NISAと個人事業主|事業の余裕資金を非課税で運用するには
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税金

NISAは会社員だけの制度ではなく、個人事業主やフリーランスも同じように使えます。運用益が非課税になる仕組みと、事業資金と分けて余裕資金を無理なく育てるコツ、そして確定申告との関係までをわかりやすく整理します。
毎日コツコツと事業を続け、ようやく手元に少しまとまったお金が残るようになった。そんなとき、「このお金を眠らせておくだけでいいのだろうか」と考えたことはありませんか。物価が少しずつ上がる中で、現金のまま置いておくだけでは実質的な価値が目減りしてしまうのではないか、という不安を感じる個人事業主の方は少なくありません。一方で、投資は難しそう、損をしたら怖い、確定申告がややこしくなりそう、といった理由で踏み出せない方も多いものです。
☑ 事業で少し余裕資金ができたが、ただ口座に眠らせているのがもったいないと感じている
☑ NISAという言葉は聞くけれど、会社員向けで個人事業主には関係ないと思い込んでいる
☑ 運用で利益が出たら確定申告がさらに面倒になりそうで、一歩を踏み出せない
NISAとはどんな制度か
NISA(少額投資非課税制度)は、一定の枠内で得た運用益にかかる税金がゼロになる制度です。通常なら運用益に約20%かかる税金がまるごと非課税になるため、利益をそのまま自分のものにできるのが最大の特徴です。
運用益が非課税になるしくみ
通常、株式や投資信託で得た利益(値上がり益や分配金など)には、約20%の税金がかかります。たとえば10万円の利益が出ても、手元に残るのはおよそ8万円ほどになる計算です。NISAは、この運用益にかかる税金が一定の枠の範囲でゼロになる制度です。利益がそのまま自分のものになるため、効率よく資産を育てられるのが大きな特徴です。通常の課税口座で運用益に所得税・住民税がかかる仕組みは、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」で全体像を確認できます。
非課税で投資できる枠がある
NISAには年間で投資できる金額の上限と、生涯で非課税にできる総額の枠が設けられています。コツコツ積み立てていく使い方にも、まとまった金額で投資する使い方にも対応できる設計になっています。具体的な金額や枠の内容は制度改正で変わることがあるため、最新情報は金融庁のNISA特設サイトや国税庁のサイト等でご確認ください。
個人事業主こそNISAを知っておきたい理由
個人事業主には、会社員のような厚生年金・退職金・企業年金といった仕組みが基本的にありません。だからこそ、自分自身で将来資金をつくる必要があり、NISAはその入り口として活用しやすい制度です。
会社員のような企業年金や退職金がない
会社員には厚生年金や退職金、企業年金といった将来への備えがありますが、個人事業主にはこうしたしくみが基本的にありません。だからこそ、自分自身で老後や将来に向けた資産づくりを意識する必要があります。NISAは、そうした「自分でつくる将来資金」の入り口として活用しやすい制度です。年金や共済など税制優遇のある制度と組み合わせて考えたい方は、将来に備えながら節税する制度の組み合わせ方もあわせて確認しておくと、全体設計がしやすくなります。
事業の波に備えるクッションになる
個人事業は、年によって売上が大きく変動することがあります。好調な年に余裕資金の一部を運用に回しておくことで、将来の備えを少しずつ厚くしていく考え方ができます。ただし、運用は元本が保証されているわけではないため、あくまで「当面使う予定のないお金」で行うことが大前提です。事業の調子が悪くなったときに、あわてて運用資産を取り崩さなくてもよいよう、生活と事業を守る現金は別に確保しておく姿勢が安心につながります。売上が落ちた年の備えとしては、赤字の年こそ使いたい節税の備えもあわせて知っておくと、運用一本に頼らない守り方が見えてきます。
「貯めるだけ」では物価上昇に弱い面もある
近年は身のまわりのものの値段が少しずつ上がる場面も見られます。現金で持っているお金は金額こそ減りませんが、物価が上がると同じ金額で買えるものが少しずつ減っていく、という側面があります。すべてを現金で持つのではなく、一部を運用に振り向けて長い時間をかけて育てるという選択肢を知っておくことは、これからの備えを考えるうえで役に立ちます。資産の置き場所を分散する発想では、外貨建て資産で節税と分散を両立する考え方も一つの視点になります。もちろん運用にはリスクが伴うため、現金とのバランスをとりながら進めることが大切です。
事業資金と運用資金は分けて考える
運用を始める前の大原則は、生活費と事業の運転資金を先に確保することです。当面使わない「余裕資金」だけを運用に回し、事業のお金と個人の運用のお金は口座レベルで分けておくと、経理も申告もすっきりします。
まずは生活と事業を守るお金を確保する
運用を始める前に大切なのは、当面の生活費と事業の運転資金をしっかり確保しておくことです。一般的に、数か月分の生活費や、急な支払いに備えるお金は、すぐに引き出せる預貯金として手元に置いておくのが安心とされています。これらを確保したうえで、なお余る「当面使わないお金」を運用に回すのが基本の考え方です。事業のお金と個人の運用のお金を分けて管理するには、日々の経理が整っていることが前提になります。記帳に手が回らない場合は、まるごと預ける記帳代行という方法で足元を軽くしておくと、運用の判断に集中しやすくなります。
無理のない金額から始める
余裕資金のすべてを一度に投資する必要はありません。最初は少額から積み立てを始め、値動きに慣れながら自分に合ったペースを見つけていくのがおすすめです。投資の世界では、毎月一定額をコツコツ積み立てることで、買うタイミングを分散しやすくなるという考え方もあります。
生活費の数か月分は預貯金として確保しておく
事業の支払いに使う予定のあるお金は運用に回さない
余ったお金の中から、無理のない金額で始める
運用益と確定申告の関係
NISAの枠内で得た利益は非課税なので、原則として確定申告に含める必要がありません。事業の申告に運用の損益計算が加わって複雑になる心配が少ないのは、忙しい個人事業主にとって大きな安心材料です。
NISAの利益は原則として申告不要
個人事業主にとって気になるのが、運用で利益が出たときの確定申告です。NISAの枠内で得た利益は非課税となるため、原則として確定申告に含める必要がありません。事業の確定申告に運用の損益計算が加わって複雑になる、という心配が少ないのは、忙しい個人事業主にとって安心できるポイントです。一方で、NISA以外の投資、たとえば暗号資産などは課税や損益の扱いが異なります。関心がある方は暗号資産の含み損益を活用する際の注意点もあわせて確認しておくと、NISAとの違いがはっきりします。
事業の経理とは切り離して管理する
NISAでの運用は、あくまで個人の資産形成です。事業の経費や売上とは別のものなので、事業用の帳簿に混ぜて記録する必要はありません。事業のお金と個人の運用のお金を口座レベルで分けておくと、日々の経理も将来の確定申告もすっきり整理できます。
始める前に押さえておきたい注意点
NISAは「運用益が非課税になる制度」であって、利益を保証するものではありません。元本割れの可能性があること、長期でゆっくり育てる姿勢が向いていることを理解したうえで始めましょう。
元本割れのリスクがある
NISAはあくまで「運用益が非課税になる制度」であって、利益を保証するものではありません。投資である以上、購入した商品の価格が下がり、元本を下回る可能性があります。「非課税だから絶対に得をする」という性質のものではないことを、しっかり理解しておきましょう。
長い目で付き合う姿勢が大切
短期間で大きな利益を狙うのではなく、長期でゆっくり育てるという姿勢が、運用と上手に付き合うコツとされています。日々の値動きに一喜一憂せず、事業に集中しながら、将来に向けてコツコツ積み立てていく。そんな距離感が、個人事業主にとっては心地よいのではないでしょうか。
よくある質問
Q. 個人事業主でもNISA口座は開設できますか?
はい、できます。NISAは会社員かどうかに関係なく、一定の条件を満たす居住者であれば利用できる制度です。金融機関で口座を開設すれば、個人事業主の方も同じように活用できます。
Q. NISAで損をしたら事業の所得と相殺できますか?
NISAの枠内での取引は非課税である代わりに、損失が出ても他の所得や事業所得と相殺(損益通算)することはできません。この点は通常の課税口座での取引と異なるため、特徴として理解しておくとよいでしょう。
Q. 運用に回すお金はどれくらいが目安ですか?
明確な正解はありませんが、まずは生活費と事業資金をしっかり確保したうえで、当面使う予定のない余裕資金の範囲で行うのが基本です。金額に不安がある場合は、ごく少額から始めて様子を見るのも一つの方法です。
今日からできる、余裕資金の育て方
NISAは、運用で得た利益にかかる税金が非課税になる、個人事業主にも開かれた制度です。会社員のような退職金や企業年金が基本的にない個人事業主だからこそ、自分自身で将来に向けた備えを少しずつ進めていく意味があります。とはいえ、投資には元本割れのリスクがつきもの。生活費と事業資金を守ったうえで、当面使わない余裕資金を、無理のない金額で長く育てていくのが安心です。
大切なのは、事業のお金と個人の運用のお金をきちんと分けて管理することです。日々の経理が整理されていれば、確定申告の時期にあわてることもなくなります。なお、制度の具体的な枠や条件は改正で変わることがあるため、最新情報は金融庁や国税庁のサイト等でご確認ください。
運用にじっくり向き合うためにも、まずは足元の経理を軽くしておきたいところです。領収書丸投げドットコムは、たまった領収書を郵送するかスマホで撮って送るだけで、記帳から確定申告書類の作成までをまとめて代行します。何枚たまっても定額 月額6,600円(税込)・契約の縛りなしなので、まずは経理を身軽にして資産づくりに集中できるか相談する(無料)ところから検討してみてください。相談は無料です。どんな個人事業主が任せているかは、経理を任せている個人事業主の事例も参考になります。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








