扶養控除の仕組み|対象になる家族と控除額をやさしく解説
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確定申告

扶養控除は、配偶者以外の親族を養う人の所得から38万〜63万円を差し引ける所得控除です。対象になる家族の4つの条件、年齢による控除額の違い、確定申告での書き方までやさしく解説します。記入漏れは税金の払いすぎにつながります。
「家族を養っているのだから、その分だけ税金が安くなるはず」。そう感じていても、扶養控除という制度の中身まで正確に理解している方は意外と少ないものです。誰が対象になるのか、収入はいくらまで許されるのか、控除額はいくらなのか。確定申告のたびに迷ってしまう個人事業主の方も多いのではないでしょうか。仕組みさえ押さえれば、けっして難しい制度ではありません。
☑ 親や子どもを扶養しているけれど、控除の対象になるのかわからない
☑ 扶養控除でいくら税金が安くなるのか、金額のイメージがつかめない
☑ 家族のパート収入がいくらまでなら扶養に入れるのか不安
扶養控除とはどんな制度か
家族を養う人の税負担を軽くする所得控除
扶養控除とは、納税者に「扶養親族」がいる場合に、その人数や年齢に応じて一定額を所得から差し引ける制度です。所得が小さくなれば、その分だけ計算のもとになる金額が減り、結果として所得税や住民税が軽くなります。生活を支えるべき家族がいる人ほど、担税力(税金を負担できる力)が小さいという考え方にもとづいた仕組みです。
「控除」とは差し引くこと
控除という言葉は「差し引く」という意味です。扶養控除は所得控除に分類され、税率をかける前の所得から金額を引きます。たとえば控除額が38万円であれば、所得が38万円少なく計算されるということです。実際に減る税金は「控除額×税率」となるため、控除額がそのまま戻ってくるわけではない点に注意しましょう。すべての人に適用される基礎控除(国税庁タックスアンサーNo.1199)など、ほかの所得控除と合わせて所得を圧縮していくイメージです。
扶養控除の対象になる家族の条件
4つの要件をすべて満たすこと
扶養控除の対象となる扶養親族とは、その年の12月31日時点で次の条件をすべて満たす人をいいます。
配偶者以外の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)であること
納税者と生計を一にしていること
年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与収入のみなら103万円以下)
青色申告者の事業専従者として給与を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと
配偶者は扶養控除の対象外
意外に間違えやすいのが、配偶者の扱いです。夫や妻は扶養控除ではなく、別の「配偶者控除」または「配偶者特別控除」の対象になります。配偶者に関わる控除は国税庁タックスアンサーNo.1191「配偶者控除」で確認でき、扶養控除はあくまで配偶者以外の親族が対象です。親、子、祖父母、孫、兄弟姉妹などが代表的な対象者にあたります。
「生計を一にする」とは同居だけではない
生計を一にするとは、必ずしも同居している必要はありません。仕事や学業、療養のために別居していても、生活費や学費、療養費などを定期的に送金していれば、生計を一にしていると認められます。地方で暮らす親に仕送りをしているケースや、下宿している大学生の子どもも対象になり得ます。なお、扶養に入れる家族が一時的にまとまった収入(たとえばクラウドファンディングの支援金など)を得た年は、その所得の数え方で扶養の可否が変わることがあり、クラウドファンディングを受けた人の所得区分もあわせて確認しておくと判断を誤りません。
年齢による控除額の違い
区分ごとの控除額
扶養控除の金額は、対象となる親族の年齢によって変わります。主な区分は次のとおりです。
一般の控除対象扶養親族(16歳以上):38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円
老人扶養親族(70歳以上・同居以外):48万円
老人扶養親族(70歳以上・同居している父母など):58万円
大学生世代と高齢の親で手厚くなる
特定扶養親族の枠が大きいのは、教育費の負担が重くなりやすい19歳から22歳ごろの子どもを想定しているためです。また、同居している高齢の親を養っている場合は控除額が上乗せされます。年齢はその年の12月31日時点で判定されるため、年末にかけて誕生日を迎える家族がいる場合は区分が変わることがあります。
16歳未満は扶養控除の対象外
16歳未満の子どもは扶養控除の対象外です。これは児童手当の制度と整理されたためで、控除はなくなりましたが、住民税の非課税判定などでは扶養親族として扱われる場合があります。確定申告書には16歳未満の子どもも記載する欄があるので、忘れずに書いておきましょう。
所得税と住民税で控除額が異なる
扶養控除の控除額は、所得税と住民税で金額が異なる点も覚えておきたいポイントです。たとえば一般の扶養親族の場合、所得税では38万円ですが、住民税では33万円となります。確定申告書に扶養親族を記入すると、その情報は住民税の計算にも自動的に引き継がれるため、別々に手続きをする必要はありません。所得税の負担だけでなく、翌年度の住民税の軽減にもつながると考えると、記入漏れを防ぐ意識が一段と高まるはずです。
確定申告での扶養控除の書き方
申告書の第二表に家族の情報を記入する
確定申告では、扶養親族の氏名、続柄、生年月日、マイナンバーなどを申告書の第二表に記入します。その内容が第一表の所得控除額へと反映される流れです。会社員のように年末調整で完結しないため、個人事業主は自分で正しく記載する必要があります。家族で一つの事業を営んでいて誰が申告するか整理しきれていない場合は、家族で一つの事業を営むときの申告の分担も参考にしてください。
記入漏れは払いすぎにつながる
扶養親族がいるのに記入を忘れると、本来受けられる控除を受けられず、税金を多く払ってしまうことになります。逆に、所得条件を超えた家族をうっかり扶養に入れてしまうと、あとから修正を求められることもあります。家族それぞれの年間所得を正しく把握しておくことが大切です。夫婦ともに個人事業主なら、夫婦ともに個人事業主の世帯で損しない申告の考え方も、どちらが誰を扶養に入れるかの判断に役立ちます。控除の反映もれをなくして申告まで整えたい方は、控除を反映した確定申告を代行に任せる方法もあります。
マイナンバーの記載も忘れずに
扶養親族を申告する際には、その家族のマイナンバー(個人番号)の記載が求められます。番号がわからないと申告書を完成させられないため、確定申告の時期になって慌てないよう、家族の番号を事前に確認しておくとスムーズです。とくに離れて暮らす親を扶養に入れる場合は、早めに連絡を取って準備しておくと安心でしょう。記載に不備があると控除の確認に時間がかかることもあるため、丁寧に確認しておきたいところです。
よくある質問
Q. 別居している親も扶養控除の対象になりますか?
はい、対象になり得ます。同居していなくても、生活費を定期的に仕送りするなどして生計を一にしており、その親の合計所得金額が48万円以下であれば扶養親族に該当します。送金の記録を残しておくと安心です。
Q. パートをしている子どもは扶養から外れますか?
給与収入のみであれば、年間103万円を超えると合計所得金額が48万円を超え、扶養控除の対象外になります。103万円以下に収まっていれば、アルバイトをしていても扶養に入れることができます。なお、税金の扶養と社会保険の扶養は基準が異なる点にご注意ください。
Q. 年の途中で扶養していた親が亡くなった場合はどうなりますか?
その年に一度でも扶養の条件を満たしていれば、年末に亡くなっていてもその年は扶養控除を受けられます。年齢などの判定は原則12月31日時点ですが、亡くなった場合はその死亡の時の現況で判定します。
まとめ|仕組みを知れば扶養控除はこわくない
扶養控除は、養うべき家族がいる人の税負担を軽くするための大切な制度です。対象になるのは配偶者以外の親族で、生計を一にしていること、年間の合計所得金額が48万円以下であることなどが条件になります。控除額は年齢によって38万円から63万円までと幅があり、特に大学生世代の子どもや同居の高齢の親がいる場合は手厚くなります。
ポイントは、家族それぞれの所得を正しく把握し、確定申告書に漏れなく記入することです。記入を忘れると税金を払いすぎてしまうこともあります。条件や金額が複雑に感じられるときは、無理にひとりで抱え込まず、専門家の手を借りるのもひとつの方法です。なお、控除額や条件の最新情報は国税庁サイト等でご確認ください。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








