偶者の手取りは増えますか?
配偶者が給与を受け取る形になるため、その分の収入が配偶者側に生じます。ただし、金額によっては配偶者側にも税や社会保険の負担が生じる場合があります。手取りへの影響は金額しだいのため、世帯全体で見て判断することが大切です。
Q. どちらが得か自分で計算するのはむずかしいです。どうすれば?
専従者給与と配偶者控除のどちらが有利かは、所得の金額や配偶者の働き方によって変わるため、一律の正解はありません。それぞれを選んだ場合の所得を試算して比べるのが確実です。判断に迷う場合は、正確な帳簿をもとに専門家に相談すると安心です。
専従者給与と配偶者控除で迷ったときの結論
専従者給与と配偶者控除は、同じ配偶者について同時には使えないため、どちらか一方を選ぶことになります。配偶者が事業をしっかり手伝い、実態のある働きがある場合は専従者給与が有利になりやすく、関与が少ない場合や手間を抑えたい場合は配偶者控除が向いています。大切なのは、両方の効果を並べて比べる発想です。
どちらが得かは、事業主本人の所得だけでなく、配偶者側の税負担や社会保険まで含めた世帯全体で見て判断する必要があります。正確な数字をもとに試算してこそ、納得のいく選択ができます。まずは日々の記帳を整え、自分の所得や配偶者の働きの実態をはっきりさせることが、よい判断の土台になります。
「自分の場合どちらが有利か見当がつかない」というときこそ、正確な帳簿が判断の土台になります。領収書丸投げドットコムでは、お送りいただいた領収書や請求書をもとに、記帳から確定申告書類の作成までをサポートします。税理士監修・何枚でも定額 月額6,600円(税込)で対応するので、どちらが得かを正確な数字で見極める相談をしてみる(無料)ことができます。相談は無料です。実際に任せた方の様子は、利用者の導入事例でご覧いただけます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








