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慶弔費(ご祝儀・香典)は経費になる?記録...

2026/9/8

慶弔費(ご祝儀・香典)は経費になる?記録の残し方を解説

  • 税務

ご祝儀や香典などの慶弔費も、事業に関係する相手へのものであれば経費にできます。領収書がもらえない支出をどう記録に残すかが、経費にできるかどうかの分かれ目です。経費になる条件と、出金伝票を使った記録の残し方を整理しました。

「領収書がもらえない支出は経費にできない」と思っていませんか。実は、ご祝儀や香典といった慶弔費(けいちょうひ)も、事業に関係するものであれば経費にできます。とはいえ、結婚式の受付で領収書をくださいとは言えませんし、葬儀の場ならなおさらです。だからこそ、どう記録を残すかが大きなポイントになります。

☑ 取引先の結婚式に包んだご祝儀が、経費になるのか分からない

☑ 香典やお祝い金は領収書がもらえず、どう記録すればいいか困っている

☑ 仕事関係とプライベートの慶弔費が、頭の中でごちゃ混ぜになっている

慶弔費とはどんな費用か

まずは慶弔費という言葉の意味を整理しましょう。

お祝いとお悔やみにかかる費用

慶弔費とは、結婚や出産といったお祝い事(慶事)、葬儀や法事といったお悔やみ事(弔事)に際して支出するお金の総称です。ご祝儀、お祝い金、香典、供花、弔電などが含まれます。冠婚葬祭にまつわる金品、と考えるとわかりやすいでしょう。

帳簿上は交際費などで処理することが多い

個人事業主の帳簿では、慶弔費を独立した科目にすることもありますが、交際費として処理することも一般的です。どちらでも構いませんが、自分の中でルールを決めて一貫させておくと、後から見返したときに整理しやすくなります。慶弔費が年間で数件しかないようなら、無理に専用科目を作らず交際費にまとめてしまうほうが帳簿はすっきりします。科目の選び方に迷いがちな方は、帳簿の付け方の基本を押さえておくと処理がぶれません。こうした科目づけや慶弔費の処理をまるごと任せたい場合は、記帳代行というやり方もあります。

慶弔費が経費になる条件

すべての慶弔費が経費になるわけではありません。境目を押さえておきましょう。経費とは収入を得るために必要だった費用を指し、その考え方は国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」(国税庁)でも整理されています。

事業に関係する相手かどうか

経費にできるのは、取引先や仕事上の関係者に対する慶弔費です。たとえば取引先の社長の葬儀に包んだ香典や、仕事でお世話になっている方の結婚式に渡したご祝儀は、事業のための支出といえます。一方、親族や個人的な友人へのものは、たとえ金額が同じでもプライベートな支出となり、経費にはなりません。

金額が常識的な範囲か

慶弔費には世間一般の相場があります。相場から大きくかけ離れた高額なご祝儀や香典は、事業のための支出として認められにくくなることがあります。一般的な範囲の金額にとどめておくのが無難です。

ご祝儀・お祝い金の扱い

慶事のケースを具体的に見ていきましょう。

取引先の結婚式・開店祝い

取引先や仕事仲間の結婚式に包むご祝儀、新しい店舗のオープンに贈るお祝い金や花は、事業に関係するものであれば経費にできます。お祝いの花を花屋に注文した場合は領収書がもらえるので、それも保管しておきましょう。

取引先への出産祝いなど

仕事で付き合いのある相手への出産祝いやお祝いの品も、同じ考え方で経費にできます。品物を購入した場合は、その領収書を残しておくと記録が確実になります。品物をクレジットカードで購入したときの明細と領収書の関係は、クレジットカード明細で経費にできるかの解説が参考になります。現金で渡したお祝い金については領収書が出ないため、後ほど紹介する出金伝票などで記録を残します。

取引先の周年・受賞のお祝い

取引先の開業○周年や、表彰・受賞のお祝いとして贈る金品も、事業上のお付き合いであれば経費にできます。お祝いの花や記念品を手配した場合は、その明細や領収書を保管しておきましょう。何のお祝いだったのかを一言メモしておくと、後で見返したときに用途がはっきりします。

香典・弔事費用の扱い

弔事は、特に領収書が手に入りにくい場面です。

取引先関係者の香典・供花

取引先やその関係者の葬儀に包む香典、贈る供花や弔電は、事業に関係するものであれば経費にできます。供花や弔電は手配先から明細や領収書が出ることが多いので、これらは保管しておきます。

香典は領収書がないのが普通

香典袋を渡すときに領収書をもらうことは、現実的にほぼありません。だからといって経費にできないわけではなく、後述する自分なりの記録を残すことで対応します。葬儀の場で慌てないよう、帰宅後すぐにメモを残す習慣をつけておくと安心です。

法事や弔電の費用

取引先関係者の法事への香典や、参列できないときに送る弔電の費用も、事業に関係するものであれば経費にできます。弔電は通信会社などから利用明細が出るため、それを保管しておきましょう。香典のように記録が残らないものは、用途と相手をメモしておくことが欠かせません。

領収書がないときの記録の残し方

慶弔費でいちばん大切なのが、ここです。帳簿と関係書類の保存は白色申告の方でも義務づけられており、その範囲は国税庁タックスアンサーNo.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」(国税庁)で確認できます。

出金伝票やメモで代用する

領収書がもらえない支出は、出金伝票や手書きのメモで記録を残します。記載しておきたいのは次のような項目です。

  • 支出した年月日

  • 金額

  • 相手の名前(○○商事 田中様 など)

  • 用途(結婚祝い、香典 など)と事業との関係

「いつ・誰に・いくら・何のために」が分かるようにしておくのが基本です。金額や日付の書き間違いは後の集計でつまずくもとになるため、帳簿づけでよくある間違いを知っておくと記録の精度が上がります。

客観的な資料を添えると安心

記録の信頼性を高めるために、案内状や招待状、会葬礼状、訃報の通知などをあわせて保管しておくと、その支出が実際にあったことの裏付けになります。これらは捨てずにとっておきましょう。結婚式の招待状や葬儀の会葬礼状には日付や相手の名前が記載されているため、出金伝票とセットで保管しておくと記録の信頼性がぐっと高まります。

支出した日にすぐ記録する

慶弔の場では、その場でメモを取るのは難しいものです。だからこそ、帰宅したその日のうちに、いくら包んだか、誰の慶弔だったかを書き留めておくことをおすすめします。時間がたつと金額や相手の記憶があいまいになり、正確な記録が残せなくなってしまいます。スマートフォンのメモ機能を使うのも手軽でよい方法です。記帳代行の現場でも、領収書のない支出は「後でまとめて」と先送りされ、金額が思い出せなくなっているご相談が目立ちます。

よくある質問

Q. 香典は領収書がないのに、本当に経費にできるのですか?

はい、領収書がなくても、出金伝票や招待状・会葬礼状などで「いつ・誰に・いくら・何のために」支出したかを記録しておけば、事業に関係する香典は経費にできます。領収書がもらえない性質の支出だからこそ、自分で記録を残すことが認められています。

Q. 友人の結婚式のご祝儀も、仕事の付き合いがあれば経費にできますか?

プライベートの友人としての側面が強い場合は、経費にするのは難しいと考えてください。あくまで取引先や仕事上の関係者として参加したと説明できる場合に限られます。私的な付き合いと事業上の付き合いは分けて考えましょう。

Q. 慶弔費はいくらまでなら経費にできますか?

明確な上限額が決まっているわけではありませんが、世間一般の相場が目安になります。相場から大きく外れた高額な金額は事業の支出と認められにくくなるため、常識的な範囲にとどめておくのが安心です。

慶弔費は「相手」と「記録」で決まる

ご祝儀や香典といった慶弔費は、領収書がもらえない場面が多いものの、事業に関係する相手へのものであれば経費にできます。ポイントは、取引先や仕事関係者への支出に限ること、金額を常識的な範囲にとどめること、そして領収書の代わりになる記録を残すことの3点です。特に弔事は領収書が手に入らないため、出金伝票や会葬礼状などで支出の事実を残しておくことが何より重要になります。なお、細かな取り扱いは状況により異なるため、判断に迷う場合は国税庁のサイト等で最新情報をご確認ください。

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あわせて読みたい:個人事業主の経費完全ガイド|このテーマの全体像を1本にまとめて解説しています。

【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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