個人事業主の手取りはいくら?税金・保険料を引いた計算方法
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確定申告

個人事業主の手取りは「売上-経費=所得」から、所得税・住民税・社会保険料を差し引いた残りです。会社員のように天引きされない分、自分で計算する必要があります。手取りまでの流れをステップで整理します。
「今月もそれなりに売上があったのに、気づけば手元のお金が少ない」。個人事業主やフリーランスとして働いていると、こんな感覚を持つことがあるのではないでしょうか。会社員と違って給与明細がないため、自分の手取りが結局いくらなのか、はっきりわからないまま過ごしている方も多いものです。手取りを把握できていないと、生活費の見通しが立てづらく、納税のタイミングで慌てることにもなりかねません。
☑ 売上はあるのに、自由に使えるお金が思ったより少ない気がする
☑ 自分の「本当の手取り」がいくらなのか把握できていない
☑ 税金や保険料がいくらかかるのか、見当がつかなくて不安
そもそも個人事業主の「手取り」とは
まずは、会社員との違いをふまえて「手取り」の意味を整理しましょう。
会社員の手取りとの違い
会社員の場合、給与から税金や社会保険料があらかじめ天引きされ、振り込まれる金額がそのまま手取りになります。明細を見れば、何がいくら引かれたのかも一目でわかります。一方、個人事業主は売上がそのまま入ってくるため、そこから自分で税金や保険料を支払う必要があります。引かれる前の金額が手元に入ってくるので、つい全部を使えるお金だと錯覚しがちです。つまり、入ってきた金額イコール手取りではないのです。この感覚のずれが、「売上はあるのにお金が残らない」という悩みの正体でもあります。
手取りまでの大まかな道のり
個人事業主の手取りは、ざっくり次のような順序で計算します。一つずつ差し引いていくイメージです。
売上から経費を引いて「所得」を出す
所得をもとに税金や保険料を計算する
所得から税金・保険料を引いた残りが「手取り」
ステップ1:売上から経費を引く
手取り計算の出発点は、売上から経費を差し引くことです。
経費とは事業のための支出
経費は、事業で売上を得るために使ったお金のことです。仕入れ代金や交通費、通信費、仕事で使う消耗品などが該当します。売上から経費を引いた金額が「所得」となり、これが税金や保険料の計算のもとになります。
経費を正しく計上する大切さ
経費を漏れなく計上できれば所得が小さくなり、その分だけ税金や保険料の負担も軽くなります。逆に、本来経費にできるものを見落とすと、必要以上に負担が増えてしまいます。経費は手取りを左右する大きな要素であり、計上もれは、そのまま自分の取り分を減らすことにつながります。少額のレシートだからと捨ててしまったり、まとめて記録しようと後回しにしたりすると、結局もれが生じやすくなります。日頃から領収書を保管し、こまめに記録しておくことが大切です。経費の集計そのものが苦手で手が回らない方は、日々の記帳を任せる記帳代行というやり方で計上もれを防ぐ方法もあります。
ステップ2:かかる税金を知る
所得が決まったら、そこにどんな税金がかかるのかを押さえましょう。
所得税と住民税
個人事業主にかかる主な税金が、所得税と住民税です。どちらも所得から所得控除を引いた「課税所得」に対して計算されます。所得税は所得が大きいほど税率が高くなる仕組みで、住民税はお住まいの自治体に納める税金です。所得税がどのように計算されるのか全体像は、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1000.htm)で確認できます。
そのほかにかかることがある税金
事業の状況によっては、次のような税金がかかる場合もあります。自分に関係するか確認しておきましょう。
一定以上の売上がある場合の消費税
所得が一定額を超えた場合の個人事業税
税率や課税の基準は年度や制度改正で変わることがあるため、最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。複数の事業から収入がある場合の所得の出し方は、複数事業を営む個人事業主の確定申告で整理しています。
ステップ3:社会保険料を知る
個人事業主は、税金とは別に社会保険料も自分で負担します。これが手取りに大きく影響します。
国民健康保険と国民年金
会社員のような厚生年金や健康保険ではなく、個人事業主は国民健康保険と国民年金に加入するのが基本です。国民健康保険料は前年の所得などをもとに計算され、所得が増えると保険料も増える傾向があります。ここで注意したいのは、前年の所得をもとに計算される点です。事業が好調だった翌年は保険料も上がるため、収入が減った年でも前年分の負担が重く感じられることがあります。国民年金は、原則として加入者一律の保険料です。
保険料は手取りに大きく響く
税金にばかり目が向きがちですが、実際には社会保険料の負担も決して小さくありません。手取りを正しく見積もるには、税金と保険料の両方を引いて考える必要があります。なお、支払った国民健康保険料・国民年金保険料は社会保険料控除の対象になるため(国税庁タックスアンサーNo.1130「社会保険料控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm)、確定申告で忘れずに申告しましょう。
ステップ4:手取りを計算してみる
ここまでの要素をまとめると、手取りの計算式が見えてきます。
手取り計算の全体像
売上 - 経費 = 所得
所得 -(所得税 + 住民税 + その他の税金)- 社会保険料 = 手取り
細かい控除を加味するともう少し複雑になりますが、大きな流れはこの形です。売上の額面ではなく、ここで残る金額が、実際に自由に使えるお金だと考えてください。夫婦それぞれが事業を営んでいる世帯での手取りの考え方は、夫婦ともに個人事業主の確定申告もあわせて参考になります。
手取りを多めに見積もらない
注意したいのは、税金や保険料は後からまとめて支払うものが多いという点です。手元にお金があるからと使いすぎると、納付のときに資金が足りなくなることもあります。手取りを把握したうえで、納税分をあらかじめ取り分けておくと安心です。
手取りを守るためにできること
最後に、手取りを少しでも安定させるための工夫を紹介します。
経費と控除をもれなく
経費の計上もれや所得控除の申告もれは、そのまま手取りの目減りにつながります。使える経費はきちんと計上し、社会保険料控除や各種の所得控除をもれなく申告することが、手取りを守る基本です。家族で一つの事業を営んでいて、誰が申告するかで世帯の手取りが変わるケースは、家族で一つの事業を営むときの確定申告で解説しています。
納税用のお金を別にしておく
税金や保険料の支払いに備えて、入金のたびに一定割合を別の口座に取り分けておくと、納付時に慌てずに済みます。事業用と納税用で口座を分けておけば、生活費とごちゃ混ぜにならず、「うっかり使ってしまった」という事態を防げます。手取りの把握と資金の取り分けは、セットで考えると効果的です。最初に仕組みを作っておけば、あとは自動的にお金が貯まっていくため、納税期が近づいても落ち着いて対応できます。
よくある質問
Q. 売上のうち、どれくらいを納税用に取り分ければいいですか?
所得や控除の状況によって税負担は人それぞれなので、一律の割合はありません。ただ、税金と保険料を合わせると相応の金額になるため、入金の一部を取り分けておく習慣があると安心です。正確な見積もりが必要な場合は、専門家に相談するとよいでしょう。
Q. 社会保険料は経費になりますか?
国民健康保険料や国民年金保険料は、事業の経費ではなく「社会保険料控除」という所得控除の対象になります。経費とは扱いが異なりますが、確定申告で控除として申告すれば、課税所得が減り税負担を軽くできます。申告もれのないよう注意しましょう。
Q. 手取りを増やすにはどうすればいいですか?
売上を増やすこと以外に、経費を正しく計上し、使える控除をもれなく申告して税・保険料の負担を抑えることも有効です。青色申告の特別控除を活用するなど、制度を上手に使うことも手取りの確保につながります。無理のない範囲で見直してみてください。
手取りで生活を考えるための結論
個人事業主の手取りは、売上から経費を引いた所得に対して、税金と社会保険料を差し引いた後に残る金額です。会社員のように天引きされない分、自分で計算して把握しておかないと、生活設計や納税で困ることになりかねません。まずは自分の手取りがいくらなのか、おおまかにでもつかんでおくことが大切です。手取りを把握できれば、納税用のお金を取り分けたり、経費や控除を見直したりと、できる対策が見えてきます。売上の数字だけに一喜一憂せず、最終的に手元に残るお金を基準に、お金の計画を立てていきましょう。
「経費の集計や税金の計算が苦手で、自分の手取りがつかめない」——記帳代行の現場でも、こうしたお悩みは多く寄せられます。記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。自分の手取りを正しくつかむ方法を相談してみる。確定申告代行。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








