ペットシッター・トリマーの確定申告|収入と経費をやさしく解説
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確定申告

ペットシッター・トリマーの確定申告は、施術料や物販の売上を正しく数え、シャンプー剤・道具・自宅サロンの按分といった動物関連の仕事ならではの経費を漏れなく拾うのがポイントです。青色申告の活用法や日々の準備まで、具体例を交えて整理します。
ペットシッターやトリマーとして独立すると、施術や送迎、お客様とのやりとりだけで一日があっという間に過ぎていきます。そんな中で「確定申告」と聞くと、難しそうで後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。動物相手の仕事は体力も気もつかうため、帳簿づけまで手が回らないというのが正直なところだと思います。まずは収入と経費の考え方を押さえ、申告に向けて何を準備すればよいかを一つずつ確認していきましょう。
☑ ペットシッターやトリマーとして独立したけれど、確定申告のやり方がさっぱりわからない
☑ シャンプー剤やトリミング道具、移動のガソリン代は経費にできるのか知りたい
☑ 自宅の一室をサロンにしているけれど、家賃や光熱費はどう扱えばいいのか迷っている
ペットシッター・トリマーに確定申告が必要になるケース
事業として続けているなら原則として申告が必要
ペットシッターやトリマーとして継続的に料金を受け取り、それが事業といえる規模であれば、得た利益(所得)に応じて確定申告が必要になります。一般に、個人事業主として独立して活動している場合は、年間の所得が一定額を超えると申告義務が生じます。「開業届を出していないから関係ない」と思いがちですが、届出の有無にかかわらず、実際に事業として収入を得ていれば申告の対象になる点に注意しましょう。確定申告の基本的な仕組みは、国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm)で確認できます。
確定申告の期間は原則として毎年2月16日から3月15日までです。前年の1月1日から12月31日までの収入と経費をまとめ、利益を計算して申告します。日々の記録を残しておかないと、この時期にまとめて1年分を思い出す羽目になり、大きな負担になります。
副業・兼業でトリミングやシッターをしている場合
会社員として働きながら、週末だけペットシッターを請け負ったり、独立前にトリマーの副業をしていたりする方もいます。給与をもらっている人が副業で得た所得が一定額を超える場合は、確定申告が必要になるのが一般的です。少額だから大丈夫と自己判断せず、お小遣い程度であっても収入と経費は記録しておくことをおすすめします。後から「やはり申告が必要だった」とわかったとき、記録があれば落ち着いて対応できます。同じ動物関連でも、出張型のサービスを軸にする場合はドッグトレーナー・出張トリマーの確定申告の解説もあわせて読むと、車両費や用品費の考え方まで具体的につかめます。
収入(売上)の数え方と注意点
「いつの売上か」を正しく数える
ペットシッター・トリマーの収入は、サービスを提供して料金が確定したときに、その年の売上として計上するのが基本です。たとえば12月にトリミングを行い、料金の入金が翌年1月になった場合でも、サービスを行った年の売上として扱うのが原則です。現金で受け取ったか、口座振込か、キャッシュレス決済かにかかわらず、すべてが売上になります。
具体的には、次のような収入が売上に含まれます。
カット・シャンプー・爪切りなどのトリミング料金
ペットシッター(自宅訪問・宿泊・散歩代行)の料金
送迎オプションや指名料、深夜・早朝の追加料金
シャンプーやおやつなど、施術にあわせて販売した物販の代金
キャッシュレス決済と現金売上を取りこぼさない
最近はQRコード決済やクレジットカードでの支払いを受けるお店も増えました。これらは入金のタイミングが後ろにずれたり、決済手数料が引かれた金額が振り込まれたりします。手元に入ったお金だけを売上と考えてしまうと、手数料分だけ売上を少なく数えてしまうおそれがあります。決済サービスの明細を確認し、お客様が支払った総額を売上として計上し、手数料は別途経費とするのが正確な方法です。
また、出張シッターなどで現金を直接受け取った場合は、レシートや控えを残さないと記録が抜け落ちがちです。簡単な売上ノートやアプリでその日のうちにメモする習慣をつけると、申告時にあわてずに済みます。トリミングと物販、シッターと出張教室のように複数の柱で収入を得ている場合は、複数事業を営む個人事業主の確定申告で紹介している収支内訳の分け方が役立ちます。
ペットシッター・トリマーで経費になるもの
施術・お世話に直接かかる費用
事業のために使ったお金は、原則として経費にできます。経費が多いほど利益が圧縮され、その分だけ税金の計算のもとになる金額が小さくなります。ペットシッター・トリマー特有の経費としては、次のようなものが挙げられます。
シャンプー剤・トリートメント・コロンなどの消耗品
バリカン、ハサミ、爪切り、ブラシなどの道具類(高額なものは扱いが変わる場合があります)
タオル、ペットシーツ、消毒用品、ゴミ袋などの衛生用品
シッター先で使うおやつ、おもちゃ、リードなどの備品
トリミングテーブルやドライヤー、ゲージなどの設備
道具や設備のうち、ある程度高額なものは「一度に全額を経費にする」のではなく、数年に分けて少しずつ経費にしていく扱いになる場合があります。これは資産として計上し、使う年数に応じて費用化していく考え方です。判断に迷うときは無理に自己流で処理せず、専門家に相談すると安心です。
移動・店舗・集客にかかる費用
動物関連の仕事は「現場に行く」「お客様に知ってもらう」ためのコストもかかります。これらも事業のために使った分は経費にできます。
送迎・出張シッターのためのガソリン代、駐車場代、公共交通機関の運賃
店舗(サロン)の家賃、水道光熱費
ホームページ作成費、SNS広告、チラシ・名刺の印刷代
予約管理アプリや決済サービスの利用料、決済手数料
トリミング技術やペットケアに関するセミナー・講習の受講料、関連書籍代
動物取扱責任者などの資格維持・更新にかかる費用
注意したいのは、自分や家族のペットにかかる費用です。あくまで事業として提供したサービスにかかった分が経費であり、プライベートのペットの食費や医療費は経費にはなりません。事業用とプライベート用の財布や口座を分けておくと、こうした線引きがぐっと楽になります。送迎で使う車をキャンピングカーなど特殊な車両にしている場合は、キャンピングカー・車中泊ビジネスの確定申告で扱う車両費と事業按分の考え方も参考になります。
自宅サロン・自家用車の按分(あんぶん)
家賃や光熱費を事業分だけ経費にする
自宅の一室をトリミングサロンにしていたり、自宅でペットを預かったりしている場合、家賃や電気・水道・ガス代の「事業で使っている割合」を経費にできます。この計算を「家事按分(かじあんぶん)」といいます。たとえば自宅の床面積のうちサロンとして使っている部分の割合や、事業に使っている時間の割合などをもとに、合理的に分けて計算します。トリミングはドライヤーやシャンプーで電気・水道を多く使うため、光熱費の按分は見落とせないポイントです。
按分の割合は「なんとなく」で決めるのではなく、面積や使用時間など、説明できる根拠をもとに決めることが大切です。根拠となるメモや図を残しておくと、後から自分でも納得しやすくなります。記帳代行の現場でも、自宅サロンの方は按分の根拠づくりでつまずくことが多く、面積図と使用時間のメモを最初に整えておくだけで、その後の申告がぐっと楽になります。
自家用車の按分
送迎や出張シッターにマイカーを使っている場合、その車にかかるガソリン代・車検費用・自動車保険料・駐車場代なども、事業で使った割合に応じて経費にできます。プライベートと兼用している車であれば、走行距離や使用日数などをもとに事業割合を見積もります。日々の走行距離や訪問先を簡単に記録しておくと、按分の根拠として役立ちます。ここまでの経費や按分の整理を自分でこなす時間が取りにくい方は、確定申告そのものを丸投げする方法を選べば、集計から書類作成までをまとめて任せられます。
青色申告で受けられるメリット
青色申告特別控除と帳簿づけ
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。青色申告を選ぶと、要件を満たすことで青色申告特別控除(最大65万円)を受けられ、所得から大きく差し引けるため、納める税金の負担を軽くしやすくなります。最大の控除を受けるには、複式簿記による帳簿づけや、電子での申告など一定の要件を満たす必要があります。要件や控除額の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm)で確認できます。要件を満たさない場合でも、一定額の控除を受けられる仕組みになっています。
青色申告をするには、原則として事前に申請書を提出しておく必要があります。これから本格的にペットシッター・トリマー業を続けていくなら、早めに青色申告の準備を整えておくと、節税の選択肢が広がります。なお、帳簿づけの要件を満たせないと青色申告が取り消されることもあるため、青色申告が取り消される条件と再申請の方法も知っておくと安心です。
赤字の繰り越しや家族への給与
青色申告には、控除のほかにもメリットがあります。たとえば、開業初期に設備投資がかさんで赤字になった場合、その赤字を一定期間にわたって翌年以降の利益と相殺できる仕組みがあります。また、家族に事業を手伝ってもらっている場合に、一定の条件のもとで支払った給与を経費にできる制度もあります。受付や送迎を家族に手伝ってもらうことが多い動物関連の仕事では、知っておくと役立つ制度です。
確定申告に向けた日々の準備
領収書・レシートは捨てずに残す
確定申告で最も大変なのは、1年分の収入と経費をまとめる作業です。これを楽にする一番の近道は、日々こまめに記録し、領収書やレシートを残しておくことです。シャンプー剤を買ったレシート、ガソリンの給油記録、講習の受講料の控えなど、事業に関わる支払いはすべて保管しておきましょう。レシートが出ない交通費などは、日付・行き先・金額をメモしておくと経費の証拠になります。
帳簿や領収書には保存しておくべき期間が定められています。申告が終わったからといってすぐに捨てず、きちんと保管しておくことが大切です。
事業用とプライベートを分ける
開業したら、できるだけ早い段階で事業専用の銀行口座やクレジットカードを用意することをおすすめします。事業のお金の出入りが一つにまとまるため、売上や経費を集計するのが格段に楽になります。プライベートの買い物と事業の仕入れが同じ口座で混ざっていると、後から仕分けるだけで膨大な時間がかかってしまいます。動物相手の仕事は出費の種類が多いからこそ、入り口で分けておく効果は大きいです。
よくある質問
Q. 自分のペットのトリミング道具やフードは経費になりますか?
事業として提供するサービスに使う道具や消耗品は経費にできますが、自分や家族のペットのためだけに使う道具・フード・医療費はプライベートの支出となり、経費にはなりません。仕事とプライベートで兼用しているものは、事業で使っている割合に応じて経費にする考え方になります。線引きが難しいときは、事業用とプライベート用をはっきり分けて購入しておくと安心です。
Q. トリミングの道具を10万円以上で買いました。全額その年の経費にできますか?
ある程度高額な道具や設備は、購入した年に全額を経費にするのではなく、数年に分けて少しずつ経費にしていく扱いになる場合があります。金額や種類によって取り扱いが変わるため、高額な購入をしたときは、どのように処理すればよいか専門家に確認するのが確実です。
Q. 開業届を出していなくても確定申告は必要ですか?
開業届の提出有無にかかわらず、実際に事業として収入を得ていて、所得が一定額を超えていれば確定申告は必要です。なお、青色申告による控除などのメリットを受けるには事前の申請が必要なので、これから続けていくなら開業届とあわせて検討しておくとよいでしょう。
まとめ:記録の積み重ねが申告をラクにする
ペットシッター・トリマーの確定申告では、サービス料金や物販の売上を正しく数え、シャンプー剤や道具などの消耗品、移動費、自宅サロンの家賃・光熱費の按分といった、この仕事ならではの経費をしっかり拾うことが大切です。青色申告を活用すれば、特別控除や赤字の繰り越しなど節税につながる選択肢も広がります。そして、それらをスムーズに進める土台になるのが、日々の領収書の保管と、事業用とプライベートの切り分けという地道な記録の積み重ねです。
とはいえ、施術や送迎、お客様対応で毎日忙しいなか、慣れない帳簿づけや経費の仕分け、申告書類の作成まで自分一人でこなすのは簡単ではありません。本業に集中したい時間を、レシートの整理や数字の計算に取られてしまうのはもったいないことです。
記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。動物のお世話に専念できる記帳のかたちを無料で相談する。ご利用の流れ。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








