準確定申告とは?家族が亡くなったときの確定申告の期限と手続きを解説
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確定申告

準確定申告とは、亡くなった方のその年の所得を相続人が代わりに申告する手続きで、期限は相続を知った日の翌日から4か月以内です。必要になるケースや期限、手続きの流れ、控除や還付金の扱いまでを、はじめての方にもわかるように整理します。
ご家族が亡くなられた直後は、葬儀や役所への届出、相続の話し合いなど、やるべきことが次々と押し寄せてきます。そんな中で「故人が個人事業主だったけれど、確定申告はどうすればいいの?」という疑問に直面し、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。亡くなった方に代わって相続人が行う確定申告を「準確定申告」といいます。通常の確定申告とは期限も申告する人も異なるため、まずは基本の違いから確認していきましょう。
☑ 家族が亡くなったが、故人の確定申告が必要なのかわからない
☑ 「準確定申告」という言葉を初めて聞いて戸惑っている
☑ 期限や必要書類を知って、早めに準備しておきたい
準確定申告とは?通常の確定申告との違い
亡くなった方の所得を相続人が申告する制度です
準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)のその年の所得について、相続人が代わりに行う確定申告のことです。確定申告は本来、本人が翌年に行うものですが、年の途中で亡くなった場合は本人が申告できません。そのため、相続人が引き継いで申告と納税を行う仕組みになっています。確定申告そのものの基本は、国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」で確認できます。申告だけでなく、納税の義務も相続人が引き継ぐ点を覚えておきましょう。
対象期間は「1月1日から亡くなった日まで」
準確定申告の対象となるのは、その年の1月1日から亡くなった日までの所得です。たとえば9月に亡くなった場合は、1月から亡くなった日までの売上や経費をまとめて申告します。亡くなった日より後に発生した収入は、原則として相続人側の所得として扱われます。年の途中までの所得を区切って申告するという点では、病気・療養で年の途中に休業した個人事業主の確定申告と似た整理の考え方が参考になります。
大きく違うのは「期限」と「申告する人」
通常の確定申告は翌年2月16日から3月15日が申告期間ですが、準確定申告はこのスケジュールとは別に、独自の期限が設けられています。また、申告するのは相続人であり、相続人が複数いる場合は原則として全員が連名で手続きを行う点も大きな特徴です。
準確定申告が必要なケース・不要なケース
必要になる主なケース
次のような場合は、準確定申告が必要になる可能性が高いといえます。
故人が個人事業主・フリーランスとして事業をしていた
家賃収入などの不動産収入があった
給与を2か所以上から受け取っていた
土地や株式などの売却による所得があった
不要なケースもあります
故人の収入が一定額以下の年金のみだった場合や、勤務先の年末調整だけで納税が完結する給与のみだった場合などは、準確定申告が不要なこともあります。判断に迷うときは、故人の収入の種類と金額を整理したうえで、税務署や専門家に確認すると安心です。
義務がなくても申告すると還付されるケース
報酬から源泉徴収された税金や予定納税があった場合、医療費を多く支払っていた場合などは、準確定申告をすることで税金が還付される可能性があります。義務の有無だけでなく、「申告すると戻ってくるお金があるか」という視点でも確認してみましょう。
準確定申告の期限・提出先・必要書類
期限は「相続を知った日の翌日から4か月以内」
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から4か月以内です。納税もこの期限までに行う必要があります。通常の確定申告よりも短いスケジュールのうえ、葬儀や相続の手続きと並行して進めることになるため、早めに着手することが何より大切です。期限の日付は亡くなった日によって人それぞれ異なるため、まずはご自身のケースの期限日をカレンダーに書き込むところから始めましょう。
提出先は故人の納税地の税務署です
提出先は、相続人の住所地ではなく、亡くなった方の納税地(一般的には自宅の住所地)を管轄する税務署です。故人と離れて暮らしていた場合は提出先を間違えやすいので注意しましょう。e-Taxによる電子申告にも対応しています。帳簿づけが手つかずのまま短い期限が迫っているなら、準確定申告を含む申告代行に任せて期限に間に合わせるのも一つの選択肢です。
確定申告書とあわせて「付表」を提出します
準確定申告では、通常の確定申告書に加えて、相続人全員の氏名や相続分などを記載する「付表」を添付します。そのほか、故人の帳簿や請求書・領収書、源泉徴収票、控除証明書などをもとに申告書を作成します。故人の書類がどこにあるかわからない場合は、郵便物や預金通帳の入出金履歴が手がかりになります。
控除や還付金の取り扱いで注意したいポイント
医療費控除は「亡くなった日までに支払った分」が対象
故人の医療費控除の対象になるのは、亡くなった日までに故人が支払った医療費です。医療費控除の基本的な要件は国税庁タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」で確認できます。亡くなった後に相続人が支払った入院費などは、故人の準確定申告では控除できません(生計を一にしていた相続人自身の医療費控除の対象になる場合があります)。領収書の支払日を確認しながら整理しましょう。
社会保険料や生命保険料の控除も「死亡日まで」が基準
社会保険料控除や生命保険料控除、地震保険料控除なども、亡くなった日までに支払った分が準確定申告の対象です。また、配偶者控除や扶養控除は、亡くなった日時点の状況で判定することとされています。
還付金は相続財産として扱われます
準確定申告で受け取った還付金は、故人の財産として相続財産に含まれ、相続税の計算対象になります。反対に、準確定申告で納めた所得税は債務として相続財産から差し引くことができます。相続税の申告が必要な方は、準確定申告の結果も忘れずに反映しましょう。
準確定申告をスムーズに進めるコツ
まずは故人の収入と支出の資料を集めましょう
準確定申告で最も時間がかかるのは、申告書の作成そのものよりも資料集めです。次のようなものを手がかりに、故人の収入と支出を整理していきましょう。
預金通帳やネットバンキングの入出金履歴
請求書・領収書・レシートの綴り
取引先から届く支払調書や源泉徴収票
保険料や年金の控除証明書などの郵便物
事業を引き継ぐ場合は相続人側の手続きも必要です
故人の事業を相続人が引き継ぐ場合には、準確定申告とは別に、引き継ぐ相続人自身の開業の届出や、青色申告の承認申請などが必要になります。とくに青色申告の承認申請には提出期限が定められているため、事業を続ける予定のある方は、準確定申告と並行して早めに確認しておきましょう。青色申告の要件や取り消しの条件は青色申告が取り消される条件と再申請の方法にまとめられています。また、家族で事業を営んでいた場合は誰が引き継いで申告するかも整理が必要で、家族で一つの事業を営むときの申告と分担の考え方が役立ちます。
よくある質問
Q. 期限の4か月を過ぎてしまったらどうなりますか?
納税が必要な申告の場合、期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかる可能性があります。期限後であっても、自主的に早く申告するほど負担は軽くなる傾向にあるため、気づいた時点ですぐに手続きを進めましょう。
Q. 相続人が複数いる場合は誰が申告するのですか?
原則として相続人全員が連署して1つの申告書を提出します。各相続人が個別に提出する方法も認められていますが、その場合は他の相続人に申告内容を通知する必要があります。実務では代表者を決めて一括で進めるのが一般的です。
Q. 前年分の確定申告がまだ終わっていない場合は?
前年分の申告をすべき方が、申告期限前(1月1日から3月15日)に申告しないまま亡くなった場合は、前年分についても相続人が準確定申告を行います。期限は同じく、相続を知った日の翌日から4か月以内です。2年分をまとめて進めることになるため、より早めの準備が大切です。
準確定申告は期限4か月、早めの着手が安心の近道
準確定申告は、亡くなった方のその年の所得を相続人が代わりに申告する手続きで、期限は相続を知った日の翌日から4か月以内と、通常より短く設定されています。故人が個人事業主だった場合は必要になるケースが多く、帳簿や領収書の整理から始めなければならないため、想像以上に時間がかかるものです。
医療費控除や還付金の扱いなど、通常の確定申告とは異なる注意点もありますが、ポイントを押さえて進めれば決して難しい手続きではありません。資料集めや帳簿の整理は、相続人どうしで分担すると負担が軽くなります。ご家族にとって大変な時期だからこそ、無理をせず、専門家の力も借りながら一つずつ進めていきましょう。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








