青色申告が取り消される条件と再申請の方法をやさしく解説
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確定申告

青色申告は、帳簿の不備、隠ぺい・仮装、期限後申告や無申告の継続などにあてはまると承認が取り消されます。日々こまめに記帳し、書類を保存し、申告期限を守れば防げます。万一取り消されても、再申請で青色申告に戻る道は残されています。
青色申告には特別控除や赤字の繰り越しなど大きなメリットがある一方で、一定の条件にあてはまると税務署から承認を取り消されてしまうことがあります。「うっかり帳簿が間に合わなかった」「申告が遅れてしまった」といった身近なきっかけが、思わぬ形で不利益につながることもあるため、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
☑ 帳簿づけをさぼりがちで、青色申告が取り消されないか不安だ
☑ 期限後申告が続いてしまい、65万円控除が使えなくなるのではと心配している
☑ もし取り消されたら、いつからまた青色申告に戻せるのか知りたい
ここでは、青色申告が取り消される具体的な条件と、取り消されたあとに再び青色申告へ戻るための手続きを、個人事業主・フリーランスの方向けに整理します。何に気をつければ取り消しを防げるのか、万一のときにどう動けばよいのかが見えてくるはずです。
青色申告のメリットと「承認」という仕組み
青色申告で受けられる主なメリット
青色申告は、一定水準の帳簿をつけて申告することで税制上の優遇を受けられる制度です。代表的なメリットには次のようなものがあります。
青色申告特別控除(最大65万円。要件を満たさない場合は55万円や10万円)
赤字(純損失)を翌年以降に繰り越せる「純損失の繰越控除」
生計を一にする家族への給与を経費にできる「青色事業専従者給与」
30万円未満の備品を一括で経費にできる少額減価償却資産の特例 など
青色申告特別控除の65万・55万・10万の違いは、青色申告特別控除65万・55万・10万の違いで試算できます。これらは手取りや資金繰りに直結する大きな利点です。だからこそ、取り消されてしまうと影響も小さくありません。赤字(純損失)の繰越控除の活かし方は、青色申告の赤字繰越の活用で解説しています。
青色申告は「申請して承認を受ける」制度
青色申告は、誰でも自動的に使えるわけではありません。あらかじめ「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を受けることで初めて青色申告ができるようになります。つまり、青色申告は税務署からの承認にもとづく制度であり、その承認は一定の条件にあてはまると取り消される可能性がある、という点をまず押さえておきましょう。青色申告制度の全体像は、国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」で確認できます。
承認の取り消しは「過去にさかのぼる」こともある
取り消しの怖いところは、処分が下された年だけでなく、状況によっては過去の年分にさかのぼって青色申告が認められなくなる場合があることです。さかのぼって白色申告扱いになれば、すでに受けた青色申告特別控除や専従者給与などのメリットが失われ、不足していた税額の納付を求められることもあります。日々の帳簿と期限を守ることが、こうしたリスクを避ける一番の基本です。
青色申告が取り消される主な条件
帳簿の備付け・記録・保存が適切でない
青色申告の前提は、正しく帳簿をつけ、それを保存しておくことです。税務署の求めに応じて帳簿や書類を提示できない、あるいは帳簿の内容に重大な不備がある場合は、承認が取り消される対象になります。具体的には、次のようなケースが問題になりやすいといえます。
そもそも帳簿をつけていない、または提示を求められても出せない
売上や経費の記録に意図的な漏れ・改ざんがある
領収書や請求書などの証ひょう書類を保存していない
形だけ帳簿があっても、実態として正しい記録になっていなければ意味がありません。日々の取引をこまめに記帳し、根拠となる書類をきちんと残しておくことが大切です。
税務署の指示に従わない・隠ぺいや仮装がある
税務調査の際に税務署からの指示に正当な理由なく従わない場合や、所得を隠したり架空の経費を計上したりといった隠ぺい・仮装があった場合も、取り消しの理由になります。意図的な不正は重く扱われ、過去にさかのぼって取り消されたり、重加算税などのペナルティが課されたりすることもあります。「少しくらい」という油断が大きな代償につながりかねない点に注意しましょう。
期限後申告・無申告が続く
2年連続で期限内に申告書を提出しなかった場合など、申告状況が著しく良くないときも、承認が取り消されることがあります。1年だけ期限に遅れたからといってただちに取り消されるわけではありませんが、期限後申告や無申告が重なると、取り消しのリスクが高まっていきます。
また、取り消しまでいかなくても、期限後申告になるとその年の青色申告特別控除が65万円(または55万円)から10万円に下がってしまうという不利益があります。控除額を守るためにも、原則2月16日から3月15日までの申告期間内に手続きを終えることを心がけましょう。
取り消されるとどうなる?影響と通知
白色申告に戻り、控除や特例が使えなくなる
承認が取り消されると、その対象年分は白色申告として扱われます。青色申告特別控除が使えなくなるほか、青色事業専従者給与や純損失の繰越控除といった特典も受けられなくなります。さかのぼって取り消された場合は、すでに適用していたこれらの控除も否認され、その分の所得税・住民税を追加で納めることになる可能性があります。
取り消しは書面で通知される
承認の取り消しは、税務署から書面(取消通知書)で知らされます。どの年分から取り消されるのか、理由は何かが記載されますので、届いたら内容をよく確認しましょう。心当たりがない、内容に納得できないといった場合は、税務署や税理士に相談したうえで対応を検討します。
加算税・延滞税が生じることもある
取り消しにともなって過去分の税額が増える場合、本来納めるべきだった税金に加えて、過少申告加算税や延滞税などが発生することがあります。とりわけ隠ぺい・仮装が原因の場合は重加算税の対象となることもあり、負担は一段と重くなります。早めに正しい状態へ立て直すことが、結果的に負担を抑えることにつながります。
取り消されたあとの再申請の方法
再び青色申告承認申請書を提出する
青色申告の承認が取り消されても、その後ずっと青色申告ができなくなるわけではありません。あらためて「青色申告承認申請書」を提出し、承認を受け直すことで、再び青色申告に戻ることができます。手続き自体は、最初に青色申告を始めるときと同じ書類を使います。
再申請には「待つ期間」がある点に注意
注意したいのは、取り消された直後にすぐ再申請ができるとは限らないことです。取り消しがあった場合、一定期間は再び承認を受けにくくなる取り扱いがあり、目安として取り消しの通知を受けた日から1年程度はあけたうえで再申請を検討するのが一般的とされています。具体的な時期は事情によって異なるため、再申請のタイミングは税務署や税理士に確認してから進めると安心です。
再申請の提出期限と適用される年
青色申告承認申請書は、原則として青色申告を始めたい年の3月15日までに提出する必要があります(その年の1月16日以後に新規開業した場合は、開業から2か月以内)。新規開業時の青色申告の期限の考え方は、年の途中で開業したときの青色申告の期限が参考になります。再申請の場合も基本的な期限の考え方は同じで、提出した申請が承認されれば、その年分から再び青色申告ができるようになります。せっかく再申請しても期限を過ぎていると、その年は青色申告にできないため、申請時期には十分注意しましょう。
取り消しを防ぐためにできること
日々の記帳をためずに続ける
取り消しの多くは、帳簿づけの遅れや書類の保存漏れといった「日常の積み重ね」から生じます。逆にいえば、毎月こまめに記帳し、領収書や請求書をきちんと保存しておくだけで、取り消しのリスクは大きく下げられます。月に一度は帳簿と通帳・カード明細を突き合わせる、といった習慣をつくっておくと安心です。記帳から申告までまとめて任せたいときは、確定申告の代行を利用する手もあります。
申告期限を必ず守る
期限後申告が続くと取り消しに近づくだけでなく、その年の特別控除も大きく目減りします。確定申告は原則2月16日から3月15日まで、と早めに意識し、書類づくりを直前に詰め込まないことが大切です。間に合わないと感じたら、放置せず早めに税務署や専門家へ相談しましょう。
不安があれば早めに専門家へ相談する
帳簿づけに自信がない、調査で指摘を受けそうで不安、というときほど、早めに専門家へ相談する価値があります。第三者の目で帳簿を整えておけば、取り消しの原因となりやすい不備を事前に防ぎやすくなります。一人で抱え込まず、頼れる仕組みを持っておくことが、青色申告を長く続けるコツです。
よくある質問
Q. 1年だけ申告が遅れたら、すぐに青色申告は取り消されますか?
1年遅れただけでただちに取り消されるとは限りません。ただし、その年の青色申告特別控除は65万円(または55万円)から10万円に下がってしまいます。さらに期限後申告や無申告が続くと取り消しのリスクが高まるため、「今回だけだから大丈夫」と油断せず、次回は必ず期限内の申告を目指しましょう。
Q. 取り消されたら、もう二度と青色申告はできないのですか?
そのようなことはありません。あらためて青色申告承認申請書を提出し、承認を受け直せば再び青色申告ができます。ただし、取り消し直後はすぐに再申請しても承認されにくく、目安として1年程度あけるのが一般的とされています。再申請の時期は事情によって変わるため、税務署や税理士に確認したうえで進めると確実です。
Q. 取り消しの通知が届きましたが、内容に納得できません。どうすればよいですか?
まずは通知書に書かれた理由と対象年分をよく確認しましょう。そのうえで心当たりがない、内容に誤りがあると感じる場合は、自己判断で放置せず、早めに税務署や税理士に相談してください。証拠となる帳簿や書類を整理しておくと、話がスムーズに進みます。
まとめ|青色申告は「記帳と期限」で守れる
青色申告の取り消しは、帳簿の不備、隠ぺい・仮装、期限後申告や無申告の継続といった条件にあてはまったときに起こります。逆にいえば、日々こまめに記帳し、書類を保存し、申告期限を守るという基本を続けていれば、必要以上に恐れることはありません。万一取り消されても、再申請によって青色申告に戻る道は残されています。
とはいえ、本業をこなしながら帳簿を毎月きちんとつけ、期限内に申告まで終えるのは、決して簡単なことではありません。記帳の遅れや書類の散逸こそが取り消しの入り口になりがちだからこそ、無理なく続けられる仕組みを持っておくことが大切です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








