月次決算のすすめ|毎月の経理で確定申告を楽にする方法
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税務

月次決算は毎月経理を締める習慣で、取り入れると確定申告の直前に慌てず、資金繰りや毎月の利益もその都度つかめます。月次決算の意味・進め方・確定申告が楽になる理由を、はじめての方にもわかるように整理します。
確定申告の季節がやってくるたび、机に積み上がった領収書や通帳の山と格闘する。多くの個人事業主が、毎年そんな思いを繰り返しているのではないでしょうか。一年分をまとめて処理しようとすると、記憶もあいまいになり、ミスや見落としも起こりがちです。「もっと計画的にやればよかった」と反省しながら、また同じことを繰り返してしまう。その悪循環から抜け出す鍵が「月次決算」です。
☑ 確定申告の時期になると、一年分の領収書を前にいつも憂うつになる
☑ 経理を後回しにして、気づけば数か月分がたまってしまう
☑ 今月いくら儲かったのか、リアルタイムで把握できていない
月次決算とは何をすることなのか
月次決算とは、一か月ごとに経理を区切って締めていく取り組みです。年に一度の確定申告を待たず、毎月の数字をその都度まとめることで、事業の状態を細かく把握できるようになります。まずは年次決算との関係から見ていきましょう。
年次決算との関係
確定申告のためにまとめる一年分の集計を年次決算と呼びます。月次決算は、その年次決算を12回に分けて少しずつ進めていくイメージです。毎月の積み重ねがそのまま年度末の集計につながるため、最後にまとめてやる負担が大幅に軽くなります。一気に登ろうとすると険しい山も、毎月少しずつ登れば無理なく頂上にたどり着ける、と考えると分かりやすいかもしれません。
毎月締めるという考え方
「締める」とは、その月の取引をすべて記録し終え、数字を確定させることを指します。月が変わったら前月分はもう触らない、というけじめをつけることで、記帳の遅れや先延ばしを防げます。完璧を目指すより、まずは毎月区切りをつける習慣そのものが大切です。記帳のやり方そのものに不安がある方は、個人事業主の帳簿の付け方入門で単式簿記と複式簿記の違いから確認しておくと、毎月の作業がスムーズになります。
月次決算で見えてくるもの
毎月数字をまとめると、これまで見えにくかった事業の実態がはっきりしてきます。もうけの推移、資金繰りの見通し、納税の準備という、経営判断の材料が手元にそろうようになります。
毎月のもうけの推移
月ごとに売上と経費を締めると、どの月に利益が出てどの月が苦しいのか、流れがつかめます。季節によって売上が変動する事業なら、その波を数字で確認でき、繁忙期や閑散期に向けた準備もしやすくなります。前の月や前の年の同じ月と比べることで、事業が伸びているのか、それとも勢いが落ちているのかも見えてきます。感覚ではなく数字で自分の事業を捉えられるようになると、次に何をすべきかの判断もしやすくなります。
資金繰りの見通し
毎月の入金と支払いを把握できると、これから手元のお金がどう動くのか見通しが立ちます。大きな支払いが重なる月を事前に知っておけば、資金が足りなくなる事態を避けやすくなります。
利益の出ている月・出ていない月が分かる
経費の使いすぎに早く気づける
納税に備えてお金を取り分けやすくなる
毎月締める習慣があると、個人事業主の帳簿づけでよくある間違い10選で挙げられるような取り違えにも、記憶が新しいうちに気づいて直せます。
納税の準備がしやすくなる
毎月のもうけが見えていると、年間でおおよそどのくらいの所得になりそうかが早い段階で見当をつけられます。利益が大きく出ている年は、それに応じて納める税金も増えます。月次でその傾向をつかんでおけば、あらかじめ納税用のお金を取り分けておくことができ、申告のあとで「思っていた以上に納税額が大きくて慌てた」という事態を防げます。お金の動きを先回りして把握できることは、精神的な余裕にもつながります。
月次決算の進め方
難しく考える必要はありません。毎月決まった作業を繰り返すだけなので、一度流れをつかめば自然と身についていきます。基本の手順から確認しましょう。
毎月のおおまかな手順
その月の領収書・請求書・通帳の記録を集める
収入と支出をすべて記帳する
通帳や現金の残高と帳簿が合っているか確認する
試算表などでその月の数字を見て振り返る
毎月の記帳の基本的な進め方は、国税庁の「記帳のしかた」でも確認できます。なお、白色申告の場合でも記帳と帳簿の保存は義務づけられており、その内容は国税庁タックスアンサーNo.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」で確認できます。
続けるためのコツ
月次決算を習慣にする最大のコツは、作業日を決めてしまうことです。たとえば「毎月10日は前月分の経理をする日」と決めておけば、後回しにしにくくなります。最初から完璧にやろうとせず、まずは続けることを優先しましょう。書類は月ごとに分けて保管しておくと、集める手間も減ります。カード払いの経費が多い方は、クレジットカード明細と領収書の関係を先に押さえておくと、毎月の記帳が滞りません。
会計ソフトの活用
会計ソフトを使えば、入力した仕訳から月ごとの集計が自動で出てきます。銀行口座やカードの明細を連携させれば、入力の手間そのものを減らすこともできます。キャッシュレス決済の売上が中心なら、キャッシュレス売上・決済手数料の記帳と科目の選び方もあわせて確認しておくと、毎月の集計が安定します。道具をうまく使って、続けやすい仕組みをつくるのがおすすめです。
無理のない範囲から始める
最初から精密な月次決算を目指すと、かえって続かなくなりがちです。まずは「毎月、領収書を集めて記帳を終わらせる」という基本だけでも構いません。慣れてきたら、残高の確認や数字の振り返りを加えていく、というように段階的に充実させていくと長続きします。毎月の記帳そのものに手が回らないなら、記帳代行という進め方を取り入れ、月次の数字だけを受け取る形にする方法もあります。大切なのは、自分にとって無理のないペースを見つけることです。
月次決算で確定申告が楽になる理由
月次決算の最大の恩恵は、なんといっても確定申告の負担が劇的に減ることです。まとめ作業がなくなり、ミスや漏れも防げる——その仕組みを見てみましょう。
まとめ作業がなくなる
毎月締めていれば、年度末にやることは12か月分を合算して整理するだけです。一年分の領収書を一から仕分けする、という重労働がなくなり、申告期間に追われずに済みます。申告の直前になって慌てて作業する必要がないため、内容をていねいに見直す余裕も生まれ、結果として申告全体の質も高まります。
ミスや漏れを防げる
取引から時間が経つほど、内容を思い出すのは難しくなります。毎月処理していれば記憶も新しく、不明な点もその場で確認できるため、記帳の正確さが保たれます。結果として、申告内容への安心感も高まります。日々記帳を代行していると、月ごとに記録が届く事業者ほど、申告期のやり取りが少なく済むと感じます。なお、年度をまたぐ調整や年度ごとに変わる取り扱いについては、最新情報を国税庁サイト等でご確認ください。
よくある質問
Q. 月次決算は個人事業主にも必要ですか?
法律で義務づけられているわけではありませんが、取り入れる価値は十分にあります。毎月の数字を把握できることで経営判断がしやすくなり、確定申告の負担も軽くなります。規模の大小にかかわらず、続けられる範囲で始めてみる意義は大きいといえます。
Q. 毎月締めるのは大変そうです。簡単にする方法はありますか?
会計ソフトの自動連携を使う、書類を月ごとに分けて保管する、作業日をあらかじめ決めておく、といった工夫で負担は大きく減らせます。それでも続けるのが難しい場合は、記帳作業を外部に任せるという選択肢もあります。
Q. これまで一度もやってこなかったのですが、途中から始めても大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。思い立った月から始めれば構いません。過去の分をさかのぼって完璧にする必要はなく、まずは今月分から区切りをつけていくことで、徐々にリズムが整っていきます。
まとめ|毎月の小さな習慣が一年の経理を変える
月次決算は、確定申告の負担を減らすだけの作業ではありません。毎月のもうけや資金の流れが見えるようになることで、事業のかじ取りそのものが変わっていきます。一年分をまとめて処理する苦しさから解放され、数字を味方につけられるのです。大切なのは、完璧さよりも継続です。作業日を決め、書類を整理し、毎月ひと区切りつける。その小さな積み重ねが、申告期の安心と、落ち着いた経営につながっていきます。
とはいえ、本業をこなしながら毎月の経理を欠かさず続けるのは、決して簡単ではありません。記帳代行の料金・対応範囲:領収書丸投げドットコムの個人事業主向け基本プランは月額6,600円(税込)。仕訳入力から月次試算表の作成まで対応し、領収書の枚数による追加料金はありません。初期費用は0円で、過去分は依頼開始月から申込月までの料金を初回にまとめて請求します。法人、農業・漁業・酪農・畜産業、士業、医師、整骨院は別途お見積もり。確定申告書の作成・提出は月額料金に含まれず、税込55,000円から、税理士との別途契約となります。各プランの料金・初回請求例を確認する。毎月の経理を仕組み化して申告期を軽くする方法を相談する(無料)。確定申告代行サービス。
【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








