ドッグトレーナー・出張トリマーの確定申告|施術収入と車両・用品費を解説
#
確定申告

ドッグトレーナー・出張トリマーの確定申告は、施術ごとの売上をもれなく記録し、車両費や用品費を家事按分で正しく経費にするのがポイントです。現金収入の数え方から経費の分け方、帳簿づけのコツまで、実務目線で整理します。
お客様のお宅やドッグランへ出向く仕事は、現金でのやり取りや移動の費用が多く、「どこまで経費になるのか」と迷いがちです。売上と経費の線引きを先に押さえておけば、申告のたびに慌てずに済みます。まずは申告が必要になる場面から確認しましょう。
☑ ドッグトレーニングや出張トリミングの売上を、どう確定申告すればよいかわからない
☑ お客様のお宅へ向かう車のガソリン代やシャンプー・バリカン代を、経費にできるのか知りたい
☑ 現金でいただく施術料金の記録が曖昧で、帳簿づけに自信がない
犬のしつけ教室や出張トリミングは、お客様のご自宅やドッグランへ出向いて施術するスタイルが多く、店舗を構える商売とはお金の流れが少し異なります。現金でのやり取りが多かったり、移動の費用がかさんだりするぶん、「どこまでが経費になるのか」「売上はどう記録すればよいのか」と悩む方が多い仕事でもあります。
ここからは、ドッグトレーナーや出張トリマーとして働く方に向けて、施術収入の数え方から、車両費・用品費といった経費の考え方、帳簿づけのコツまでを実務目線で見ていきます。自分の仕事のどのお金が売上で、どこまでが経費になるのか、全体像をつかんでいきましょう。
ドッグトレーナー・出張トリマーの確定申告が必要になるのはどんなとき?
事業として継続的に行っているなら申告対象
ドッグトレーニングや出張トリミングを、お客様から料金をいただいて継続的に行っている場合、その収入は事業所得として確定申告の対象になります。サロンに雇われず、個人として仕事を請け負っているフリーランスのトリマーやトレーナーは、ここに当てはまる方が多いでしょう。
確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の収入と経費を計算し、もうけ(所得)に対する税金を自分で申告・納税する手続きです。期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までと決まっています。年の途中で開業した方も、その年の分から申告が必要です。
副業・兼業の場合の考え方
会社員として働きながら、週末だけドッグトレーニングをしている、といった副業のケースもあります。こうした場合、給与以外の所得(おおむね20万円を超えるとき)があると、確定申告が必要になるのが一般的です。会社員が副業をする場合の申告の要否は、国税庁No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」で確認できます。たとえ少額でも、住民税の申告は別途必要になることがあるため、収入が出はじめたら金額を記録しておく習慣をつけておくと安心です。
開業届と青色申告の検討
事業として本格的に取り組むなら、税務署に「開業届」を提出し、あわせて「青色申告承認申請書」を出しておくことをおすすめします。青色申告を選ぶと、要件を満たすことで最大65万円の青色申告特別控除が受けられ、もうけから大きく差し引けます。青色申告制度の概要は国税庁No.2070「青色申告制度」で確認できます。
開業届:事業を始めたことを税務署に知らせる書類
青色申告承認申請書:青色申告で申告するための申請書(提出期限に注意)
これらを出しておくことで、節税につながる選択肢が広がります。提出には期限があるため、開業のタイミングで一緒に手続きしておくとスムーズです。
施術収入はどう数える?売上計上の基本
現金・キャッシュレス・回数券をもれなく記録する
ドッグトレーナーや出張トリマーの売上は、施術一件ごとの料金が積み重なって構成されます。現金で受け取る分、QRコード決済や銀行振込で受け取る分など、入金の経路がいくつもあるのが特徴です。どの経路で受け取ったお金も、すべて売上として記録するのが大前提です。
特に現金は記録が抜けやすいので、施術が終わったらその場でメモやアプリに残す癖をつけましょう。レッスンの回数券やトリミングのセット券を販売している場合も、受け取った代金は売上になります。
売上を計上するタイミング
売上は、原則として「お金を受け取ったとき」ではなく「サービスを提供したとき」に計上します。これを発生主義といいます。たとえば12月にトリミングを行い、料金の入金が翌年1月になった場合でも、その売上は施術した12月分として数えるのが基本です。年をまたぐ取引は計上の年がずれやすいので、年末年始の施術は特に注意して整理しましょう。
回数券・前受金の取り扱い
レッスンの回数券を先にまとめて販売した場合、受け取った時点ではまだサービスを提供していない分が含まれます。この未消化の分は「前受金」として扱い、実際にレッスンを行ったときに売上へ振り替えていく、という考え方が基本です。複雑に感じる部分なので、回数券を多く扱う方は、消化状況がわかる管理表を用意しておくと整理が楽になります。
車両費・移動コストを経費にする方法
出張に使う車のガソリン代・駐車場代
お客様のお宅やドッグランへ向かうための移動費は、仕事に必要な経費です。具体的には次のようなものが対象になります。
ガソリン代・高速道路料金
コインパーキングなどの駐車場代
車の自動車税・自動車保険料・車検費用
オイル交換やタイヤ交換などの整備費用
これらは事業のために車を使っている割合に応じて経費にできます。レシートや明細はこまめに保管しておきましょう。車を多く使う出張業種の経費の考え方は、運転代行業の確定申告で扱う随伴車の車両費・燃料費の整理も参考になります。
プライベートと兼用する車は「家事按分」で
1台の車を仕事にも日常の買い物にも使っている場合、かかった費用の全額をそのまま経費にはできません。仕事で使った割合だけを経費とする家事按分という考え方を使います。たとえば走行距離のうち7割が仕事の移動なら、ガソリン代などの7割を経費に計上する、という形です。
按分の割合は、走行距離や使用日数など、合理的な基準で決めることが大切です。「なぜこの割合にしたのか」を説明できるよう、根拠となるメモを残しておくと安心です。
車そのものの費用は「減価償却」で
仕事用に車を購入した場合、その購入代金は買った年に全額を経費にするのではなく、何年かに分けて少しずつ経費にしていきます。これを減価償却といいます。車は資産として扱われるため、このルールが適用されます。プライベートと兼用するなら、減価償却の金額についても先ほどの家事按分を行います。
用品費・その他の経費の考え方
トリミング・トレーニングに使う道具や消耗品
施術に直接使う道具や消耗品は、わかりやすい経費の代表例です。次のようなものが該当します。
シャンプー・リンス・コロンなどのケア用品
バリカン・ハサミ・ブラシ・爪切りなどの道具
トレーニング用のおやつ・リード・クリッカー
タオル・ペットシーツ・使い捨て手袋などの消耗品
バリカンやドライヤーなど、比較的高価で長く使う道具は、金額によっては減価償却の対象になることがあります。青色申告なら30万円未満のものを一括で経費にできる特例も使えるため、詳しくは少額減価償却資産の特例と年間300万円の上限管理で確認しておくとよいでしょう。購入時のレシートは品名がわかる形で残しておきましょう。
研修・資格・賠償保険などの費用
スキルアップのためのセミナー参加費や、トリマー・トレーナー関連の講習費用、技術書の購入費も、仕事に必要なものであれば経費になります。専門スキルで働く仕事の研修費や謝金の扱いは、医療通訳・コーディネーターの確定申告の考え方も参考になります。また、施術中の万一に備えるペット業向けの賠償責任保険の保険料も、事業のための支出として計上できます。お客様の大切な家族を預かる仕事だからこそ、こうした備えの費用もきちんと経費として整理しておきましょう。
自宅を作業場に使うときの費用
自宅の一室をトリミングルームや道具の保管・準備スペースとして使っている場合、家賃や電気代、水道代の一部を家事按分で経費にできることがあります。使っている面積の割合などをもとに、仕事で使う分だけを計上します。シャンプーなどで水道を多く使う方は、その実態も按分の根拠の一つになります。
帳簿づけと書類の保存のポイント
現金商売だからこそ記録を習慣に
出張型の仕事は、現金でのやり取りや一人での作業が多く、後からまとめて記録しようとすると抜け漏れが起きがちです。「施術したらその日のうちに売上を記録する」ことを習慣にすると、帳簿の正確さが大きく変わります。会計ソフトやスマホのメモを使って、こまめに残していきましょう。現金の記録から確定申告書類の作成までまとめて任せたいなら、確定申告の丸投げ代行という方法もあります。
領収書・レシートの保存ルール
経費にした支出は、領収書やレシートを保存しておく必要があります。ガソリンスタンドのレシート、用品店の明細、セミナーの受講証明など、種類ごとに分けて保管すると後で探しやすくなります。これらの帳簿や書類には法律で定められた保存期間があるため、申告が終わったあとも一定期間は捨てずに保管しておきましょう。
売上と経費を分けてわかりやすく
プライベートのお金と事業のお金が混ざると、帳簿づけが一気に難しくなります。できれば事業用の口座やクレジットカードを分けておくと、入出金の記録がそのまま帳簿の助けになります。出張先での立て替えなども、事業用のカードでまとめておくと整理が楽になります。
よくある質問
Q. お客様から現金でいただいた施術料金も、必ず売上に入れるのですか?
はい、受け取り方が現金でもキャッシュレスでも、施術の対価として受け取ったお金はすべて売上に含めます。現金は記録が抜けやすいため、施術が終わったその場でメモを残すことをおすすめします。記録の積み重ねが、正確な申告と自分の事業状況の把握につながります。
Q. 仕事とプライベートで同じ車を使っています。ガソリン代はどう計算すればよいですか?
仕事で使った割合分だけを経費にする「家事按分」を行います。たとえば走行距離のうち仕事での移動が6割であれば、ガソリン代や駐車場代の6割を経費に計上する、というイメージです。割合は走行距離や使用日数など、説明できる基準で決め、根拠のメモを残しておきましょう。
Q. 高価なバリカンやドライヤーは、買った年に全額経費にできますか?
金額によって扱いが変わります。一定金額未満のものはその年の経費にできますが、それを超える長く使う道具は、数年に分けて少しずつ経費にする減価償却の対象になることがあります。購入金額と品名がわかるレシートを保管したうえで、判断に迷う場合は専門家に確認すると安心です。
まとめ|移動と用品が多い仕事こそ、こまめな記録がカギ
ドッグトレーナーや出張トリマーの確定申告は、施術ごとの売上をもれなく記録し、車両費や用品費を家事按分の考え方も使いながら正しく経費に計上することがポイントです。現金でのやり取りや移動が多い仕事だからこそ、その日のうちに記録する習慣と、領収書をきちんと保存する姿勢が、正確な申告と節税の土台になります。
とはいえ、毎日お客様や大切なワンちゃんと向き合う中で、移動の合間に帳簿をつけ、年に一度の申告書類まで自分でそろえるのは、想像以上に大きな仕事です。施術に集中したい時間を、数字の整理に追われて削ってしまうのはもったいないことです。記帳代行の現場でも、出張中心の方から「現金の記録が追いつかない」というご相談をいただくことがあります。
領収書丸投げドットコムは、領収書や請求書を郵送かスマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行します。何枚でも定額 月額6,600円(税込)・初期費用0円なので、現金のやり取りが多くても費用を気にせず任せられます。施術に集中できるよう帳簿を任せられるか相談する(無料)ところから始めてみてください。依頼から開始までの進み方はご利用の流れで確認できます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








