青色申告決算書の書き方|損益計算書・貸借対照表のポイントをやさしく解説
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確定申告

青色申告決算書は、損益計算書・内訳明細・貸借対照表の4ページで構成され、明細から順に埋めれば初心者でも作れます。各ページの役割と書き方のポイント、65万円控除の要件までを具体的に整理します。
青色申告の大きな魅力は、最大65万円の青色申告特別控除をはじめとする税金面のメリットです。その恩恵を受けるために避けて通れないのが「青色申告決算書」の作成ですが、損益計算書や貸借対照表といった専門用語が並ぶため、簿記になじみのない方にはハードルが高く感じられるかもしれません。各ページの役割がわかれば、作成までの見通しはぐっと立てやすくなります。
☑ 4ページもある青色申告決算書を前に、何から書けばよいか途方に暮れている
☑ 損益計算書・貸借対照表という言葉は聞くものの、意味がよくわからない
☑ 65万円控除を受けたいが、自分のやり方で要件を満たせているか自信がない
青色申告決算書とは?4ページの構成を知ろう
確定申告書とセットで提出する決算書類
青色申告決算書は、青色申告を行う個人事業主が確定申告書に添付して提出する書類で、1年間の事業の成績と財産の状況をまとめたものです。事業所得用のほかに不動産所得用などの様式もありますが、ここでは多くの方が使う一般用(事業所得用)を前提に解説します。確定申告書だけでは所得金額がどのように計算されたのかが伝わりません。その計算の根拠を示すのが、この決算書の役割です。
各ページの役割
1ページ目:損益計算書(売上・経費・利益のまとめ)
2ページ目:月別の売上や給料賃金などの内訳
3ページ目:減価償却費の計算、地代家賃の内訳など
4ページ目:貸借対照表(資産と負債のまとめ)
つまり、1ページ目の損益計算書を2〜3ページ目の明細が裏付け、4ページ目の貸借対照表が財産の状況を示すという構成です。実際に作成するときは、明細にあたる2〜3ページ目から埋めていくとスムーズに進みます。
損益計算書(1ページ目)の書き方
売上金額は「入金日」ではなく「提供した日」で計上
損益計算書には、まず1年間の売上(収入)金額を記入します。重要なのは、入金日ではなく商品を引き渡した日やサービスを提供した日を基準に計上することです。年末に納品して入金が翌年になる売上も、その年の売上に含めます。商品を扱う事業では、年初と年末の棚卸高をもとに売上原価を計算する欄もあります。棚卸のある業種の処理は、畜産農家の棚卸・飼料費・素畜費の処理のような業種別の例も参考になります。
経費は科目ごとに1年分を集計して記入
租税公課、水道光熱費、旅費交通費、通信費、接待交際費、消耗品費など、経費はあらかじめ印字された科目ごとに1年分を集計して記入します。当てはまる科目がない支出は、空欄に科目名を追加して記載できます。日々の帳簿づけの段階で科目を統一しておくと、この集計作業が格段に楽になります。屋号や店舗が複数ある場合の帳簿の分け方は、複数の屋号・店舗の帳簿の分け方で確認できます。なお、自宅兼事務所の家賃や通信費のように事業と私生活の両方にかかわる支出は、事業で使った割合分だけを経費に計上する「家事按分」の考え方で処理します。
専従者給与と青色申告特別控除の欄
家族に支払った給与を経費にできる「青色事業専従者給与」や、青色申告特別控除の金額もこのページに記入します。売上から経費を差し引き、さらに控除を引いた金額が、確定申告書に転記する所得金額になります。青色事業専従者給与の要件は、国税庁タックスアンサーNo.2075「青色事業専従者給与と事業専従者控除」で確認できます。家族への専従者給与を検討する場合は、家族で一つの事業を営むときに誰が申告するかもあわせて参考になります。
2〜3ページ目(内訳・明細)の書き方
月別売上金額・仕入金額
2ページ目には、売上と仕入を月ごとに記入する欄があります。月別の数字の合計は、1ページ目の売上金額と一致していなければなりません。帳簿の月次集計をそのまま転記していきましょう。商品を自家用に使った分を記載する「家事消費」の欄もここにあります。
給料賃金・専従者給与の内訳
従業員や専従者がいる場合は、氏名・従事月数・支給額などを記入します。該当がなければ空欄のままで問題ありません。支給額は源泉徴収簿や給与台帳と突き合わせて確認しましょう。
減価償却費の計算
パソコンや車など一定額以上の資産は、購入した年に全額を経費にするのではなく、耐用年数に応じて分割して経費化します。これが減価償却です。3ページ目の計算欄に資産の名称・取得価額・耐用年数・償却率などを記入し、その年分の償却費を計算します。地代家賃や税理士報酬の内訳欄も同じページにあります。
貸借対照表(4ページ目)の書き方
貸借対照表は「財産のスナップショット」
貸借対照表は、年初(1月1日)と年末(12月31日)時点の資産・負債などの状況を一覧にした表です。現金や預金、売掛金といった「資産」を左側に、買掛金や借入金などの「負債」と、資本にあたる「元入金」などを右側に記入し、左右の合計額は必ず一致します。1年間の事業の動きを写真のように切り取って見せる書類、とイメージするとわかりやすいでしょう。
記入でつまずきやすいポイント
事業用と私用の口座が混ざっていて、預金残高が帳簿と合わない
売掛金・買掛金の計上漏れで左右の合計がずれる
事業主貸・事業主借の使い分けがわからず混乱する
事業のお金を私用に使ったら「事業主貸」、私用のお金を事業に入れたら「事業主借」と覚えておくと整理しやすくなります。左右が一致しないときは、帳簿への入力漏れや二重計上がないかをさかのぼって確認しましょう。
65万円控除を受けるための条件を確認しよう
複式簿記と貸借対照表の添付が前提
青色申告特別控除のうち55万円の控除を受けるには、複式簿記で記帳し、損益計算書と貸借対照表を添付して期限内に申告することが必要です。さらに、e-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿保存の要件を満たすと、控除額は65万円になります。簡易な記帳による場合の控除は10万円です。控除額と要件の詳細は、国税庁タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」で確認できます。そもそも青色申告をするには、原則としてその年の3月15日まで(年の途中で開業した場合は開業から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しておく必要がある点にも注意してください。せっかくの青色申告を無効にしないために、青色申告が取り消される条件と再申請の方法も確認しておくと安心です。
日々の記帳が決算書づくりの土台
決算書は、1年分の帳簿の集大成です。会計ソフトを使えば、日々の取引を入力するだけで損益計算書や貸借対照表のもとになるデータが自動で集計され、手計算より大幅に負担を減らせます。逆に言えば、帳簿づけが滞っていると、決算書の作成は一気に苦しくなります。レシートや請求書をためこまず、月に一度でも記帳の時間を確保することが、結果的に申告期の自分を助けてくれます。複式簿記の記帳が続かない場合は、複式簿記の記帳を任せる記帳代行という選択もあります。65万円控除は受けたいのに帳簿づけが追いつかない、というご相談は実際によくいただきます。
よくある質問
Q. 貸借対照表が作れない場合、青色申告はできませんか?
青色申告自体は可能です。ただし、貸借対照表を添付しない場合の青色申告特別控除は10万円となり、55万円・65万円の控除は受けられません。控除額の差は税額に大きく影響するため、複式簿記での記帳に挑戦するか、専門家への依頼を検討する価値があります。
Q. 経費の科目分けに迷ったときはどうすればよいですか?
科目分けに唯一の正解があるわけではなく、実態に合った科目で継続して処理することが大切です。「雑費」に寄せすぎず、内容がわかる科目を選びましょう。同じ性質の支出は毎年同じ科目で処理するのが基本です。
Q. 青色申告決算書はいつまでに提出しますか?
確定申告書と同じく、原則として翌年2月16日から3月15日までの申告期間内に、確定申告書に添付して提出します。65万円・55万円の控除は期限内申告が要件のひとつなので、余裕をもって準備を始めることをおすすめします。
まとめ|決算書は日々の記帳の積み重ねで完成する
青色申告決算書は、損益計算書で1年間の利益を、貸借対照表で財産の状況を示す書類です。2〜3ページ目の明細から順に埋めていけば、全体の構成は決して複雑ではありません。65万円控除の要件も意識しながら、早めに準備を進めましょう。
一方で、複式簿記での記帳や貸借対照表の作成には、どうしても一定の時間と知識が必要です。本業に集中したい方ほど、記帳まわりを外部に任せるという選択が、結果的に大きなプラスになることも少なくありません。
「65万円控除は受けたいけれど帳簿づけが続かない」——そんな方は、複式簿記の記帳ごと手放してしまうのが確実です。
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【本記事の監修】
領収書丸投げドットコム 責任者 山下
個人事業主・フリーランス専門の記帳代行サービス「領収書丸投げドットコム」(運営:それいけ株式会社)の責任者として、日々の記帳代行・確定申告サポートの実務知見に基づき本記事の内容を確認しています。本記事は、国税庁など公的機関の公表情報をもとに作成しています。








