個人事業主が住宅ローンを組むには|審査と確定申告書の関係を解説
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確定申告

個人事業主が住宅ローンを組むとき、審査では確定申告書の「所得金額」と複数年の所得の推移が返済能力の判断材料になります。会社員との違い、審査で実際に見られるポイント、そして節税と審査のジレンマまで、準備の考え方を整理して解説します。
マイホームの購入を考え始めたとき、個人事業主の多くがぶつかるのが「住宅ローンの審査」という壁です。「会社員に比べて通りにくいらしい」「確定申告書を何年分も求められると聞いた」といった話を耳にして、申し込む前から不安になっている方もいるのではないでしょうか。安定した収入があっても、その安定性をどう証明するかが個人事業主ならではの課題になります。仕組みを先に理解しておけば、計画的に準備を進められます。
☑ 個人事業主は住宅ローンの審査が厳しいと聞いて不安だ
☑ 確定申告書のどこが審査で見られるのかわからない
☑ 節税で所得を抑えてきたが、ローンに不利になるのか心配だ
個人事業主の住宅ローン審査の基本
まずは、なぜ個人事業主の審査が会社員と異なるのかを理解しましょう。
会社員との違いは「収入の証明方法」
会社員は、勤務先が発行する源泉徴収票によって安定した給与収入を示せます。一方、個人事業主は事業の業績が年によって変動しやすいため、金融機関は確定申告書をもとに収入の安定性を判断します。つまり、収入を証明する書類が源泉徴収票から確定申告書に変わるのが大きな違いです。
複数年分の確定申告書を求められる
個人事業主の審査では、直近の確定申告書を複数年分求められるのが一般的です。単年だけでなく数年分を見ることで、収入が安定して継続しているかを金融機関は確認します。一年だけ業績がよくても、変動が大きいと評価されにくいことがあります。
事業の継続年数も見られる
開業してからの年数も審査の要素になります。事業を始めて間もないと実績が少なく、安定性を判断しづらいため、ある程度の継続実績があるほうが評価されやすい傾向があります。
審査で見られる確定申告書のポイント
では、確定申告書の具体的にどこが見られるのでしょうか。
注目されるのは「所得金額」
金融機関が特に重視するのが、確定申告書に記載される「所得金額」です。これは売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた後の利益にあたります。返済能力はこの所得をもとに判断されるため、売上が大きくても所得が小さいと、評価が思ったほど伸びないことがあります。所得金額がどのように計算されるのか、その全体像は国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1000.htm)で確認できます。
所得の安定性と推移
数年分の所得が安定しているか
所得が大きく落ち込んだ年がないか
右肩下がりの傾向になっていないか
金融機関は単年の数字だけでなく、複数年の所得の推移を見て安定性を評価します。年ごとのばらつきが大きいと、慎重に判断される場合があります。複数の店舗や屋号で事業を営んでいる場合の帳簿の分け方は、複数の屋号・複数店舗を持つ個人事業主の確定申告で整理しています。
申告内容に一貫性があるか
確定申告書の内容に不自然な点がないか、一貫性があるかも見られます。正確で整った帳簿に基づいた青色申告は、それ自体が事業の信頼性を示す材料になります(国税庁タックスアンサーNo.2070「青色申告制度」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)。なお青色申告は要件を欠くと承認が取り消されることもあり、その条件と再申請の流れは青色申告が取り消される条件と再申請の方法で確認できます。日頃から正確な記帳を続けていることが、審査の場面でも生きてきます。
「節税で所得を抑える」ことのジレンマ
ここで、多くの個人事業主が直面する悩みに触れておきます。
節税と審査は逆方向に働くことがある
日頃から経費をしっかり計上し、所得を抑えて税負担を軽くしている方は少なくありません。ところが住宅ローンの審査では、その「抑えた所得」が返済能力の評価に直結します。つまり、税金を抑えることと、ローン審査で有利になることが、ときに逆方向に働くのです。
住宅購入を見据えた所得の考え方
近い将来に住宅ローンを検討しているなら、申告で示される所得をどう見せるかも視野に入れておく必要があります。ただし、これは「経費を不正に減らす」という意味ではありません。あくまで、事業に必要な経費を正しく計上したうえで、適正な所得を申告するという前提は変わりません。実態に即した正確な申告こそが、信頼される申告書につながります。世帯で複数の事業や収入がある場合の所得の示し方は、夫婦ともに個人事業主の確定申告も参考になります。
計画的な準備が鍵になる
住宅ローンの審査では複数年分の申告書が見られるため、購入を思い立ってすぐに対応できるものではありません。数年単位で計画的に準備を進め、正確で整った確定申告を積み重ねておくことが、いざというときの審査を後押しします。正確で一貫性のある申告書を無理なく積み重ねるには、日々の記帳を任せる記帳代行という手もあります。
審査に向けて準備しておきたいこと
具体的に、どんな備えをしておくとよいかを整理します。
確定申告書を整理して保管する
複数年分の確定申告書をすぐに提出できるよう、控えを整理して保管しておきましょう。電子申告をしている場合も、提出した内容を確認できる状態にしておくと安心です。
正確な記帳を日常的に続ける
領収書を受け取ったらためずに整理する
収入と経費をこまめに記録する
申告直前に慌てて作り込まない
正確で一貫性のある帳簿は、信頼される確定申告書の土台です。日常的な記帳の積み重ねが、審査での評価にもつながります。
所得以外に整えておきたい要素
住宅ローンの審査では、所得だけでなく総合的な状況が見られます。すでにほかの借り入れがある場合は、その返済状況も判断材料になります。日頃から返済を滞りなく続けている実績は、信用の積み重ねとして評価されます。借り入れの状況を一度整理し、無理のない返済計画を立てておくことも、住宅購入に向けた準備のひとつです。
申し込み前に確認しておきたいこと
いざ住宅ローンを申し込む前に、個人事業主として確認しておきたい点をまとめます。
必要書類を早めにそろえる
確定申告書の控えのほか、本人確認書類や事業に関する資料など、申し込みには複数の書類が必要になります。直前になって慌てないよう、何が必要かを早めに把握し、手元に整理しておきましょう。特に確定申告書は複数年分を求められることが多いため、過去分をすぐ取り出せる状態にしておくことが大切です。
金融機関ごとの違いを知る
必要な申告書の年数は金融機関によって異なる
個人事業主への対応にも差がある
商品ごとに条件が定められている
住宅ローンの審査基準や必要書類は、金融機関や商品によって異なります。一つの結果だけで判断せず、複数の選択肢を比較検討することも、自分に合った条件を見つける助けになります。
無理のない資金計画を立てる
審査に通ることがゴールではなく、その後の返済を無理なく続けられることが何より大切です。事業の所得は年によって変動しやすいため、収入が落ち込んだ年でも返済を続けられるよう、余裕をもった資金計画を立てておきましょう。日々の帳簿で事業の状況を正確に把握できていれば、こうした計画も立てやすくなります。
よくある質問
Q. 個人事業主は住宅ローンを組めないのですか?
そんなことはありません。会社員と証明の方法が異なるだけで、安定した所得を確定申告書で示せれば住宅ローンを組むことは十分可能です。複数年分の正確な申告を積み重ねておくことが大切です。
Q. 確定申告書は何年分くらい必要ですか?
金融機関や商品によって異なりますが、直近の数年分を求められるのが一般的です。具体的な必要年数は申し込み先の金融機関で確認してください。いずれにせよ、過去の申告書をすぐ出せるように整えておくと安心です。
Q. 経費を多く計上していると審査に不利ですか?
経費を計上した結果として所得が小さくなると、返済能力の評価がその分控えめになることはあります。ただし、必要な経費を正しく計上すること自体は正当です。住宅購入を見据えるなら、適正な範囲で所得をどう申告するか、早めに計画しておくとよいでしょう。
今日から始める住宅ローンの申告準備
個人事業主が住宅ローンを組むうえで、確定申告書は収入の安定性と返済能力を示す最も重要な書類です。審査では売上ではなく「所得金額」が見られ、しかも単年ではなく複数年の推移と一貫性が評価されます。会社員と証明の方法が違うだけで、正確な申告を積み重ねていれば、住宅ローンは十分に手の届くものです。一方で、節税のために所得を抑えることと審査で有利になることは、ときに逆方向に働きます。だからこそ、住宅購入を視野に入れているなら、数年単位で計画的に、正確で整った確定申告を続けておくことが何よりの準備になります。
「住宅ローンを見据えて、これまでの確定申告を整えておきたい」「複数年分の申告書を正確にそろえたいが自信がない」——記帳代行の現場でも、こうしたご相談をよくお受けします。領収書丸投げドットコムなら、領収書を送っていただくだけで、日々の記帳から確定申告書類の作成までを代行し、一貫性のある正確な申告書を整えます。何枚でも定額・税理士監修で、将来の大きな買い物に向けた土台づくりをご一緒できます。整った申告書で審査に備える方法を相談してみるところから始めてみてください。相談は無料です。申告そのものを任せたい方は確定申告代行もご覧いただけます。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








