簡易課税制度選択届出書の期限|出し忘れ・やめたいときの手続きを解説
#
税金

簡易課税を使うには、適用したい課税期間が始まる前までに「簡易課税制度選択届出書」を出す必要があります。出し忘れると本則課税になり、やめるにも別の届出と2年縛りがあります。届出の期限と、出し忘れ・やめたいときの対処を、損得の視点から整理します。
簡易課税は納税額を抑えられる有利な制度ですが、事前の届出が絶対条件です。「使えると思っていたのに届出を出していなかった」「一度出したらやめられず損をした」といった行き違いは少なくありません。届出のタイミングを正しく理解して、有利な選択を逃さないようにしましょう。
☑ 簡易課税を使いたいが、いつまでに何を出せばよいか分からない
☑ 届出を出し忘れて本則課税になっていないか不安だ
☑ 簡易課税をやめたいが手続きが分からない
届出の提出期限、出し忘れたときの影響、やめたいときの手続きと2年縛りまでを、順に確認していきましょう。
簡易課税を使うには事前の届出が必須
簡易課税は、適用を受けたい課税期間の開始日の前日までに「簡易課税制度選択届出書」を税務署へ提出することで使えます。個人事業主の場合、原則としてその年の前年12月31日までが期限です。この届出を出していなければ、自動的に本則課税で計算することになります。
適用できるのは課税売上5,000万円以下
届出を出していても、基準期間(原則2年前)の課税売上が5,000万円を超える年は簡易課税を使えず、その年は本則課税になります。売上が伸びている事業は、毎年この基準を確認しましょう。制度の要件は国税庁タックスアンサーNo.6505「簡易課税制度」で確認できます。
届出は「一度出せば継続」する
簡易課税制度選択届出書は、いったん提出すると取りやめの届出を出すまで効力が続きます。毎年出し直す必要はありませんが、その分「気づかないうちに簡易課税のまま」ということも起こり得ます。方式の全体像は消費税の本則課税と簡易課税の選び方をご覧ください。
届出を出し忘れるとどうなる?
届出を出し忘れると、その課税期間は本則課税で計算することになります。経費が少ない業種では、本来なら簡易課税で抑えられたはずの納税額を多く払うことになり、損をする可能性があります。
出し忘れによる損の例
サービス業(第5種)で預かった消費税が60万円、実際の課税仕入の消費税が15万円だったとします。簡易課税なら「60万円 − 30万円 = 30万円」ですが、届出を出し忘れて本則課税だと「60万円 − 15万円 = 45万円」となり、15万円多く納めることになります。届出1枚の有無で納税額が変わるのです。こうした判断のもとになる売上や経費の数字を自分で追いきれないときは、記帳代行に集計ごと任せる方法もあります。
原則として遡っての適用はできない
簡易課税は期限までに届出を出していることが条件のため、後から「やっぱり簡易課税にしたい」と遡って適用することは原則できません。ただし、災害など一定のやむを得ない事情がある場合は特例的な取扱いが認められることもあります。
簡易課税をやめたいときの手続き
簡易課税をやめて本則課税に戻すには、別の届出と「2年縛り」への注意が必要です。手続きの流れを押さえておきましょう。
不適用届出書を期限までに提出する
簡易課税をやめるには、「簡易課税制度選択不適用届出書」を、やめたい課税期間が始まる前日までに提出します。個人事業主なら前年の12月31日までが目安です。この届出を出さない限り、簡易課税が続きます。
2年間は変更できない縛りがある
簡易課税を選ぶと、原則として2年間は本則課税に戻せません。設備投資などで本則課税が有利になる年が来ても、縛りの期間中は切り替えられないため、届出を出す前に数年先まで見通すことが大切です。投資の年に簡易課税で損をしないかは簡易課税を選ぶと損する年の判断、区分ごとの考え方は簡易課税の事業区分とみなし仕入率で確認できます。
期限管理を仕組みにする
選択・不適用のいずれも「課税期間の開始前」という期限がポイントです。年末は確定申告の準備で忙しく、届出を後回しにしがちなので、11月ごろに翌年の方式を見直す習慣をつけると出し忘れを防げます。方式ごとの損得を実際の数字で見比べておくと、判断に迷いません。
よくある質問
Q. 開業した年から簡易課税を使えますか?
開業年など課税期間の途中から課税事業者になった場合は、その課税期間中に届出を出せば、その期間から簡易課税を適用できる特例があります。開業初年度に簡易課税を使いたい場合は、年内の届出提出を忘れないようにしましょう。
Q. 届出を出したか分からなくなりました。確認できますか?
提出済みかどうかは、控えの保管状況や、管轄の税務署への問い合わせで確認できます。過去の消費税申告書で簡易課税の付表を使っていれば、簡易課税が適用されている手がかりになります。不明なときは早めに確認しましょう。
Q. 2割特例を使っていても簡易課税の届出は必要ですか?
2割特例は届出なしで使えますが、適用期限が来ると使えなくなります。制度の内容は国税庁のインボイス制度特設サイトで確認できます。期限後に簡易課税へ移りたい場合は、事前に選択届出が必要です。2割特例の適用期間中に、期限後を見据えて簡易課税の届出を検討しておくとスムーズです。
届出の期限管理でつまずかないために
簡易課税を使うには、適用したい課税期間が始まる前までに選択届出書を出すことが必須で、出し忘れると本則課税になり損をすることがあります。やめるにも不適用届出と2年縛りがあるため、届出は数年先を見通して計画的に行いましょう。年末より前に翌年の方式を見直す習慣が、出し忘れを防ぎます。
とはいえ、届出の期限管理と方式の有利・不利の判断を、本業をこなしながら毎年続けるのは骨の折れる作業です。判断のもとになる売上や経費の数字が整理できていないと、有利な選択を逃しかねません。
領収書丸投げドットコムは、領収書や請求書を送るだけで、日々の記帳から消費税の集計までを代行し、方式判断のもとになる数字の把握をお手伝いします。契約の縛りなし・税理士監修で、届出のタイミングも見据えて記帳をお預かりします。届出の管理まで見据えて記帳を任せられるか無料で相談することから始めてみてください。相談は無料です。費用の目安は枚数無制限の料金プランを見ると確認できます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








