基礎控除とは?金額の仕組みと所得による違いをやさしく解説
#
税金

基礎控除とは、原則すべての納税者の所得から一定額を差し引ける、もっとも基本的な所得控除です。金額は合計所得金額に応じて変わり、多くの個人事業主は満額を受けられます。仕組みと所得による違い、正しく反映するためのポイントを整理しました。
確定申告の書類を前にすると、見慣れない用語がずらりと並んでいて、それだけで気持ちが重くなってしまう方は少なくありません。なかでも「基礎控除」は、ほぼすべての人に関係するのに、その中身までしっかり理解している方は意外と多くないものです。「とりあえず数字が入っているけれど、これは何だろう」と感じたまま提出している方もいるかもしれません。
☑ 確定申告書に出てくる「基礎控除」が何なのか、いまいちピンとこない
☑ 自分の場合、いくら控除されるのかを知りたい
☑ 所得が多いと控除額が減ると聞いて不安になっている
基礎控除は、税金の負担を軽くしてくれる仕組みのひとつで、理解しておくと納める税額の見通しが立てやすくなります。ここでは、基礎控除とはそもそも何なのか、金額の仕組みや所得による違いを、はじめての方にもわかるように整理します。
基礎控除とは何かを知ろう
まずは「基礎控除」という言葉そのものの意味から押さえていきましょう。これがわかると、確定申告書を読むときの安心感がぐっと増します。
すべての納税者に関わる所得控除
基礎控除とは、所得税や住民税を計算するときに、誰の所得からも一定額を差し引いてくれる「所得控除」のひとつです。特別な手続きや条件をそろえなくても、原則としてすべての納税者に適用されるという、とても基本的な控除です。控除という言葉はむずかしく聞こえますが、要するに「税金を計算するもとになる金額を、その分だけ小さくしてくれる」ということです。所得税全体のなかで控除がどこに位置するかは、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」で確認できます。
なぜ基礎控除があるのか
私たちが生きていくためには、食費や住居費など最低限の生活費がかかります。基礎控除には、こうした生活の土台となる部分にまで重く課税しないようにする、という考え方が反映されています。所得のうち一定額については、税金の計算から外しておきましょう、という配慮だと考えるとイメージしやすいでしょう。
基礎控除の金額の仕組み
次に、基礎控除がどのくらいの金額になるのか、その仕組みを見ていきます。所得税と住民税で額が異なり、合計所得金額によっても変わります。
所得税と住民税で金額が異なる
基礎控除は、所得税の計算で使う金額と、住民税の計算で使う金額が異なります。一般的には、所得税の基礎控除のほうが住民税の基礎控除より大きく設定されています。確定申告でおもに関わるのは所得税ですが、確定申告の内容をもとに住民税も計算されるため、どちらにも基礎控除があると覚えておくと安心です。
合計所得金額によって変わる
かつての基礎控除は、所得の大小にかかわらず一律でした。しかし現在は、合計所得金額に応じて控除額が変わる仕組みになっています。ポイントを整理すると次のとおりです。
所得が一定額以下の方は、満額の基礎控除を受けられます
所得が増えていくと、段階的に控除額が少なくなります
所得が非常に高い水準になると、基礎控除が受けられなくなる場合があります
具体的な金額や区切りとなる所得額は、税制改正で見直されることがあります。最新の正確な金額は、国税庁タックスアンサーNo.1199「基礎控除」でご確認ください。
所得による基礎控除の違い
「所得が多いと控除が減る」という点について、もう少しくわしく見ていきましょう。多くの個人事業主は満額の範囲に収まる、というのが結論です。
多くの個人事業主は満額を受けられる
控除額が減るのは、あくまで所得がかなり高い水準になった場合です。多くの個人事業主やフリーランスの方は、満額の基礎控除を受けられる範囲に収まることがほとんどです。そのため「自分は所得が多いから減ってしまうのでは」と過度に心配する必要はありません。まずは満額が基本だと考えておきましょう。
所得が高い方は段階的に縮小する
事業が大きく成長し、所得が高い水準に達した場合には、基礎控除が段階的に小さくなり、最終的にはゼロになることもあります。これは高所得者ほど税の負担能力が高いという考え方にもとづくものです。自分の所得がどの段階にあたるのかは、確定申告書を作成する過程で確認できます。
他の控除との違いと関係
確定申告にはさまざまな控除が登場します。基礎控除との違いを整理しておきましょう。誰でも使える基礎控除と、条件つきの控除がある点がポイントです。
誰でも使える基礎控除と、条件のある控除
基礎控除が原則すべての人に適用されるのに対し、条件を満たした人だけが使える控除もあります。たとえば次のようなものです。
配偶者控除や扶養控除など、家族の状況に応じた控除
生命保険料控除や地震保険料控除など、支払いに応じた控除
医療費控除や寄附金控除など、一定の支出があった場合の控除
これらは基礎控除とは別枠で、条件に当てはまればそれぞれ追加で差し引くことができます。事業所得のある方が青色申告特別控除まで積み上げると効果は大きく、控除額の違いは青色申告特別控除65万・55万・10万の要件と節税額の試算で段階別に確認できます。共働きなど世帯で控除がある場合は、夫婦で事業と給与がある世帯の控除の配分まで見ておくと、家族全体の手取りを最適化しやすくなります。
所得控除と税額控除の違い
控除には、所得から差し引く「所得控除」と、計算した税額から直接差し引く「税額控除」があります。基礎控除は所得控除に分類されます。所得控除は税金の計算のもとになる金額を小さくする働きをするため、税率を掛ける前の段階で影響する、という点を押さえておくとよいでしょう。基礎控除を軸にほかの制度を組み合わせて備えたい方は、将来に備えながら節税する制度の組み合わせ方もあわせて検討すると、控除全体を計画的に使えます。
基礎控除を正しく反映するために
せっかくの控除も、申告に正しく反映されてこそ意味があります。所得を正確に出すことが、その土台になります。
確定申告で自動的に計算される
基礎控除は、確定申告書を正しく作成すれば、所定の欄に金額が反映される仕組みになっています。会計ソフトや申告書作成のコーナーを使えば、合計所得金額に応じた控除額が自動的に計算されることが多いため、自分で複雑な計算をする必要はありません。大切なのは、収入や経費を正しく集計し、所得を正確に出すことです。
所得を正しく出すことが第一歩
基礎控除の額は合計所得金額によって決まります。つまり、日々の記帳や経費の集計が正確であることが、控除を正しく反映するための土台になります。領収書の整理や帳簿づけが滞っていると、所得そのものがあいまいになり、控除の計算にも影響しかねません。集計に自信がないまま申告期を迎えそうなら、確定申告そのものを代行に任せることで、所得と控除を正確に反映してもらう方法もあります。
よくある質問
Q. 基礎控除を受けるために特別な手続きは必要ですか?
原則として、基礎控除を受けるための特別な申請は必要ありません。確定申告書を正しく作成すれば自動的に反映されます。ただし、合計所得金額によって控除額が変わるため、収入や経費を正確に申告することが前提となります。
Q. 会社員ですが、基礎控除は関係ありますか?
会社員の方にも基礎控除は適用されます。多くの場合、勤務先の年末調整のなかで反映されるため、本人が手続きを意識する場面は少ないかもしれません。副業の所得があるなどで確定申告をする場合は、その申告のなかで基礎控除も考慮されます。
Q. 所得がとても少ない年でも基礎控除は使えますか?
はい、所得が少ない場合でも基礎控除は適用されます。むしろ所得が一定額以下であれば、基礎控除など各種控除によって課税される所得がなくなり、所得税がかからないこともあります。ただし申告が必要かどうかは状況によって異なるため、不安な場合は確認するとよいでしょう。
結論:基礎控除は所得を正確に出すことが土台
基礎控除は、原則すべての納税者に適用される、もっとも基本的な所得控除です。生活の土台となる部分にまで重く課税しないという考え方にもとづいており、確定申告書を正しく作成すれば自動的に反映されます。現在は合計所得金額に応じて控除額が変わりますが、多くの個人事業主の方は満額を受けられる範囲に収まります。大切なのは、控除の金額そのものよりも、その前提となる所得を正確に出すことです。日々の記帳や領収書の整理がきちんとできていれば、基礎控除をはじめとした各種控除も正しく反映され、納める税額の見通しも立てやすくなります。
控除の計算が合っているか不安、所得の集計に自信がない——そんな声は、記帳代行の現場でも多く寄せられます。記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。控除まで正しく反映できるか無料で相談する。記帳代行とは何かの解説。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








