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2026/7/18

オンライン講座・コンテンツ販売の確定申告|売上計上と経費を解説

  • 確定申告

オンライン講座やコンテンツ販売の確定申告は、売上を提供が完了した日で計上し、プラットフォーム手数料を差し引く前の総額を売上とするのが基本です。収益認識・手数料・経費・消費税の要点を実務に沿って整理します。

動画教材やオンライン講座、電子書籍やテンプレートといったコンテンツ販売は、在庫を持たずに始められる分野です。お金の流れが商品販売と少し違うため、いざ申告となると「これで合っているか」と手が止まりがちですが、要点を押さえれば集めるべき資料も記録すべき項目もはっきりします。

☑ オンライン講座やデジタル教材を売ったけれど、いつ・いくらを売上にすればいいのか分からない

☑ プラットフォームの手数料が引かれた入金額をそのまま売上にしていいのか不安

☑ 撮影機材や編集ソフト、サブスク代を経費にできるのか判断がつかない

動画教材やオンライン講座、電子書籍やテンプレートといった「コンテンツ販売」は、在庫を持たずに始められることから、個人での参入が増えている分野です。一方で、売上の立て方やお金の流れが商品販売とは少し違うため、いざ確定申告となると「これで合っているのかな」と手が止まってしまう方が多いのも事実です。

オンライン講座やコンテンツ販売をしている個人の方に向けて、売上をいつ計上するかプラットフォーム手数料の扱いこのビジネスならではの経費、そして消費税やインボイスで気をつけたい点を、実務に沿って順に確認します。申告に向けて何を集めて何を記録すればよいかがはっきりするはずです。

オンライン講座・コンテンツ販売の確定申告が必要になるケース

所得が一定額を超えたら申告が必要

会社員などの給与所得がある方が副業としてコンテンツ販売をしている場合、その副業の所得(売上から経費を引いた利益)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。一方、専業でフリーランスとして活動している方は、所得が基礎控除などの範囲を超えれば申告対象となります。「売上」ではなく「所得(利益)」が基準である点を押さえておきましょう。

なお、申告が不要なケースでも、住民税の申告は別途必要になることがあります。所得税の申告をすれば住民税の情報も連携されますが、申告しない場合はお住まいの自治体への確認をおすすめします。

事業所得か雑所得かの考え方

コンテンツ販売を継続的・反復的に、利益を出す意図をもって行っている場合は事業所得に該当しやすく、青色申告による特別控除などのメリットを受けられる可能性があります。一方、たまに教材を販売する程度で、規模も小さく帳簿もつけていないような場合は雑所得と判断されることがあります。

どちらに当たるかは、活動の規模・継続性・記帳の有無などを総合的に見て判断されます。事業として本格的に取り組むなら、開業届と青色申告承認申請書を出し、きちんと帳簿をつけておくのが安心です。年の途中で開業した場合の青色申告の申請期限は途中開業と青色申告の期限で確認できます。

売上はいつ計上する?コンテンツ販売の収益認識

原則は「販売が成立した日」で計上する

確定申告で迷いやすいのが、売上をいつの収入とするかです。基本は入金された日ではなく、商品やサービスの提供が完了した日(販売が成立した日)で計上します。これを「発生主義」といいます。たとえば12月にダウンロード販売が成立し、入金が翌年1月だった場合でも、売上は原則として12月分として計上します。

年末年始をまたぐ取引は、特にこのズレが生じやすいところです。プラットフォームの売上レポートには「販売日」と「入金日」の両方が記載されていることが多いので、どちらの日付で集計しているかを確認しておきましょう。

講座・サブスクで前払いを受け取ったとき

数か月分の受講料をまとめて前払いで受け取る講座や、月額制のオンラインサロンでは、受け取った時点でまだ提供が終わっていないサービス分が含まれることがあります。本来は提供した期間に応じて売上を計上するのが原則で、年をまたぐ前受け分は翌年の売上として扱う考え方になります。

たとえば12月に半年分の受講料を受け取った場合、年内に提供したぶんと翌年に提供するぶんを分けて考えます。実務上は複雑になりやすいので、いつからいつまでのサービスかが分かるよう、契約内容や提供期間を記録しておくことが大切です。

返金・キャンセルがあったときの扱い

コンテンツ販売では「全額返金保証」をつけているケースもあります。返金が発生したら、その分は売上から差し引いて調整します。返金処理がいつ行われたかによって計上のタイミングが変わるため、返金履歴もプラットフォームの管理画面から残しておきましょう。

プラットフォーム手数料・決済手数料の正しい扱い

「入金額」ではなく「販売価格の総額」が売上

ここが最もつまずきやすいポイントです。販売プラットフォームや決済代行を使うと、販売価格から手数料が差し引かれて入金されます。このとき、売上は手数料が引かれる前の販売価格(総額)で計上し、差し引かれた手数料は別途「支払手数料」などの経費として計上するのが原則です。

たとえば3,000円の教材が売れ、手数料300円が引かれて2,700円が入金されたとします。このとき売上は3,000円、経費(支払手数料)は300円です。入金額の2,700円だけを売上にしてしまうと、売上も経費も実態より小さくなり、正しい帳簿になりません。

手数料の種類を分けて把握する

コンテンツ販売では複数の手数料が重なることがあります。代表的なものを挙げます。

  • プラットフォーム利用料・販売手数料(売上の数%など)

  • クレジットカードなどの決済手数料

  • 振込手数料・出金手数料

  • 月額のプラン利用料(販売サイトの固定費)

これらは性質が少しずつ違いますが、いずれも事業に関わる費用です。売上レポートと入金明細を突き合わせて、何がいくら引かれたのかを確認できるようにしておきましょう。実際にお預かりするコンテンツ販売の帳簿でも、入金額をそのまま売上にしていて手数料が経費から抜けている、という例は目立ちます。

コンテンツ販売ならではの経費を押さえる

制作・配信にかかる費用

オンライン講座やデジタルコンテンツは「作って届ける」までにさまざまな費用がかかります。事業のために使った分は経費にできます。代表的なものは次のとおりです。

  • 撮影機材(カメラ・マイク・照明・三脚など)

  • 動画編集ソフトや画像作成ツールの利用料

  • 音楽・素材・フォントなどの素材購入費やライセンス料

  • 配信・販売プラットフォームの月額利用料

  • オンライン会議ツールやライブ配信ツールの利用料

パソコンや高額なカメラなど、金額が大きく長く使うものは、購入金額によっては一度に経費にせず、数年に分けて費用化(減価償却)する扱いになることがあります。少額のものは購入年にまとめて計上できる特例もありますので、金額に応じて分けて考えましょう。30万円未満の資産を一括経費にできる少額減価償却資産の特例は少額減価償却資産(30万円)の管理で解説しています。

売上の計上時期を一件ずつ判断し、手数料を仕訳け、家事按分まで整えるのが負担なときは、確定申告を代行に任せる方法もあります。制作や配信に時間を使いたい時期ほど、経理が後回しになりがちです。

集客・運営にかかる費用

コンテンツは作るだけでなく、知ってもらう工夫も欠かせません。集客や運営に関わる費用も経費の対象です。

  • SNS広告やリスティング広告などの広告宣伝費

  • ホームページ・LP制作費やドメイン・サーバー代

  • メール配信システムや顧客管理ツールの利用料

  • 教材作成のための書籍代・他社講座の受講料(研究目的)

同業者の講座を学ぶための受講料は、自分のコンテンツの質を高めるための研究費として経費になり得ます。ただし、趣味の範囲と区別がつきにくいものは、事業との関連を説明できるようにしておくことが大切です。

自宅で作業する場合の家事按分

自宅で撮影や編集をしている場合、家賃・電気代・通信費のうち事業に使っている割合を計算して経費にできます。これを「家事按分」といいます。たとえば自宅の一室を作業部屋にしているなら床面積の割合で、インターネット代なら使用時間の割合で、合理的な基準で分けます。按分の根拠(部屋の広さや使用時間など)をメモしておくと、後から説明しやすくなります。按分割合の決め方は家事按分の割合の決め方が参考になります。

消費税・インボイスで気をつけたいこと

売上規模によっては消費税の課税事業者に

所得税の確定申告とは別に、消費税の扱いも頭に入れておきたいところです。コンテンツが売れて売上が伸びてくると、消費税の課税事業者になるかどうかという論点が出てきます。免税か課税かは過去の売上などによって判定されるため、規模が大きくなってきたら早めに確認しておくと安心です。免税か課税かの判定は国税庁「No.6501 納税義務の免除」で確認できます。

海外向け販売・デジタル取引の注意点

オンライン講座やデジタルコンテンツは、国境を越えて売れることがあります。海外の利用者への電子的なサービス提供は、消費税の取り扱いが国内向けと異なる場合があります。プラットフォームを通じて海外決済が発生している場合は、どの国・地域の取引かを把握しておきましょう。判断が難しい部分なので、迷ったら専門家に相談するのがおすすめです。

インボイス制度との関わり

取引先が事業者で、相手がインボイス(適格請求書)を求めるケースでは、登録するかどうかの検討が必要になることがあります。一方、購入者の多くが一般の個人消費者であれば、影響は限定的なこともあります。自分の顧客層がどちらに偏っているかを踏まえて、登録の要否を考えるとよいでしょう。制度の詳細は国税庁のインボイス制度特設サイトで確認でき、免税事業者と取引先の関係は免税事業者と取引先への影響にまとめています。

よくある質問

Q. プラットフォームから入金された金額をそのまま売上にしてはダメですか?

原則として、手数料が引かれる前の販売価格を売上に計上し、引かれた手数料は経費として別に計上します。入金額だけを売上にすると帳簿が実態とずれてしまいます。売上レポートと入金明細の両方を残しておきましょう。

Q. 教材を作るために買った機材は全額その年の経費にできますか?

少額のものは購入した年にまとめて計上できることが多いですが、金額が大きく長く使うものは数年に分けて費用化(減価償却)する扱いになる場合があります。購入金額によって扱いが変わるため、レシートや明細を保管しておくことが大切です。

Q. 年末に半年分の受講料を前払いで受け取りました。全部その年の売上ですか?

サービスを提供した期間に応じて計上するのが原則のため、翌年に提供する分は翌年の売上として扱う考え方になります。いつからいつまでのサービスかが分かるよう、契約内容や提供期間を記録しておきましょう。

まとめ|売上の立て方と経費を押さえて申告に備える

オンライン講座・コンテンツ販売の確定申告では、売上は入金日ではなく提供が完了した日で計上すること、手数料が引かれる前の総額を売上とすること、制作・集客・家事按分といったこのビジネスならではの経費を漏らさず拾うこと、そして売上が伸びたら消費税やインボイスも視野に入れること、この4点が要になります。プラットフォームの売上レポートと入金明細をきちんと突き合わせて記録していくことが、正しい申告への近道です。

とはいえ、コンテンツの企画や制作、配信や集客に力を注ぎたい時期に、売上の計上時期を一件ずつ判断し、手数料を仕訳け、家事按分まで計算して帳簿を整えるのは、決して軽い作業ではありません。本業に集中したいのに、確定申告の準備で手が止まってしまう、ということも起こりがちです。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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