確定申告と住民税申告の違い|どちらが必要かをやさしく解説
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確定申告

確定申告は国に納める所得税、住民税申告は自治体に納める住民税の手続きで、納める相手も申告先も違います。しかも確定申告をすれば住民税申告は原則不要です。どちらが必要かを、所得が少ない年の注意点まで整理します。
確定申告について調べていると、ふと「住民税申告」という言葉に出会って戸惑うことがあります。どちらも税金にまつわる申告なのに、名前が違う。自分はどちらをすればいいのか、両方必要なのか——似ているようで役割の異なる2つの手続きは、混同しやすいポイントです。2つの関係を知っておけば、二重の手間に悩まずに済みます。
☑ 「確定申告」と「住民税申告」の違いがよくわからない
☑ 所得が少ない年は、何の手続きをすればよいのか迷っている
確定申告と住民税申告は「納める税金」が違う
2つの申告の違いを理解する近道は、「どの税金についての申告なのか」を分けて考えることです。
確定申告は「国の税金」についての手続き
確定申告は、その年の所得をもとに所得税を計算し、国(税務署)に対して行う手続きです。1年間の収入から経費や各種控除を差し引いて所得を確定させ、納めるべき所得税の額を申告します。事業を営む方や一定の所得がある方が対象になります。確定申告が必要になる人の範囲は、国税庁タックスアンサーNo.2020「確定申告」で確認できます。
住民税申告は「お住まいの自治体の税金」についての手続き
一方の住民税申告は、お住まいの市区町村に対して、住民税を計算するための所得を申告する手続きです。住民税はお住まいの自治体に納める税金で、申告先も税務署ではなく市区町村の窓口になります。納める相手も申告先も違う、というのが2つの大きな違いです。住民税の基本的なしくみは、総務省の個人住民税の解説で確認できます。
表にすると違いがわかりやすい
確定申告:国に納める所得税についての手続きで、申告先は税務署
住民税申告:自治体に納める住民税についての手続きで、申告先は市区町村
どちらも「1年間の所得をもとに税額を決める」点は共通している
名前が似ているので混同しがちですが、「国か自治体か」で分けて覚えると、頭の中が整理しやすくなります。どちらも前の年の所得をもとに計算するという土台は同じなので、まったく別物というよりは、同じ所得情報を別の窓口に伝える手続き、とイメージするとよいでしょう。
確定申告をすれば住民税申告は原則いらない
「両方やらないといけないの?」という不安に対する答えは、多くの場合「いいえ」です。ここが最も安心できるポイントといえます。
情報は自治体に共有される
確定申告を行うと、その内容はお住まいの自治体にも共有される仕組みになっています。そのため、確定申告をした方は、あらためて住民税申告をする必要は原則ありません。1回の手続きで、所得税と住民税の両方の計算に使われると考えるとわかりやすいでしょう。
住民税申告が必要になるのはどんなとき
所得が少なく、確定申告の義務がないため確定申告をしない場合
確定申告をしない一方で、自治体に所得を伝えておく必要がある場合
所得がなかった年でも、自治体から申告を求められる場合
なぜ自治体に所得を伝える必要があるのか
住民税は前の年の所得をもとに計算されますが、自治体は自動的にすべての人の所得を把握できるわけではありません。確定申告をしていれば、その情報が共有されるため自治体は所得を把握できます。しかし確定申告をしない場合、自治体には所得の情報が届かないことがあります。住民税申告は、この「情報の橋渡し」をする役割を持っているのです。だからこそ、確定申告をしない方ほど、住民税申告が必要かどうかを意識しておく必要があります。
所得が少ない・なかった年こそ注意したい
意外と見落とされがちなのが、「所得が少ない、あるいはなかった年」の取り扱いです。何もしないでよいと思い込んでしまうと、後で困ることがあります。
申告しないと「所得が不明」のままになる
確定申告も住民税申告もしないと、自治体には所得の情報が伝わりません。すると、所得が少なかったこと自体が記録されず、「所得が不明」の状態になってしまいます。これが思わぬ場面で不都合を生むことがあります。年の途中で休業して所得が少なかった年は、病気・療養で休業した年の確定申告もあわせて参考になります。
所得を申告しておくと役立つ場面
所得を証明する書類(課税証明書など)が必要になったときに発行してもらえる
保険料や各種制度の判定に、正しい所得情報が反映される
収入が少なかった年でも、それを公的に示せる状態になる
所得を証明する書類は、住まいを借りるときや、各種の手続きで「収入の状況」を示す必要がある場面で求められることがあります。申告をしていないと、こうした書類をスムーズに発行してもらえないことがあります。収入が少なかった年こそ「申告するほどの所得はないから」と思い込みがちですが、所得が少ないという事実を正しく記録に残しておくこと自体に意味がある、と考えておくと安心です。引っ越しや二拠点生活で住所の扱いに迷う場合は、地方移住・二拠点生活を始めた人の確定申告(支援金と住所の扱い)も確認しておくとよいでしょう。
自分にはどちらが必要かを整理する
ここまでを踏まえ、自分のケースに当てはめて考えてみましょう。判断の軸はシンプルです。
確定申告をする人
事業所得があるなど、確定申告の義務がある方や、還付を受けたい方は確定申告を行います。この場合、前述のとおり住民税申告は原則不要です。確定申告の中で住民税の計算に必要な情報もカバーされるためです。自分が確定申告をすべきか判断がつかない方は、所得の整理から申告まで任せる確定申告代行という方法もあります。所得が少ない年こそ、どの手続きが要るのか分からないというご相談をよくいただきます。
確定申告をしない人
確定申告の義務がなく、確定申告をしない方でも、自治体に所得を伝える必要がある場合は住民税申告を検討します。所得がなかった年も含め、自分が住民税申告の対象になるかは、お住まいの市区町村の案内で確認すると確実です。受け取ったお金が課税されるかどうか迷うときは、クラウドファンディング・支援を受けた人の所得区分と課税の有無も参考になります。
申告に必要な準備と確認先
どちらの申告をするにしても、準備するものや確認先を知っておくと手続きがスムーズです。あらかじめ把握しておきましょう。
共通してそろえておきたいもの
1年間の収入や経費がわかる資料(収入の記録、領収書など)
源泉徴収票や、控除を受けるための証明書類
本人確認のための書類やマイナンバーがわかるもの
迷ったときの確認先
確定申告に関する内容は税務署や国税庁のサイトで、住民税申告に関する内容はお住まいの市区町村の窓口やホームページで確認できます。所得が少なかった年の取り扱いや、自分が申告の対象になるかどうかは自治体によって案内が異なることがあるため、判断に迷うときはお住まいの市区町村に直接たずねるのが確実です。最新の制度については国税庁のサイト等もあわせてご確認ください。
よくある質問
Q. 確定申告をしたら、住民税の手続きも別に必要ですか?
原則として必要ありません。確定申告の内容はお住まいの自治体にも共有され、住民税の計算に使われます。そのため、確定申告をした方が重ねて住民税申告をする必要は通常ありません。
Q. 収入がほとんどなかった年は、何も申告しなくてよいですか?
収入が少なくても、住民税申告をしておいた方がよい場合があります。申告しないと自治体に所得情報が伝わらず、所得を証明する書類が必要になったときに困ることがあります。対象になるかどうかは、お住まいの市区町村の案内でご確認ください。
Q. 確定申告と住民税申告では、申告先が違うのですか?
はい、申告先が異なります。確定申告は国の機関である税務署へ、住民税申告はお住まいの市区町村へ行います。納める税金の種類が違うため、本来の申告先も別になっています。
まとめ:違いを知れば二重の手間に悩まない
確定申告は国に納める所得税、住民税申告はお住まいの自治体に納める住民税についての手続きで、納める相手も申告先も異なります。一見すると両方必要に思えますが、確定申告をすればその情報は自治体にも共有されるため、住民税申告は原則不要です。
注意したいのは、確定申告をしない場合や、所得が少なかった年です。所得を申告しておかないと、後で証明書類が必要になったときなどに困ることがあります。自分がどちらの手続きに当てはまるかを一度整理しておけば、二重の手間に悩むことなく、必要な申告だけに集中できます。
自分は確定申告をすべきなのか、住民税申告だけでよいのか——その入り口で立ち止まってしまう前に、まとめて相談してしまうのが早道です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








