ハウスクリーニング・清掃業の確定申告|消耗品費と移動費の経費を解説
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確定申告

ハウスクリーニング・清掃業の確定申告では、洗剤や掃除道具などの消耗品費と、現場をまわる移動費が経費の柱になります。家事按分の考え方と勘定科目の分け方を、具体例を交えて整理します。
毎日いくつもの現場を動きまわる清掃の仕事では、細かな買い物や車の費用が次々に発生します。どれを経費にできるのか、どの科目で整理すればよいのか、判断に迷ううちにレシートだけがたまっていきがちです。まずは経費の全体像から順に押さえていきましょう。
☑ ハウスクリーニングの仕事で使う洗剤や掃除道具は、どこまで経費にできるのかわからない
☑ 現場をまわるための車のガソリン代や駐車場代の付け方がいまいち自信がない
☑ 領収書はたまっているけれど、どの勘定科目で整理すればよいのか迷っている
ハウスクリーニングや清掃の仕事は、毎日いろいろな現場を動きまわり、こまかな消耗品をたくさん使う業種です。だからこそ「これは経費になるのかな」「車の費用ってどう分けるんだろう」といった疑問が次々に出てきて、確定申告のたびに頭を悩ませている方は少なくありません。
以下では、消耗品費と移動費を中心に、清掃業でよく使う経費と勘定科目の分け方、そして家事按分と青色申告のポイントまでを順に見ていきます。
ハウスクリーニング・清掃業の経費の考え方
経費にできるのは「仕事のために使ったお金」
確定申告で経費(必要経費)にできるのは、原則としてその仕事の売上を得るために直接かかった支出です。ハウスクリーニングや清掃業であれば、現場で使う洗剤・掃除道具、現場までの移動にかかった費用、お客さまとのやり取りに使う通信費などが代表的な経費にあたります。必要経費の基本的な考え方は、国税庁タックスアンサーNo.2210「必要経費の知識」でも整理されています。
逆に、家族の生活のための買い物や、プライベートで使った費用は経費にはできません。ポイントは「この支出は仕事につながっているか」を一つひとつ確認していくことです。仕事と生活が混ざりやすい個人事業主だからこそ、線引きを意識しておくことが大切になります。
仕事とプライベートで共用するものは「按分」する
清掃業では、自宅を事務所代わりにしていたり、自家用車を仕事にも使っていたりと、仕事とプライベートの両方で使うものが多くあります。こうした費用は、全額ではなく仕事で使った割合だけを経費にします。これを「家事按分(かじあんぶん)」と呼びます。
たとえば1台の車を仕事7割・私用3割で使っているなら、ガソリン代や駐車場代の7割を経費に計上する、といった考え方です。按分の割合は、走行記録や使用状況など、後から説明できる根拠をもとに決めておくと安心です。
領収書・レシートは仕事ごとに整理して保管
経費を正しく計上するには、支払いの証拠となる領収書やレシートの保管が欠かせません。清掃業はホームセンターやドラッグストアでの細かい買い物が多いため、レシートがあっという間にたまりがちです。月ごと・現場ごとに封筒や袋を分けるなど、自分なりのルールを決めておくと、申告時期にあわてずに済みます。細かな経費の仕訳が毎月積み上がる業種では、記帳そのものを外注する手もあります。記帳を丸ごと任せる記帳代行という選択を知っておくと、現場に集中しやすくなります。
消耗品費にできるもの|洗剤・掃除道具を整理する
洗剤・薬剤などの消耗品
ハウスクリーニングで使う洗剤や薬剤は、使えばなくなる「消耗品」です。これらは原則として消耗品費として経費に計上できます。具体的には次のようなものが該当します。
住宅用・業務用の各種洗剤、漂白剤、カビ取り剤、油汚れ用クリーナー
ワックスやコーティング剤などの仕上げ用薬剤
使い捨ての手袋、マスク、雑巾、スポンジ、ペーパー類
ゴミ袋、養生テープ、ビニールシートなどの現場用品
これらは消費するたびに買い足していくものなので、まとめ買いをしても基本的には購入した分を消耗品費として処理できます。レシートには何を買ったかが残るよう、品目がわかる形で保管しておきましょう。業種によって主な経費の科目は変わり、製造や物販の要素がある事業では原価管理も必要になります。たとえば自家焙煎・菓子製造小売の確定申告のような整理のしかたは、科目分けの参考になります。
掃除道具・小型の機材
モップ、ブラシ、バケツ、ほうき、ちりとりといった掃除道具も、清掃業には欠かせない経費です。価格が手ごろなものは消耗品費として処理できます。判断の目安として、1点あたりの金額が10万円未満のものは、購入した年に消耗品費として全額を経費にできるのが原則です。
掃除機やスチームクリーナー、ポリッシャーなどの機材も、1点10万円未満であれば消耗品費として扱える場合が多くあります。日々の作業に必要な道具は、ほとんどがこの範囲に収まると考えてよいでしょう。少額の道具や材料を数多く扱う点は、ハンドメイド作家の記帳で扱う材料費の帳簿づけとも共通する考え方です。
金額が大きい機材は「減価償却」になることも
一方で、業務用の高性能な洗浄機やスチーマーなど、1点あたりの金額が大きい機材は、買った年に全額を経費にするのではなく、何年かに分けて少しずつ経費にしていく「減価償却」の対象になることがあります。目安として10万円以上の機材を買ったときは、消耗品費として一括で落とせるか、減価償却が必要かを確認するようにしましょう。
なお、青色申告をしている個人事業主には、一定金額未満の備品を購入した年にまとめて経費にできる特例も用意されています。高めの機材を買ったときは、こうした制度が使えるかどうかも含めて検討すると、税金面で有利になる場合があります。
移動費・車にかかる費用の付け方
電車・バスで現場へ向かう場合の交通費
清掃の現場へ電車やバスで向かう場合、その運賃は旅費交通費として経費にできます。ICカードの利用履歴を印刷したり、移動した日付・区間・金額をメモに残したりして、後から説明できるようにしておきましょう。コインパーキングや有料道路を使ったときの領収書も、同じく旅費交通費として整理します。
自家用車を仕事に使う場合の費用
清掃業では、道具を積んで車で現場をまわる方が多いはずです。自家用車を仕事に使っている場合、車にかかる次のような費用を、仕事で使った割合に応じて経費にできます。
ガソリン代・軽油代
駐車場代・コインパーキング代・有料道路料金
自動車保険料、自動車税、車検費用、オイル交換などの整備費
これらは仕事専用の車であれば全額、仕事とプライベート兼用であれば家事按分をして仕事分だけを計上します。勘定科目は、ガソリン代や駐車場代を旅費交通費、保険料を損害保険料、整備費を車両費や修繕費とするなど、自分の中でルールを決めて毎年同じように処理すると整理しやすくなります。
按分の割合は根拠を残しておく
車を兼用している場合、「仕事で何割使っているか」を決める必要があります。明確な計算式が決まっているわけではありませんが、たとえば1か月の総走行距離のうち仕事でまわった距離の割合を出すなど、後から説明できる根拠をもとに割合を決めておくことが大切です。手帳やスマホのメモに、現場へ行った日と走行のおおよその距離を残しておくと、按分の説明がしやすくなります。
清掃業でよく使うその他の経費
制服・作業着や安全用品
作業用のユニフォーム、エプロン、作業靴、ヘルメット、安全靴などは、仕事のために使うものであれば経費にできます。金額が小さいものは消耗品費、まとめてそろえた制服類は消耗品費や福利厚生費などで処理します。普段着としても着られそうな私服は経費にしにくいため、仕事専用とわかるものを選ぶのがポイントです。
通信費・広告宣伝費
お客さまや取引先との連絡に使うスマートフォンの通信料は、仕事で使った割合を通信費として計上できます。また、チラシの作成費用、ホームページの運営費、ポータルサイトへの掲載料などは、集客のための費用として広告宣伝費に整理します。これらも仕事に直結する大切な経費です。
外注費・地代家賃
繁忙期に他の事業者へ作業の一部をお願いした場合の支払いは外注費になります。また、道具や資材を保管する倉庫やトランクルームを借りているなら、その賃料は地代家賃として経費にできます。自宅の一部を仕事の保管・作業スペースに使っている場合は、家賃や光熱費の一部を家事按分して計上できることもあります。
申告をスムーズにするための準備
記帳は「現場ごと・月ごと」にためずに
清掃業は1件あたりの単価が比較的小さく、件数が多くなりがちな業種です。売上も経費も件数が多いため、まとめて処理しようとすると後で大変になります。できれば月に一度は、その月の売上と経費を帳簿に記録する習慣をつけておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。銀行口座とクラウド会計をつないで記帳を自動化する手順を取り入れると、件数が多い清掃業でも入力の手間を大きく減らせます。
青色申告のメリットを活かす
事前に届け出をして青色申告を選ぶと、最大で65万円の青色申告特別控除が受けられるなど、税金面でのメリットがあります。日々の取引を正しく記帳し、決められた帳簿を備えておくことが条件ですが、件数が多い清掃業ほど、きちんと帳簿をつけておく価値は大きいといえます。控除の要件は国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認できます(2026年7月時点)。
確定申告の期間を意識して逆算する
確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。この時期は年間で最も忙しくなる方も多いので、年明けからレシートの整理や記帳を少しずつ進め、期限から逆算して準備を進めておくと安心です。
よくある質問
Q. 洗剤や掃除道具をまとめ買いした場合、全部その年の経費にできますか?
洗剤や使い捨ての道具など、使えばなくなる消耗品は、まとめ買いをしても基本的には購入した年の消耗品費として処理できます。ただし、決算日の時点で大量に使い切れずに残っている場合は、在庫として扱う考え方もあります。通常の業務でその年のうちに使う範囲のまとめ買いであれば、過度に気にする必要はないでしょう。
Q. 仕事とプライベートで使っている車の費用は、どのくらい経費にできますか?
明確に「何割まで」と決まっているわけではなく、実際に仕事で使っている割合に応じて経費にします。走行距離や使用日数などをもとに、後から説明できる割合を決めておくことが大切です。仕事専用の車であれば、原則として車にかかる費用を全額経費にできます。
Q. 自宅を作業や道具の保管に使っています。家賃も経費になりますか?
自宅の一部を仕事の作業スペースや道具の保管場所として使っている場合、その使っている面積や時間の割合に応じて、家賃や光熱費の一部を家事按分して経費にできることがあります。生活スペースと仕事スペースの線引きを意識し、割合の根拠を残しておきましょう。
まとめ|消耗品費と移動費を正しく整理して申告しよう
ハウスクリーニング・清掃業の確定申告では、洗剤や掃除道具などの消耗品費と、現場をまわるための移動費が経費の中心になります。仕事とプライベートが混ざりやすい費用は家事按分で仕事分だけを計上し、領収書やレシートは現場ごと・月ごとに整理しておくことが、正しく漏れなく申告するための基本です。
とはいえ、毎日いくつもの現場を動きまわりながら、たまったレシートの整理や日々の記帳、確定申告書類の作成までをすべて自分で行うのは、大きな負担になりがちです。本業に集中したいのに、夜や休みの日が帳簿づけでつぶれてしまう、という声も現場ではよく耳にします。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








