銀行口座とクラウド会計の連携で記帳を自動化する手順を解説
#
税務

銀行口座とクラウド会計を連携すると、入出金データが自動で取り込まれ、手入力の大部分から解放されます。連携で記帳が自動化される仕組みと、設定の具体的な手順、安全に使うための注意点、現金取引の扱いまでを整理します。
毎月の記帳のために通帳記入をして、入出金を一件ずつ会計ソフトに打ち込む。この手作業に、多くの個人事業主やフリーランスが時間と気力を奪われています。取引が増えるほど負担は重くなり、つい後回しにして月末や年末にまとめて泣く、という方も多いのではないでしょうか。
☑ 通帳を見ながら一件ずつ手入力する記帳作業に、毎月うんざりしている
☑ クラウド会計の「口座連携」という言葉は聞くけれど、何ができるのかよくわからない
☑ 銀行口座をつなぐのはセキュリティ的に大丈夫なのか不安がある
銀行口座とクラウド会計ソフトを連携させて記帳を自動化する仕組みと具体的な手順を見ていきます。一度設定してしまえば、入出金データが自動で取り込まれ、手入力の大部分から解放される世界が見えてきます。
口座連携で記帳が自動化される仕組み
銀行のデータを会計ソフトが自動で読み込む
クラウド会計ソフトには、インターネットバンキングの入出金データを自動で取得する口座連携(自動取得)という機能があります。一度連携を設定しておけば、口座にあった入金や出金の記録が定期的に会計ソフトへ取り込まれ、通帳を見ながら数字を打ち込む手間がほぼなくなります。記帳の起点が「手入力」から「自動取得」に変わる、と考えるとイメージしやすいでしょう。
取り込んだデータに勘定科目を割り当てる
取り込まれた取引には、ソフトが内容を推測して勘定科目の候補を提案してくれます。利用者は提案を確認し、正しければ承認、違っていれば修正するだけです。一度「この取引先はこの科目」と覚えさせると、次回からは自動で同じ科目が提案されるため、使うほど作業が速くなっていきます。
連携できるのは銀行口座だけではない
銀行口座(普通預金・当座預金など)
クレジットカード
電子マネー・QRコード決済
これらをまとめて連携できるため、現金以外の取引はほとんど自動で帳簿に流れ込む状態をつくれます。手入力が必要なのは現金払いの分だけ、という形に近づけられます。
連携を始める前に準備しておくこと
事業用の口座を用意する
連携の効果を最大限に引き出すには、事業専用の銀行口座を持っておくことが大切です。プライベートと同じ口座だと、生活費の引き落としまで取り込まれ、経費かどうかの仕分けに余計な手間がかかります。事業用とプライベート用の口座を分けることが、自動化を成功させる最初の一歩です。
事業用とプライベートの口座を分ける考え方は、事業と家計のお金が混ざる事業の記帳整理術でも詳しく整理しています。混ざりやすい支出の分け方を先に押さえておくと、連携後の仕分けがラクになります。
インターネットバンキングを利用できる状態にする
口座連携は、インターネットバンキングのデータを通じて行われます。そのため、利用している銀行でネットバンキングの契約・初期設定を済ませ、ログインできる状態にしておく必要があります。まだ申し込んでいない場合は、先に手続きを済ませておきましょう。
クラウド会計ソフトのアカウントを準備する
クラウド会計ソフトのアカウントを用意し、ログインできるようにしておきます。多くのソフトには無料のお試し期間が用意されているので、まず連携の使い勝手を確かめてから本格利用を判断するのもよい方法です。
口座連携の設定手順
手順1: 連携したい金融機関を選ぶ
クラウド会計ソフトの「口座連携」や「データ取得」といったメニューを開き、連携したい銀行やカード会社を検索して選びます。多くの主要な金融機関に対応していますが、念のため自分の利用先が一覧にあるかを確認しましょう。
手順2: ネットバンキングの認証情報を登録する
選んだ金融機関のログイン情報などを入力し、連携の認証を行います。ここで一度連携を許可すると、以降はソフト側が定期的にデータを取りに行ってくれます。認証方式は金融機関によって異なるため、画面の案内に沿って進めてください。
手順3: 取得したデータを確認して登録する
連携が完了すると、過去一定期間の入出金データが取り込まれます。あとは提案された勘定科目を確認しながら、一件ずつ承認していくだけです。最初に取引先ごとの科目を整えておくと、次回以降の自動仕分けの精度が上がります。最初の登録さえ乗り越えれば、毎月の作業はぐっと軽くなります。最初の設定や科目の判断でつまずくときは、設定も仕訳もまとめて任せる記帳代行という選択肢もあります。
自動化の効果を高める使い方
自動仕訳ルールを育てる
クラウド会計には、「この取引先からの入金は売上」「この引き落としは通信費」といったルールを登録し、自動で仕訳する機能があります。よく登場する取引のルールを少しずつ整えていくと、確認して承認するだけの状態に近づき、記帳時間がさらに短くなります。ルールは一度に完璧にしようとせず、使いながら育てる感覚で十分です。
記帳だけでなく請求書もデータでやり取り・保存したいなら、請求書の電子化とPDF送付・保存のルールが参考になります。入り口から出口までデジタルにそろえると、事務全体がスムーズになります。
こまめに取り込んで「ためない」
自動取得とはいえ、勘定科目の確認は利用者が行う必要があります。週に一度など、こまめに取り込みと確認をする習慣をつけておくと、内容を覚えているうちに処理でき、月末にまとめて格闘することがなくなります。少しずつ片づける方が、結果的にラクです。
現金取引の扱いを決めておく
口座連携で自動化できるのはキャッシュレスの取引です。現金払いの経費は別途記帳が必要なので、レシートを保管する場所や入力のタイミングをあらかじめ決めておくと、記帳漏れを防げます。
自動化できない現金払いの記帳のやり方は、現金出納帳の付け方と合わせ方で扱っています。なお、自動化できる分もできない分も、帳簿や領収書は一定期間の保存が必要です。保存のルールは国税庁タックスアンサー「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」でも確認できます(青色申告でも帳簿づけと保存が求められます)。
安全に使うための注意点
連携サービスのセキュリティを理解する
口座連携と聞くと不安に感じる方もいますが、主要なクラウド会計サービスは通信の暗号化など、相応のセキュリティ対策を講じています。とはいえ、自分自身でできる対策も大切です。利用にあたっての安全性の考え方は、各サービスの公式情報もあわせてご確認ください。
自分でできる基本のセキュリティ対策
推測されにくいパスワードを設定し、使い回さない
二段階認証など、提供されている保護機能を有効にする
共有のパソコンや不特定多数が使う端末でログインしたままにしない
こうした基本を押さえておけば、利便性と安全性を両立させながら自動化のメリットを受けられます。
自動取得は万能ではないと心得る
金融機関側の仕様変更などで、一時的にデータの取得が止まることがあります。連携に任せきりにせず、ときどき残高や取引が正しく取り込まれているかを確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 口座連携をすると、銀行のお金を勝手に動かされる心配はありませんか?
口座連携で会計ソフトが取得するのは、あくまで入出金の「記録(データ)」であり、送金や引き出しといったお金を動かす操作はできない仕組みが一般的です。記帳のためにデータを読み取るだけ、と理解しておくとよいでしょう。それでも不安な場合は、各サービスがどこまでの権限を持つのかを事前に確認しておくと安心です。
Q. 連携できない銀行や、古い取引はどうすればよいですか?
連携に対応していない金融機関の場合でも、ネットバンキングからCSVファイルなどで明細をダウンロードし、会計ソフトに取り込めることがあります。また、連携で取得できるのは一定期間より前の取引が含まれないこともあるため、過去分はファイル取り込みや手入力で補うことになります。
Q. 自動で提案された勘定科目は、そのまま信じて大丈夫ですか?
提案はあくまで「候補」であり、必ず正しいとは限りません。特に使い始めの時期は、提案された科目が事業の実態に合っているかを必ず確認してください。同じ取引先でも内容によって科目が変わることがあるため、最終的な判断は利用者が行うものと考えておきましょう。
仕組みを一度つくれば記帳はラクになる
銀行口座とクラウド会計の連携は、事業用口座を用意し、ネットバンキングと会計ソフトをつないで、取り込んだデータを確認していくという流れで進めます。最初の設定と科目の整理に少し手間はかかりますが、一度仕組みをつくってしまえば、毎月の記帳は確認して承認するだけの作業へと様変わりします。
とはいえ、初期設定や勘定科目の振り分けには、ある程度の会計の知識が求められます。「設定でつまずいた」「提案された科目が正しいのか自信が持てない」という段階で立ち止まってしまう方も少なくありません。
領収書丸投げドットコムは、領収書や請求書を郵送・スマホ撮影で送っていただくだけで、記帳から確定申告書類の作成までを代行します。何枚でも月額6,600円(税込)の定額で、契約の縛りもありません。記帳の自動化と丸投げ、どちらが合うか無料で相談することができ、相談は無料です。始め方が気になるときは申し込みから開始までの流れを見ると、最短でいつ始められるかがわかります。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








