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配偶者控除と配偶者特別控除|個人事業主の...

2026/7/19

配偶者控除と配偶者特別控除|個人事業主の場合の条件をやさしく解説

  • 確定申告

配偶者控除と配偶者特別控除は、本人と配偶者の双方の所得で判断するのが基本です。個人事業主は「売上」ではなく経費や青色申告特別控除を差し引いた後の「所得」で考えます。2つの控除の違い、個人事業主ならではの注意点、専従者給与との関係までを条件つきで整理します。

確定申告の書類を前にして、「配偶者控除と配偶者特別控除、どちらに当てはまるのだろう」と手が止まった経験はありませんか。名前が似ていて条件も金額で細かく分かれているため、混乱してしまう方がとても多い項目です。さらに個人事業主は、自分の所得の計算方法が会社員とは違うため、「そもそも自分が控除を受けられる側なのか」が分かりにくくなりがちです。順番にほどいていきましょう。

☑ 配偶者控除と配偶者特別控除の違いがよく分からず、自分が受けられる側なのかも判断できない

☑ 配偶者がパートで働いていて、いくらまでなら控除が受けられるのか気になる

配偶者控除・配偶者特別控除とは

まずは、2つの控除がそれぞれどのような制度なのか、基本のイメージをつかんでおきましょう。どちらも「所得控除」と呼ばれる、税金の計算のもとになる金額を減らす仕組みです。

所得控除という考え方

所得控除とは、税金を計算する前に、一定の金額を所得から差し引いてくれる仕組みのことです。差し引かれる分だけ課税のもとになる金額が小さくなり、結果として税金が安くなります。配偶者控除・配偶者特別控除は、生活を共にする配偶者がいる場合に受けられる所得控除です。配偶者控除の要件は国税庁タックスアンサーNo.1191「配偶者控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm)で確認できます。

2つの控除の役割の違い

ざっくり言うと、配偶者の収入が少ない場合に使うのが配偶者控除、配偶者の収入が控除の対象から少し増えてきたときに使うのが配偶者特別控除です。配偶者特別控除は、収入が増えた途端に控除がゼロになって手取りが減ってしまうことを防ぐため、配偶者の所得に応じて控除額が段階的に変わる仕組みになっています。段階的な控除額の区分は、国税庁タックスアンサーNo.1195「配偶者特別控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm)で確認できます。

個人事業主が控除を受けるための前提

個人事業主が配偶者控除・配偶者特別控除を受ける場合、押さえておきたい前提があります。会社員とは所得の計算が異なる点に注意しましょう。

申告する本人の所得にも条件がある

これらの控除は、配偶者の所得だけでなく、申告する本人(=控除を受ける側)の所得にも上限があります。本人の合計所得金額が一定額を超えると、控除額が段階的に減り、さらに高くなると受けられなくなります。個人事業主の場合、ここでいう所得は「売上」ではなく、売上から経費や青色申告特別控除を差し引いた後の「所得」で判断する点が重要です。

個人事業主ならではの注意点

会社員は給与収入から判断しますが、個人事業主は事業の利益(所得)で判断します。そのため、売上が大きくても経費や控除を差し引いた所得が基準内であれば、控除を受けられることがあります。夫婦がともに個人事業を営んでいる場合の所得の考え方は、夫婦ともに個人事業主の場合の確定申告で詳しく整理しています。

  • 判断のもとになるのは売上ではなく所得

  • 青色申告特別控除を引いた後の金額で考える

  • 本人と配偶者、双方の所得を確認する必要がある

配偶者の所得と控除の関係

次に、配偶者の側の収入がどのくらいなら、どちらの控除に当てはまるのかを見ていきましょう。よく耳にする「○○万円の壁」も、この考え方が背景にあります。

配偶者控除の対象になる場合

配偶者の年間の合計所得金額が一定額以下であれば、配偶者控除の対象になります。配偶者がパート・アルバイトの給与収入だけの場合、給与所得控除を差し引いた後の所得で判断します。いわゆる「103万円の壁」は、この給与収入のラインを指して語られることが多いものです。

配偶者特別控除の対象になる場合

配偶者の所得が配偶者控除の上限を少し超えても、一定の範囲内であれば配偶者特別控除を受けられます。この控除は、配偶者の所得が増えるにつれて控除額が少しずつ減っていく設計になっており、収入が増えた瞬間に世帯の手取りが大きく落ち込まないよう配慮されています。具体的な金額の区分は改正されることがあるため、最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。控除の判断も含めて申告を任せたい方は、控除計算を含めた確定申告の代行という方法もあります。

配偶者が事業を手伝っている場合の注意

個人事業主の世帯では、配偶者が事業を手伝っているケースも多くあります。この場合、配偶者控除との関係に特有の注意点があります。誰がどの所得を申告するかで結論が変わるため、家族で一つの事業を営むときの申告の分担もあわせて確認しておくと理解が深まります。

専従者給与との関係

青色申告で配偶者に「青色事業専従者給与」を支払い、それを経費にしている場合、その配偶者については配偶者控除・配偶者特別控除を受けることはできません。専従者給与として経費にする方法と、配偶者控除を受ける方法は、両方同時には使えない仕組みになっています。青色事業専従者給与の要件は、国税庁タックスアンサーNo.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm)で確認できます。

どちらが有利かは状況による

専従者給与を活用するか、配偶者控除を受けるかは、事業の状況や配偶者の働き方によって有利・不利が変わります。配偶者が事業をしっかり手伝っていて、相応の給与を支払える状況であれば、専従者給与のほうが世帯全体で有利になることもあります。一方、手伝いが軽い場合や事業の利益が小さい場合は、配偶者控除を選ぶほうがシンプルなこともあります。一概にどちらがよいとは言えないため、両方の方法を比べて検討することが大切です。なお、専従者給与を使うには青色申告の承認が前提となるため、承認が取り消される条件を知っておきたい方は青色申告が取り消される条件と再申請も確認しておくと安心です。

  • 専従者給与は実際に支払い、届け出が必要

  • 専従者給与を使うと、その配偶者は配偶者控除の対象外

  • どちらが有利かは所得や働き方で変わる

扶養の「壁」との混同に注意

配偶者控除・配偶者特別控除は所得税や住民税の話ですが、世間でよく語られる「扶養の壁」には、社会保険(健康保険や年金)の扱いも含まれています。税金の控除が受けられるかどうかと、社会保険上の扶養に入れるかどうかは、別の基準で判断されます。両者を混同すると思わぬ勘違いにつながるため、税金の話と社会保険の話を切り分けて考えることが大切です。

よくある質問

Q. 個人事業主の私の所得が高いと、配偶者控除は受けられないのですか?

はい、控除を受ける本人の合計所得金額が一定額を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除の額は段階的に減り、さらに高くなると受けられなくなります。ここでの所得は売上ではなく、経費や青色申告特別控除を差し引いた後の金額で判断します。まずはご自身の所得がどのくらいかを整理してみましょう。

Q. 「103万円の壁」「150万円の壁」とは何ですか?

これらは、配偶者の給与収入の目安としてよく語られる金額です。おおまかには、一定額までは配偶者控除、それを超えて一定の範囲までは配偶者特別控除の対象になる、という区切りを指しています。ただし金額の基準は改正されることがあり、社会保険の扱いとも混同されやすいため、最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。

Q. 配偶者控除を受けるには、何か書類を提出する必要がありますか?

個人事業主が配偶者控除・配偶者特別控除を受ける場合は、確定申告書の所定の欄に配偶者の氏名や所得などを記入して申告します。配偶者の所得が分かる資料(パート先の源泉徴収票など)を手元に用意しておくと、記入がスムーズです。控除の適用には正確な所得の把握が欠かせません。

まとめ|控除の判断は本人と配偶者の所得から

配偶者控除と配偶者特別控除は、名前が似ていて条件も細かいため難しく感じられますが、ポイントは「本人と配偶者、双方の所得で判断する」という一点に集約されます。特に個人事業主の場合は、売上ではなく経費や青色申告特別控除を差し引いた後の所得で考えること、そして専従者給与との関係に注意することが大切です。これらの控除を正しく使えるかどうかで、世帯全体の税負担は変わってきます。金額の基準は改正されることもあるため、迷ったときは最新情報を確認し、一人で抱え込まずに相談できる相手を持っておくと安心です。

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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。

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