小売店・物販店の記帳|レジ締め・棚卸・在庫管理の帳簿づけを解説
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税務

小売店・物販店の記帳は、日々のレジ締めで売上を記録し、仕入を計上して年末に棚卸で在庫を確定するのが基本です。売上の付け方から仕入・在庫の管理、月次の締めまでを、勘定科目の具体例と数値例つきで整理します。
雑貨店・アパレル・食品店などの物販は、「仕入れた商品を売る」ビジネスのため、売上だけでなく仕入と在庫(棚卸資産)の管理が利益計算の中心になります。仕入をそのまま全額経費にしてしまうと、売れ残った在庫の分だけ利益が過小に計算され、正しい所得が出せません。売上・仕入・在庫の3つの流れをつかむことが、小売業の帳簿づけの土台です。
☑ 仕入れた商品をそのまま経費にしてよいのか、在庫はどうするのか分からない
☑ 年末の棚卸で何を数えて、どう帳簿に反映すればよいか知りたい
☑ 現金とキャッシュレスが混ざった1日の売上の合わせ方に迷う
小売店・物販店を営む個人事業主の日々の記帳と月次・年末の締めを、勘定科目の具体例と数値例を交えて確認します。仕入と在庫の関係でつまずかないための実務ポイントをまとめました。
売上はレジ締めで日ごとに記帳する
小売店の売上は、1日の営業後にレジ締めで確定した合計を「売上高」として記帳します。商品ごとに1件ずつ入力する必要はなく、日別の合計を1行で計上すれば十分です。現金とキャッシュレスの内訳は分けて記録します。
現金・キャッシュレスを分ける
現金売上は現金出納帳、カードやQR決済は入金管理で分けます。キャッシュレスは決済手数料が引かれた金額が後日入金されるため、売上は総額で計上し、手数料は「支払手数料」で経費にします。日々の現金の合わせ方は現金出納帳の付け方と合わせ方、差引入金の記帳はキャッシュレス売上・決済手数料の記帳と科目の選び方を参考にしてください。
軽減税率のある商品に注意
食品を扱う小売店では、酒類を除く飲食料品が軽減税率8%、それ以外の日用品が標準税率10%となり、同じ店で税率が混在します。消費税の課税事業者は税率別に区分して記帳します。免税事業者でも、税率が分けられるレジを使っておくと将来の課税転換に備えられます。
仕入と在庫(棚卸資産)の関係
仕入は「仕入高」で記帳しますが、その年に売れた分だけが「売上原価」として利益計算に使われます。年末に売れ残った在庫は「棚卸資産」として翌年に繰り越し、その分は当年の経費から除きます。この仕組みが小売業の帳簿の核心です。
売上原価の計算式
売上原価は「期首在庫+当期仕入−期末在庫」で計算します。たとえば年初の在庫が50万円、その年の仕入が300万円、年末の在庫が70万円なら、売上原価は50+300−70=280万円です。仕入300万円がそのまま経費になるのではなく、売れた280万円分だけが原価として引かれる、という点を押さえましょう。
小売店・物販店の勘定科目の例
取引の内容ごとに、小売・物販でよく使う勘定科目を対応させると次のようになります。
取引の内容 | 勘定科目 |
|---|---|
販売用商品の仕入 | 仕入高 |
年末に売れ残った在庫 | 商品(棚卸資産) |
レジ袋・包装材・値札シール | 消耗品費 |
陳列棚・レジスター(10万円以上) | 工具器具備品(減価償却) |
店舗の家賃・水道光熱費 | 地代家賃・水道光熱費 |
カード・QR決済の手数料 | 支払手数料 |
破損・万引き等による商品ロス | 棚卸減耗費(または雑損失) |
科目の整理に迷ったら勘定科目を整理する実務を参考にしてください。記帳・帳簿の保存ルールは国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」で確認できます。
年末の棚卸と月次の締め
年末(12月31日)には、実際に店にある在庫を数える「実地棚卸」を行い、在庫金額を確定します。売れ残りだけでなく、破損・汚損・売れ筋外れの商品も含めて数え、正しい在庫額を帳簿に反映します。
棚卸の進め方
①棚・バックヤードの在庫を商品ごとに数える
②数量に仕入単価をかけて在庫金額を計算する
③在庫金額を「棚卸資産」として計上し、売上原価を確定する
棚卸の具体的な手順と帳簿との差異処理は実地棚卸の進め方と帳簿棚卸との差異処理、破損や万引きなどロスが多い場合の記帳は廃棄・棚卸減耗が多い事業の記帳で詳しく解説しています。
数値例で見る1か月の記帳
たとえば、月の売上が150万円、その月の仕入が90万円だったとします。ここから店舗家賃20万円、アルバイト給与20万円、消耗品5万円、決済手数料3万円を差し引きます。ただし仕入90万円のうち売れ残った分は在庫として残るため、月次では大まかな利益を、年末の棚卸で正確な利益を確定する、という二段構えで管理するのが実務的です。日々の売上と在庫の動きを把握しておけば、仕入の過不足に早く気づけます。在庫を抱える物販は日々の仕訳の量も多くなりがちなので、入力そのものを記帳代行というやり方に任せ、店主は棚卸や品ぞろえに集中するという分担の仕方もあります。
よくある質問
Q. 仕入れた商品はすべてその年の経費になりますか?
いいえ。その年に売れた分だけが「売上原価」として経費になり、売れ残った在庫は棚卸資産として翌年に繰り越します。仕入額をそのまま全額経費にすると、利益が実態より小さく計算されてしまうため注意が必要です。
Q. 棚卸は必ずやらないといけませんか?
在庫を持つ物販では、年末の棚卸が必須です。棚卸をしないと売上原価が正しく計算できず、所得も正確になりません。手間はかかりますが、正しい利益を出すために欠かせない作業です。
Q. 万引きや破損で失われた商品はどう処理しますか?
失われた分は在庫から減るため、結果として売上原価に含まれます。金額が大きい場合や状況を記録しておきたい場合は「棚卸減耗費」や「雑損失」で処理し、発生の状況をメモに残しておくと安心です。
Q. 食品と日用品で税率が違いますが、分けて記帳が必要ですか?
消費税の課税事業者は、軽減税率8%と標準税率10%を区分して記帳します。免税事業者でも、税率が分けられるレジを使っておくと将来課税事業者になったときに困りません。
まとめ|売上・仕入・在庫の流れをつかめば小売の記帳は整う
小売店・物販店の記帳は、日々の売上をレジ締めで記録し、仕入を計上して年末の棚卸で在庫を確定するのが基本です。「仕入=経費」ではなく「売れた分=原価」という関係を押さえ、棚卸で在庫を繰り越せば、正しい利益が計算できます。
とはいえ、接客と品出しに追われるなかで、日々の仕訳や在庫管理まで一人でこなすのは大きな負担です。数字が合わないまま確定申告を迎える前に、記帳を任せて店の運営に集中するのも一つの手です。記帳代行の現場でも、レシートの束が数か月分たまってからご相談をいただくことは珍しくありません。
領収書丸投げドットコムは、仕入の請求書やレジのレシートを郵送・スマホ撮影で送るだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを税理士監修のもとで代行します。何枚たまっていても料金は定額です。レジ締めと在庫の記帳を今月から任せられるか相談する(無料)ところから始められます。相談は無料で、料金や依頼できる範囲は記帳代行の料金プランでも確認できます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








