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障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除|対象...

2026/9/8

障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除|対象条件と控除額を解説

  • 確定申告

障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除は、対象になれば所得税と住民税を軽くできる所得控除です。障害者控除は27万〜75万円、ひとり親控除は35万円、寡婦控除は27万円が所得から差し引かれます。誰が対象で、いくら控除されるのかを、混同しやすい点とあわせて整理します。

確定申告でよく知られている控除といえば、医療費控除や生命保険料控除あたりでしょうか。一方で、障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除は、対象になる方が限られるためか、制度の存在自体を知らないまま見過ごされてしまうことが少なくありません。受けられるはずの控除を使わなければ、その分だけ税金を多く払うことになってしまいます。まずは3つの控除の全体像から押さえていきましょう。

☑ ひとり親控除と寡婦控除の違いがよくわからない

☑ 自分や家族が障害者控除の対象になるのか判断できない

☑ 受けられるはずの控除を見落として損をしていないか心配

これらの控除に共通する考え方

事情に応じて税負担を軽くする所得控除

障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除は、いずれも所得から一定額を差し引く「所得控除」です。所得が減ればその分だけ税率をかけるもとの金額が小さくなり、所得税や住民税が軽くなります。所得控除がどのように税額に効いてくるかは、国税庁タックスアンサーNo.1000「所得税のしくみ」(所得税のしくみ|国税庁)で確認できます。病気や障害、配偶者との死別や離婚など、それぞれの事情に応じて担税力が小さくなることを考慮した制度です。

複数の控除を同時に受けられる場合もある

これらの控除は、条件を満たせば複数を同時に受けられることがあります。たとえば、障害のある子どもを育てるひとり親であれば、障害者控除とひとり親控除の両方が対象になり得ます。自分や家族の状況を一つひとつ確認していくことが、見落としを防ぐコツです。

会社員と違い自分で申告する必要がある

会社員であれば、これらの控除の多くは年末調整で会社が処理してくれます。しかし個人事業主やフリーランスの場合は、自分で確定申告書に記載しないかぎり控除は反映されません。制度を知らなければ、そもそも申告のしようがないということです。だからこそ、まずは「自分や家族の事情がどの控除に当てはまるのか」を知っておくことが、節税の第一歩になります。こうした控除を反映した申告書の作成までまとめて任せたい場合は、確定申告を丸ごと任せる方法もあります。療養で年の途中に休業した年など、事情が重なる年の申告の考え方は病気・療養で年の途中に休業した個人事業主の確定申告も参考になります。

障害者控除の対象と控除額

本人だけでなく家族も対象になる

障害者控除は、納税者本人が障害者である場合のほか、生計を一にする配偶者や扶養親族が障害者である場合にも受けられます。所得の条件を満たす扶養親族であれば、その人の年齢が16歳未満であっても障害者控除の対象になる点が特徴です。家族の誰が申告するかで控除の付け方が変わることもあり、世帯での分担は家族で事業を営むときの申告と分担が参考になります。

区分ごとの控除額

障害者控除は、障害の程度や同居の状況によって控除額が分かれています。

  • 障害者:27万円

  • 特別障害者:40万円

  • 同居特別障害者:75万円

特別障害者とは、身体障害者手帳の1級・2級、精神障害者保健福祉手帳の1級などに該当する重度の方を指します。その特別障害者と同居している場合には、控除額がさらに手厚くなります。

判定のもとになる書類

障害者控除の対象かどうかは、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などをもとに判定されます。また、要介護認定を受けている高齢者などについては、市区町村から「障害者控除対象者認定書」が発行されることがあり、これによって控除を受けられる場合もあります。手帳を持っていないからと諦めず、お住まいの市区町村に相談してみることをおすすめします。

16歳未満の子でも対象になる

通常の扶養控除は16歳未満の子どもが対象外となりますが、障害者控除はこれと扱いが異なります。生計を一にする扶養親族が障害者であれば、その年齢が16歳未満であっても障害者控除を受けることができます。小さなお子さんに障害がある場合でも控除の対象になり得るということです。この点は見落とされやすいので、しっかり押さえておきましょう。

ひとり親控除の対象と控除額

令和2年から新設された控除

ひとり親控除は、婚姻歴の有無にかかわらず、ひとりで子どもを育てている人を対象に新しく設けられた控除です。控除額は35万円で、男性・女性を問わず適用されます。次の3つの条件をすべて満たすことが必要です。

  • その年の12月31日時点で婚姻をしていない、または配偶者の生死が明らかでないこと

  • 生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)がいること

  • 本人の合計所得金額が500万円以下であること

「子」がいることが要件

ひとり親控除では、扶養している子がいることが大きなポイントです。ここでいう子は、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。なお、事実上の婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいる場合は、ひとり親控除を受けることはできません。夫婦がともに個人事業主で世帯として申告を考えるときの整理は、夫婦ともに個人事業主の確定申告も参考になります。

寡婦控除の対象と控除額

ひとり親に該当しない女性が対象

寡婦控除は、ひとり親控除に該当しない女性のうち、一定の条件を満たす人が受けられる控除で、控除額は27万円です。配偶者と死別または離婚した後に再婚していないことなどが条件となり、本人の合計所得金額が500万円以下であることも必要です。

子ではなく扶養親族の有無で分かれる

離婚の場合は、子以外の扶養親族(たとえば親など)がいることが条件になります。死別の場合は、扶養親族の有無を問わず対象になり得ます。ひとり親控除が「子を育てる人」を対象にしているのに対し、寡婦控除はそれ以外の事情を広くカバーする位置づけと考えるとわかりやすいでしょう。

男性は寡婦控除の対象外

寡婦控除は女性のみが対象です。男性でひとりで子どもを育てている場合は、ひとり親控除の対象になります。かつては「寡夫控除」という男性向けの制度がありましたが、現在はひとり親控除に統合されています。

住民税にも影響する

障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除は、所得税だけでなく住民税の計算にも反映されます。控除額は所得税と住民税で金額が異なりますが、確定申告書に記載しておけば、その内容は住民税にも引き継がれるため、別途市区町村へ手続きをする必要はありません。住民税の仕組みは総務省「個人住民税」(個人住民税|総務省)で確認できます。さらに、これらの控除があることで、住民税の非課税の判定に関わってくる場合もあります。一度の申告が、複数の税金の負担に影響してくるということです。

よくある質問

Q. ひとり親控除と寡婦控除は両方受けられますか?

いいえ、両方を同時に受けることはできません。ひとり親控除に該当する場合はひとり親控除が優先され、寡婦控除は適用されません。まずひとり親控除の条件を確認し、該当しない場合に寡婦控除を検討するという順番になります。

Q. 障害者手帳を持っていなくても障害者控除を受けられますか?

場合によっては受けられます。たとえば要介護認定を受けている高齢者などは、市区町村が発行する「障害者控除対象者認定書」によって障害者控除の対象と認められることがあります。お住まいの市区町村の窓口に確認してみるとよいでしょう。

Q. 控除を受けるには確定申告で何が必要ですか?

確定申告書に各控除の区分や金額を記入することで適用されます。手帳の種類や等級、扶養親族の情報などを正しく記載することが大切です。書類の添付が求められる場合もありますので、最新の取り扱いは国税庁サイト等でご確認ください。

知らないと損をする「配慮の控除」を見直す

障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除は、生活上の事情を抱える方の税負担を軽くするための控除です。障害者控除は本人や家族の障害の程度に応じて27万円から75万円、ひとり親控除は子を育てる人に35万円、寡婦控除はひとり親に該当しない女性に27万円が控除されます。条件を満たせば複数の控除が重なることもあります。これらの控除は対象になる方が限られるため、制度を知らないまま見過ごされがちですが、知っているかどうかで納める税金は確実に変わります。自分や家族の状況に当てはまるものがないか、一度落ち着いて確認してみましょう。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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