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個人事業主の決算整理仕訳|年末にやる経理...

2026/7/19

個人事業主の決算整理仕訳|年末にやる経理の総まとめ

  • 税務

決算整理仕訳には「その年に対応する分だけを正しく反映させる」という原則があります。減価償却・棚卸し・前払い・家事按分など、年末にやるべき項目と進め方を、初めての方にも分かるように整理します。

一年間こつこつ帳簿をつけても、12月の取引まで入力し終えた帳簿が、そのまま正しい利益を表しているとは限りません。日々の記帳のあとに「決算整理」というひと手間を加えて初めて、その年の本当のもうけが見えてきます。この一手間を知らずに申告すると、納める税金が多すぎたり少なすぎたりすることもあるのです。難しそうに感じて後回しにしがちな作業ですが、順番に片づければ怖くありません。

☑ 年末や年明けに「決算整理」と言われても、何をすればいいのか分からない

☑ 帳簿はつけているが、そのまま確定申告して大丈夫なのか不安だ

☑ 減価償却や在庫、前払いといった言葉が出てくると手が止まってしまう

そもそも決算整理仕訳とは何か

決算整理仕訳とは、一年間の取引を記録した帳簿を、正しい利益を計算できる状態に整えるための調整作業です。日々の記帳だけでは反映しきれない項目を、年度末にまとめて仕訳として追加します。日々の記帳そのものの基本から確認したい方は、個人事業主の帳簿の付け方入門で全体像をつかんでおくと、この後の話が理解しやすくなります。

日々の記帳との違い

日々の記帳は「お金が動いたとき」や「取引が発生したとき」に一件ずつ記録するものです。一方、決算整理仕訳は、年度をまたぐ費用や収益、使った分だけを費用にする項目など、期間を区切って正しく対応させるために行います。実際にお金が動かなくても仕訳を起こす点が大きな違いです。

なぜこの作業が必要なのか

所得税は「その年の正しいもうけ」に対してかかります。たとえば来年分の家賃を年内に前払いした場合、その全額を今年の費用にしてしまうと、今年のもうけが実際より小さく計算されてしまいます。決算整理は、こうしたズレをなくして適正な所得を導くための欠かせない工程なのです。整った決算整理は、複式簿記による青色申告の土台にもなります(国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)。

年末にやるべき決算整理の代表的な項目

決算整理にはいくつかの定番項目があります。すべての事業者に全項目が当てはまるわけではありませんが、自分に関係するものを順番にチェックしていくと漏れを防げます。

減価償却費の計上

パソコンや車、機械など、長く使う高額な資産は、買った年に全額を費用にするのではなく、使う年数に分けて少しずつ費用にしていきます。これを減価償却といいます。年度末に、その年に対応する減価償却費を計算して仕訳に計上します。資産の種類ごとに使える年数の目安が定められているため、確認しながら進めましょう。耐用年数の目安や計算の考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm)で確認できます。

たとえば10万円を大きく超えるパソコンを買った場合、その金額をまるごと購入年の費用にするのではなく、定められた年数にわたって分割して費用にしていきます。年の途中で購入したときは、その年に使った月数に応じて金額を調整するのが基本です。なお、取得した金額の大きさによっては、一定の範囲で一度に費用にできる特例が設けられている場合もあります。自分の買った資産がどの扱いになるのか、購入時の金額と用途をもとに確認しておくと安心です。

棚卸しによる在庫の調整

商品や材料を仕入れて販売している場合、年末に売れ残っている在庫は、その年の費用から除く必要があります。これを棚卸しといいます。仕入れた金額のうち、まだ売れていない分は翌年に持ち越すため、在庫として資産に振り替えます。

  • 年末時点で残っている商品・材料を数える

  • その金額を集計して「期末商品棚卸高」として処理する

  • 売れた分だけが今年の売上原価になる

前払い・前受け・未払いの調整

年度をまたぐお金は、その年に対応する分だけを今年に反映させます。来年分を先に払った前払費用、まだ受け取っていない収入、年末までに発生したのに支払いが翌年になる未払費用などが代表例です。これらを調整することで、収益と費用の対応関係が正しく整います。

具体的には、1年分の保険料や家賃をまとめて前払いしているケースが当てはまります。支払った金額のうち、来年に対応する部分は今年の費用から外し、翌年に持ち越します。逆に、12月中に仕事をしてもらったのに支払いが1月になる外注費などは、年末までに発生した費用として今年に計上します。お金が動いたタイミングではなく、その費用や収益が「どの年に対応するか」で判断するのがポイントです。家賃やリース料を計上する際の地代家賃・賃借料・支払手数料の使い分けもあわせて確認しておくと、科目選びで迷いません。

貸倒れと回収不能な売掛金

取引先の倒産などで、売上として計上した代金がどうしても回収できなくなることがあります。こうした回収不能な売掛金は、一定の要件を満たせば「貸倒れ」として費用に計上できる場合があります。判断には条件があるため、該当しそうなときは慎重に確認し、必要であれば専門家に相談しましょう。ここまでの整理を毎年自分で抱えるのが大変なら、日々の記帳から年末の整理まで任せられる記帳代行という選択肢もあります。

家事按分と家事関連費の整理

自宅で仕事をしている個人事業主にとって、家事按分は決算整理の重要なポイントです。プライベートと仕事が混ざっている支出を、合理的な基準で分けて経費にします。按分の具体的な計算方法は、家事按分のやり方総まとめで費用別に詳しく整理しています。

按分の対象になる主な費用

  • 家賃や住宅にかかる費用

  • 電気・ガス・水道などの光熱費

  • インターネットや携帯電話の通信費

  • 自家用車のガソリン代や保険料

分け方の考え方

按分には「仕事に使っている割合」を示す基準が必要です。たとえば家賃なら仕事部屋の床面積の割合、通信費なら仕事に使った時間の割合といった具合です。一度決めた基準は毎年同じ考え方で使い続け、根拠となるメモを残しておくと、後から見返したときに安心です。

気をつけたいのは、按分の割合に明確な根拠を持たせることです。「なんとなく半分」といった決め方では、後から説明を求められたときに困ってしまいます。仕事に使う面積や時間を実際に確認し、その計算の過程を残しておきましょう。生活と仕事がはっきり分けられない支出を、無理にすべて経費にしようとしないことも大切です。あくまで事業に必要だった分を、合理的に切り分けるという姿勢が信頼につながります。

決算整理を進めるときの手順とコツ

項目が多く感じられても、順番を決めて取り組めば着実に終わります。慌てて一気にやろうとせず、段階を踏むのがコツです。

進める順番の目安

  • まず12月末までの取引をすべて記帳し終える

  • 通帳や残高と帳簿の数字が合っているか確認する

  • 棚卸し・減価償却・前払いなどの整理項目を一つずつ処理する

  • 最後に集計して所得を確定させる

ミスを防ぐための工夫

決算整理でつまずきやすいのは、現金や預金の残高が帳簿と合っていないまま整理に進んでしまうケースです。整理仕訳を入れる前に、まず日々の記録が正確かどうかを確かめましょう。土台がそろっていれば、整理作業はぐっとスムーズになります。もし記帳の途中で誤りに気づいたら、帳簿の付け方を間違えたときの直し方を参考に、整理に入る前に直しておくと安心です。なお、年度によって扱いが変わる項目もあるため、最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。

よくある質問

Q. 決算整理仕訳は必ずやらないといけませんか?

正しい所得を計算するためには欠かせません。減価償却や棚卸しに該当する事業者が整理を飛ばすと、もうけの金額が正しく出ず、結果として税額にも影響します。該当する項目がある場合は必ず行いましょう。

Q. 簡単な事業でも全部の項目をやる必要がありますか?

いいえ、自分に関係する項目だけで構いません。在庫を持たない事業なら棚卸しは不要ですし、高額な資産がなければ減価償却も発生しません。自分の事業に当てはまるものだけを確認すれば十分です。

Q. 年明けに整理をしても間に合いますか?

確定申告の期限までに済めば問題ありません。ただし、年が明けてから取引内容を思い出すのは大変です。年末のうちに記帳を終え、在庫の数だけでも確認しておくと、年明けの作業が格段に楽になります。

今日から整える決算整理のポイント

決算整理仕訳は、日々の記帳を「正しい利益」へとつなげる仕上げの作業です。減価償却、棚卸し、前払い・未払いの調整、そして家事按分。一つひとつは難しい理屈ではなく、その年に対応する分だけを正しく反映させるという、シンプルな考え方に基づいています。大切なのは、整理に入る前に日々の記録をきちんとそろえておくことです。土台が整っていれば、決算整理は決して怖い作業ではありません。順番を決めて一つずつ片づけていけば、自信を持って確定申告に進めます。

とはいえ、減価償却や棚卸しの計算まで自分でやりきるのは大変だと感じる方も多いはずです。領収書丸投げドットコムなら、送っていただいた領収書をもとに日々の記帳から年末の決算整理、確定申告書類の作成まで一括でお引き受けします。何枚でも定額・税理士監修で、年末の経理を安心して締めくくれます。整理の手間に悩む前に、年末の経理を安心して締めくくる方法を相談してみるのがおすすめです。相談は無料です。費用感を先に知りたい方は料金プランもご確認いただけます。

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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