広告宣伝費の経費処理|SNS広告・チラシ・名刺の扱いを解説
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税務

広告宣伝費は「不特定多数への宣伝か」「事業に関連するか」の2点で判断でき、SNS広告・チラシ・名刺の多くが当てはまります。運用型広告や高額な制作費の扱い、勘定科目の選び方や年をまたぐときの注意点までをわかりやすく整理します。
事業を続けていくうえで、お客様に自分のサービスを知ってもらうための費用は欠かせません。SNS広告を出したり、チラシを配ったり、名刺を作ったり。こうした出費は広告宣伝費として経費にできますが、いざ帳簿をつけようとすると「これはどの科目だろう」「金額が大きいけれど一括で経費にしていいのかな」と手が止まってしまう方は少なくありません。判断のポイントさえつかめば、決して難しい科目ではありません。
☑ SNS広告やチラシの費用を、どの勘定科目で処理すればいいか迷う
☑ 名刺やノベルティ、ホームページの制作費が経費になるのか自信がない
☑ 広告費の領収書をためてしまい、確定申告のたびに分類で手が止まる
広告宣伝費とは何か
まずは、広告宣伝費がどんな費用を指すのかを整理しておきましょう。
不特定多数に向けた宣伝のための費用
広告宣伝費とは、不特定多数の人に向けて、自分の商品やサービス、お店の存在を知ってもらうために使うお金のことです。新聞やWebの広告、街頭で配るチラシ、看板などが代表例です。特定の取引先だけをもてなす費用(交際費)とは性質が異なる点がポイントです。そもそもの帳簿づけの流れに不安がある方は、個人事業主の帳簿の付け方入門で全体像を確認しておくと科目選びもスムーズになります。
事業に関連していることが大前提
経費として認められるのは、あくまで事業の売上につなげるための支出に限られます。プライベートの趣味で運営しているSNSの費用や、家族向けに作った私的な印刷物などは対象外です。「事業の宣伝のために使った」と説明できることが大前提になります。経費として認められる支出の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」(国税庁)で確認できます。
SNS広告・Web広告の扱い
近年もっとも相談が増えているのが、SNSやWebの広告費です。
運用型広告は使った分が経費になる
InstagramやX、Google、YouTubeなどに出す運用型の広告は、課金された金額がそのまま広告宣伝費になります。クレジットカードで自動的に引き落とされることが多いため、明細や管理画面のレポートを保存しておきましょう。日々少額が課金されるタイプは、月単位でまとめて計上すると帳簿がすっきりします。カード払いの広告費を経費にするときの明細と領収書の関係は、クレジットカード明細で経費にできる?で整理しています。
インフルエンサーへの依頼費用
商品を紹介してもらうためにインフルエンサーへ支払う費用も、宣伝目的であれば広告宣伝費に含められます。依頼内容や金額がわかるやり取りの記録、請求書を残しておくと安心です。
ホームページ・LPの制作費は金額で扱いが変わる
ホームページやランディングページの制作費は、内容や金額によって扱いが変わります。一般的な情報を載せるだけのサイトであれば、その年の経費にできることが多いですが、高額なシステムを含む場合などは資産として数年に分けて経費にする(減価償却)ケースもあります(国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」国税庁)。判断に迷う場合は専門家に確認すると確実です。
チラシ・パンフレットなど印刷物の扱い
紙の宣伝物も、引き続き多くの事業者が活用しています。
チラシ・フライヤーの制作費と配布費
チラシやフライヤーのデザイン費、印刷費、ポスティングや折り込みにかかる費用は、いずれも広告宣伝費にできます。デザインを外注した場合はその費用も同様です。配布枚数や配布エリアのメモを残しておくと、後から見返したときに役立ちます。
大量に作って在庫として残った場合
年末時点で大量に刷ったパンフレットなどが手元に残っている場合、本来は使った分だけを経費にする考え方があります。ただし少額であれば実務上はその年の経費として処理することも多く、神経質になりすぎる必要はありません。金額が大きいときだけ意識しておきましょう。
名刺・ノベルティ・看板などの扱い
宣伝の手段は広告だけではありません。身近なアイテムも見落とさないようにしましょう。
名刺は広告宣伝費か消耗品費か
名刺の作成費は、宣伝の意味合いが強ければ広告宣伝費、事務用品的にとらえれば消耗品費として処理されることがあります。どちらでも誤りではありませんが、一度決めた科目は毎年そろえておくと帳簿に一貫性が出ます。似たように科目の使い分けで迷いやすい費用は他にもあり、地代家賃・賃借料・支払手数料の使い分けもあわせて参考になります。
ノベルティ・販促品
名入りのボールペンやカレンダーなど、社名や屋号を入れた配布用のグッズは広告宣伝費にできます
単価が高い記念品を特定の取引先だけに贈る場合は、交際費に近い性質になることもあります
科目の振り分けに毎回手が止まってしまう方は、明細を送るだけで仕分けを任せられる科目の仕分けをまるごと任せる記帳代行という方法もあります。宣伝の準備に集中したい時期こそ、判断ごと手放す選択肢を持っておくと安心です。
看板・のぼりなど
店頭の看板やのぼりは、簡易なものなら広告宣伝費として処理できます。一方、しっかりした構造物で金額が大きいものは、資産として数年に分けて経費にすることがあります。設置費用とあわせて領収書を保管しておきましょう。
協賛金・スポンサー料
地域のイベントやスポーツチームへの協賛金は、その見返りとして広告掲示やパンフレットへの社名掲載がある場合、宣伝効果を期待した広告宣伝費として処理できます。一方、見返りがまったくなく純粋な寄付に近いものは、寄附金など別の扱いになることがあります。協賛の内容がわかる資料を残しておくと、後で説明しやすくなります。
経費にするときの記録のポイント
科目の判断ができても、記録が不十分だと後で困ることがあります。
何の宣伝かを一言メモする
領収書や明細には、「春のキャンペーン用チラシ」「新サービス告知のSNS広告」といった目的を一言添えておくと、確定申告のときに迷いません。デジタルの明細はスクリーンショットや保存をしておくと安心です。
支払時期と計上時期を意識する
広告は「申し込んだ年」と「実際に掲載・配布された年」がずれることがあります。原則は、その役務(サービス)を受けた年に経費とする考え方です。年をまたぐ広告契約があるときは、いつ分の費用かを意識しておきましょう。たとえば12月に1年分の広告掲載料を前払いした場合、来年分にあたる部分は本来その年の経費にはなりません。金額が大きいときほど、この区切りを意識しておくと安心です。
科目をぶれさせない
同じSNS広告でも、ある月は広告宣伝費、別の月は消耗品費と入れてしまうと、帳簿の見通しが悪くなります。一度「この支出はこの科目」と決めたら、毎年同じルールで処理することが、整った帳簿を保つコツです。判断に迷ったものは、メモを残して後でまとめて確認するとよいでしょう。科目の入れ違いをはじめ、つまずきやすい記帳ミスは個人事業主の帳簿づけでよくある間違い10選にまとめています。
よくある質問
Q. 自分でデザインしたチラシの「自分の作業代」も経費にできますか?
いいえ、個人事業主が自分で行った作業に対して自分へ給与や報酬を払うことはできないため、その作業の対価を経費にすることはできません。経費になるのは、印刷代や外注したデザイン費など、実際に外部へ支払ったお金です。
Q. SNS広告の課金がドル建てでした。どう記録すればいいですか?
クレジットカードで決済した場合、カード会社が円換算した金額が引き落とされますので、その円の金額で計上すれば問題ありません。明細を保存しておけば、為替の計算を自分で行う必要は基本的にありません。
Q. 開業前に作った名刺やチラシの費用も経費になりますか?
はい、開業のために事前に支出した費用は「開業費」としてまとめ、開業後に経費にできる場合があります。開業前の領収書も捨てずに保管しておきましょう。
広告宣伝費で迷ったときの判断軸
広告宣伝費は、SNS広告からチラシ、名刺、ノベルティまで幅広い費用を含みます。判断の軸はシンプルで、「不特定多数への宣伝という目的があるか」「事業に関連しているか」という2点です。多くの宣伝費はその年の経費にできますが、金額が大きいものや形に残る資産は、数年に分けて経費にする場合がある点だけ覚えておきましょう。大切なのは、領収書や明細をきちんと残し、何の宣伝に使ったかをひと言メモしておくことです。なお、税率や細かな取り扱いは年度によって変わることがあるため、判断に迷うときは国税庁のサイト等で最新情報をご確認いただくと安心です。
広告費の明細がカードや管理画面にバラバラで、整理する時間がない——そんな声を記帳代行の現場ではよくお聞きします。記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。広告費の仕分けをまるごと任せられるか無料で確かめる。他の事業者の活用事例を見る。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








