結婚・離婚があった年の確定申告|配偶者控除と扶養の変更点を解説
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確定申告

結婚・離婚があった年の確定申告は、年末時点の家族構成で使える控除が変わります。配偶者控除や扶養、ひとり親の控除の変更点を整理し、受けられたはずの控除を取りこぼさない準備の要点を押さえます。
結婚や離婚は、人生のなかでも特に大きなライフイベントです。新しい生活への期待や、環境の変化への戸惑いでいっぱいのなか、税金のことまで気が回らないという方も多いのではないでしょうか。けれども、結婚・離婚があった年は、家族構成が変わることで使える控除も変わり、確定申告の内容に影響することがあります。知らずに申告すると、受けられたはずの控除を取りこぼしてしまうこともあるのです。記帳代行の現場でも、結婚・離婚のあった年に「控除がどう変わるのか」というご相談をいただくことがあります。
☑ 結婚した年の確定申告で、配偶者控除が使えるのか知りたい
☑ 離婚をして、扶養や控除がどう変わるのか分からず不安だ
☑ 配偶者の収入によって控除が変わると聞いて、自分の場合が気になる
家族構成が変わると確定申告に影響する理由
そもそも、なぜ結婚や離婚が税金に関係してくるのでしょうか。その理由は「控除」の仕組みにあります。
控除は「家族の状況」に応じて受けられる
所得税は、すべての所得にそのまま課税されるのではなく、さまざまな「所得控除」を差し引いた後の金額に対して計算されます。控除のなかには、配偶者の有無や収入、扶養している家族の状況に応じて受けられるものがあり、家族構成が変われば適用できる控除も変わるのです。
「その年の状況」で判断される
配偶者控除などは、原則としてその年の12月31日時点の状況を基準に判断されます。年の途中で結婚や離婚があった場合でも、年末時点の状況によって適用の可否が決まることが基本です。この「いつの時点で見るか」を知っておくと、判断に迷いにくくなります。
結婚した年の確定申告で押さえるポイント
結婚すると、配偶者に関する控除を受けられる可能性が出てきます。まずは代表的なものを確認しましょう。
配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者の年間の合計所得が一定額以下であれば「配偶者控除」を、それを少し超える範囲であれば「配偶者特別控除」を受けられる場合があります。要件は国税庁タックスアンサーNo.1191「配偶者控除」・No.1195「配偶者特別控除」で確認できます。いずれも、控除を受ける本人の所得にも上限があるなど、いくつかの要件が定められています。具体的な金額の基準は変わることがあるため、最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。結婚後、夫婦それぞれが事業を営む場合は、夫婦ともに個人事業主の確定申告で世帯としての申告の考え方も確認しておくと安心です。
配偶者の働き方によって変わる
配偶者がほとんど収入のない場合:配偶者控除の対象になりやすい
配偶者が一定の収入を得ている場合:収入額に応じて配偶者特別控除の対象になることがある
配偶者が十分な収入を得ている場合:これらの控除の対象外になることもある
「結婚したから必ず控除が受けられる」とは限らず、配偶者の収入によって扱いが変わる点に注意しましょう。
離婚した年の確定申告で気をつけたいこと
離婚があった年は、控除や扶養の前提が変わるため、整理が必要です。状況によって扱いが分かれるため、丁寧に確認しましょう。
配偶者控除の前提がなくなる
年末時点で配偶者がいない状態であれば、その年の配偶者控除・配偶者特別控除は受けられないのが基本です。年の途中までは配偶者がいたとしても、年末の状況で判断される点を押さえておきましょう。
子どもの扶養をどちらが見るか
子どもを扶養に入れている場合、扶養控除を受けられるのは原則として一方の親のみ
どちらが扶養に入れるかは、養育の実態などをふまえて決める必要がある
重複して扶養控除を申告するとトラブルのもとになるため注意
離婚後の子どもの扶養については、相手方との取り決めや実態の確認が欠かせません。家族の中で誰がどの申告をするかという整理は、家族で一つの事業を営むときの確定申告の考え方も参考になります。判断に迷う場合は専門家に相談すると安心です。
ひとり親に関する控除も確認を
離婚などによって一人で子どもを育てることになった場合、状況に応じた控除が設けられています。該当する可能性があるなら、見逃さないようにしましょう。
該当するかは要件で判断
ひとり親に関する控除は、扶養する子どもの有無や本人の所得など、いくつかの要件によって適用が判断されます。要件の細かな内容は改正されることもあるため、最新情報を国税庁サイト等で確認してください。
申告しないと適用されない
こうした控除は、自動的に適用されるわけではなく、確定申告などで自分から申告して初めて反映されます。「知らなかった」「申告し忘れた」とならないよう、自分が対象になるかを早めに確認しておくことが大切です。変化の多い年の申告をまるごと任せたい方は、確定申告の代行という方法もあります。
変更があった年に準備しておきたいこと
結婚・離婚があった年は、いつもと違う情報の整理が必要になります。慌てないための準備を見ておきましょう。
配偶者・家族の収入情報をそろえる
配偶者控除などの判定には、配偶者の年間の所得が分かる情報が必要です。配偶者の源泉徴収票や収入の記録を確認できるようにしておきましょう。
名義・住所変更にともなう書類を整理する
結婚・離婚で氏名や住所が変わった場合の各種証明書類
事業に関わる契約や口座の名義変更に関する記録
控除証明書など、申告に必要な書類一式
個人事業主の場合、屋号や口座の名義変更が事業の記録にも関わってきます。引っ越しをともなう場合の住所や届出の扱いは、地方移住・二拠点生活を始めた個人事業主の確定申告も参考になります。プライベートの変更と事業の手続きを混同しないよう、整理しながら進めましょう。
変更のタイミングを記録しておく
いつ結婚・離婚があったか、いつから扶養の状況が変わったかといった「日付」は、後から確認を求められることがあります。あいまいな記憶に頼らず、変更があった時期をメモやカレンダーに残しておくと、申告時に状況を説明しやすくなります。
控除の取りこぼしを防ぐための心構え
ライフイベントの年は、思わぬところで控除を見落としがちです。最後に、取りこぼしを防ぐための考え方を整理しておきましょう。
「自分から申告する」が基本
多くの控除は、要件を満たしていても、自分で申告しなければ自動的には反映されません。とくに個人事業主は年末調整がなく、すべてを確定申告で完結させるため、「申告し忘れ=控除の取りこぼし」に直結します。自分がどの控除の対象になり得るかを、毎年見直す習慣を持つことが大切です。
迷ったら確認する姿勢を持つ
家族構成が変わった年は、前年と同じ感覚で申告しない
配偶者や扶養に関する控除は、要件や基準が改正されることがある
判断に迷う点は、国税庁サイトや専門家への相談で早めに解消する
「たぶん大丈夫」で済ませず、変化があった年こそ一度立ち止まって確認する——その姿勢が、結果として無駄な納税や申告ミスを防ぐことにつながります。
よくある質問
Q. 年の途中で結婚した場合、配偶者控除は受けられますか?
配偶者控除は原則として年末時点の状況で判断されるため、その年の12月31日時点で配偶者がいて要件を満たしていれば、対象になる可能性があります。配偶者の所得など、ほかの要件もあわせて確認しましょう。
Q. 離婚後、養育費を払っている子どもを扶養にできますか?
養育費の負担状況など一定の事情によっては、扶養として扱える場合があります。ただし扶養控除を受けられるのは原則一方の親に限られるため、相手方との重複に注意し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
Q. 配偶者控除が使えるかどうか、収入の基準が毎年気になります。
配偶者控除や配偶者特別控除の金額・所得基準は改正されることがあります。本記事では具体的な数値の詳細には踏み込みませんので、その年の正確な基準は国税庁サイト等で最新情報をご確認ください。
まとめ|ライフイベントの年こそ控除の見直しを
結婚や離婚があった年は、家族構成の変化にともなって、使える控除や扶養の扱いが変わります。配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除、ひとり親に関する控除など、その年の状況に応じて適用できる控除は一つではありません。年末時点の状況で判断されるものが多いことを意識し、自分がどの控除に当てはまるのかを落ち着いて確認することが大切です。
大きなライフイベントの直後は、何かと慌ただしく、税金のことまで手が回りにくいものです。それでも、控除を取りこぼさないためには、配偶者や家族の収入情報、名義変更の書類などを早めに整理しておくことが効果的です。分からない点は無理に一人で抱え込まず、専門家や公的な相談窓口を頼りましょう。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








